ざっくり要約!
- マンションを売るつもりで買うことで将来、売却しやすくなり、場合によっては利益が得られることもある
- 立地や耐震性、管理状態、周辺の再開発計画などから、マンションの資産性を見極めよう
マンションなどの不動産は人生で最も高価な買い物といわれますが、家を買ったらずっとそこで住み続けなければならないわけではありません。世帯数の変化や転勤などが理由で家を手放す必要性が出てくることもあるでしょう。
また近年、一部のマンション価格が著しく高騰していることから、投資目的で自宅マンションを購入する方も少なくありません。将来、売却するつもりでマンションを買うなら、資産性・流通性が維持されやすいマンションを選ぶことが大切です。
記事サマリー
「売るつもり」でマンションを買うってどういうこと?
自己居住用のマンションは、当然ながら居住するために購入します。しかし、家族が増えたり、年を重ねたりすることで、間取りや広さが今の生活に合わなくなっていくこともあるでしょう。
また、近年は暮らし方や働き方が多様化していることもあって、数年後には暮らしが大きく変わっている可能性もあります。こうした変化に対応するための手段のひとつが「売るつもり」でマンションを購入することです。
近年のマンションの価格推移

近年、マンション価格は顕著に上昇しています。上記のグラフは、不動産価格の動向を指数化したものの推移を表しており、2010年の平均を「100」としています。2025年末時点のマンションの指数は「225.1」。つまり、この15年で2.2倍以上に上昇していることになります。
どんな人・世帯に向いている買い方?
インフレも進んでいることから不動産投資にも注目が集まっていますが、金利の低い住宅ローンを利用して購入でき、住宅ローン減税などの税制優遇も手厚い自宅で投資することができれば非常に有利です。「自宅投資」という言葉も近年、注目されています。
とくに、ライフステージの変化が見込まれる子育て世帯や将来的に転勤・移住の可能性がある共働き世帯に向いている買い方といえるでしょう。フレキシブルに住まいを変えていきたい方にもおすすめできます。住宅ローン減税などの税制優遇を受けながら資産形成もできるため、賃貸に住み続けるよりも有利になるケースも少なくありません。
とはいえ、住宅ローン残債がある状態でマンションを売ることはできません。また、マンションを売ったら新居が必要になり、不動産の売買には諸費用もかかることから、マンションを売るには一定の資金が必要です。したがって、将来、売るつもりでマンションを購入するなら、資産性・流通性の高いマンションを選ぶ必要があります。
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売るつもりでマンションを買うメリット
売るつもりで中古マンションを買うメリットは、住み替えやすくなり、マンションの老朽化にも対応しやすくなることです。また、場合によっては利益が得られることもあります。
住み替えやすくなる
マンション購入後は、購入時のライフスタイルがずっと続くわけではありません。購入直後は大きな変化はなくても、数十年のうちにご自身の転勤や収入の変化、結婚や出産、こどもの成長などさまざまな変化があるでしょう。
環境の変化に伴い、購入時は快適だったマンションでも不便に感じることも少なくありません。しかし、住み替えるには一度購入したマンションを売却する必要があります。マンションを売却できなければ家を2つ所有することになり、その場合、金銭的負担が大きくなります。
また、売却できたとしても、購入時より大幅に低い価格となる可能性もあります。購入の際に売却までを視野に入れて物件選びをすることで、いざというときにスムーズに売却しやすくなるでしょう。
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老朽化に対応しやすくなる
マンション購入後に変わるのは、家族構成やライフスタイルだけではありません。マンションは経年によって劣化していき、マンション住人も年を重ねていきます。それに伴って、次のような問題が出てくることも少なくありません。
- 修繕積立金不足
- 管理費・修繕積立金の値上げ
- 建物の老朽化による水漏れや雨漏りなどの不具合の発生
- 管理組合の理事や役員のなり手不足
- 建て替え・取り壊しの検討
こうした事態になったからといって、必ずしも手放さなければならないわけではありません。
しかし、管理組合がうまく機能しなかったり、建て替えや長寿命化工事にまとまった費用が必要になったりすると、快適性が維持しにくくなり、経済面で負担になる可能性もあります。マンションが古くなる前に戸建てや築浅のマンションに住み替えることで、こうした問題を受けにくくなります。
