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目次

I.マイホームの税金

不動産取得税とは?不動産取得税の計算方法と不動産取得税の軽減対象、セカンドハウスについてなど、不動産取得税に係るQ&A

更新日:2023年11月30日

不動産取得税

 不動産を取得した個人及び法人には、不動産取得税が課税されます。ただし、相続による不動産の取得については、不動産取得税は課税されません。不動産の取得とは、有償無償を問わず、売買・交換・贈与・建築などによる取得が含まれます。また、所有権移転登記が行われていなくとも、取得の事実があれば、課税対象になります。

(1)税額の計算

土地の税額=(固定資産税評価額×1/2)×税率


建物の税額=固定資産税評価額×税率

区 分 税 率
土 地 3%
建 物 事務所・店舗・別荘 4%
住宅・アパート 3%

令和6年4月1日以降の取得はすべて4%になります。宅地の固定資産税評価額×1/2の特例も令和6年3月31日までになります。

(2)居住用建物の軽減

新 築 中 古
対象資産 マイホーム、セカンドハウス、賃貸用アパート・マンション
(別荘は対象外)
マイホーム、セカンドハウス
(賃貸用アパート・マンション、別荘は対象外)
適用要件 課税床面積が50m²(戸建以外の貸家住宅は1戸当たり40m²
)以上240m²以下であること
  1. 自己の居住の用に供すること
  2. 課税床面積が50m²以上240m²以下であること
  3. 次のいずれかに該当すること
    1. 昭和57年1月1日以降に建築されたもの
      (固定資産課税台帳に記載された新築日で判断)
    2. (1)に該当しないもので新耐震基準の証明書
      (引き渡し時に発行後2年以内のものに限る。)
      が発行されたもの又は既存住宅売買瑕疵保険
      (2年以内に契約が締結されたものに限る。)
      に加入している一定のもの
取扱い

(固定資産税評価額-住宅1戸あたり1,200万円)×3%

(認定長期優良住宅の場合は、令和6年3月31日まで
1,300万円)

(固定資産税評価額-1戸あたりの新築時期に応じた
控除額)×3%

新築時期 控除額
昭和29年7月1日から昭和38年12月31日 100万円
昭和39年1月1日から昭和47年12月31日 150万円
昭和48年1月1日から昭和50年12月31日 230万円
昭和51年1月1日から昭和56年6月30日 350万円
昭和56年7月1日から昭和60年6月30日 420万円
昭和60年7月1日から平成元年3月31日 450万円
平成元年4月1日から平成9年3月31日 1,000万円
平成9年4月1日以降 1,200万円

(3)居住用土地の軽減

1.適用要件

特例対象となる居住用家屋の敷地の用に供されている場合で、次のいずれかに該当すること

  1. 土地を先行取得し、原則として3年以内に住宅を新築した場合
    (新築まで土地取得者が保有継続している場合又は土地取得者から土地を取得した者が新築した場合に限る)
  2. 土地と建物を同時取得している場合
  3. 中古住宅を土地と家屋を別々に取得する場合には、1年以内に土地と家屋の両方を取得していることなど

2.取扱い

固定資産税評価額 × 1/2×3%税額控除額

税額控除額は、次の(1)、(2)いずれか大きい金額

  1. 45,000円
  2. (土地1m²当たりの固定資産税評価額×1/2)×住宅の課税床面積×2(200m²が限度)×3%

住宅の課税床面積の2倍(1戸当たり200m²を限度)までの面積の土地については、不動産取得税が課税されません。

納付方法は

納税の方法は、取得後半年から1年くらいの間に都道府県から届く「納税通知書」に基づき、金融機関やコンビニ(30万円以下のバーコード付納税通知書に限る)、ペイジー(Pay-easy)などで、記載された納期限までに納付することになります。

課税床面積とは

マンションの場合には共用部分の床面積のうち専有割合に応じた面積を専有面積に加算した床面積(現況面積)です。

セカンドハウスとは

別荘以外の家屋で週末に居住するため郊外等に取得するもの、又は、遠距離通勤者が平日に居住するために職場の近くに取得するものなどで、「毎月1日以上居住の用に供するもの」をいいます。

遺言で不動産を取得した場合の非課税

包括遺贈及び相続人に対する特定遺贈による不動産の取得については非課税となります。

取得者 包括遺贈 特定遺贈
相続人 非課税 非課税
相続人以外 非課税 課 税

遺言によって財産を取得することを遺贈といい、包括遺贈と特定遺贈があります。

包括遺贈 ・・・ 遺産の全部又は一定割合についての遺贈
特定遺贈 ・・・ 遺産のうち特定された具体的な財産についての遺贈

取得後すぐに家屋を取壊した場合

取壊すことを条件として家屋を取得し、取得後使用することなく直ちに取壊した場合は、原則として課税対象となりません。「不動産取得税調査申請書」に次の書類を添えて申請が必要です。

