不動産投資の初期費用はいくら必要? 融資を組んで始めるときのイニシャルコストを解説
ざっくり要約!
- 不動産投資の初期費用には、頭金、手付金、仲介手数料、印紙税などがある
- 初期費用は「担保評価の高い物件を選ぶ」「融資に強い不動産会社に相談をする」などの方法で抑えることも可能
不動産投資では、仲介手数料、登記費用などの初期費用がかかります。金融機関から融資を受ける場合は、頭金や融資事務手数料、保証料などもかかってきます。の
不動産投資を始める際は、初期費用の種類や金額の決まり方などを理解し、入念に資金計画を立てることが大切です。
今回は、不動産投資の初期費用の内訳や費用を抑える方法などを解説します。
目次
不動産投資の初期費用の目安
不動産投資を始めるときは、税金や手数料などの諸費用がかかります。諸費用の目安は、物件購入価格の8〜10%です。融資を組む場合の初期費用は、諸費用と頭金を合わせて物件購入価格の20〜40%程度が目安となります。
たとえば、物件購入価格が5,000万円の場合、初期費用の目安は1,000万〜2,000万円です。ただし、実際の初期費用は、投資する物件の価格だけでなく、個人の年収や勤続年数、保有資産などでも変わるため一概にはいえません。
安定した高い年収がある方やすでに不動産投資で収益を得ている方などは、金融機関からの融資額が増えて準備すべき頭金が減り、初期費用が少なく済む場合があります。
不動産投資の初期費用の内訳
融資を組んで不動産投資を始める際にかかる初期費用の内訳は、以下の通りです。
| 概要 | |
|---|---|
| 頭金 | 物件価格のうち自己資金で支払う部分 |
| 手付金 | 売買契約を結ぶときに買主から売主に支払う金銭 |
| 仲介手数料 | 不動産会社に成功報酬として支払う手数料 |
| 印紙税 | 不動産売買契約書や不動産投資ローンの契約書などに課税される税金 |
| 融資手数料・保証料 | 融資を受ける際に金融機関や保証会社に支払う手数料 |
| 登記費用 | 所有権移転や抵当権設定などの登記手続きに必要な費用 |
| 不動産取得税 | 不動産取得時に1度だけ課される税金 |
| 火災保険料・地震保険料 | 火災保険や地震保険の保険料 |
それぞれの支払う理由や金額の計算方法をみていきましょう。
頭金
頭金とは、投資用不動産を購入する際、最初に支払うある程度まとまった金銭のことです。一般的に、不動産投資を始める際は、物件価格の20~30%ほどの頭金を用意するのが望ましいといわれています。
頭金を多く支払うと、融資の借入額が減るため、毎月の返済額や利息負担が軽減されます。また、金融機関からの評価が高まり、融資審査に通過しやすくもなるでしょう。
不動産投資の「自己資金」に関する記事はこちら
不動産投資に自己資金はいくら必要?自己資金別の購入できる物件価格と種別を紹介
手付金
手付金は、不動産の売買契約を結ぶときに買主から売主へ支払われる金銭です。手付金の金額は、売買代金の5~10%が一般的です。
不動産売買における手付金には、次の3つの役割があります。
- 証約手付
- 解約手付
- 違約手付
詳しくは、以下の記事をご参照ください。
「手付金」に関する記事はこちら
不動産売買の手付金とは?相場や役割、支払い方法を解説
仲介手数料
仲介手数料は、売買契約を仲介した不動産会社に成功報酬として支払う手数料です。金額は不動産会社によって異なりますが、法律により上限は「売買価格の3%+6万円」と定められています。
たとえば、2,000万円の物件を購入する場合、仲介手数料の上限は「2,000万円×3%+6万円=66万円(税抜)」です。
印紙税
印紙税は、不動産売買契約書や不動産投資ローン契約書などの文書を作成したときに課税される税金です。不動産売買契約書と不動産投資ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)の印紙税額は下記の通りです。
| 契約書に記載される金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
|---|---|---|
| 頭金 | 400円 | 200円 |
| 50万円を超え100万円以下のもの | 1,000円 | 500円 |
| 100万円を超え500万円以下のもの | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円を超え1,000万円以下のもの | 1万円 | 5,000円 |