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利益が出る可能性がある

先のとおりマンション価格は10年以上にわたって上昇しており、コロナ禍以降はさらに上昇率が高くなっています。上記のように、新築だけでなく中古マンションの価格も上昇傾向にあり、とくに東京23区や大阪市などの都心部では、売却時に利益が出ることも決して少なくありません。
とはいえ、すべてのマンションが一律に価値を高めているわけではありません。将来、売るつもりで資産性の高いマンションを選べば、売却時に利益が出る可能性があります。
売らなかった場合も資産として保有できる
「売るつもりで買う」とはいえ、必ずしも売却しなければならないわけではありません。売却せずに保有し続ける場合も、転勤や子どもの独立などをきっかけに賃貸に出すことで、家賃収入を得る選択肢が生まれます。
住宅ローンを完済した後は毎月の収入に直結するため、老後の資産形成としても有効です。売る・貸す・住み続けるという複数の選択肢を持てる点が、自宅投資の大きな強みといえるでしょう。
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資産の承継にも有利
不動産は現金と異なり、相続税評価額が実勢価格よりも低く算出される傾向があるため、相続税対策として有効な資産のひとつです。とくに都市部の資産性の高いマンションは、評価圧縮のメリットを享受しつつ、将来的に親族へ承継しやすい資産といえます。
さらに、賃貸運用によって収益を生む可能性がある点も大きな特徴です。子どもや配偶者に対して、単なる金融資産ではなく「収益を生む実物資産」として引き継ぐことができるため、資産形成と承継の両面でメリットがあります。
資産性・流通性が維持・向上しやすいマンションとは?

ここからは、具体的にどのようなマンションが資産価値の維持・向上に期待しやすいか見ていきましょう。
駅徒歩10分、できれば5分以内

駅からの距離が価格やその推移に与える影響は、取引データにも明確に表れています。全体として価格は上昇傾向にあるものの、駅徒歩10分以内のマンションは上昇率が大きく、駅から徒歩21分以上やバス便のマンションの上昇は限定的です。
とはいえ、エリアによっても価格の推移は異なります。「都心部の駅徒歩10分」と「郊外の駅徒歩10分」では、前者のほうが資産価値は維持・向上しやすいでしょう。郊外であれば「駅徒歩5分以内」を目安としてみると良いかもしれません。
さらに、同じ駅距離であっても、ターミナル駅や急行停車駅かどうかといった「駅の利便性」によっても資産性は左右されます。駅からの距離だけでなく「エリアの特性」や「駅の利便性」といった要素も含めて判断することが、将来の売却を見据えるうえでは重要です。
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需要が高い間取りと広さ
間取りや広さについては、エリアによって需要はさまざまであるため、一概に「3LDKがベスト」「2LDK以上は必須」などとは言えません。単身者や投資家の需要が期待できるエリアであれば、コンパクトなマンションも視野に入ってくるでしょう。
ただし、平米数によっては住宅ローン控除の対象外となるため注意が必要です。中古マンションの住宅ローン控除の床面積要件は、原則「40㎡以上」です。ただし、所得が1,000万円超の方、子育て世帯・若者夫婦世帯の優遇を受ける方については「50㎡以上」が要件となります。住宅ローン控除は非常に減税効果が高いため、対象になるかどうかで需要が変わってくる可能性があります。
住宅ローン控除の対象になるかどうかを確認する際は、マンションの広さが「壁芯(へきしん・かべしん)」なのか「内法(うちのり)」なのかも注意して見るようにしてください。壁芯は、壁の中心線を基準として採寸する寸法や考え方を指します。一方、内法は壁の内側を基準としており、区分マンションは内法で登記されます。
住宅ローン控除の床面積要件は「登記上の面積」となりますが、マンションの広告に表記される面積は基本的に壁芯です。つまり、登記上の面積より広く表示されている可能性があるということです。たとえば、広告上は40.0㎡となっていても、登記上は40㎡を下回り、住宅ローン控除の対象外となる可能性があります。
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耐震性は需要の分かれ目
