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不動産所得(所得税)

1. 不動産賃貸に対する課税

不動産の賃貸による不動産所得は、ほかの給与所得などと合算した課税総所得金額に超過累進税率が適用され所得税が課税されます。
また、所得税とは別に課税総所得金額の1割の住民税が課税されます。さらに、事業的規模で一定の所得以上の場合には、事業税も課税されます。

2. 不動産所得の金額

不動産所得は不動産(土地・建物・借地権等)を貸して得た収入からその収入を得るために要した費用を控除して計算します。

3. 総収入金額に算入されるもの

総収入金額には、貸付による賃貸料収入(家賃、地代、権利金、礼金)のほかに、次のようなものも含まれます。

  1. (1)名義書換料、承諾料、更新料などの名目で受領するもの
  2. (2)敷金や保証金などのうち、返還を要しないもの
  3. (3)共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代など

4. 総収入金額の計上時期

不動産所得の総収入金額は、1月1日から12月31日までに収入すべき権利が確定した家賃、地代などを計上します。具体的には次の区分に応じ、それぞれに定める日の属する年分に計上しなければなりません。未収であったとしても総収入金額に計上しなければなりません。

区分 収入計上時期
地代・家賃・
共益費 (注)
契約又は慣習により支払日が定められているもの 定められた支払日
支払日が定められて
いないもの
請求があったときに支払うべきもの 請求の日
その他のもの 実際に支払いを受けた日
礼金・権利金・
更新料・名義書換料
資産の引渡しを要するもの 引渡日(契約効力発生日でも可)
資産の引渡しを要しないもの 契約効力発生日
返還不要となった
敷金・保証金
貸付期間の経過に関係なく
返還不要が確定しているもの
資産の引渡しを要するもの 引渡日(契約効力発生日でも可)
資産の引渡しを要しないもの 契約効力発生日
貸付期間の経過に応じ返還不要が確定するもの 返還不要が確定した日
貸付期間が終了して返還不要が確定するもの 貸付期間終了日
供託家賃等 賃貸借契約の存否の係争 判決和解等のあった日
賃貸料の増額に関する係争 供託された金額(従前の家賃) 「地代・家賃・共益費」の上記の計上すべき日
差額の金額(増額家賃) 判決和解等があった日
  1. (注)継続的な記帳に基づく場合には、賃貸料等を期間対応で計上することも認められます。

5. 必要経費に算入されるもの

必要経費に算入すべき金額は、次のとおりです。

  1. (1)総収入金額を得るために直接要した費用の額
  2. (2)その年中(1月1日から 12月31日まで)の販売費、一般管理費及び当該業務について生じた費用の額(償却費以外の費用については、12月31日現在で債務の確定しているものに限られます。)
    なお、必要経費は、現実に支払った金額ではなく、その年において支払うべき債務の確定した金額によって計算します。
科目 必要経費として認められるもの 必要経費として認められないもの
租税公課 事業税、固定資産税(事業用資産に係るもの)、償却資産税、自動車税、不動産取得税、印紙税、消費税等 所得税、相続税、住民税、延滞税、加算税、延滞金、過怠税、固定資産税(家事用資産に係るもの)
水道光熱費 水道料、電気代、ガス代等 家事用部分の費用
旅費交通費 電車、バス、タクシー代、宿泊代等 家事用部分の費用
通信費 電話代、切手代等 家事用部分の費用
広告宣伝費 入居者募集のための広告宣伝費
接待交際費 得意先への贈答費用、飲食接待費等 親族、隣人等との交際費
損害保険料 賃貸物件の火災保険料、自動車の任意保険料 家事用部分の費用
修繕費 賃貸物件の原状復帰費用、車両の修繕費等 家事用部分の費用、資本的支出
(賃貸物件に該当する支出は減価償却費として費用になる。)
消耗品費 事務用品、少額減価償却資産等
利子割引料 事業用資金の借入金の利子、保証料 元本の返済
地代家賃 支払地代、支払家賃、駐車場、倉庫の賃借料 住宅部分の費用、生計一にする親族に対するもの
支払手数料 仲介手数料、税理士報酬、管理組合の管理費・修繕積立金、不動産会社への管理手数料・更新手数料等
減価償却費 減価償却資産の償却費 自宅部分の償却費
その他の費用 町内会費等 家事用部分の費用

6. 減価償却の概要

建物、建物附属設備、器具備品、構築物などの資産は、使用または時の経過によってその価値が減っていきます。このような資産を減価償却資産といいます。他方、土地や借地権などのように時の経過により価値が減少しない資産は、減価償却資産ではありません。
減価償却資産の取得に要した金額は、取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間に配分して必要経費とします。この使用可能期間に当たるものとして法定耐用年数が法令に定められています。減価償却とは、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく方法です。
ただし、減価償却資産のうち、使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満など一定の要件に該当する場合は、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とすることができます。

