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不動産売買の仲介手数料は消費税の課税対象!仲介手数料の税込価格一覧

執筆者プロフィール

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

ざっくり要約!

  • 不動産売買の仲介手数料は消費税の課税対象。標準税率10%が課される
  • 不動産に対して消費税が課されるかは、売主の属性や物件種別次第

不動産売買には、さまざまな諸費用がかかります。不動産会社に支払う報酬である「仲介手数料」は、金額も小さくないことから消費税が課税されるのか気になるところなのではないでしょうか?

本記事では、仲介手数料が消費税の課税対象なのかとともに、不動産に課される消費税やその他の諸費用に課される消費税について解説します。

不動産売買の仲介手数料とは?

仲介手数料とは、不動産売買を仲介した不動産会社に支払う手数料です。「仲介」とは、不動産取引が安全かつスムーズに進むよう、売主と買主の間に立って物件の調査や案内、契約書の作成などを行うことを指します。

不動産会社に支払う成功報酬

仲介手数料は「成功報酬」です。不動産会社は、契約が成立する前から売却に向けてさまざまな活動をしてくれますが、売買契約が成立しない限り仲介手数料は発生しません。

仲介手数料は「契約時」と「残代金決済・引き渡し時」に半金ずつ支払うのが一般的です。ただし、不動産会社と不動産取引をする人の間で締結される媒介契約の内容によって、契約時に一括、あるいは残代金決済・引き渡し時に一括で支払うケースもあります。

仲介手数料の上限額

仲介手数料の上限額は、法律で次のように定められています。

取引金額上限
200万円以下の部分5%
200万円超400万円以下の部分4%
400万円超の部分3%

たとえば、取引金額が2,000万円の場合、次のように計算します。

200万円以下の部分:200万円×5%=10万円
200万円超400万円以下の部分:200万円×4%=8万円
400万円超の部分:1,600万円×3%=48万円

合計:10万円+8万円+48万円=66万円

取引金額が400万円を超えている場合は、次の速算式でも上限額が求められます。
仲介手数料の上限額の速算式:取引金額×3%+6万円

仲介手数料には消費税がかかる?

ここまでお伝えした仲介手数料の上限額は「税別」です。仲介手数料には、消費税が課されます。

仲介手数料は消費税の課税対象

消費税が課されるのは、食品や成果物などの「モノ」という印象がある方もいらっしゃるかもしれませんが、消費税法で定められる国内取引における課税対象は、次のすべてを満たす取引です。

  • 事業者が事業として行うもの
  • 対価を得て行うもの
  • 資産の譲渡、資産の貸付、役務の提供

仲介手数料は、不動産会社が対価を得て行うサービス提供に伴う手数料にあたることから消費税の課税対象となります。

消費税には、10%の「標準税率」と8%の「軽減税率」がありますが、軽減税率が適用されるのは酒類・外食を除く飲料食品と週2回以上発行される新聞のみです。従って、仲介手数料への課税率は10%となります。

消費税を含めた仲介手数料上限額早見表

売買価格仲介手数料(税込)計算式
500万円23万1,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+100万円×3%
(速算式:500万円×3%+6万円)
1,000万円39万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+600万円×3%
(速算式:1,000万円×3%+6万円)
2,000万円72万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+1,600万円×3%
(速算式:2,000万円×3%+6万円)
3,000万円105万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+2,600万円×3%
(速算式:3,000万円×3%+6万円)
4,000万円138万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+3,600万円×3%
(速算式:4,000万円×3%+6万円)
5,000万円171万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+4,600万円×3%
(速算式:5,000万円×3%+6万円)
6,000万円204万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+5,600万円×3%
(速算式:6,000万円×3%+6万円)
7,000万円237万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+6,600万円×3%
(速算式:7,000万円×3%+6万円)
8,000万円270万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+7,600万円×3%
(速算式:8,000万円×3%+6万円)
9,000万円303万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+8,600万円×3%
(速算式:9,000万円×3%+6万円)
1億円336万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+9,600万円×3%
(速算式:1億円×3%+6万円)
2億円666万6,000円(税込)200万円×5%+200万円×4%+1億9,600万円×3%
(速算式:2億円×3%+6万円)

消費税が課されない不動産取引とは?

