不動産市況レポート2026年8月度の不動産市況

中古マンション成約件数が2桁減

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は9月10日、2026年8月度首都圏(一都三県)不動産市場の動向を発表しました。中古マンションは成約件数の減少幅が2桁に広がり、価格の下落と在庫の増加も同時に進んでいます。エリア別では、6年以上上昇が続いてきた東京都区部の成約平米単価が下落に転じました。一方、中古戸建は価格の上昇と在庫の減少が続いており、マンションとの温度差が一段とはっきりしてきました。

首都圏中古マンション

項目 2026年8月成約物件の平均 対前年同月
平米単価 81.60万円/㎡ -3.8%
件数 3,180件 -10.5%
価格 5,129万円 -2.8%
専有面積 62.85㎡ +1.0%
築年数 28.29年 +2.01年
在庫件数 48,235件 +8.2%

(参考:東日本不動産流通機構)

 2026年8月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比-3.8%の「81.60万円/㎡」でした。4ヶ月連続の下落で、前月比でも-3.1%と下げ幅が広がりました。成約件数は前年同月比-10.5%と5ヶ月連続で減少し、減少幅は2桁に達しています。在庫件数は同+8.2%と6ヶ月連続で増加しており、増加率も月を追って高まっています。

エリア 2026年8月成約㎡単価前年同月比 2026年8月成約件数前年同月比
東京都区部 -0.3% -20.6%
東京都多摩 +9.1% -9.5%
横浜・川崎市 -0.5% -2.2%
上記除く
神奈川県
+9.0% -9.2%
埼玉県 +2.0% +5.4%
千葉県 +5.1% +0.3%

(参考:東日本不動産流通機構)

 エリア別に見ると、成約平米単価は東京都区部が前年同月比-0.3%と、ほぼ横ばいながら2020年4月以来、76ヶ月ぶりに下落しました。横浜・川崎市も同-0.5%と2ヶ月連続の下落です。一方、東京都多摩は同+9.1%と13ヶ月連続、横浜・川崎市を除く神奈川県は同+9.0%と8ヶ月連続で上昇しており、周辺エリアの価格は底堅く推移しています。成約件数は埼玉県と千葉県以外の地域で減少し、東京都区部は同-20.6%と8ヶ月連続の減少で、落ち込みが一段と深まりました。これまで増加を保ってきた横浜・川崎市を除く神奈川県も、22ヶ月ぶりに減少へ転じています。

首都圏中古戸建

項目 2026年8月成約物件の平均 対前年同月
価格 3,960万円 +1.7%
件数 1,641件 +1.9%
土地面積 151.08㎡ +3.2%
建物面積 102.88㎡ -0.6%
築年数 25.31年 +0.52年
在庫件数 23,277件 -1.2%

(参考:東日本不動産流通機構)

 2026年8月に成約した首都圏中古戸建の平均価格は、前年同月比+1.7%の「3,960万円」で、8ヶ月連続の上昇となりました。成約件数は同+1.9%と2ヶ月ぶりに増加しています。在庫件数は同-1.2%と7ヶ月連続で減少しており、価格の下落と在庫の積み上がりが進む中古マンションとは対照的に、需給の引き締まった状態が続いています。

エリア 2026年8月成約㎡単価前年同月比 2026年8月成約件数前年同月比
東京都区部 +4.4% -0.7%
東京都多摩 +5.0% +10.6%
横浜・川崎市 -2.8% +0.9%
上記除く
神奈川県
+6.9% -2.9%
埼玉県 -2.4% +2.1%
千葉県 +2.2% +2.2%

(参考:東日本不動産流通機構)

 成約件数は、東京都多摩が前年同月比+10.6%と2ヶ月連続で増加し、埼玉県も同+2.1%と5ヶ月連続で増加しました。横浜・川崎市は同+0.9%とほぼ横ばいながら、22ヶ月連続の増加を保っています。東京都区部は同-0.7%と6ヶ月連続の減少ですが、前月の-17.7%から減少幅は大きく縮小しました。成約価格は東京都区部が同+4.4%と5ヶ月連続、横浜・川崎市を除く神奈川県が同+6.9%と8ヶ月連続で上昇しました。一方、横浜・川崎市は同-2.8%と2ヶ月連続で下落し、埼玉県も同-2.4%と5ヶ月ぶりに下落しています。

“注目”の不動産ニュース

東京都が新たな「住宅マスタープラン」の方向性を公表

 東京都住宅政策本部は9月11日、「新たな『東京都住宅マスタープラン』策定に向けた都の考え方」を公表しました。住宅マスタープランは都の住宅政策の基本となる10年計画で、2050年代を見据えた見直しに向け、昨年11月に東京都住宅政策審議会へ諮問。8月の中間報告を踏まえて今回の考え方を整理したもので、12月頃の答申を受けて年度内に策定する予定です。

「つくっては壊す」からストック活用へ

世帯数は2035年まで増加し、その後減少

(出典:東京都住宅政策本部「新たな『東京都住宅マスタープラン』策定に向けた都の考え方」)

 都は、世帯数が2035年をピークに減少へ転じる一方、住宅ストックはその時点でも世帯数を約50万戸上回ると見込んでいます。空き家予備軍は約100万戸、築40年以上のマンションは25年後に約3.4倍に達する推計で、「つくっては壊す」からストックを長く大切に使う発想への転換を掲げました。
 今後10年間の重点として、空き家対策の強化と循環型住宅市場の実現、既存ストックを活用した住まいの選択肢の充実、マンションを100年安心して暮らせる居住基盤にすることなど5つの方向性を示しています。

投機的取引の抑制とマンションの適正評価にも言及

 中古市場に関わる論点として、短期転売など投機的取引が価格上昇の一因との指摘に触れ、住宅価格の動向を注視しながら抑制策を検討する姿勢を示した点も注目されます。マンションについては、適切に管理された物件が適正に評価・選択される環境を整備するとしており、管理状況が売却時の評価に反映される市場づくりが進みそうです。

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