住宅ローン控除は、面積だけでなく「耐震性」の要件もあります。現行の耐震基準(新耐震基準)に適合していなければ、住宅ローン控除は適用されません。1981年6月以降に建築確認申請が受理されたマンションは、新耐震基準で建築されています。一方、それ以前のマンションは旧耐震基準で建築されており、需要の面でも不利になる場合があります。
とはいえ、建築後に耐震工事を実施したり、耐震診断によって耐震性に問題がないと判断されているマンションもあるため、一概に建築確認時期だけで判断はできません。また、耐震基準はあくまでその時代の最低限の基準であり、近年では制震や免震構造を採用しているマンションも少なからず見られます。こうしたマンションは逆にプラス評価になりやすく、資産価値の維持・向上においても有利に働くことがあります。
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再開発エリア
近年、日本各地の都市で再開発事業が進んでいます。再開発によって商業施設や交通インフラの整備が進み、街全体の利便性や魅力が向上することで、居住ニーズが高まります。その結果、地価やマンション価格の上昇につながるケースが多く見られます。
たとえば、「100年に一度」とも言われる大規模な再開発が進む東京渋谷では、地価が顕著に上昇しており、2024年に大規模複合施設が開業した渋谷区桜丘町の2026年公示地価の上昇率(商業地)は全国5位となりました。
売るつもりでマンションを買うのであれば、すでに再開発が終わったエリアではなく、再開発が計画されているエリアを候補に入れてみましょう。再開発を終えたエリアは住みやすく、魅力的ですが、現時点で「計画」があるエリアは、期待感から地価やマンション価格が上がる余地が大きいと考えられます。
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管理状態の見極め方
管理状態も、マンションの価値を左右する可能性のある要素です。同じ築年数のマンションでも、これまでの管理の質やメンテナンス・修繕の状況によって、見た目や居住性には大きな差があることもあります。とくに近年は、修繕積立金ガイドラインの改定や国やマンション管理業協会による管理の評価・認定制度がスタートしたこともあって、マンション管理の重要性が認知され始めています。
購入前に管理規約や長期修繕計画、総会議事録など、マンション管理に関わる資料に目を通しておくことが大切です。修繕積立金の金額が国のガイドラインの目安を大きく下回っていないか、大規模修繕の実施履歴や今後の計画が適切に組まれているかなどを確認し、管理状態を見極めましょう。
また、駐輪場やゴミ置き場などの共用部分の清潔感や整理状況も、管理状態を判断するうえでの目安になります。内覧の際には、専有部だけでなく共用部も見ておくようにしましょう。
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大規模マンションは強い
総戸数が多い大規模マンションは、保守点検や修繕にかかるコストを多くの戸数で分担できるため、1戸あたりの負担が抑えられ、管理組合の財政基盤が安定しやすくなります。その結果、長期修繕計画が適切に運用されやすく、建物の維持管理の面でも安心感があります。
また、共用施設が充実していたり、管理員が常駐しているケースも多く、日々の暮らしやすさや防犯面でも優れている物件が多い傾向があります。こうした管理体制や居住環境の質は、将来的な売却時の評価にもつながりやすいポイントです。
ブランドマンションは普遍的な人気がある
大手不動産会社が分譲するブランドマンションも、資産価値の維持・向上が見込みやすいマンションのひとつです。ブランドマンションの一例は以下のとおりです。
| 東急不動産 | ブランズ |
| 住友不動産 | シティシリーズ |
| 三菱地所レジデンス | ザ・パークハウス |
| 野村不動産 | プラウド |
| 東京建物 | ブリリア |
| 積水ハウス | グランドメゾン |
| 三井不動産レジデンシャル | パークシリーズ |
| 伊藤忠都市開発 | クレヴィア |
ブランドマンションは総じて立地が良く、管理状態も良好で、ブランドごとに一定のファン層がいます。近年の好調なマンション市況を追い風に、価値を一層高めているマンションも少なくありません。
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【築年数別】マンション価格下落率の目安

2025年に首都圏で成約した中古マンションの築年帯別の成約価格および前築年帯からの下落率は、上記のとおりです。
