ざっくり要約!
- 狭小地・不整形地・山林・田舎の土地でも、活用方法はある
- 儲かるかどうかは、土地と活用方法の相性次第
空き家や空き地の活用にお悩みではありませんか?保有している土地があれば、さまざまな形で活用することができます。一方で、土地活用には、長期間、売却や転用ができない、費用がかさみ十分な収入が得られない、自然災害の発生など、さまざまなリスクがあることは事実です。土地活用は、必ず儲かるというものではありませんが、有効に土地の活用をすることができれば、定期的な収入を得られる、節税できる、土地を管理できるなどといったメリットもあります。
そのためには、その土地と相性の良い活用方法を、十分に考慮する必要があります。本記事では「収益目的の活用方法」「コストを抑えた活用方法」「田舎の土地の活用方法」という3つの視点から10種の土地活用方法をご紹介します。
記事サマリー
収益目的の土地活用4選
まずは、比較的収益が得られやすい4つの土地活用です。土地活用で十分な収益を得るには、基本的に好立地であることが不可欠。その中でも、土地の大きさやエリアなどと相性の良い活用方法を選択することが、利益を上げるためのポイントです。
1.賃貸住宅経営
賃貸住宅といえばアパートを思い浮かべるかもしれませんが、相続対策としてアパートを建築する人も多いですが、管理コストもかかるため、長期的かつ安定的に大きく儲けることは難しい傾向にあるようです。
一方、社宅や戸建賃貸は、管理のコスト・手間を軽減でき、一度入居すれば長く賃貸してもらいやすいことから、比較的安定感があり収益率も高くなりやすい土地活用方法の一つです。ただし、やはり立地は選びます。社宅は企業や工場などの近くである必要があり、戸建賃貸はファミリー層の需要の高いエリアでなければ入居者募集が難航するので注意しましょう。
・ アパート経営に関する記事はこちら アパート経営とは?他の投資との違いやアパート投資のメリット・リスクなど解説 |
2.コインランドリー経営
コインランドリー経営における利回りは、賃貸住宅経営と比べ、総じて高い傾向にあります。自己所有の土地であれば、利回り20%近く得られる場合もあります。
コインランドリーは、比較的狭い土地でも導入しやすいことが特徴の1つ。現地に管理者が常駐している必要がないため、手間もあまりかかりません。
共働き世帯の増加に伴い、コインランドリーは近年、増加の一途を辿っています。初期費用もアパート建築などと比較すれば安価な場合が多く、始めやすい土地活用だといえるでしょう。
3.保育園
保育所の定員数、利用児童数は右肩あがりで増えており、少子化とはいえ共働き世帯が多い今、保育園の需要は底堅いものがあります。保育士資格がなくてもオーナーとして経営もでき、保育園事業者に土地を貸し出すことも可能です。
東京都23区などでは、保育所や認定こども園、認証保育所などの用地として土地を貸し付けている場合、土地の固定資産税・都市計画税が最長5年間、全額減免となります。場所は選びますが、一定期間、安定した収入が得られることに加え、節税効果が大きい土地活用だといえるでしょう。
参考:有料で借り受けた者が保育所等として使用する土地に対する固定資産税・都市計画税の減免(23区内)
4.駐車場経営
変形地や狭小地でも始められるのが、駐車場経営です。コインパーキングなど機材を導入する場合は一定の費用がかかりますが、更地のまま活用できるのも大きな魅力の1つ。管理の手間も大きくなく、転用も比較的容易です。
駅近や観光地にある土地であれば、初期費用の安さに加え、一定の収入が期待できます。
コストを抑えた土地活用3選
土地活用は、なんらかの建物を建てて運用するものばかりではありません。次の3つは、ほとんど初期費用をかけずに行えるため、コストを抑えることができます。資金なしでも始めやすいため、比較的お金のかからない土地活用方法といえるでしょう。
1.借地
借地権 | 期間 | |
---|---|---|
定期借地権 | 一般定期借地権 | 50年以上 |
事業用定期借地権 | 10年以上50年未満 | |
建物譲渡特約付定期借地権 | 30年以上 | |
普通借地権 | 30年以上 |
普通借地権は、借主が望めば基本的に更新契約が可能。一方、定期借地権は、契約更新がなく、決められた期間が満了次第、所有者に土地が返還されます。
いずれも一定期間、その他の活用ができなくなってしまうものの、ほぼ初期費用をかけずに安定した収入が得られる土地活用方法です。
・ 事業用定期借地権に関する記事はこちら 事業用定期借地権とは?メリット・デメリットや注意点を解説 |
2.等価交換
等価交換とは、所有している土地をデベロッパーに譲渡する代わりに、土地に建てた建物の所有権を得る方法。まさに、土地と建物の交換です。建てられる建物はデベロッパーによりますが、所有権を得たうえで賃貸に出せば、土地の所有者は費用を賃貸物件の経営が始められます。
