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不動産市況レポート2022年11月度の不動産市況

11月は首都圏(1都3県)と札幌市・仙台市
中古戸建の成約数は下落、価格は上昇傾向に

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が12月10日に発表した、首都圏(1都3県)と札幌市・仙台市の2022年11月度の不動産流通市場の動向は、中古マンション成約数は、2,797件で前年同月比-18.1%と4カ月連続で前年同月を下回っています。平米単価は69.69万円/平方㍍、前年同月14.4%で、2020年5月から31カ月連続で上昇傾向となっています。平均成約価格は、4,417万円で13.3%の2ケタ上昇となり、2020年6月から30カ月連続で前年同月を上回りました。平均専有面積は63・38平方㍍(同-0.9%)で6月から18カ月連続で前年同月を下回り、平均築後年数は24.00年(同23.39年)となります。

 中古マンション成約数は4カ月連続で前年同月を下回っていますが、これらの事が、今後少なからず影響すると思われます。

 2020年11月から25カ月連続で前年同月を上回っていますが、中古戸建の成約数は、前年比-16.1%の2ケタ減となり、11カ月連続で前年同月を下回りました。成約価格は前年比で6.6%上昇し、土地面積は前年比で2.1%縮小、建物面積も同2.1%縮小となりました。

 中古成約物件(地域別動向)では、成約件数は、すべての地域が前年比で減少が続き、横浜・川崎市と埼玉県は11カ月連続で前年同月を下回っています。成約単価はすべての地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は11カ月連続、多摩は3カ月連続、横浜・川崎市は17カ月連続、埼玉県は7カ月連続、千葉県は21カ月連続、で前年同月を上回っています。

 中古戸建成約物件では、成約件数はすべての地域が前年比で減少し、東京都区部と多摩、埼玉県は11カ月連続で前年同月を下回っています。成約価格はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部は11カ月連続、横浜・川崎市は17カ月連続、埼玉県は7カ月連続、千葉県は21カ月連続、で前年同月を上回っています。

【円高と物不足が輸入資材に影響、住宅の価格高騰に跳ね返る】

 コロナにより、テレワークの広がりなどから、住宅需要は郊外へと広がることを期待する向きもあったが、首都圏のニーズはまだ根強くあるようだ。中古マンションの成約価格については、今年11月は69.69万円/平方㍍。2012年の平均単価38万円/平方㍍であり、首都圏の価格高騰傾向は続いています。戸建ても同様に価格上昇傾向は続いています。

 日米金利差や中国経済の先行き懸念も受け、11月は、先の見通しが流動的となり、不動産業界も少なからずあおりを受けた月だといえます。2022年10月21日深夜、外国為替市場の円相場が一時、1ドル=151円90銭台まで円が下落し、日本銀行の為替介入後も、10月末の為替相場は1ドル=148円01銭と円安が続きました。11月に入ると、10日に米国消費者物価指数(CPI)が発表され、上昇率は緩やかになり、11月11日には1ドル=141円19銭(前日146円31銭)に急伸しました。以降も140円を挟んだ展開で、11月29日は138円28銭と1カ月で円が10円近く上昇しました。国内では物価高が収まらず、価格転嫁が難しい中小企業の資金繰りや個人消費の動向などの不安要因も払拭されず、当面の推移に人々の住宅を含めた購買意欲は影響されると考えます。

 そして半導体が不足し、サプライチェーン(調達・供給網)が揺さぶられています。給湯器やトイレなど、住宅設備の生産が遅れ、価格が高騰しています。背景にはウクライナ危機があると考えられています。原材料の一部にロシアやウクライナへの依存度が高いものがあるようです。長期化している世界的な半導体不足に拍車をかける、新たな要因となりかねない状況となっています。これは住宅資材の供給が潤滑に行われない事を意味します。

【資材供給ができるまで、低迷傾向か】

 約30年前から、円高がきっかけで、国内には海外生産移転の動きが起こり始めました。生産コスト削減を企図したものから、新興国の経済発展を要因に海外現地市場の獲得を企図したものにシフトする形で増加しました。今回は、海外進出していったそれらの企業を国内に取り戻すために、政府は経済産業省を通じて各企業に働きかけを行っています。海外から日本に工場を移転するなら、政府は支援します、ということです。海外から国内へ製造過程等の移転にともなう費用について、最大でかかった費用の3分の2程度政府が補助をする。この事業による軌道修正が行われるまでは、当面、住宅の供給数、価格ともに現状維持といったところであろう。

