CRE戦略

企業の不動産戦略(CRE)で重要な減価償却の最適化

税金・コスト

評価・調査

不動産投資

バリューアップ

企業の不動産戦略(CRE)で重要な減価償却の最適化

減価償却は、企業不動産戦略(CRE)において重要なポイントです。減価償却は損益計算にも影響し、キャッシュフローに大きく関わります。減価償却の目的は投下資本の回収ですが、再投資戦略との整合性にも注目しなければなりません。
企業の経営環境が急速に変化するなか、再投資のサイクルを短縮した戦略も求められています。この記事では、減価償却に焦点をあてたCRE戦略について解説します。

資産価値を最大化するための不動産戦略をサポート
売却・査定について

購入について

目次

  1. 減価償却の仕組みと方法
    1. 耐用年数と減価償却
    2. 減価償却方法の種類
  2. 節税効果によるキャッシュフローの改善
    1. 損益計算と減価償却
    2. キャッシュフローシミュレーション
  3. 企業経営におけるCRE戦略
    1. 企業価値の向上と不動産
    2. 企業不動産の有効活用
  4. CRE戦略における減価償却の最適化
    1. 建物・設備の陳腐化と再投資
    2. 減価償却効果を最大にする戦略
  5. 減価償却の最適化で企業価値を高めよう
減価償却の仕組みと方法

減価償却とは、建物や設備などの資産を使用することによって価値が減少するため、その減少分を「費用」として計上する仕組みのことです。

減価償却が制度として始まったのは明治36年で、当初は海運業で使用される船舶が対象でした。建物への減価償却の適用が認められたのは大正7年です。

減価償却の目的は、建物や設備といった資産に投下した資金(資本)を回収することです。つまり、将来それらの資産が劣化して更新時期を迎えた際に、新しい資産へ投資できるよう、資本を準備することを意味します。

減価償却には、資産の種類に応じた耐用年数が定められています。

事業に供する不動産には土地や建物そしてさまざまな設備が含まれ、これらは「事業用資産」と位置づけられます。このなかで、土地は経年によって価値が減少しないため、償却資産に該当しません。土地以外の建物や設備には、種類ごとに耐用年数が定められており、減価償却はその期間に基づいて行われます。なお、減価償却期間を任意で短くしたり、長くしたりすることは認められていません。

減価償却は投下資本の回収を目的としていますが、会計上は「費用の計上」であり、別の表現では「経費」となります。

事業に供する不動産を、取得した年度に一括で経費として処理する考え方もありますが、この場合、その年度のみ損益計算上大きな赤字となり、翌年度以降は経費が極端に減少するため、利益が大きくなります。

このような考え方は、同一会計期間に生じた収益と費用を対応させなければならないとする「費用収益対応の原則」に反するため認められず、減価償却によって所定の期間に費用を配分することとされています。

出典:企業会計基準委員会「第二 損益計算書原則」

建物の耐用年数がはじめて定められたのは、昭和7年の「固定資産減価償却準則」です。その後はたびたび改訂され、現在は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」により細かく定められています。