取引する不動産に消費税が課されるかどうかは、売主の属性と物件種別によって異なります。

個人が売主の不動産取引

個人が売却する不動産には、消費税が課されません。これは、消費税の課税対象の3つの要件を満たしていないためです。個人の方が売却する理由は事業のためではなく、対価を得て行うものではありません。

土地は非課税

法人や個人事業主が事業として売却する不動産は消費税の課税対象となりますが「土地」は消費されるものではないため非課税です。

たとえば、総額3,000万円の不動産を事業者が売却する場合、その内訳が建物が1,000万円、土地が2,000万円だとすれば、消費税は建物1,000万円にのみ課税されるため100万円となります。

いずれの場合も仲介手数料には消費税が課される

消費税が不動産に課されるかどうかは、売主が個人か法人かによって異なります。一方、仲介手数料は、個人・法人問わず消費税が課されるためご注意ください。

仲介手数料以外に不動産売買で消費税が課される諸費用

不動産売買 諸費用 消費税

仲介手数料以外にも、不動産売買に伴う諸費用の中には消費税が課されるものも含まれます。ここでは、不動産購入と不動産売却に分けて消費税が課される諸費用をご紹介します。

不動産購入

手数料概要
融資手数料住宅ローンを組む金融機関に支払う手数料
保証会社事務取扱手数料住宅ローンの保証会社に支払う手数料
司法書士報酬所有権移転や抵当権設定の登記をする司法書士に支払う報酬

なお、融資手数料や保証会社事務取扱手数料がかかるのは、不動産購入時にローンを組む場合に限られます。自身で登記手続きすれば司法書士報酬は不要ですが、登記手続きは煩雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。

その他、不動産購入時に税金や火災保険料などもかかりますが、税金や保険料には消費税は課されません。

不動産売却

手数料概要
繰上返済手数料住宅ローン完済に際して金融機関に支払う手数料
司法書士報酬抵当権抹消登記をする司法書士に支払う報酬

なお、上記手数料などがかかるのは、不動産売却時にローンを完済する場合に限られます。

消費税以外に不動産売買で課される税金

不動産の売買で課される税金は、消費税だけではありません。ここでは、不動産購入と不動産売却に分けて課される税金を紹介します。

不動産購入

手数料概要
印紙税不動産売買契約書・金銭消費貸借契約(ローンの借入に伴う契約書)作成に課される税金
登録免許税所有権移転や抵当権設定の登記に課される税金
不動産取得税不動産の取得に課される税金

印紙税

印紙税額は、取引金額に応じて次のようになります。

契約金額本則税率軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの400円200円
50万円を超え 100万円以下のもの1千円500円
100万円を超え 500万円以下のもの2千円1千円
500万円を超え 1千万円以下のもの1万円5千円
1千万円を超え 5千万円以下のもの2万円 1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの6万円3万円
1億円を超え 5億円以下のもの10万円 6万円
5億円を超え 10億円以下のもの20万円 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの40万円 32万円
50億円を超えるもの60万円 48万円
印紙税額 (出典:国税庁

2024年3月31日までに作成される不動産売買契約書は、表右の軽減税率が適用となります。

登録免許税

登録免許税は、固定資産税評価額に以下の税率を乗じた金額が課されます。

内容税率軽減税率軽減税率の対象住宅
土地の売買による所有権移転 2.0% 2026年3月31日まで1.5%
建物 売買による所有権移転 2.0% 2024年3月31日まで0.3% 【2024年3月31日までに取得する場合】
・個人の住宅の用に供される床面積50㎡以上の家屋,
・中古住宅の場合は、昭和57年1月1日以降に建築されたもの又は一定の耐震基準等に適合するもの
抵当権の設定登記 0.4% 2024年3月31日まで0.1%

抵当権設定登記は、融資を受けて不動産を購入するときに限り必要となります。

不動産取得税

税額は不動産の固定資産税額に4%を乗じた金額ですが、2024年3月31日までに取得した住宅は3%に引き下げられます。

以下の要件を満たす新築住宅は、住宅の価格から1,200万円が控除されます。(長期優良住宅の認定がされた場合の控除額は1,300万円)

