Q.名義が曾祖父になっていた不動産の所有権を宗教法人であるお寺に移転して欲しいと頼まれたのですが、どうすれば良いでしょうか。
A.所有権を移転する前提として、まずはその土地がどこの土地であるかを特定しなければいけません。 これは、間に入っている司法書士がすでに解任されたとのことなので、直接お寺に確認をせざるを得ないと思います。 では、この土地が誰のものであるかですが、あくまで所有権登記があるのであれば、通常はその登記名義人が所有権を有していることになります。 お亡くなりになった曾祖父の方名義のままということですので、相続によりご相談者様ご兄弟が所有権を持っていることになります。 しかし、登記名義人が曾祖父のお名前であったとしても、当該土地をお寺が占有をしていてそれが長期(20年、場合によっては10年)以上経過している場合には、当該土地の所有権をお寺が時効取得できる可能性がございます。 また、登記があったとしても、その後曾祖父もしくはその相続人の方とお寺が売買契約を締結し、売買代金のやり取りも終わっているにもかかわらず、所有権移転登記をせずにそのままになっている場合もありえます。 その場合には、お寺が所有権者ということになります。 したがって、大事なことは、 ①いつ曾祖父の方に所有権が発生したのか(登記年月日) ②その土地は、お寺がどのように使用していたのか。どのくらいの期間使用していたのか。 ③お寺と曾祖父の方または相続人の方との間に売買などの契約はないのか、金銭の授受はないのか。 この点をはっきりさせることです。その上で、一度無料の法律相談を利用されて、専門家のお話を聞いてみてはいかがでしょうか。