築10年までは下落率が小さく、築11年から築25年にかけてはほぼ一定のペースで価格が下落しています。したがって、まずは「築10年以内」が売却を検討すべき好タイミングといえます。
築26年以降は下落ペースが急激に加速します。「築21〜25年」から「築26〜30年」にかけての下落率は-25.1%、「築26〜30年」から「築31〜35年」にかけては-31.5%と、築25年を境に5年ごとの下落幅が一気に拡大します。築25年を超えたら、できるだけ早期の売却を検討すべきといえるでしょう。
築31年以降は大きく価値が落ちている様子は見られませんが、築10年までの平均価格と比べると3分の1前後にまで下落しています。売るつもりでマンションを購入するのであれば、遅くとも資産価値が大きく落ち始める築25年を迎える前の売却を検討するのが賢明です。
売るつもりで買うなら避けるべきマンションの特徴
一方、次のようなマンションは、資産性や流通性という観点でいえば、やや不利になりやすい傾向にあります。
定期借地権付きマンション
定期借地権付きマンションとは、期限付きで借りる「借地」の上に建つマンションを指します。借地期間が終了すると建物を取り壊して土地を返還しなければならないため、残存期間が短くなるほど資産価値は下がる傾向にあります。
土地の所有権があるマンションと比べて価格が安い点は魅力ですが、売却時に買い手が住宅ローンを組みにくいケースもあり、流通性の面で大きく不利になります。売却を考えている時期と借地権の残存期間にもよりますが、売るつもりで買うなら、原則として土地の所有権があるマンションを選ぶべきでしょう。
・「定期借地権付きマンション」に関する記事はこちら
定期借地権マンションとは?仕組みや特徴・メリットとデメリットを解説
自主管理のマンション
自主管理とは、管理会社に委託せず、管理組合が自ら建物の管理・運営を行う形態です。管理コストを抑えられる反面、専門知識を持つ管理会社が介在しないため、修繕計画の策定や建物メンテナンスが適切に行われていないケースも少なくありません。
自主管理のマンションは買い手から管理状態を不安視されやすいため、売却に時間を要したり、近隣の同等の条件のマンションと比べて資産価値が落ちやすい可能性もあります。
・「自主管理」に関する記事はこちら
マンションの自主管理とは?トラブル例やメリット・デメリットを紹介
メゾネットタイプのマンション
メゾネットタイプとは、1住戸が2層にわたる構造のマンションです。開放感があり、戸建てに近い感覚で住める点を好む方もいますが、階段の上り下りが必要なためバリアフリー非対応であり、高齢者や小さなお子さんのいる家庭には敬遠されやすい面があります。
需要が限定される可能性があるため、資産性の観点からは慎重に検討する必要があります。
売るつもりでマンションを買うならチェックしておきたいポイント
将来、売却するつもりでマンションを購入する際は、次のポイントに注意しましょう。
災害リスク
近年、地震や台風、ゲリラ豪雨などの自然災害が多発化・激甚化しています。売るつもりでマンションを購入する場合に限ったことではありませんが、購入するマンションの災害リスクについてはよく確認しておくようにしましょう。
各自治体が公開しているハザードマップで、対象物件が洪水・土砂災害・津波などのリスクエリアに該当していないかを確認することができます。災害リスクの高いエリアの物件は、将来的に買い手が見つかりにくくなる可能性があるほか、火災保険・地震保険の保険料が高くなるケースもあります。
また、2028年以降に入居する場合、土砂災害特別警戒区域などの災害レッドゾーンに立地する新築住宅は住宅ローン控除の対象外となる予定であり、こうした規制の動向も資産価値に影響を与える可能性があります。
・「ハザードマップ」に関する記事はこちら
ハザードマップの見方を解説!種類や入手方法も確認して洪水や地震に備えよう
短期譲渡所得・長期譲渡所得
マンションの売却による譲渡所得(売却益)は、課税の対象となります。譲渡所得税の税率は、マンションの所有期間(売却した年の1月1日を基準に判定)によって以下のように異なります。
| 所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計税率 | |
|---|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
このように、所有期間が5年以下か5年超かで税率が大きく異なるため、手放すタイミングには注意が必要です。
・「譲渡所得」に関する記事はこちら
長期譲渡所得とは?短期との違いや計算方法、特別控除、軽減税率などをわかりやすく解説!