下記の表は建物の構造区分別に耐用年数を表したものです。

構造 細目 耐用
年数(年)
木造・合成樹脂造 事務所用 24
店舗用・住宅用 22
飲食店用 20
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用 17
公衆浴場用 12
工場用・倉庫用(一般用) 15
木骨モルタル造 事務所用 22
店舗用・住宅用 20
飲食店用 19
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用 15
公衆浴場用 11
工場用・倉庫用(一般用) 14
鉄骨鉄筋コンクリート造
・鉄筋コンクリート造
事務所用 50
住宅用 47
飲食店用
延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの
34
その他 41
旅館用・ホテル用
延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの
31
その他 39
店舗用・病院用 39
車庫用 38
公衆浴場用 31
工場用・倉庫用(一般用) 38
れんが造・石造・ブロック造 事務所用 41
店舗用・住宅用・飲食店用 38
旅館用・ホテル用・病院用 36
車庫用 34
公衆浴場用 30
工場用・倉庫用(一般用) 34
金属造 事務所用 4㎜を超えるもの 38
3㎜を超え、4㎜以下 30
3㎜以下 22
店舗用・
住宅用
4㎜を超えるもの 34
3㎜を超え、4㎜以下 27
3㎜以下 19
飲食店用・
車庫用
4㎜を超えるもの 31
3㎜を超え、4㎜以下 25
3㎜以下 19
旅館用・
ホテル用・
病院用
4㎜を超えるもの 29
3㎜を超え、4㎜以下 24
3㎜以下 17
公衆浴場用 4㎜を超えるもの 27
3㎜を超え、4㎜以下 19
3㎜以下 15
工場用・
倉庫用
(一般用)
4㎜を超えるもの 31
3㎜を超え、4㎜以下 24
3㎜以下 17
構造
細目 耐用年数(年)
木造・合成樹脂造
事務所用 24
店舗用・住宅用 22
飲食店用 20
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用 17
公衆浴場用 12
工場用・倉庫用(一般用) 15
木骨モルタル造
事務所用 22
店舗用・住宅用 20
飲食店用 19
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用 15
公衆浴場用 11
工場用・倉庫用(一般用) 14
鉄骨鉄筋コンクリート造・
鉄筋コンクリート造
事務所用 50
住宅用 47
飲食店用
延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの
34
その他 41
旅館用・ホテル用
延べ面積のうちに占める木造内装部分の面積が30%を超えるもの
31
その他 39
店舗用・病院用 39
車庫用 38
公衆浴場用 31
工場用・倉庫用(一般用) 38
れんが造・石造・ブロック造
事務所用 41
店舗用・住宅用・飲食店用 38
旅館用・ホテル用・病院用 36
車庫用 34
公衆浴場用 30
工場用・倉庫用(一般用) 34
金属造
事務所用 4㎜を超えるもの 38
3㎜を超え、4㎜以下 30
3㎜以下 22
店舗用・住宅用 4㎜を超えるもの 34
3㎜を超え、4㎜以下 27
3㎜以下 19
飲食店用・車庫用 4㎜を超えるもの 31
3㎜を超え、4㎜以下 25
3㎜以下 19
旅館用・
ホテル用・病院用
4㎜を超えるもの 29
3㎜を超え、4㎜以下 24
3㎜以下 17
公衆浴場用 4㎜を超えるもの 27
3㎜を超え、4㎜以下 19
3㎜以下 15
工場用・
倉庫用(一般用)
4㎜を超えるもの 31
3㎜を超え、4㎜以下 24
3㎜以下 17

出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

関連記事:法定耐用年数から考える企業不動産の戦略的活用

建物の減価償却の方法は、次の2つです。

1.定額法:固定資産の建物の取得費から毎年一定額を償却

2.定率法:固定資産の建物の取得費から毎年一定率を償却

定額法・定率法にはそれぞれ、耐用年数に応じて「償却率」が定められています。なお、平成10年4月1日以降に取得した建物については、平成19年3月31日以前に取得したものは「旧定額法」、平成19年4月1日以降に取得したものは「定額法」で償却します。

現在は建物に関して定率法を選択できないため、本記事では定額法を中心に解説します。

【主な建物の耐用年数別償却率】

耐用年数(年) 旧定額法(%) 定額法(%)
11 0.090 0.091
12 0.083 0.084
14 0.071 0.072
15 0.066 0.067
17 0.058 0.059
19 0.052 0.053
20 0.050 0.050
22 0.046 0.046
24 0.042 0.042
25 0.040 0.040
27 0.037 0.038
29 0.035 0.035
30 0.034 0.034
31 0.033 0.033
34 0.030 0.030
36 0.028 0.028
38 0.027 0.027
39 0.026 0.026
41 0.025 0.025
47 0.022 0.022
50 0.020 0.020

出典:国税庁「減価償却資産の償却率等表」

【減価償却の計算例】

以下は、鉄筋コンクリート造のオフィスビルを例とした減価償却の計算例です。

  • 取得費:10,000万円
  • 取得年:令和6年
  • 耐用年数:50年
  • 償却率:0.020
  • 減価償却費=10,000万円 × 0.020 = 200万円/年
節税効果によるキャッシュフローの改善

