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【都市再開発特集】
都心で進む都市再開発!都内の注目5エリアを紹介

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【都市再開発特集】都心で進む都市再開発!都内の注目5エリアを紹介

東京2020に向けて、都心を中心にさまざまな都市再開発が実施されてきました。都市再開発が実施されると、建物はもちろん、店舗などの施設や人の流れも変化し、周辺地域にも大きな影響を及ぼします。
本記事では都市再開発の概要や周辺地域への効果、また、東京駅周辺、虎ノ門、池袋、新宿、渋谷といった都心5エリアの都市再開発の状況を実例を交えて解説します。

目次

  1. 都市再開発とは?
    1. 魅力的な街づくりのために実施
    2. 都市再開発による周辺地域への効果とは
  2. 都心で進む都市再開発
    1. 東京駅周辺エリア
    2. 虎ノ門エリア
    3. 池袋エリア
    4. 新宿エリア
    5. 渋谷エリア
  3. 再開発エリアの探し方
  4. 不動産活用を検討するなら都市再開発情報を把握しておこう

都市再開発とは、都市の環境整備により様々な課題を解決し、都市の機能性や居住性を向上させることをいいます。安心・安全な都市を実現する、総合的なまちづくり施策ともいえるでしょう。

都市再開発の大きな目的は、住みやすく魅力的な街づくりです。

道路や公園などの公共施設の整備、良好な生活環境を備えた都市型住宅供給、オフィス・店舗などの業務施設の近代化などを計画的に実施することで、実現を目指します。

都市再開発が行われると街全体に注目が集まり、それに伴い不動産の価値向上も期待されます。これは、企業にとっても把握しておくべきポイントといえるでしょう。

再開発の対象がオフィスビルであれば就業人口の増加、商業施設であれば買い物客の増加、住居であれば定住人口の増加などのメリットがあります。

その一方で建物の高層化によるビル風や日照の問題、電波障害なども考えられますが、前述のとおり都市再開発の目的は街の魅力を向上させ価値を上げるという点にあります。

その地域に拠点などの物件を所持する企業にとっては、プラスに働く要素が多いと考えられるでしょう。

以下では、東京都で現在実施されている都市再開発についてエリアごとに事例をご紹介します。

東京駅周辺エリアは東京の中心地として高層ビルの開発が進む地域で、2027年竣工のTOKYO TORCH(東京トーチ) TORCH TOWER(大手町一丁目地区第一種市街地再開発事業:第一次開発から第三次開発まで3.1ha)は地上63階、地下4階、高さ390mと日本一の高さのビルとなります。オフィスを中心に高層階に展望施設や約100室の国際級ホテル、約50戸の賃貸レジデンス、低層階に約2000席の大規模ホールや商業施設が設置される予定です。

またこのほかに東京ミッドタウン八重洲の建設(1.5ha)や日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業(3.0ha)があります。

東京ミッドタウン八重洲は、メインの超高層ビルが地上45階、地下4階建て、高さ240mでオフィスや高級ホテル、店舗、区立小学校から構成される複合商業施設です。地下1階と地下2階には現在八重洲口周辺の路上や鍛冶橋駐車場にあったバス停が移動し、国内最大級のバスターミナルとなる「バスターミナル東京八重洲」が2022年9月17日に開業予定となっています。

虎ノ門エリアは虎ノ門ヒルズやアークヒルズなどが立ち並ぶ大街区エリアです。虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業(虎ノ門・麻布台プロジェクト:8.1ha)や虎ノ門一、二丁目第一種市街地再開発事業(2.2ha)などが進行中です。

● 虎ノ門・麻布台プロジェクト
「Modern Urban Village」をコンセプトとした、国際都市の洗練さと小さな村のような親密さを兼ね備えた世界に類のない全く新しい街で、延床面積約860,400 ㎡、オフィス総貸室面積213,900 ㎡、就業者数約20,000 人、年間来街者数2,500~3,000 万人を想定しています。

● 虎ノ門一、二丁目第一種市街地再開発事業
地下鉄日比谷線虎ノ門ヒルズ駅整備と一体となった都市再開発事業です。駅とまちが一体となった駅広場や周辺開発と連携した歩行者ネットワーク等の都市基盤の強化・拡充を図るとともに、事務所、店舗、ホテル、ビジネス発信拠点など、多様な都市機能を整備することを目指しています。A-1~A-3街区の3つの区画で開発が行われ、メインとなるビルはA-1街区に地上49階 地下4階、高さ約265m、延床面積約238,442㎡の高層ビルが建設されます。

