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不動産市況レポート2024年1月度の不動産市況

中古マンション、中古戸建ともに成約件数上昇

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は、2月13日に発表した2024年1月度首都圏(1都3県)不動産市場の動向を発表しました。中古マンション価格は5か月ぶりの2桁増と高騰傾向が継続している一方、中古戸建価格は5か月ぶりの下落。いずれのエリアも、マンションと戸建の売れ行きに大きな差が生じているようです。

首都圏中古マンション

項目 2024年1月成約物件の平均 対前年同月
平米単価 75.98万円/㎡ +11.2%
件数 2,711件 +5.0%
価格 4,860万円 +13.7%
専有面積 63.97㎡ +2.2%
築年数 23.53年 -0.53年
在庫件数 47,449件 +8.6%

(参考:東日本不動産流通機構

 2024年1月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比11.2%増の「75.98万円/㎡」でした。成約平米単価の上昇は、45か月連続。2桁増となるのは、5か月ぶりです。成約件数は同5.0%増ですが、在庫件数の上昇率は8.6%に留まり、22年6月以降初めて10%を下回りました。23年には一時、前年を2割以上超える数の在庫が積み上がっていきましたが、在庫数の増加も落ち着きつつあります。

エリア 2024年1月成約㎡単価前年同月比 2024年1月成約件数前年同月比
東京都区部 +8.7% +10.9%
東京都多摩 +17.5% +1.2%
横浜・川崎市 +5.3% -1.3%
上記除く
神奈川県
+19.4% -9.6%
埼玉県 +8.6% +3.5%
千葉県 +8.3% +6.3%

(参考:東日本不動産流通機構

 成約件数は神奈川県以外のエリアは増加し、成約価格についてはすべてのエリアで上昇しました。東京都区部の価格上昇は45か月連続、東京都多摩、横浜・川崎市も7か月連続の上昇です。上昇率が20%に迫るエリアも見られ、平均平米単価もこの1年で最高値となっています。

首都圏中古戸建

項目 2024年1月成約物件の平均 対前年同月
価格 3,803万円 -0.6%
件数 962件 +1.7%
土地面積 142.22㎡ -6.4%
建物面積 102.96㎡ -1.1%
築年数 21.41年 -0.16年
在庫件数 20,654件 +35.0%

(参考:東日本不動産流通機構

 中古戸建の成約価格は、前年同月比0.6%減の3,803万円です。ほぼ横ばいながら、5か月ぶりに前年同月を下回りました。成約件数は1.7%増で2か月連続の上昇も、好調なマンションとは異なり高騰傾向は見られません。在庫数は、2万戸の大台を突破した23年12月と同等の35.0%増。17か月連続の増加です。

エリア 2024年1月成約㎡単価前年同月比 2024年1月成約件数前年同月比
東京都区部 +7.5% +8.5%
東京都多摩 -12.4% +9.0%
横浜・川崎市 -1.9% -3.9%
上記除く
神奈川県
-16.3% -9.8%
埼玉県 +5.2% -1.0%
千葉県 -3.9% +5.7%

(参考:東日本不動産流通機構

 東京都区部は成約価格・成約件数ともに前年同月比プラスとなっていますが、決して好調というわけではないようです。東京都区部の成約価格および成約件数は、23年のほとんどの月が前年同月比マイナス。1月の高騰・増加は3か月ぶりのことです。23年は比較的好調だった千葉県も、1月は成約価格が6か月ぶりにマイナスに転じました。

“注目”の不動産ニュース

「50年住宅ローン」が台頭

取り扱い開始時期 金融機関名
2023年8月 住信SBIネット銀行
2023年8月 広島銀行
2023年11月 大東銀行
2023年11月 きらやか銀行
2023年11月 福岡銀行
2023年11月 山陰合同銀行

 最長返済期間を50年とする住宅ローンの提供を開始する金融機関が、昨年23年から増加しています。“超”長期の住宅ローンが台頭しつつある背景には、住宅の高騰があります。

返済期間が伸びれば月々の返済額は減少する

 住宅ローンの返済額は、借り入れる額と金利、そして返済期間によって変わってきます。たとえば、4,500万円を返済期間35年・金利0.475%・元利均等返済で借り入れた場合、月々の返済額は約11万6,000円です。一方、返済期間を50年とし、その他の条件を同一とした場合、月々の返済額は約8万4,000円と、3万円以上減少します。
 これまで住宅ローンの最長返済期間として35年が一般的だったのは、あくまで金融機関のリスクや顧客のニーズ、市況などによるものです。これ以上の期間の融資を組んではいけないといった取り決めがあるわけではありません。
 昨今では住宅価格が著しく高騰している一方で、賃金の上昇はそれに伴っていません。これにより住宅を買いたくても買えない層が増えたこと、そして金利水準がほぼ底を打ったことで、金融機関が他行と差別化するための方策の矛先が「返済期間」に向いたことが、超長期の住宅ローン商品が増えた要因となっているのでしょう。

機構融資返済中の方は返済方法の変更が可能になることも

 返済期間を延ばすことで月々の返済負担は下がりますが、金利を負担する期間が伸びることから総返済額は上がります。先ほどの条件だと、返済期間が35年の場合の総返済額は約4,890万円ですが、返済期間が50年になると約5,060万円まで増額します。また、超長期の住宅ローンは金利が上乗せになるケースも多く、実際の負担額はさらに大きなものとなる可能性もあります。
 ただ、見方によっては、超長期の住宅ローンには月々の返済額を抑えられる以外のメリットもあります。上記の簡易シミュレーションでは、返済期間を延ばすことで月々の返済額が3万円以上減少するという計算結果となりましたが、この3万円を住宅ローン金利以上の利回りで資産形成に回せば、結果として超長期の住宅ローンを組んだほうが手残りは多いということになります。もちろん投資には一定のリスクがあるため、その点は考慮しなければなりませんが、金利が低い今、積極的に資産形成をしていこうと考える方もまた、超長期の住宅ローンが選択肢の一つに入ってくるのではないでしょうか。

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