減価償却は税引き前利益を圧縮する効果があり、キャッシュフローの改善をもたらします。以下では、減価償却とキャッシュフローの関係について解説します。

損益計算は、売上から経費を差し引いて求めます。減価償却を含める場合の計算式は以下の通りです。

売上 - 経費 - 減価償却費 = 当期利益

貸借対照表では次のように計算し、資産額が減少します。

期首資産額 - 減価償却費 = 期末資産額

減価償却により費用を計上すると、その分だけ資産の評価額が減少します。ただし、利益が減少したからといって、減価償却費は実際に現金が支出される費用ではないため、キャッシュフローが減少するわけではありません。当期利益が減ることで課税対象となる法人所得も減少するため、減価償却には節税効果があります。

減価償却は、事業用不動産を売却する場合にも、譲渡によって生じる法人所得に影響します。

不動産譲渡における利益の算出方法は、以下の通りです。

譲渡利益 = 売却価額 - 売却する不動産の取得費 - 譲渡費用

売却する不動産の取得費とは、購入価額と購入時の諸経費の合計額から、売却時までの建物の減価償却累計額を差し引いた金額を指します。

譲渡費用には、仲介手数料・測量費・解体費など譲渡のための支出が含まれます。譲渡によって利益が生じた場合は、投下資本がすべて回収できたと判断できます。

損益計算と減価償却の関係について解説しましたが、以下では事業用不動産を例にキャッシュフローをシミュレーションして示します。

前提条件は以下の通りです。

  • 用途:賃貸用オフィスビル
  • 構造:鉄筋コンクリート造(RC造)
  • 不動産取得費:52,000万円(土地:18,000万円 建物:34,000万円・築年数:20年)
  • 建物法定耐用年数:34年(法定耐用年数 - 経過年数) + (経過年数 × 0.2)
  • 貸室面積:140坪
  • 賃料坪単価:1.3万円
  • 借入金:2億円(20年返済、元利均等、金利2.0%)

10年経過時点のキャッシュフローを算出します。対象となるビルは取得時点で耐用年数が34年あるため、減価償却の適用対象です。年間の損益計算データおよび減価償却費は以下の通りです。

  • 満室時年間収入:2,184万円
  • 必要経費:328万円
  • 減価償却費:1,020万円
  • 10年目の返済元金:990万円
  • 10年目の返済利息:240万円

この結果、損益計算とキャッシュフローは次の計算式によって算出されます。

損益計算

2,184 - 328 - 240 - 1,020 = 596万円

キャッシュフロー

2,184 - 328 - 240 - 990 = 626万円

損益計算上、減価償却費は経費に算入できるため、減価償却を行わない場合に比べて税引き前所得は大幅に圧縮されます。

キャッシュフローの計算では、収入から必要経費および融資の元利合計返済額を差し引いた金額が、手元に残るキャッシュです。

なお、損益計算書からキャッシュフローを計算する方法もあります。

計算式は、「税引き前利益 + 減価償却費 - 返済元金」となり、先ほどのキャッシュフロー計算と同じ結果が得られます。

596 + 1,020 - 990 = 626万円

次に、築年数が経過した建物に資本的支出を行った場合の、減価償却およびキャッシュフローについて解説します。

例示は上記のビルの設定に基づき、取得後20年目に資本的支出(大規模なリフォーム工事など)として現金10,000万円を投じたと仮定し、翌年の損益計算とキャッシュフローをシミュレーションします。

  • 資本的支出:10,000万円
  • 満室時年間収入:2,184万円
  • 必要経費:328万円
  • 減価償却費:1,020万円(既存分)
  • 減価償却費:200万円(リフォーム分)

損益計算

2,184 - 328 - 1,020 - 200 = 636万円

キャッシュフロー

2,184 - 328 = 1,856万円

損益計算上は、取得時の返済がなくなることで利益が増額しますが、資本的支出によって減価償却費が増加するため、税引き前利益は10年目時点と比べてわずかな増益に留まります。さらに、融資の返済が終了するため、キャッシュフローは大幅に増加します。

