ダブルローン
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ダブルローンのメリット・デメリットや注意点・ほかのローンとの比較を解説

執筆者プロフィール

辻本 剛士
辻本剛士
宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー1級

1984年8月3日生まれ、神戸・辻本FP合同会社代表。大学卒業後、医薬品・医療機器会社に就職し、在職中にFP1級、CFP、宅地建物取引士に独学で合格。会社を退職後、未経験から神戸で数少ない独立型FPとして起業。現在は相談業務、執筆業務を中心に活動している。
https://kobe-okanesoudan.com/

ざっくり要約!

  • ダブルローンとは自宅の住宅ローンを返済しつつ、新居を購入するために新たに住宅ローンを借りること
  • ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資のどれを選ぶかは、資金力や住み替えにおける優先順位によって異なる

持ち家を所有しながら住み替えを検討している方のなかには「ダブルローンの審査に通るのだろうか」「二重の返済で家計が苦しくならないか」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。また、ダブルローンにはどのような注意点があるのか気になる方も多いはずです。

この記事では、ダブルローンのメリット・デメリット、利用時のポイントについてみていきます。住み替えローンやつなぎ融資との違いについても解説するため、これから住み替えを検討する際の判断材料にしてください。

記事サマリー

ダブルローンとは

ダブルローンとは

一般的にダブルローンとは、自宅の住宅ローンを返済しつつ、新居を購入するために新たに住宅ローンを借りることをいいます。

つまり旧自宅の住宅ローンを完済するまでは、2つのローンを並行して返済することになります。

住み替えする方法には「売り先行」と「買い先行」があり、基本的にはどちらかを選択することになりますが、ダブルローンになる可能性があるのは買い先行の場合です。

【売り先行】
今住んでいる自宅を売却し、売買代金で住宅ローンを完済してから、新居を購入する方法です。一度住宅ローンを完済してから、新たな住宅ローンを借りることになるので、
家計への負担が少ない住み替え方法といえます。デメリットは、仮住まいをする必要があり、仮住まいの費用がかかることです。

【買い先行】
自宅の住宅ローン残高がまだ残っているうちに、追加で住宅ローンを借りて新居を購入する方法です。新居へ引っ越ししてから旧自宅を売却することになり、売買代金で住宅ローンを完済するまで、ダブルローンになります。一時的とはいえ、返済額が大きくなることがデメリットです。

売り先行と買い先行の流れは、以下の通りです。

売り先行 買い先行
1.自宅を住みながら売り出す 1.ダブルローンを利用して新居を購入 
2.自宅を売却して仮住まいをする 2.新居へ引っ越しする
3.自宅の売買代金で住宅ローンを完済する 3.旧自宅を空き家の状態で売り出す
4.新たに住宅ローンを借りて新居を購入する  4.旧自宅を売却
5.新居へ引っ越しする 5.旧自宅の売買代金で住宅ローンを完済する

ダブルローンを利用するメリット

ダブルローンを利用するメリット

ダブルローンは買い先行することができるので、新居を見つけたタイミングで購入できます。
気に入った物件を買い逃してしまうこともなく、仮住まいも必要ありません。
自宅を空き家にした状態で売り出すことができ、内覧に立ち会う必要がないこともダブルローンのメリットといえます。

一方、売り先行の場合は、自宅が売れるまで新居を購入できません。また自宅を先に売却することになり、仮住まいが必要です。

ダブルローンを利用するデメリット

ダブルローンを利用するデメリット

ダブルローンは、一時的だとしても2つの住宅ローンを返済しなければならず、返済比率が高くなります。

したがって年収や年齢によっては、ダブルローンの借り入れは難しいでしょう。

誰でもダブルローンを利用できるわけではないため、買い先行を検討する場合は事前に金融機関に相談しておきましょう。

また住宅ローンの返済中は、住宅として使用しなければならず、賃貸することはできません。一時的であっても二重にローンを返済することになるため、無理のない資金計画を立てましょう。

ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資の徹底比較

ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資の徹底比較

住み替えを「買い先行」で進める場合、活用できるローンはダブルローンだけではありません。複数の選択肢があり、それぞれ仕組みや資金の流れが異なります。

ここでは、各ローンの特徴や相違点をみていき、判断ポイントを確認していきます。

住宅ローンとダブルローンの違い


住宅ローンとダブルローンの違いを紹介しながら、選択基準について解説します。

住宅ローンとダブルローンの比較・選択基準

通常の住宅ローンとダブルローンには、どのような違いがあるのでしょうか。

住宅ローンは基本的にどこの金融機関でも相談できますが、ダブルローンを扱っていない金融機関もあります。

住宅ローンは他のローン商品よりも金利が低いのが特徴ですが、ダブルローンは比較的高くなる可能性があります。またダブルローンは審査が厳しく、年収や返済比率によっては借入れが難しいでしょう。


住宅ローンダブルローン
扱っている金融機関基本的にすべての金融機関で借り入れ可能扱っている金融機関が限られる
金利比較的低い比較的高い
審査基準一定の審査基準厳しい審査基準
住宅ローンの借入れ基本的には1つのみの借り入れ条件付きで並行して2つ借り入れ可能
住宅ローン控除利用できる引っ越し後、旧自宅は適用外

住宅ローン利用中にダブルローンを組む際の注意点

ダブルローンを借り入れる際は、既存の住宅ローンを借りている金融機関に、もう1軒分借り入れることについて了承を得る必要があります。したがって収入面に問題がなくても、ダブルローンの借入れができない可能性があります。

またダブルローンは審査が厳しいため、住み替えローンの利用や売り先行も視野に入れて、住み替えの計画を立てるようにしましょう。

住み替えローンとダブルローンの違い

住み替えローンとは、旧居の住宅ローン残債がある状態で住み替えを行う場合に、新居の購入資金と残債を一本化して借り入れるローン商品のことです。

たとえば、現在の住宅ローン残債が2,000万円で、売却予定価格が1,500万円の場合、差額500万円が残ります。新居の購入価格が4,000万円であれば、審査に通れば合計4,500万円をまとめて借り入れることが可能です。

一方、ダブルローンは旧居と新居それぞれに住宅ローンを組む方法です。一定期間、住宅ローンを2本抱える仕組みであり、毎月の返済負担や審査の考え方にも違いがあります。

・「住み替えローンの審査」に関する記事はこちら
住み替えローンの審査は厳しい?通らなかったときの対処法も紹介


つなぎ融資とダブルローンの違い

つなぎ融資とは、旧居の売却代金が入るまでの間、新居購入資金の一部を一時的に融資してもらう仕組みです。

住み替えでは、住宅ローンが実行されるまでの期間に、購入代金の一部や各種手付金など、まとまった資金が必要になります。

つなぎ融資は、売却代金で精算する前提の一時的な資金であり、不動産会社の「買取保証」と組み合わせて提供されることが一般的です。

買取保証とは、一定期間内に不動産が売れなかった場合、不動産会社があらかじめ設定した価格で買い取る制度です。買取価格は市場相場より低めに設定される傾向にあります。

つまり、つなぎ融資はあくまで一時的な資金調達であるのに対し、ダブルローンは旧居の住宅ローンを残したまま新居の住宅ローンも返済していく仕組みです。売却が完了するまで、二重の返済が続く点が大きな違いです。

・「つなぎ融資」に関する記事はこちら
つなぎ融資とは?メリット・デメリットや仕組みをわかりやすく解説
・東急リバブルの「立替払制度(資金のつなぎ制度)」はこちら

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ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資の比較表

