目次

住まいの税金メニュー

目次一覧

Ⅲ.マイホーム保有時の税金

固定資産税・都市計画税の税率と特例について

更新日:2026年8月31日

固定資産税・都市計画税

 固定資産税都市計画税は賦課期日(毎年1月1日)現在の固定資産(土地、家屋、償却資産)の所有者に対し、市区町村(東京23区は都)が課税する税金です。1月2日以降に所有権が移転しても納税義務者は変更されず、売買時に税負担を按分する慣行は当事者間の精算にすぎません。
税額は3年に1度改訂される固定資産税評価額を基に市区町村が計算し、納税通知書により一括又は年4回に分割して納付します。評価替えにより税負担が急増する地域については、負担調整措置により一定の率を超える増加が抑えられています。
住宅や住宅用地については、課税標準や税額の軽減措置があります。

①税額計算

固定資産税 課税標準×1.4%(標準税率)

都市計画税 課税標準×0.3%(制限税率)

  • 標準税率・制限税率
    地方税の税率は条例で定められますが、地方税法で一定の基準が設けられています。標準税率は通常用いられる税率、制限税率は超えて課税できない上限税率をいいます。

②住宅用地(土地)の課税標準の特例

 住宅用地は、税負担を軽減するため、固定資産税評価額に次表の割合を乗じて課税標準額を計算します。
 なお、1月1日時点で住宅用地に該当していれば、その後住宅の敷地でなくなった場合でも特例は適用されます。また、土地と住宅の所有者が異なる場合や賃貸住宅の敷地にも適用されます。

区分 意義 固定資産税 都市計画税
小規模住宅用地 住宅用地のうち住宅1戸につき200㎡までの土地をいいます。 評価額×1/6 評価額×1/3
一般の住宅用地 住宅用地のうち住宅1戸につき200㎡を超え、
住宅の床面積の10倍までの土地をいいます。
評価額×1/3 評価額×2/3
  1. 店舗併用住宅の居住用部分の割合が1/2以上ある場合には、その敷地全てが住宅用地とみなされます。
  2. マンション等の集合住宅の場合、敷地全体の面積を居住用住戸の戸数で除した面積で判定します。
  3. 空家の除却を促進するための住宅用地の課税標準の軽減の適用除外
    「特定空家等」又は「管理不全空家」のうち必要な措置を講じるよう市区町村(東京都23区は都)から勧告を受けたものに係る土地については、原則として住宅用地の課税標準の軽減特例の適用対象から除外されます。
    特定空家等とは、「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地」のうち、次のような状態にあるものです。

    ・そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

    ・著しく衛生上有害となるおそれのある状態

    ・適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

    ・周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

    管理不全空家等とは、適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すれば特定空家等となるおそれのある状態にある空家等をいいます。なお、勧告に対し、固定資産税の賦課期日までに建物を改修するなど所定の措置をとった場合には、特例が継続されることもあります。

③新築住宅(家屋)に対する固定資産税の軽減

 新築された住宅が、次の床面積要件を満たす場合は、新たに課税される年度から3年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年度分)に限り、120m²までの居住部分に相当する固定資産税額(家屋分)の1/2が軽減されます。また、認定長期優良住宅の建物は5年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物は7年度分)が軽減されます(新築年の翌年1月31日までの申告が必要)。
  なお、この特例は原則として固定資産税のみに適用され、都市計画税には適用されません(令和8(2026)年3月31日までに新築したもの)。

適用要件 軽減措置 原則 認定長期優良住宅
一般の新築住宅 ⑴令和8年4月1日以降の取得:床面積40㎡以上240㎡以下
※次のいずれかに該当する住宅は、旧基準(50㎡以上240㎡以下。ただし一戸建以外の貸家住宅は40㎡以上240㎡以下)が適用されます。
①令和8(2026)年3月31日以前に取得した住宅
②令和8(2026)年4月1日以降の取得でも、東京都特別区内の特定都市再生緊急整備地域(注1)に所在する住宅
(2)居住割合2分の1以上
⑶災害危険区域等(注2)内で家屋を新築する場合には、固定資産税の特例は適用されません。ただし、本人・配偶者・2親等以内の親族が5年以上居住していた家屋の建替えの場合は適用されます。
「住宅部分」の床面積120m²までの部分の税額の2分の1相当額の減額 新築後3年度分 新築後5年度分
3階建以上の
耐火・
準耐火建築物
新築後5年度分 新築後7年度分

(注1)東京都の特定都市再生緊急整備地域とは、大手町・丸の内・日本橋・銀座・六本木・豊洲周辺並びに新宿駅、渋谷駅、池袋駅及び品川駅・田町駅周辺の各地域が該当します。 (注2)土砂災害特別警戒区域、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域、浸水被害防止区域、災害危険区域(都市再生特別措置法に基づく勧告に従わないものとして公表の対象となった区域に限る)

④居住用超高層建築物に対する課税の見直しについて

 高さが60mを超えるタワーマンション等のうち、複数の階に住戸が所在しているものについては、そのタワーマンション等の建物全体の固定資産税評価額を専有部分の床面積で按分する際に、専有部分の床面積を「階層別専有床面積補正率」(N階の補正率:100+10/39×(N-1))で補正して課税が行われます。
(例)1階に係る固定資産税が100の場合、40階の固定資産税は110となります。 
 ただし、区分所有者全員の合意に基づき申し出た割合によることも可能です。

⑤建替え中の住宅用地の特例

 賦課期日(1月1日)時点で、既存の住宅を取壊して住宅を新築中の土地や建替え予定の土地には、原則として住宅用地の特例は適用されませんが、次の要件(1)~(5)すべてに該当する場合に、申告により住宅用地の特例が継続して適用されます。

  1. 前年度の1月1日において住宅用地であったこと。
  2. 住宅の建替えが、建替え前の住宅の敷地と同一の敷地において行われていること。
    (ただし、特例が適用される土地の範囲は建替え前の住宅の敷地を限度とする。)
  3. 前年1月1日の土地の所有者と、本年1月1日の土地の所有者が、原則として同一であること。
  4. 前年1月1日の住宅の所有者と、住宅の建替えをしているものが、原則として同一であること。
  5. 住宅の新築工事の着手につき、次のいずれかに該当すること。
    1. 住宅の建設が本年1月1日に着手されていること。
    2. 住宅の新築について確認申請書の受領印等が本年1月1日までのものであり、かつ、3月末日までに住宅の新築工事に着手していること。

      東京都23区内の場合には上記(3)の要件は不要です。他の自治体も独自の緩和措置を設けている場合がありますので詳細は不動産所在地の自治体へご確認下さい。

監修

𡈽屋 栄悦(つちや えいえつ) 税理士

土屋栄悦税理士事務所HP

https://www.tkcnf.com/tsuchiya/index
出身地

山形県

経歴

平成 8年11月 税理士登録
平成12年 9月 土屋税理士事務所開業

活動

第71回から第73回税理士試験試験委員/租税法務学会常任理事/
東京税理士会会員相談室相談委員/元東京税理士会常務理事/元日本税理士会連合会理事

著書

新 税理士実務 質疑応答集共著(ぎょうせい)
「租税実体法の解釈と適用・2」共著(中央経済社)
「税務における期間・期日・期限の実務」共著(新日本法規出版)
相続税・信託ガイドブック共著(大蔵財協)/税務と法務の接点共著(大蔵財協)など