このように、借入金の完済に合わせて再投資を行うことで減価償却費が増額し、利益が圧縮される一方で、キャッシュフローは増加するという効果が生まれます。

減価償却と返済計画との連動によってキャッシュフローを最大化するという考え方は、CRE戦略において重要なものとなるでしょう。

キャッシュフローについては、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:キャッシュフローとは?計算方法から改善の仕方、企業不動産の経営戦略まで解説

CRE戦略とは、企業が所有する不動産を経営管理の対象として捉え、不動産を取得・運用・売却といった各段階で最適な判断を行うことを目的とした考え方です。

CRE戦略が注目されるようになったのは2008年前後で、リーマンショックが発生した時期といわれています。1990年代はじめのバブル崩壊に続く社会・経済的変動により、不動産がリスク資産化したことが契機の1つになったと考えられます。

さらに、近年では、東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)改善要請などを背景に、企業が保有する不動産の価値を見直し、資本効率を高める動きが加速しています。CRE戦略は、単なるコスト削減に留まらず、企業価値そのものを向上させる経営課題として再注目されています。

この章では、CRE戦略の重要なポイントについて解説します。

関連記事:CRE戦略とは?不動産で企業価値を高める中長期的な戦略を詳しく解説

CRE戦略の目的の1つは、企業価値の向上です。

企業は不動産を所有していることが多く、事業目的で運用中のもの、運用方法を模索中のもの、活用方法が見当たらず放置されているものなど、多様な不動産があります。

とくに価値の高い遊休不動産を所有する企業であれば、不動産取得を目的とした企業買収の対象となることもあり、不動産の有効活用は重要な課題の1つです。

また、変化の速い現代においては、事業のライフサイクルが短くなる傾向が強く、事業の転換や多角化、変革などを必要とする局面が増えています。そのため、不動産の活用方法自体も変化していくものと予想されます。

的確なCRE戦略は、事業コストの削減やキャッシュフローの増加などを通じて企業の収益性を高め、資本の再分配による持続的成長を促すとともに、社会から求められるCSRの実現にも寄与するものといえるでしょう。

関連記事:不動産のライフサイクルコスト(LCC)とは?CRE戦略に欠かせないコスト管理と最適化の手法

企業が所有する不動産の有効活用は、さまざまなステークホルダーから求められることが増えています。活用方法の見つからない場合、売却も有効活用の1つの手段です。

企業にとって不動産は重要な経営資源ですが、不動産を所有しない企業にとってもCRE戦略は重要な課題です。

例えば、不動産をあえて所有せず、賃貸借により不動産を活用する事業形態もCRE戦略の一形態といえます。不動産をオフバランス化し、リースバックする方法は近年注目を集めています。

事業のライフサイクルが短い現代では、事業の多角化を図り経営リスクを分散する必要があります。新分野への進出に必要な資金を、遊休不動産の売却によって確保することもCRE戦略の一環です。

このように、CRE戦略はあらゆる企業の経営戦略において重要な要素です。不動産の評価基準は簿価ベースから時価ベースへと変化しています。これにより、所有不動産の評価額が分母に含まれるROA(総資産利益率)や、不動産取得に伴う借入金や金利が影響を及ぼすROIC(投下資本利益率)の改善に、CRE戦略が密接に関連する点にも注目する必要があるでしょう。

この章では、不動産への資本投下を最適な時期に行い、減価償却により生まれる効果を収益性向上に活かす方法=「減価償却の最適化」について解説します。

事業に供する建物や設備の価値は、年を経るにつれて減少します。減価償却は、この価値の減少を会計上で数値化したものですが、事業において経年によって生じる変化のなかでもっとも重要なのは「陳腐化」です。

企業が提供する商品やサービスは、時代遅れ、現在のニーズに合わない、似たようなものがたくさんある、などの陳腐化のスピードが速くなっています。そのため、新商品や新サービスを次々と提供しなければならないケースもあるでしょう。

このような背景から、建物や設備のリニューアル・交換のサイクルも短くなり、法定耐用年数で定められた期間内に初期投資を回収できないまま、更新を求められるケースが増えています。