  1. 不動産売買契約書・最終代金領収書
  2. 取壊した後の土地の利用状況が確認できる書類(例:建築確認済証、工程表等)
  3. 取壊した物件、取壊した日付、取壊した事実が確認できる書類
    (滅失の登記事項証明書、滅失の登記申請書及び登記完了証、電子登記申請の登記完了証、解体証明書のいずれか)

計算例1 居屋用の軽減適用ありの場合

次のような新築賃貸マンションを購入し、直ちに賃貸しました。不動産取得税はいくらでしょうか。建物の現況床面積は110㎡、敷地の持分対応面積は50㎡です。なお、固定資産税評価額は、土地が4,200万円、家屋が1,200万円です。

<判定>1床面積: 40㎡110㎡床面積240㎡

<建物> 2新 築 40㎡110㎡ 240㎡ 居屋用の特例適用あり

<建物> 1,200万円固定資産税評価額 1,200万円控除額×3%= 0円

<土地>1 4.5万円

<建物> 2 4,200万円固定資産税評価額 ÷ 50㎡地積 × 1/2 × 200㎡ × 3% = 252万円

<建物>※課税床面積110㎡×2≧200㎡ ∴ 200㎡

<建物> 3 252万円

<土地> 4,200万円固定資産税評価額 × 1/2 × 3% 252万円 0円

したがって、不動産取得税は発生しません。

計算例2 居屋用の軽減適用なしの場合

次のような中古賃貸マンションを購入し、直ちに賃貸しました。不動産取得税はいくらでしょうか。平成18年10月築の建物で、現況床面積は110㎡、敷地の持分対応面積は50㎡です。なお、固定資産税評価額は、土地が4,200万円、家屋が1,200万円です。

<判定> 中古住宅の場合には、自己居住でなければ居屋用の特例の適用はありません 。

<建物> 1,200万円固定資産税評価額 3% 36万円

<土地> 4,200万円固定資産税評価額 1/2 3% 63万円

したがって、合計99万円の不動産取得税の課税があります。

タワーマンションの不動産取得税の調整

高さが60mを超えるタワーマンション等のうち、複数の階に住戸が所在しているものについては、そのタワーマンション等の建物全体の固定資産税評価額を専有部分の床面積で按分する際に、専有部分の床面積を「階層別専有床面積補正率」(N階の補正率:100+10/39×(N-1))で補正して課税が行われます。

(例)1階に係る不動産取得税が100の場合、40階の不動産取得税は110となります。

ただし、区分所有者全員の合意に基づき申し出た割合によることも可能です。

軽減制度を受けるための手続は?

不動産取得税の軽減を受けるためには、住宅や住宅用土地を取得した日から原則として60日以内に、不動産取得税申告書に必要な書類を添えて、土地・家屋の所在地を所管する都道府県税事務所に申告してください。

〈申告に必要な添付書類〉

①新築未使用の住宅とその敷地を住宅の新築から1年以内に取得した場合(同時取得を含む)

  • 不動産売買契約書・最終代金領収書・登記事項証明書(土地・建物)
  • 各部屋の床面積が確認できる平面図(共同住宅、店舗・事務所等の併用住宅を取得した場合)

②土地を取得後、3年以内にその土地を取得した方が、住宅を新築した場合

上記に掲げる書類の他

(1)検査済証(2)建物引渡証明書(建築業者等の印鑑証明書〔原本〕添付)
(3)登記事項証明書 (建物)

③土地を取得後、1年以内にその土地を取得した方が、その土地の上にある中古住宅(耐震基準適合既存住等)を取得した場合(同時取得を含む)

上記に掲げる書類の他

  • 住民票など自己の居住の用に供することを証するもの
  • 昭和56年以前の新築の住宅である場合は以下のいずれかの書類

a 耐震基準適合証明書(原本)

b 建設住宅性能評価書

c 既存住宅売買瑕疵担保責任保険が締結されていることを証する書類

④徴収猶予について

土地の取得に対する不動産取得税を課税される方で、土地を取得してから原則として3年以内に、軽減の対象となる住宅が新築される場合は、新築されるまでの間、減額相当額の納税を猶予する制度(徴収猶予)があります。