ここまで、ダブルローン、住み替えローン、つなぎ融資について解説しました。

ここからは、それぞれの違いを整理した比較表をみていきましょう。

【ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資の比較】

比較項目ダブルローン住み替えローンつなぎ融資
主な目的旧居売却前に新居を購入する残債と新規購入資金を一本化する売却代金入金までの資金を一時的に補う
利用シーン売却が未確定だが購入を優先したい場合売却価格が残債を下回る場合売却予定はあるが入金前に購入資金が必要な場合
ローンの本数住宅ローン2本住宅ローン1本(一本化)短期融資1本+住宅ローン
金利傾向通常の住宅ローン金利住宅ローン金利(やや高めの傾向)住宅ローンより高めの短期金利
返済期間中長期中長期短期
リスク二重返済による負担増借入額が大きくなりやすい売却価格が想定を下回る場合のリスク

ダブルローンは他の融資制度と比べて住宅ローン金利が適用されるため、金利面では有利になりやすい方法です。一方で、一定期間は二重返済が発生するため、毎月の資金負担が増える点には注意が必要です。

つなぎ融資は短期間の一時的な借り入れであるため、住宅ローンより金利や手数料が高めに設定される傾向があります。それぞれの特徴を理解したうえで、目的や条件に合った方法を選ぶことが重要です。

どれにすべき?判断基準

ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資のどれを選ぶかは、資金力や住み替えにおける優先順位によって異なります。返済余力や売却の見通しを踏まえ、無理のない方法を選ぶことが重要です。

以下でそれぞれ向いている人の特徴をまとめました。

【判断基準の比較】

ローンの種類 向いている人の特徴
ダブルローン
  • 新居をじっくり選びたい人
  • 一定期間の二重返済をカバーできる返済余力がある人
住み替えローン
  • 売却価格が残債を下回る可能性がある人
  • 売却と購入の決済日を同日に合わせられる人
つなぎ融資
  • ダブルローンを避けたい人
  • 旧居が売れる見込みが高い人

ダブルローンは新居選びの自由度が高い一方で、一定期間は返済負担が増えます。そのため、余裕をもって二重返済に対応できる方に向いています。

住み替えローンは残債と新規購入資金をまとめて借りられるため、売却価格が残債を下回る場合の選択肢として有効です。

つなぎ融資は短期間の資金調整に適した方法であり、旧居の売却が見込めるケースで活用しやすい手段といえるでしょう。

住宅ローン控除の適用ルールの違いと注意点

住宅ローン控除の適用ルールの違いについてもみていきます。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住居を購入・新築・増改築し、一定の条件を満たした場合に所得税が軽減される制度です。最長13年間、年末のローン残高の0.7%に相当する額が所得税から控除される仕組みです。

住み替えの方法によって、控除の考え方が以下のように異なります。

ローンの種類住宅ローン控除の扱い
ダブルローン新居の住宅ローンのみが対象
住み替えローン控除額を算出する基礎となるローン残高は、新居取得にかかった費用に対応する借入額のみ
つなぎ融資短期融資のため住宅ローン控除の対象外

ダブルローンや住み替えローンでは、新居取得にかかる借入部分のみが控除対象になります。

とくに住み替えローンは借入額が一本化されるため、どの部分が控除対象になるのかを事前に確認することが重要です。

ダブルローンの借入額・返済シミュレーション

ダブルローンの借入額・返済シミュレーション

ダブルローンを検討するうえで重要なのは「実際にいくらまで借りられるのか」「二重返済が家計にどの程度影響するのか」を具体的に把握することです。

ここでは、年収別の借入可能額の目安と、ダブルローンを組んだ場合の返済シミュレーションを通じて、現実的な資金計画の考え方を確認していきます。

年収別の借入可能額シミュレーション

ダブルローンでは、2本のローン合計が金融機関の「返済比率」の範囲内に収まる必要があります。

多くの銀行では、年間返済額を年収の30~35%以内に設定しています。ここでは返済比率30%で試算します。

【試算条件】

  • 返済比率:30%
  • 返済期間:35年
  • 金利:年1%(全期間固定と仮定)
  • 元利均等返済
  • 2本のローン合計額で計算

上記条件で算出した、2本のローン合計の借入可能額の目安は以下のとおりです。

年収年間返済上限額毎月返済上限合計借入可能額
500万円150万円12万5,000円4,428万円
800万円240万円20万円7,085万円
1,000万円300万円25万円8,855万円