2022年11月 ”注目”の不動産ニュース

若い世帯・子育て世帯の環境性能住宅取得を後押し
こどもエコすまい支援事業

 環境性能の高い住宅に対する補助事業「こどもエコすまい支援事業」が創設されることが、2022年11月8日に、令和4年度補正予算案が閣議決定され、注目されています。

補助金制度で若い世代の住宅取得を応援

 同事業は、エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することで、子育て世帯・若者夫婦世帯などによる省エネ投資の下支えを行い、2050年カーボンニュートラルの実現を図ることを目的としています。

 補助金の支給対象は「高い省エネ性能を有する住宅の新築(持家)」と「一定のリフォーム」。新築の場合、対象となる住宅はZEH住宅になります。強化外皮基準かつ再生可能エネルギーなどを除く一次エネルギー消費量マイナス20%に適合するもので、ZEH、Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Orientedに加え、2022年10月1日以降に認定申請した認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅が対象となります。補助額100万円/戸。

 リフォームの場合は、対象となる工事は、住宅の省エネ改修であることが必須。①窓・ドアの断熱改修、②エコ住宅設備(蓄電池を含む)の設置、③子育て対応改修④防災性向上改修、⑤バリアフリー改修、⑥空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置、⑦リフォーム瑕疵保険などへの加入があり、①~③はいずれか必須。④~⑧は任意となっています。また、外壁、屋根・天井又は床の断熱改修を行う際は、省エネ基準レベル又はZEHレベルであることが必要です。

 補助額については、リフォーム工事内容に応じて定める上限補助額は下表のとおりとなっています。

リフォーム工事内容に応じて定める上限補助額

新制度は建築業者・宅建業者が申請
一般消費者は事業者から補助金を還元される

 同事業は、2021年度補正予算を542億円、2022年度予備費等を600億円計上し、補助金申請額が予算上限に達したため、交付申請の受付を終了した「こどもみらい住宅支援事業(旧事業)」を受けて、新たに創設されました。旧事業は、対象者は同じですが、「こどもみらい住宅支援事業(旧事業)」とは異なり、注文住宅の新築の際には建築主が、新築分譲住宅の購入の際には購入者が、リフォームの際には工事発注者が、助成を受けられるものでした。補助額については、注文住宅の新築と新築分譲住宅の購入の場合は、同事業は一律100万円なのに対し、住宅の省エネ性能等に応じて60万円から100万円、リフォームを実施する場合は、補助対象工事および発注者の属性等に応じて5万円から60万円でした。

3省連携で補助金を上手に利用を

 注文住宅の新築、新築分譲住宅購入の場合、本体工事の全部又は一部を対象とする国のほかの補助制度との併用はできませんが、「住まいの復興給付金」または「外構部の木質化対策支援事業」との併用は可能です。

 住宅性能に関する書類の提出が必要になります。住宅性能を証明するための書類には

  1. BELS登録機関が発行した「BELS評価書(ZEHマークまたはZEHーMマークが表示されたもの)」
  2. 登録住宅性能評価機関が発行した「設計住宅性能評価書 又は 建設住宅性能評価書
    (断熱等性能等級5 かつ 一次エネルギー消費量等級6を満たすもの)」
  3. 所管行政庁が発行した「長期優良住宅建築等計画認定通知書(2022年10月1日以降に認定申請をした住宅が対象)」
  4. 所管行政庁が発行した「低炭素建築物新築等計画認定通知書(2022年10月1日以降に認定申請をした住宅が対象)」
  5. 所管行政庁が発行した「性能向上計画認定通知書(2022年10月1日以降に認定申請をした住宅が対象)」
  6. 適合証明機関が発行した「フラット35S適合証明書」「竣工現場検査申請書」「適合証明申請書(すべての面)」または「フラット35S設計検査に関する通知書」「設計検査申請書(すべての面)」

 があります。いずれかの書類を用意することにより、性能の証明を行うことが必要です。

 外構を含んだ住宅のリフォーム工事の場合、原則として、国のほかの補助制度との併用はできませんが、同事業が国土交通省、経済産業省及び環境省が連携した事業の1つであるために、「住宅の断熱性向上のための先進的設備導入促進事業など(経済産業省・環境省)」「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金(経済産業省)」「こどもエコすまい支援事業 (国土交通省)」の3事業は補助対象が重複しなければ併用が可能となっています。

 また、同制度で対象とするリフォーム工事の請負工事契約と、ほかの補助制度で対象とするリフォーム工事の請負工事契約が別である場合については、併用が可能です。

要件を確認して、上手に補助金を活用してみてはいかがでしょうか。

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