Q.解体を前提とした建物売却契約における解体中止・建物引渡要請について教えてください。
A.契約はあくまで不動産業者との間ですので、不動産業者が新たに見つけてきた買主を縛ることはできません。 どうしても新たな買い手が建物を使いたいということになると、建物を壊すことを強制することはもはやできません。 建物の所有権は現在不動産屋にあり、そこから購入することになる新たな買主が最終的には所有権を得るので、新たな買主が建物を壊そうがそのまま使おうが、法的には自由だからです。 そうなると、不動産屋は契約違反となりまして、損害賠償請求の対象となりえます。 しかし、損害といっても、本件の場合、取り壊し前提の建物の価値はゼロ円ですので、不動産会社の契約違反に伴う損害の発生を証明するのはなかなか難しいかもしれません。 どうしても建物を壊してほしいという理由はわかりませんが、そこに特別の意義がない限りは、新しい買主がそのまま建物を利用することを前提とした新たな契約について、承諾をせざるを得ないと思います。