控除特例
マイホームの売却で譲渡所得が出た場合は、次のような控除特例が適用できる可能性があります。
- 3,000万円特別控除
- 軽減税率の特例
- 買い換え特例
ただし、マイホームは「現に自分が住んでいる家屋」、もしくは「住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売った家屋」を指します。住まなくなってから賃貸に出したり、空き家にしておく期間が長いと、マイホームが対象の控除特例が適用されなくなる可能性があるため注意が必要です。
・「3,000万円控除」に関する記事はこちら
マンション売却で活用可能! 3,000万円特別控除とは?
・「買い換え特例」に関する記事はこちら
居住用財産の買換え特例とは?併用できない特例と適用要件をわかりやすく解説
住宅ローンの保証料の支払い方法
売却を前提にマンションを購入する場合は、住宅ローンの保証料の支払い方式にも注意が必要です。保証料の支払い方式には、「外枠方式(一括前払い)」と「内枠方式(金利上乗せ)」の2種類があります。
外枠方式では、繰上返済や売却に伴う一括返済時に、未経過分の保証料が返戻されるのが一般的です。ただし、返戻の有無や金額の計算方法、手数料の扱いなどは金融機関や保証会社によって異なります。
将来的に売却を視野に入れている場合は、保証料の支払い方式ごとの特徴を理解したうえで、返戻条件や費用負担の違いについて、あらかじめ金融機関に確認しておくと安心です。
・「住宅ローン保証料」に関する記事はこちら
住宅ローンの手数料とは?費用の相場や保証料との違いもあわせて解説
修繕積立金の値上げリスク
近年、インフレや人材不足の影響により、マンションの修繕積立金は上昇傾向にあります。東日本不動産流通機構のデータによれば、首都圏中古マンションの修繕積立金の平米単価は、2020年から2024年までの4年間で約16.5%上昇しています。
修繕積立金は、外壁や屋上、防水、エレベーター、配管など、共用部の修繕に充てるための資金です。多くのマンションでは、当初は低めに設定し、段階的に引き上げていく「段階積立増額方式」が採用されています。そのため、もともと時間の経過とともに負担が増えていく構造にありますが、近年はインフレや工事費の高騰により、計画以上の値上げが行われるケースも増えています。
こうした背景を踏まえると、現在の積立金水準だけでなく「将来的に値上げが必要となるリスクが高いかどうか」を見極めることが大切になってきます。具体的には、次のような点に注意するとよいでしょう。
- 修繕積立金がガイドラインや類似条件のマンションと比べて著しく低い
- 管理戸数が少ないにもかかわらず、大規模マンションと同程度の積立水準になっている
- 修繕積立金の滞納率が高い
- 過去に修繕費の借入れを行っている
管理状態を確認する際には、これらの点に該当しないかをチェックし、将来的な負担増の可能性も含めて判断しましょう。
・「修繕積立金」に関する記事はこちら
修繕積立金ってどうして必要なの?相場や値上がりする理由も徹底解説
売るつもりで買ったマンションを高く売るための4つのコツ
売るつもりで買ったマンションも、売り方次第で売却価格や成約までの期間は大きく変わってきます。売り時の見定め方や売却活動の進め方にも、次のような工夫の余地があります。
1.相場を常に把握しておく
マンションの相場価格は常に変動しています。近年、マンション価格は顕著に上昇している一方で、金利上昇や国際情勢の緊迫化などにより、今後の動向は不透明な部分もあります。マンションを高く売るには、定期的に相場の確認が不可欠です。
相場価格は、不動産ポータルサイトや全国4つの不動産流通機構(東日本・中部圏・近畿圏・西日本)、東京カンテイなど不動産データバンクによるレポートなどで確認できます。2024年に運用を開始した国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、特定の地点の地価の推移や取引情報などを閲覧できます。
・「相場」に関する記事はこちら
マンション売却相場の調べ方は?地域別・築年数別の目安売却相場も紹介
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不動産情報ライブラリとは? 不動産売買で賢く活用する方法
・東急リバブルの「売出相場検索」はこちら
2.競合が少ない時期に売り出す