ダブルローンでは、既存ローン分が残っているため、新居に充てられる借入枠は想像以上に小さくなることもあります。とくに旧居の毎月返済額が大きい場合、新居に充てられる借入枠は大きく圧縮されてしまいます。

返済シミュレーション

ここでは、具体的な数字を設定してダブルローンの毎月返済額を試算します。

【試算条件】

  • 年収:800万円
  • 旧居の毎月返済額:9万円
  • 新居ローン借入額:4,000万円
  • 金利:年1%(固定)
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済

【返済シミュレーション結果】


毎月の返済額
旧居ローン9万円
新居ローン11万2,914円
合計20万2,914円
年間返済額243万4,968円

年間返済額は約243万円となり、年収800万円に対する返済比率は約30%です。

数値上は、借入可能な水準といえますが、毎月約20万円の返済を負担に感じる方もいるでしょう。

ダブルローンを検討する際は、単に借りられるかどうかではなく、現在の返済額にいくら上乗せされるのかを具体的に確認し、家計全体で無理のない水準かを見極めることが大切です。

ダブルローンが可能な銀行と審査のポイント

ダブルローンが可能な銀行と審査のポイント

ダブルローンを希望する場合、どのように進めたらよいのでしょうか。この章では、ダブルローンを組む方法を紹介します。

対応している主な銀行とその特徴

ダブルローンを相談できる金融機関はありますが、「住宅ローン=自分が住む家を購入するためのローン」であるため、住宅ローンは本来1つしか借り入れできません。

また返済比率に対して収入が十分であっても、新居の売買契約が締結済みであることが条件になることもあります。

つまり「○○銀行ならダブルローンが可能」「返済比率が○%以下であれば可能」などど、一概にいうことはできません。

通常、金融機関も個別の案件ごとに審査することになるため、金融機関に直接相談するか、不動産会社の担当者に相談してみましょう。

審査の基準と注意点

収入に対する返済比率の目安は、年収や金融機関によって異なりますが、一般的に25~35%が目安だといわれています。しかしダブルローンは住宅2軒分の返済になるため、より審査は厳しくなります。

2軒分の返済比率が30%を上回る場合は、基本的に借り入れは難しいでしょう。

また住宅ローンは本来1つしか借り入れできないため、ダブルローンを組む場合は、すでに借り入れしている金融機関に了承を得る必要があります。買い先行を検討する場合は、金融機関に早めに相談しておくことをおすすめします。

金融機関別のダブルローン審査基準傾向

ダブルローンの審査基準は金融機関ごとに異なります。審査が甘い金融機関があるわけではありませんが、金融機関によって重視するポイントには一定の傾向があります。

以下で主な特徴をまとめました。

金融機関の種類審査の傾向
メガバンク収入の安定性や返済比率を慎重に確認し、返済能力を重視する傾向がある
地方銀行地域住民に対して比較的柔軟に対応し、個別事情を踏まえた相談がしやすい
ネット銀行勤務先規模や勤続年数よりも、数値基準を中心に機械的に審査する傾向がある
フラット35雇用形態や勤続年数の制限がなく、一定の基準を満たせば民間より通りやすい傾向がある

いずれの金融機関でも、ダブルローンは単独ローンより審査が厳しくなる傾向があります。

そのうえで、自身の収入状況や既存ローンの内容、働き方などを踏まえ、審査の傾向が合う金融機関を選ぶことが大事です。

ダブルローンを利用した住み替え戦略

ダブルローンを利用した住み替え戦略

これまでダブルローンが難しいことを説明してきましたが、それでも住み替えを成功させるためには、どうしたらよいのでしょうか。
この章では、住み替えを成功させるコツと注意点を紹介します。

ダブルローンを組む流れ

ダブルローンの利用を検討している場合は、全体の流れをあらかじめ把握しておくことが重要です。手続きは複数の工程に分かれており、事前準備を怠るとスケジュールに影響が出ることもあります。