種類用途床面積(住宅用車庫、物置等を含む)
共同住宅
マンション
貸家 40㎡以上240㎡以下
貸家以外 50㎡以上240㎡以下
一戸建て 50㎡以上240㎡以下

また、以下の適用要件をすべて満たした中古住宅は、新築された時期に応じた金額が控除されます。
(1)取得した人が自己の居住の用に供すること
(2)住宅の床面積(課税面積)が50㎡以上240㎡以下であること(住宅用車庫、物置等を含む)
(3)次のアからウのいずれかに該当すること
ア 昭和57年1月1日以降に新築されたもの
イ 昭和56年12月31日以前の新築分で、新耐震基準に適合していることが建築士等から証明されたもの(取得の日前2年以内に調査を受けたものに限ります。)
ウ 昭和56年12月31日以前の新築分で、取得後、耐震改修を行い、新耐震基準に適合していることについて証明を受け、自己の居住の用に供したもの(取得の日から6月以内(注記参照)に、耐震改修を行うこと・新耐震基準適合の証明を受けること・自己の居住の用に供することの全てを完了させたものに限ります。)

新築年月日控除額
昭和57年1月1日から昭和60年6月30日420万円
昭和60年7月1日から平成元年3月31日450万円
平成元年4月1日から平成9年3月31日1,000万円
平成9年4月1日から1,200万円  

不動産売却

手数料概要
印紙税不動産売買契約書作成に課される税金
登録免許税抵当権抹消登記に課される税金
譲渡所得税(所得税・住民税)譲渡所得(売却益)に課される税金

印紙税(不動産購入と同様)

印紙税額は、取引金額に応じて次のようになります。

契約金額本則税率軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの400円200円
50万円を超え 100万円以下のもの1千円500円
100万円を超え 500万円以下のもの2千円1千円
500万円を超え 1千万円以下のもの1万円5千円
1千万円を超え 5千万円以下のもの2万円 1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの6万円3万円
1億円を超え 5億円以下のもの10万円 6万円
5億円を超え 10億円以下のもの20万円 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの40万円 32万円
50億円を超えるもの60万円 48万円
印紙税額 (出典:国税庁

2024年3月31日までに作成される不動産売買契約書は、表右の軽減税率が適用となります。

登録免許税

内容税額
抵当権抹消登記不動産1個につき1,000円

抵当権設定登記は、不動産売却時にローンを完済する場合に限り必要となります。

譲渡所得税(所得税・住民税)

不動産を売却して出た譲渡所得(売却益)に対して、所有期間に応じた税率で課税されます。

所有期間税率
5年以下(短期譲渡所得)所得税30.63%・住民税9%
5年超(長期譲渡所得)所得税15.315%・住民税5%

なお、上記でいう「所有期間」は、不動産を売却した年の1月1日時点を指すためご注意ください。

まとめ

不動産売買の仲介手数料には、10%の消費税が課されます。売主や買主が個人であっても法人であっても、この点は変わりません。ただし、不動産自体に消費税が課されるのは「売主が個人ではない建物」に限定されます。

また、不動産売買では仲介手数料以外の諸費用もかかりますが、税金や火災保険料には消費税は課されません。諸費用は、原則的に現金で支払います。消費税を含めた諸費用額をあらかじめ想定しておき、しっかり準備しておきましょう。

この記事のポイント

仲介手数料には消費税が課されますか?

仲介手数料は、不動産会社が対価を得て行うサービス提供に伴う手数料にあたることから消費税の課税対象となります。

詳しくは「仲介手数料には消費税がかかる?」をご覧ください。

不動産に消費税が課されないケースはあるのでしょうか?

個人が売主の不動産には、消費税が課されません。また、土地は法人が売主であっても消費税が課されません。

詳しくは「消費税が課されない不動産取引とは?」をご覧ください。

消費税の他に、不動産売買で課される税金はありますか?

印紙税や登録免許税、不動産取得税などが挙げられます。

詳しくは「消費税以外に不動産売買で課される税金」をご覧ください。

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