| 1,000万円を超え5,000万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
| 5,000万円を超え1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
| 1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
| 5億円を超え10億円以下のもの | 20万円 | 16万円 |
| 10億円を超え50億円以下のもの | 40万円 | 32万円 |
※出典:国税庁「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」
不動産売買契約書が2027年3月31日までに作成される場合は、軽減税率により印紙税額が軽減されます。たとえば、契約書に記載される契約金額が1億円の場合、通常の税額は6万円ですが、軽減税率が適用されると3万円に減額されます。
ただし、不動産投資ローンの契約書には軽減税率が適用されません。
印紙税を納める際は該当する金額分の収入印紙を契約書に添付して消印をします。なお、電子契約の場合は、原則として印紙税がかかりません。
融資事務手数料
融資事務手数料は、融資を借り入れる金融機関に対して支払う手数料です。融資金額に一定の料率をかけて計算する「定率制」と、融資金額にかかわらず一定である「定額制」の2種類があります。金額の目安は以下の通りです。
- 定額制:3万〜10万円ほど
- 定率制:融資金額×1〜2%程度
※上記はともに税抜の金額
定率制の場合、融資金額が高くなるほど融資事務手数料も高額になります。
保証料
保証料は保証会社に支払う手数料です。保証会社は、ローンの利用者が返済を滞らせたとき代わりに返済(代位弁済)をする会社です。代位弁済が行われたとしてもローンが免除されるわけではなく、保証会社から借入金の一括返済を請求されることになります。
保証料の支払方法には、借入時に一括で支払う「外枠方式」と、ローンの金利に上乗せして支払う「内枠方式」の2種類があります。支払額の目安は以下の通りです。
- 外枠方式:融資金額×1〜2%
- 内枠方式:ローン金利に年0.2〜0.3%程度を上乗せ
融資手数料とは異なり保証料には消費税がかかりません。
登記費用
登記費用は、不動産の所有権移転や抵当権設定などの登記手続きにかかる費用です。登記をする際に納める「登録免許税」と、手続きを司法書士に依頼したときの「司法書士報酬」があります。
不動産の名義を売主から買主に変更する「所有権移転登記」や、建物を新築したときの「所有権保存登記」の登録免許税は「不動産の価額×税率」で算出されます。
不動産の価額は、基本的に市町村役場が管理する固定資産課税台帳に記載された価格(固定資産税評価額)と同じです。
金融機関から融資を受けたときは、取得する物件を借入金の担保とするための「抵当権設定登記」も必要です。税額は「融資金額×税率」で計算されます。
それぞれの税率は下記の通りです。
| 税率 | |
|---|---|
| 所有権移転登記 | 土地:原則2.0%・軽減税率1.5% ※2026年3月31日まで 建物:2.0% |
| 所有権保存登記 | 原則0.4%・軽減税率0.15% ※2027年3月31日まで |
| 抵当権設定登記 | 0.1% ※2027年3月31日までの軽減税率 |
司法書士報酬の報酬は、依頼する内容や地域などで異なりますが、5万~10万円程度が相場です。
不動産取得税
不動産取得税は、不動産を取得したときに1度だけ納める税金です。税額は原則として「不動産の価額×税率」で計算します。
不動産の価額は基本的に固定資産税評価額と同じです。ただし、住宅を建てるための土地を取得する場合は、特例により固定資産税評価額の1/2が不動産の価額となります。
税率は本来4%ですが、2027年3月31日までに取得した土地や建物(住宅)については、軽減措置により3%となります。
不動産取得税を納めるのは、一般的に不動産を購入してから数か月〜半年後です。各都道府県から送付される納税通知書をもとに納めます。
「不動産所得の税率」に関する記事はこちら
不動産所得に税金はいくらかかる?計算方法や税率、不動産所得と家賃収入の違いを解説
火災保険料・地震保険料
火災保険は、火災、落雷、破裂・爆発、風災、雹災、雪災などによる建物の損害を補償する保険です。物件が火災で燃えてしまったときだけでなく、契約内容によっては台風や土砂崩れなどの自然災害で負った損害も補償されます。
金融機関から融資を受ける場合、火災保険の加入が融資条件となっているケースがほとんどです。