7. 選択可能な減価償却方法

平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産は、「旧定額法」や「旧定率法」などの償却方法で、平成19年4月1日以後に取得した減価償却資産は、「定額法」や「定率法」などの償却方法で減価償却を行います。平成10年4月1日以後に取得した建物の償却方法は、旧定額法又は定額法のみとなり、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物の償却方法は定額法となります。
なお、上記の取得には、購入や自己の建設によるもののほか、相続、遺贈又は贈与によるものも含まれます。

取得時期 平成10年3月31日以前 平成10年4月1日以後 平成19年4月1日以後 平成28年4月1日以後
建物 旧定額法や旧定率法 旧定額法のみ 定額法のみ
附属設備・構築物 旧定額法や旧定率法 定額法や定率法 定額法のみ
器具備品 旧定額法や旧定率法 定額法や定率法

8. 減価償却費の計算

平成19年度改正において、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については償却可能限度額及び残存価額が廃止され、1円まで償却することが可能となりました。定率法の計算方法についても大幅に変更されました。

1. 平成19年3月31日以前に取得したもの

  旧定額法 旧定率法
特徴 償却費の額が原則として毎年同額となります。 償却費の額は初年度が一番多く、年々逓減します。
計算方法 取得価額×0.9×旧定額法の償却率 未償却残高×旧定率法の償却率
(未償却残高=取得価額-償却費の累積額)
  1. (注1)年の中途で取得又は取壊しをした場合には、上記の金額を12で除し、その年において事業に使用していた月数を乗じて計算した金額になります。
  2. (注2)償却累計額が限度額(取得価額の95%)に達した場合は、帳簿価額が1円になるまで5年間で償却を行います。

2. 平成19年4月1日以後に取得したもの

  定額法 定率法
特徴 償却費の額が原則として毎年同額となります。 償却費の額は初年度が一番多く、年々逓減します。
ただし、定率法の償却率により計算した償却額が「償却保証額」に満たなくなった年分以後は、毎年同額となります。
計算方法 取得価額×定額法の償却率
  1. (1)調整前償却額 ≧ 償却保証額
    未償却残高×定率法の償却率(調整前償却額)
  2. (2)調整前償却額 < 償却保証額
    改定取得価額×改定償却率
  1. (注1)年の中途で取得又は取壊しをした場合には、上記の金額を12で除し、その年において事業に使用していた月数を乗じて計算した金額になります。
  2. (注2)償却保証額とは、取得価額×耐用年数に応じた保証率で計算します。
  3. (注3)改定取得価額とは、調整前償却額が初めて償却保証額に満たないこととなる年の期首未償却残高をいいます。
  4. (注4)改定償却率とは、改定取得価額に対しその償却費がその後同一となるように耐用年数に応じた償却率をいいます。

9. 法定耐用年数

建物・建物附属設備・構築物については、定額法で計算します。
(建物附属設備・構築物については、平成28年4月1日以降取得のものから、定額法のみになりました。)

  構造・用途 耐用年数 償却率
定額法 定率法 改定償却率 償却保証率
住宅用建物 木造 22年 0.046
木骨モルタル造 20年 0.050
鉄骨鉄筋
コンクリート造
鉄筋コンクリート造
47年 0.022
金属造
骨格材の肉厚が
4mmを超えるもの
3mm超4mm以下のもの
3mm以下のもの
34年
27年
19年
0.030
0.038
0.053
附属設備 電気設備
給排水・衛生設備
ガス設備
15年 0.067 0.133 0.143 0.04565
昇降機設備
エレベーター
17年 0.059 0.118 0.125 0.04038
消火、排煙、災害報知設備及び
格納式避難設備
8年 0.125 0.250 0.334 0.07909
  構造・用途 耐用年数 償却率
定額法 定率法 改定償却率 償却保証率
構築物 アスファルト舗装費用 10年 0.100 0.200 0.250 0.06552
塀・外構
鉄筋コンクリート造
コンクリート造
れんが造
30年
15年
25年
0.034
0.067
0.040
0.067
0.133
0.080
0.072
0.143
0.084
0.02366
0.04565
0.02841
備品器具 冷暖房用機器・電気冷蔵庫 6年 0.167 0.333 0.334 0.09911
カーテン・寝具等 3年 0.334 0.667 1.000 0.11089
その他 水道施設利用権
(定額法のみ×0.9はしない)
15年 0.067
  1. (注)平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産、平成19年4月1日から平成24年3月31日までに取得した減価償却資産については改正前の償却率で計算されます。