池袋は新宿や渋谷に比べて再開発が遅れていると言われていましたが、近年開発が進んでおり、東口側にはすでに映画館、劇場の複合施設などが建設されています。

また、南池袋においても池袋副都心に隣接する立地特性を活かして、サンシャインシティやライズシティ池袋、としまエコミューゼタウン等と連携した東池袋駅周辺の拠点となることを目指した市街地再開発計画(南池袋二丁目C地区市街地再開発:1.7ha)が進行中です。

総事業費約1,113億円、北棟(約111,674㎡)と南棟(約75,237㎡)の2棟が建設され、住宅(1,498戸)、店舗、子育て支援施設、文化交流施設、駐車場、公共公益施設が整備される予定です。

東京都庁がある新宿エリアにおいても公共機関や民間事業者による再開発が活発で、新宿区が関わっている西新宿エリアや、民間事業者としては東急グループが手掛けている歌舞伎町一丁目地区開発計画(新宿TOKYU MILANO再開発計画)などがあります。

● 歌舞伎町一丁目地区開発計画(新宿TOKYU MILANO再開発計画)
「“好きを極める場”の創出」をコンセプトにしたホテルとエンターテインメントの複合施設で地上48階、地下5階、高さ約225m、延床面積約87,400㎡の東急歌舞伎町タワーが建設される予定です。

地下1階~地下4階は最大収容人数1,500名のライブホール、6階~8階は約900席の劇場、9階~10階は8スクリーンの映画館、17階~47階は2つのブランドホテルの入居が予定され、20階~38階はライフスタイル型ホテル、39階~47階はペントハウスを含むラグジュアリーホテルとなるとのことです。

ビジネス、エンターテイメントの集積地として現在進行系で発展してきている渋谷エリアにおいては、渋谷駅桜丘口地区で生活支援施設や起業支援施設など、暮らしとビジネスの両面での開発が予定されています。

渋谷地区で一例を掲げると、東急グループのプロジェクトとして「エンタテイメントシティSHIBUYA」と「広域渋谷圏(GreaterSHIBUYA)構想」の2つのビジョンを掲げています。このビジョンのもと、「働く」「遊ぶ」「暮らす」の3要素を融合し、これらの基盤となる「デジタル」「サステナブル」に取り組むことによって相乗効果を生み出し、エリアならではの「渋谷型都市ライフ」の実現を目指した9つの開発プロジェクトが進行中です。

9つのプロジェクトは2012年4月開業の渋谷ヒカリエをはじめ、2017年4月渋谷キャスト、2018年9月渋谷ストリームと渋谷ブリッジ、2019年3月渋谷ソラスタ、2019年11月渋谷フクラスと渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期がすでに完成し、今後は2023年渋谷駅桜丘口、2027年渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期が完成予定となっています。

このほか原宿、表参道、青山、代官山、恵比寿など広域での開発が進んでおり、渋谷駅の周辺だけでなくエリア全体としてますますの価値向上が見込まれます。

ここでは再開発エリアの探し方などの情報収集の方法について解説します。再開発について調べるなら各自治体の公式情報をあたるのが一般的です。

自治体の場合、都市の再開発に関する情報は各自治体の公式サイトで探すことができます。情報の信頼性が高く今後の方向性などが示されている場合もあるため、進出を予定している地域の自治体情報はチェックしておくと良いでしょう。

さらに詳細について聞きたいときには自治体の窓口で確認できることもありますので、公式サイトとともに活用を検討してください。

また、不動産会社から情報を得る方法もあります。

不動産会社の場合、再開発エリアについて調査したいエリアが絞られている時は、そのエリアに詳しい不動産会社での情報収集により、あわせて近隣の不動産などに及ぼす影響なども知ることができます。

再開発事業の概要だけでなく多面的で客観性のある情報を求めている場合は不動産会社への相談は有効な情報収集手段といえるでしょう。

東京都都市整備局 市街地再開発事業について
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/sai-kai.htm

再開発により、そのエリアには利便性の向上や雇用の創出、地価の上昇につながるなど様々なメリットがもたらされます。

不動産の取得や保有不動産の活用を検討している方は、不動産取得予定エリアや保有不動産の所在するエリアについて、現在・未来の都市再開発の状況を調査しておくことをおすすめします。

日商簿記 1級、税理士試験 3科目合格(簿記、財務諸表、消費税)、CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、プロフェッショナルCFO
大間 武 氏
TAKESHI OMA

飲食業をはじめ多業種の財務経理、株式公開予定企業などの経理業務構築、ベンチャーキャピタル投資事業組合運営管理を経て、2002年ファイナンシャル・プランナーとして独立。
「家計も企業の経理も同じ」という考えを基本に、「家計」「会計」「監査」の3領域を活用した家計相談、会計コンサル、監査関連業務、講師・講演、執筆など幅広く活動。