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不動産市況レポート2023年3月度の不動産市況

3月は引き続き価格上昇も中古戸建の成約数減少が目立つ

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が4月10日に発表した2023年3月度首都圏(1都3県)不動産市場の動向によれば、ほぼ全てのエリア・物件種別で価格が上昇しています。一方、成約件数については、中古マンションが若干の上昇を見せたものの、中古戸建は前年同月比-7.8%と大きく減少しています。

首都圏中古マンション

項目 2023年3月成約物件の平均 対前年同月
平米単価 69.83万円/㎡ +6.8%
件数 3,442件 +1.1%
価格 4,441万円 +6.8%
専有面積 63.59㎡ 0.0%
築年数 23.33年 +0.09年
在庫件数 45,125件 +19.8%

(参考:東日本不動産流通機構

 2023年3月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比+6.8%の「69.83万円/㎡」でした。成約平米単価の上昇は、2020年5月から35ヶ月連続。成約件数は長らく減少傾向にありましたが、2ヶ月連続の増加となっています。在庫件数は同+19.1%と、増加傾向はここ数ヶ月の傾向と変わりません。

エリア 2023年3月成約㎡単価前年同月比 2023年3月成約件数前年同月比
東京都区部 +3.7% +4.0%
東京都多摩 +6.1% +0.6%
横浜・川崎市 +9.1% +2.3%
上記除く
神奈川県
+4.3% -4.8%
埼玉県 +9.8% -8.4%
千葉県 +4.1% +1.7%

(参考:東日本不動産流通機構

 全てのエリアで成約平米単価は上昇も、横浜・川崎市を除く神奈川県や埼玉県は成約数を減らしました。成約価格の上昇率が最も高い埼玉県。その一方で、成約件数の減少率も最も高いという需給バランスだけでは説明できない現象もみられます。これは、成約物件の価格帯の変化によるものと推測されます。

首都圏中古戸建

項目 2023年3月成約物件の平均 対前年同月
価格 3,914万円 +4.6%
件数 1,186件 -7.8%
土地面積 137.24㎡ -1.2%
建物面積 103.03㎡ -0.9%
築年数 21.95年 +0.92年
在庫件数 16,469件 +23.4%

(参考:東日本不動産流通機構

 2023年2月に成約した首都圏中古戸建の平均価格は、前年同月比+4.6%の3,914万円。2020年11月から29ヶ月連続で上昇しています。一方、成約件数は減少傾向が継続しています。対前年比の在庫数は先月同様、大幅に増加したものの、ここ数ヶ月の数自体はほぼ横ばいです。

エリア 2023年3月成約㎡単価前年同月比 2023年3月成約件数前年同月比
東京都区部 +5.0% -11.0%
東京都多摩 -1.0% -1.8%
横浜・川崎市 +11.4% -20.5%
上記除く
神奈川県
+6.9% -12.3%
埼玉県 +11.1% -2.3%
千葉県 +6.2% -0.4%

(参考:東日本不動産流通機構

成約価格は、東京都多摩を除いた全エリアが上昇。横浜・川崎市、埼玉県の上昇率は同10%を超えています。一方、横浜・川崎市の成約件数は同-20%と大幅減。ここでも、需給バランスだけでは説明できない成約物件の価格帯の変化が成約件数に影響しているものと推測されます。

日銀、植田和男新総裁「金融緩和策、継続が適当」

 4月10日、日本銀行の新総裁に植田和男氏が就任しました。気になる金融政策の行方ですが、当面は緩和策が継続する見込みです。植田氏は就任時の記者会見に際し、前総裁の黒田氏が就任当時から推し進め、円安やインフレ傾向にあっても任期満了まで貫き続けた金融緩和について「継続が適当」との発言が見られました。金融緩和には副作用もあるとしながらも、黒田前総裁同様「2%の安定した物価上昇」を目指す考えを述べています。

金融政策の転換しない間は高騰基調が維持か

 上述のとおり、首都圏の不動産価格は高騰基調が継続しています。22年末に長期金利の変動幅が引き上げられた際には「不動産バブル終焉か」との声も聞かれました。しかし、2023年に入ってから住宅ローンの固定金利が若干上がったものの、4月にはフラット35をはじめ多くの長期固定金利商品が金利水準を大きく下げています。そして変動金利は、依然として“史上最低”ともいえる水準を維持。不動産価格の高騰基調は、金融政策の転換が見られない限り、当面は継続するものとみられます。

在庫数は高止まり

 コロナ禍になってから大きく数を減らしていた中古物件の在庫ですが、2021年頃から増加傾向にあります。しかし、ここ数ヶ月、減りはしないものの高止まりの様相を見せています。一方で、成約件数は減少傾向に。需給バランスに鑑みれば、価格が下落してもおかしくない状況ですが、ローン金利が上がらないという状況に加え、在庫数の増加が一段落したこともまた高騰基調維持に影響しているものと推測されます。

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