10. 中古資産の見積耐用年数

耐用年数の全部又は一部を経過した、いわゆる中古資産の耐用年数は、原則として取得時における使用可能期間とする方法(見積法)とされています。ただし、使用可能期間の見積りが困難なときは、次の簡便法により耐用年数を計算します。

区分 見積耐用年数
耐用年数の全部を経過した資産 法定耐用年数×0.2
耐用年数の一部を経過した資産 (法定耐用年数-経過年数)+経過年数×0.2
  1. ※その計算した耐用年数に 1年未満の端数があるときは、端数を切り捨てた年数とし、その計算した耐用年数が2年に満たない場合は2年とする。

11. 青色申告について

不動産所得に関連した主な青色申告の特典は、次のようなものがあります。

(1)生計を一にする親族に対する対価(事業的規模)

所得税では同居親族などの生計ー親族への対価(家賃・給与・利息)などは必要経費に計上できません。しかし、事業的規模で、かつ、専ら事業に従事する親族への給与の支払いは以下のように取扱います。

区 分 内 容
青色申告 青色事業専従者給与 青色事業専従者給与に関する届出書に記載した金額の範囲内の適正額
白色申告 事業専従者控除 次のいずれか少ない金額
イ. 50万円(配偶者は 86万円 ) ロ.専従者控除前の所得金額÷(専従者の数+1)

(2)青色申告特別控除

控除額 55万円控除 (e-Tax申告または電子帳簿保存で65万円) 10万円控除
適用要件 ①不動産所得(事業的規模)又は事業所得のある者
②複式簿記で、かつ、貸借対照表を添付
③期限内申告
④現金主義の選択者でない(発生主義)
左のいずれかに該当しない。
控除順序 不動産所得→事業所得(所得を限度) 不動産所得→事業所得→山林所得(所得を限度)

(3)中小企業者等の少額減価償却資産の特例

業務に使用する資産のうち、高額なものは、法定耐用年数にわたって減価償却により費用に計上しなければなりません 。しかし、青色申告を条件に30万円未満の取得価額の資産は、年間300万円を限度として資産購入時に一括して経費にできるという特例があります。(令和4年3月31日まで)

12. 規模の違いによる税務上の取扱い

不動産の貸付が事業的規模として行われているかどうかは社会通念上事業といえる程度の規模かどうかで判断することになります。形式的には以下の要件を満たせば事業的規模とみなされます。

事業的規模の判断基準 所得区分
実質基準 社会通念上事業と称する規模 不動産所得
形式基準 概ね貸家5棟以上 概ね貸室10室以上 概ね駐車場50台以上

また、事業的規模に該当するか否かにより、不動産所得の計算上、以下のような違いがあります。

項目 事業的規模 事業的規模以外
収入計上時期
(前受・未収の経理)
期間対応が可能(原則は契約上の支払日) 1年以内の期間の賃料に限り期間対応が可能
資産損失 取壊し、除却、滅失等 損失の全額を必要経費に算入 不動産所得の金額を限度として必要経費に算入
災害等 同上
他に被災事業用資産の損失の繰越控除適用が可能
上記と雑損控除との選択適用
貸倒損失 その損失が生じた年分の必要経費に算入 総収入金額に計上した年分に遡って、一定限度額の総収入金額を減額→更正の請求
貸倒引当金 一定金額を必要経費に算入 適用なし
事業専従者給与・控除 一定要件を充足した場合には必要経費に算入 適用なし
青色申告特別控除 一定の要件を具備することにより最高65万円 最高10万円
(事業所得がある場合には最高65万円)

13. 不動産所得の損益通算の特例

1. 損益通算

損益通算とは、各種所得金額の計算上生じた損失のうち不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得についてのみ、一定の順序にしたがって、他の各種所得の金額から控除することできます。

2. 損益通算の特例

不動産所得の金額の損失のうち、次に掲げる損失の金額は、損益通算の対象となりません。

  • (1)別荘などの生活に通常必要でない資産とされる不動産の貸付けに係る損失
  • (2)土地等を取得するために要した負債の利子に相当する部分の損失
  • (3)不動産信託等から生じる損失で一定のもの
  • (4)国外中古建物の貸付による損失(国外中古建物以外の国外不動産所得と相殺後の損失)

    ※国外中古建物とは、国外にある建物で、中古資産の見積耐用年数(国外中古建物の所在地国の法定耐用年数など一定のものを除く。)を使用するもの(令和3年以降に適用)

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山口 智充さん

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