『稼ぐ力』を高める
不動産戦略のあり方

生産性改革が叫ばれ、働く場所、時間、スタイルが見直されるのに伴って、今、企業不動産の活用にスポットライトが当てられています。従来は売る、買うだけだった企業不動産の活用方法が変容し、そこに新しい価値が生まれてきているのです。自社の不動産の価値を見直す好機に、立てるべき戦略とは何か? その第一歩を踏み出すには何からはじめるべきなのか? 企業不動産の「今」を知り尽くす弊社が、企業不動産の「今」とその有効なソリューションについて、経営者向けセミナーで講演を行いました。その内容の一部を紹介します。

生産性を向上させる、
新たな不動産活用のカタチ

東急リバブル
執行役員
ソリューション事業本部
営業統括部長
柿沼 徹也

 10月上旬、「生産性改革」を考える経営者向けセミナーが都内某所で開催された。企業講演に登壇した東急リバブル 執行役員 ソリューション事業本部 営業統括部長の柿沼徹也が語ったのは、「『稼ぐ力』を高める不動産戦略のあり方」。冒頭では、『生産性の向上』を目的として、企業が様々な取り組みをはじめていることに触れた。

 日立製作所さんは、2~3年以内に10万人の社員が自宅や外出先で働ける体制を整えると発表。『タイム アンド ロケーション フリーワーク』と呼ばれる、時間や場所にとらわれない働き方だ。また、伊藤忠商事さんが今年、18年ぶりに自社で保有する社員寮を開設したことも話題になった。組織の活性化のために、若手社員のネットワーク作りを促したり、スポーツジムと連携したりして、社員の健康にも配慮するという考え方もあるようだ。

 こうした生産性向上の取り組みの背景には、ある共通点がある。それはいずれの取り組みにも、『不動産の活用』が絡んでいるということであり、不動産の活用が様々な形で広がるなか、『不動産の新しい常識』も生まれている。

 例えば、オフィス。これまでのオフィスは、入居するビルの『場所』に合わせて人の働き方が決まっていた。しかし今は、多様な働き方、ライフスタイルに対応できる空間設計や立地がオフィスビルに求められてきている。東急不動産が2015年に竣工した『新青山東急ビル』が好例で、ここでは社員が『自分らしく、リラックスして働く』オフィスの形を実現しているという。さらに、『サテライトオフィス』や『シェアオフィス』も増えている。

 東急不動産では、主に都心部で『ビジネスエアポート』という『シェアオフィス』を運営している。『ビジネスエアポート』は、ビジネスパーソンの外出時の隙間時間の有効活用、ビジネス情報を収集できるビジネスライブラリー、リフレッシュスペースなど、すべてのビジネスパーソンに向けた、新しいカタチの仕事場として展開されているシェアオフィスである。

 オフィス以外にも、社員の成長を促す場としての社員寮の復権や、より高い収益性を求めて不動産の利用方法を転用する「コンバージョン」の事例、車離れや少子化、Eコマースの台頭などの社会状況を背景に、本業を補完するため不動産投資に参入する企業の増加など、不動産には、新たな価値、新たな利用方法が生まれている。

 不動産の常識が変化し、『不動産の価値』にも明確な変化が出てきた今こそ、自社の不動産の価値を見直し、「遊休資産」を「優良資産」に変える、その絶好のチャンスであると言える。

ヒト、モノ、カネ、の3つの視点から
東急リバブルが手掛けた事例をご紹介

 まずは、ヒトに関する事例。クライアントは大手保険会社様で、全国の営業拠点のほとんどを自社で保有。建物の老朽化や立地条件の改善に対応するため、営業拠点をより働きやすいオフィスへ移転したいと考えていた。しかし、対象物件は約200ヵ所にのぼり、それらに対応する人的リソースが社内にはなかった。そこで弊社は、13名からなる専門のプロジェクトチームを組成し、対応にあたった。周辺のコンビニをしらみ潰しにあたって閉店情報を内々で入手したり、ショッピングセンターの空き事務所区画を探したり、地元の金融機関に地主さんを紹介してもらったりなど、考え付くことは何でも行った。その結果、3年間で対象拠点の移転を完了。弊社が人的リソース、つまりヒトを提供したことで、手間や時間の省略化に貢献し、短期間での移転を達成した。

 続いて、モノに関する事例。クライアントは大手飲料メーカー様で、都心の一等地で自社ブランドのコンセプトショップの開設を望んでいたという。しかし、人気エリアであるがゆえに、一向に物件、つまりモノが見つからない。突破口となったのは、希望エリアで弊社が開発した「店舗付賃貸マンション」の取得の提案だった。1F部分を店舗、それ以外を賃貸で運用していく、収益不動産の取得を伴った店舗開設を提案したのだ。このようにして、仲介物件に限らず検討可能な物件の幅を広げた結果、出店を実現。それに加えて、新たに優良資産による安定収益源も確保し、高い満足度を得ることができた。

 最後は、カネに関する課題解決事例。大手メーカーが使用する、全国169ヶ所の販売拠点や整備工場を保有されていた投資家様がクライアント。すべての物件の売却を希望していたが、地方で、かつ駅から離れた幹線道路沿いに位置する物件のため、現在の用途以外への転用は困難であった。しかし弊社は、この物件が不動産という安定的な資産であると同時に、テナントである大手メーカーの与信力がある社債のような性格を併せ持つことに着目し、そうした投資物件としての魅力を買い手に理解していただくことに注力した。

 テナントとの交渉の末、賃料の一部引き下げを行う代わりに賃貸借契約の解約不可期間を延長させ、収益不動産として長期間にわたる安定性を確保。結果、優良なテナントの高い定着性から、社債のような側面を持つ収益不動産として、投資家や、融資を行う金融機関から高く評価され、2年間で約140件の売却を実現した。

 他方、企業の不動産活用はあまり進んでいない実態もある。

 企業にとって、不動産を売買したり、賃貸したりする機会は少ない。活用するメリットやデメリットを理解していても、わざわざ専門の部署を設けたり、専門知識を持った人材を育成したり、日常的に情報を収集したりする余裕はないことが実態である。

 そこで弊社では、約50名のスタッフからなる専門部署がスピーディーかつ的確に不動産調査を行うサービスをはじめ、不動産の評価や保有コストの診断など、多彩なサービスを展開。企業が所有する不動産の状態を知り、一歩を踏み出すそのきっかけをサポートしている。

不動産の常識が変化している中、企業には積極的な不動産戦略が求められています。本セミナーでも語ったように、ヒト・モノ・カネの様々な視点から『稼ぐ力』を高めるパートナーとして、弊社は努めてまいります。

更に、弊社ソリューション事業本部は、今後も継続して企業不動産をテーマにセミナーを開催致しますので、是非ご参加ください。

過去の記事