・ 等価交換に関する記事はこちら 不動産における「等価交換」を専門家が解説!メリット・デメリットは? ・ 東急リバブルの「等価交換事業|新築分譲マンションL’GENTE(ルジェンテ)」はこちらから |
3.資材置き場
最も初期費用がかからない土地活用が、資材置き場だといえます。資材を置くことから整地が必要になることもありますが、その負担も賃借人が負う契約をすれば、所有者はほぼコストをかけずに収入が得られます。
資材置き場の需要があるのは、近くで開発事業をしていたり、建設現場や土木会社があったりするエリアです。大きな収益を上げることはできませんが、固定資産税の足しにすることができ、転用も容易な活用方法だといえるでしょう。
田舎の土地でも有効な土地活用3選
田舎の土地は、活用の選択肢が多いとはいえません。そんな中でも、稼げる見込みのある活用方法を3つご紹介します。
1.太陽光発電
ソーラーパネルを設置して売電する太陽光発電による土地活用は、長期的かつ安定した収入に期待できます。ソーラーパネルは、日当たりさえ良ければ林地や農地であっても設置できるため、田舎の土地活用の1つとして事業実施が増えています。
売電価格は年々下がっているものの、再生可能エネルギーを一定期間、一定価格で買い取ることを国が約束する「固定価格買取制度(FIT)」という制度も。これにより活用の見通しが立ちやすい点も、太陽光発電のメリットの1つです。
2.ドラッグストア
人口が少ないエリアでも、ドラッグストアの需要は高いもの。地域住人にとっても必要不可欠な施設であることから、市街化調整区域であっても建設許可がおりやすく、田舎の土地活用として魅力的だと考えられます。
3.介護施設
一般的な住居や店舗用地としては向かない田舎の土地でも、介護施設であればそこまでの利便性の高さは求められません。加えて介護施設の建築に際しては、国や地方自治体からの補助や税制優遇が受けられる可能性があります。
土地を貸す・活用するデメリットは?売却も含めて検討を
- 相性の良い土地活用が見つからない
- 維持・管理の手間をかけたくない
- 土地活用以外の投資で収益化を目指したい
このような状況にあれば、土地の売却も視野に検討してみましょう。
売却もまた、土地活用の1つです。土地活用によって長期的かつ安定的に収入が得られたとしても、次のようなデメリットもあり、結果的に売却したほうが利益が大きくなる可能性もあります。
・ 土地売却に関する記事はこちら 土地を売却する流れや費用、税金について解説!高く売るポイントもあわせて紹介! |
長期間その他の活用がしにくくなるケースも
一部の土地活用を除き、一度、土地活用を始めると、長期間、売却やその他の活用がしにくくなることもあります。たとえば、借地は初期費用も管理コストもほとんどかかりませんが、数十年、貸し続けなければならず、地価の下落が起きたり、急にまとまった費用が必要になったりしても、すぐには換価ができないおそれがあります。
一部適用されなくなる控除特例がある
土地売却に際して適用になるマイホーム特例や軽減税率の特例、相続空き家の3000万円特別控除などは、解体して事業の用に供すると適用外となります。これらの控除特例は節税効果が非常に高いため、状況に応じた判断が必要です。
人口減少・高齢化に伴うリスクがある
ご存じのとおり、日本の人口は減少し、高齢化がどんどん進行する見込みです。これは、土地活用においても歓迎できることではないでしょう。今は一定の需要があり、収益があげられる土地も、未来永劫それが保証されているわけではありません。
土地活用に際しては、現在の需要のみならず、人口動態や再開発事業の有無、都市計画などにも目を向け、将来的な収支シミュレーションをするべきです。
儲かるかどうかは土地と活用方法の相性次第
ケース別に有効な土地活用10選をご紹介しました。いずれの活用方法も確実に儲かるものではなく、土地の現在の状況と将来を予測したうえで、相性の良い活用方法を選択することが大切です。
土地の状況や将来予測、自身の意向・状況次第では、土地の売却も視野に入れて検討してみましょう。
この記事のポイント
- 収益目的の土地活用方法は?
賃貸住宅経営やコインランドリー経営、保育園などが挙げられます。
詳しくは「収益目的の土地活用4選 」をご覧ください。
- コストを抑えた土地活用方法は?
借地や等価交換などが挙げられます。
詳しくは「コストを抑えた土地活用3選 」をご覧ください。
- 田舎でも有効な土地活用方法は?
太陽光発電やドラックストアなど田舎の土地でも需要が見込める土地活用はあります。
詳しくは「田舎の土地でも有効な土地活用3選 」をご覧ください。
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