投資→資本回収→再投資のサイクルが短くなったことで、企業には、減価償却による資本回収に依存せず、再投資を行うための新たな資本調達が求められています。

なお、建物などへの再投資の手段としては、新規建物の買い替えと既存建物のリフォームやリノベーションがあります。

既存建物のリフォームには軽微な修繕工事などがありますが、減価償却の対象になるのは「資本的支出」と税制上判断できる場合に限られます。そのため、再投資額とリフォームや修繕などの対象や範囲に注意が必要です。

資本的支出と判断できる目安は以下のとおりです。

  • 建物などの価値を高め耐久性を増す工事など
  • 費用の額が60万円以上
  • 費用の額が固定資産の前期末取得価額のおよそ10%超

出典:国税庁「資本的支出と修繕費」

減価償却は「投下資本の回収」を目的としていますが、再投資サイクルが短い現代においては、長期的な視点からこのサイクルを戦略的に計画する必要があります。

例えば、資産A・B・C・Dの4つの償却資産が事業に供されている場合、資産Aの減価償却による資本回収分を資産Aのリニューアルに充てるのではなく、資産全体の再投資計画に基づく戦略が重要になるでしょう。

前々章の「キャッシュフローシミュレーション」で見たように、融資返済が終了する時点で再投資を行うと、翌年には減価償却費の増加によりキャッシュフローが大きくなります。

また、再投資が必要になる時点で不動産を売却し、減価償却期間が短い中古不動産を取得するという選択肢もあります。

中古不動産は投下資本の回収期間が短く、少ない資本で収益を上げやすいため、利益率が高くなります。さらに、不動産取得時には借入金を含めた投下資本が抑えられるため、効率的な資本運用が可能です。

下表は、1億円の建物を取得した場合の築年数別の年間減価償却費を示しています。築年数が古いほど、年間減価償却費は大きくなります。

築年数 耐用年数(年) 償却率(%) 年間減価償却費
(万円)
新築 50 0.020 200
築10年 42 0.024 240
築15年 38 0.027 270
築20年 34 0.030 300
築25年 30 0.034 340
築30年 26 0.039 390
築35年 22 0.046 460
築40年 18 0.056 560
築45年 14 0.072 720
築50年 10 0.100 1,000

※耐用年数は(法定耐用年数 - 経過年数) + (経過年数 × 0.2)により算出

償却率は「減価償却資産の償却率等表」の平成19年4月1日以後取得の償却率に基づく

減価償却は投下資本の回収を主な目的としていますが、その期間と償却額は耐用年数によって決まります。

社会の変化スピードが急速化するなか、事業用資産である建物や設備の陳腐化も早まり、耐用年数と再投資が必要になるタイミングとの間に大きな乖離が生じています。

再投資サイクルの短縮を図るには利益率の改善が重要ですが、減価償却費の重要性も一層高まることが予想されます。

事業用資産の取得計画において、中古不動産の比率を高める方針や、減価償却を終えた不動産の早期売却など、減価償却費に焦点を当てたCRE戦略は有効な方法といえるでしょう。

一級建築士、宅地建物取引士
弘中 純一 氏
Junichi Hironaka

国立大学建築工学科卒業後、一部上場企業にてコンクリート系工業化住宅システムの研究開発に従事、その後工業化技術開発を主体とした建築士事務所に勤務。資格取得後独立自営により建築士事務所を立ち上げ、住宅の設計・施工・アフターと一連の業務に従事し、不動産流通事業にも携わり多数のクライアントに対するコンサルティングサービスを提供。現在は不動産購入・投資を検討する顧客へのコンサルティングと、各種Webサイトにおいて不動産関連の執筆実績を持つ。

東急リバブル ソリューション事業本部では、減価償却の最適化はもちろん、不動産BPO、相互売買(アクイジション)、M&A関連の不動産戦略まで、企業不動産(CRE)に関するあらゆる課題の解決をサポートしています。

最新の市場動向やCRE戦略のヒントをお届けする「リバブルタイムズ メールマガジン」へのご登録もぜひご検討ください。

※本記事の記載内容や情報の信頼性については可能な限り十分注意をしておりますが、その完全性、正確性、妥当性および公平性について保証するものではありません。
情報の誤りや不適切な表現があった場合には予告なしに記事の編集・削除を行うこともございます。あくまでもご自身の判断にてご覧いただくようにお願いいたします。

サイトについて・免責事項はこちら