火災保険の保険料は、物件の構造、補償が受けられる範囲、保険金額(保険金の支払上限額)、加入先の保険会社などで異なります。
地震保険は、火災保険の補償対象外である地震や噴火、それらによる津波で負った損害を補償する保険です。保険料は、建物の構造(耐火・非耐火)と所在地(都道府県)によって決まります。火災保険とは異なり、加入する保険会社によって保険料に違いは生じません。
不動産投資の初期費用を抑える方法

投資する物件や不動産会社の選び方を工夫することで、不動産投資の初期費用を抑えられる可能性があります。ここでは、不動産投資の初期費用を抑える方法を3つご紹介します。
担保評価の高い物件を選ぶ
担保評価は、融資を利用して購入する物件に担保としての価値がいくらあるのかを評価するものです。
担保評価が高い物件を選ぶと、金融機関からより多くの融資を受けられる可能性があります。物件購入価格の多くを融資金で賄えると、準備すべき頭金が少なくなり、初期費用を抑えることが可能です。
不動産投資を始める際は、不動産会社の意見も参考に、担保評価の高さにも着目して投資する不動産を選ぶと良いでしょう。
融資に強い不動産会社で購入する
融資に強い不動産会社で投資用不動産を購入すると、少ない頭金で借り入れができる金融機関を紹介してもらえることがあります。また「借入金利が低い」「融資期間が長い」など、より有利な条件で融資を受けられる可能性もあります。
申込書類の準備や金融機関との交渉などをサポートしてもらうことも可能です。初期費用を抑えたいときや、よりスムーズに有利な条件の融資を受けたいときは、融資に強い不動産会社に相談をするのも1つの方法です。
業者売主物件を選ぶ
業者売主物件とは、不動産会社が売主となって直接販売する物件のことです。通常、投資用不動産を購入する際は、売主と買主を仲介する不動産会社に仲介手数料を支払う必要がありますが、業者売主物件であればかかりません。
たとえば、価格が6000万円である場合、業者売主物件であれば、最大で「6,000万円×3%+6万円=186万円(税抜)」の仲介手数料を削減することが可能です。
不動産投資の初期費用は低ければ良いというわけではない
不動産投資でもっとも重要なのは、安定した収益が期待できる物件に投資することです。不動産投資を始める際、初期費用を削減することばかりに注力すると、かえって失敗を招く恐れがあります。
たとえば、取得費用を抑えるために価格が手ごろな築古の不動産に投資をすると、空室が続いて家賃収入が期待通りに得られないかもしれません。運用を開始した直後に想定外の修繕費用が発生して、収益が圧迫されるケースもあります。
不動産投資を行う際は、立地や建物の状態、周辺の賃貸需要などをもとに、高い収益が見込める物件を選ぶことが大切です。そのうえで、物件の収益性を損なわない範囲で初期費用を抑える方法を検討すると良いでしょう。
まとめ
不動産投資を始めるときは、頭金や仲介手数料、登記費用などの初期費用がかかるため、ある程度まとまった自己資金が必要です。
初期費用を抑えたいときは「担保評価の高い物件を選ぶ」「融資に強い不動産会社を選ぶ」「業者売主物件に投資をする」といった方法を検討すると良いでしょう。
継続的に家賃収入が得られる物件を慎重に選び、無理のない範囲で初期費用を抑えることで、より安定した収益が期待できます。

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ワンポイントアドバイス
頭金を多く入れたために手持ち資金が著しく減ると、空室が発生して賃料収入が低下したときや、多額の修繕費用が必要になったときに対処が難しくなるかもしれません。頭金を入れるとしても、不測の事態に備えてある程度の手持ち資金は残しておきましょう。
この記事のポイント
Q. 不動産投資をする際はどの様な初期費用が発生しますか?
A. 頭金や手付金、仲介手数料など様々な初期費用が発生します。詳しくは「不動産投資の初期費用の内訳」をご覧ください。
Q. 不動産投資の初期費用を抑えるにはどうしたら良いですか?
A. 投資する物件や不動産会社の選び方を工夫することで、不動産投資の初期費用を抑えられる可能性があります。詳しくは「不動産投資の初期費用を抑える方法」をご覧ください。
Q. 不動産投資を始める際、初期費用は低い方が良いですよね?
A. 初期費用を削減することばかりに注力すると、かえって失敗を招く恐れがあります。詳しくは「不動産投資の初期費用は低ければ良いというわけではない」をご覧ください。