同じマンション内の別の部屋など条件が近いマンションが同時期に売り出されている場合は、買い手の選択肢が増え、価格競争が起こりやすくなってしまいます。とくに大規模マンションやタワーマンションは、同じタイミングで複数の部屋が売りに出されることも少なくありません。
競合物件の売出価格や状態などにもよりますが、やはり「唯一無二」と思ってもらえるかどうかは売却のスピードや金額に少なからず影響します。好条件の競合物件が売り出されている場合は少し時間を置くなど、戦略的に売り出し時期を検討しましょう。
3.需要が高い時期に売り出す
今のように市況が良く、需要が高い時期はマンションの売り時といえます。相場価格が上昇傾向にあるときは「まだ上がるかもしれない」と期待してしまうものですが、現場のプロであっても、相場のピークを正確に予測するのは難しいものです。
そのため、相場動向を定期的に確認しつつも、最終的にはご自身のライフプランや売却理由、購入時の価格、住宅ローン残債との兼ね合いなども踏まえ、無理のないタイミングで判断することが大切です。

4.複数の不動産会社に査定依頼する
査定価格は不動産会社ごとに異なります。査定額の算出方法や参考にするデータ、販売戦略が会社によって異なるため、1社だけに依頼すると相場を見誤るリスクがあります。そのため、複数の不動産会社に査定を依頼し、価格の幅や根拠を比較することが大切です。
また、査定価格の高低だけで判断するのではなく「なぜその価格になるのか」という根拠や売却活動の方針、販売期間の見立てなどもヒアリングしておきましょう。さらに、実際の売却活動は担当者の力量に左右される部分も大きいため、対応の丁寧さや説明の分かりやすさ、人間性なども含めて総合的に判断することが大切です。複数社を比較することで、自分の物件に適した価格帯と、信頼できるパートナーを見極めやすくなります。
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マンション査定での注意点とは?査定前と後に分けて徹底解説!
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マンション売却の不動産仲介業者の選び方を徹底解説
まとめ
終の住処としてマンションを購入したとしても、何が起こるかわかりません。年齢や世帯数の変化から、住まいの立地や広さ、間取りが合わなくなることは往々にして起こり得ます。
また、資産形成の観点からも、近年は「自宅投資」が注目されています。目的はどうであれ、将来売るつもりでマンションを購入する場合は、資産性・流通性の維持・向上が見込めるかどうかという視点を持つことが大切です。
この記事のポイント
- マンションを「売るつもり」で購入するとはどういうことでしょうか?
自己居住用のマンションは、当然ながら居住するために購入しますが、近年は暮らし方や働き方が多様化していることもあって、数年後には暮らしが大きく変わっている可能性もあります。
詳しくは「『売るつもり』でマンションを買うってどういうこと?」をご覧ください。
- 売るつもりでマンションを買うメリットは?
住み替えやすくなり、マンションの老朽化にも対応しやすくなることです。また、場合によっては利益が得られることもあります。
詳しくは「売るつもりで中古マンションを買うメリット」をご覧ください。
- 売るつもりならどのようなマンションを選べばいいのでしょうか?
資産性や流通性の維持・向上が見込めるマンションを選ぶのが賢明でしょう。
詳しくは「資産性・流通性が維持・向上しやすいマンションとは?」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
近年はマンション価格が著しく高騰していることから、分譲時を上回る価格で取引されるマンションも少なくありません。しかし、新築マンションは高騰している中古マンション以上に価格が高く、供給数も限られています。将来、売却するつもりで購入するとしても、一定期間は自身が居住する以上、資産性や流通性ばかりを気にするのではなく、自分にとっての住みやすさも大切にすべきでしょう。その点、中古マンションは選択肢が多く、新築マンションと比べれば安価。管理状態も見極めやすいためおすすめです。

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