ダブルローンの基本的な流れは以下のとおりです。

ステップ 内容
1 ダブルローンが利用できるか確認(返済比率・既存ローン状況の整理)
2 新居探し
3
ダブルローンに対応している金融機関を探し、仮審査を申し込む
4
本審査・新居の購入手続き
5
融資実行・新居へ入居

ダブルローンでは、まず返済余力を正確に把握することが欠かせません。

既存ローンの毎月返済額と返済比率を確認し、二重返済が無理のない範囲かを確認しておきましょう。

また、ダブルローンは審査や資金計画が単独ローンより慎重に行われるため、スケジュールを意識して計画的に進めることが大切です。

自宅の売却をなるべく早く始める

新居を購入するためにダブルローンを利用する場合は、自宅の売却をなるべく早く始めるようにしましょう。ローン返済が家計の負担になることが多いため、ダブルローンになる期間が短くなるように心がけます。

また状況によっては、思い切った値下げや買取による売却も視野に入れておくことをおすすめします。

住み替えを成功させるコツ・注意点

住み替えでは「売り先行」と「買い先行」のどちらを選ぶかが重要なポイントになります。どちらが適しているかは、資金状況や優先順位によって異なります。

売り先行に向いている人、買い先行に向いている人の特徴は主に以下のとおりです。


売り先行 買い先行
向いている人
  • 納得のいく条件・より良い条件で売却を進めたい人
  • 確実な資金計画のもとで住み替えを進めたい人
  • 現在の住まいに住みながら理想の物件を探したい人
  • 仮住まいを避けたい人
  • ある程度資金に余裕がある人

売り先行は、購入を急ぐ必要がないため、価格交渉に余裕をもちやすくなります。そのため、納得のいく条件やより良い条件で売却を進めたい方に向いています。

一方、買い先行は二重返済などの負担が生じるため、ある程度資金に余裕がある方に適しているでしょう。

・「売り先行・買い先行」に関する記事はこちら
マンション買い替えの基礎知識と手順。売り先行・買い先行の違いは?

夫婦や親子での住宅ローン利用法

夫婦や親子での住宅ローン利用法

1つの不動産に対して夫婦や親子など、家族で協力してローンを組むことを「ペアローン」といいます。1人で2つのローンを組む、ダブルローンとはメリットやデメリットが異なります。

この章では、ペアローンを組む際のポイントとアドバイスを紹介します。

夫婦や親子でのローン申し込みのポイント

ペアローンは夫婦や親子の総収入で審査するため、借入額を増やせるのがメリットです。
また、各自が住宅ローンを組むことになり、住宅ローン控除もそれぞれ受けられます。

各自が希望する金利を選ぶことができ、節税効果も期待できます。たとえば共働きの夫婦でそれぞれ安定した収入が見込める場合は、ペアローンを組むことでより高額な物件も購入できるでしょう。

家族が安心して利用するためのアドバイス

ペアローンは2人でローンを借り入れるため、高額な物件も購入しやすくなります。
しかし、どちらか一方が退職などにより収入がなくなった場合、返済が難しくなるおそれがあります。

借り入れ金額を増やせるとしても、無理のない資金計画を立てるようにしましょう。

なお、もしものときのために、団体信用生命保険にそれぞれ加入して備えることができます。

しかしどちらかが死亡しても、ローン残高に相当する保険金が支払われるのは、亡くなった人の債務のみです。生存している人が借り入れている住宅ローンは残るため、ローンの返済が続くことを心得ておきましょう。

失敗事例から学ぶ!ダブルローンの注意点と対策

失敗事例から学ぶ!ダブルローンの注意点と対策

ダブルローンは住み替えの選択肢を広げられる方法ですが、一方で売却の遅れや二重返済による家計負担などのリスクもあります。

ダブルローンで後悔しないためにも、実際に起こり得る失敗事例を知っておくことが大切です。

ここでは2つのケースを取り上げ、注意点と対策を確認していきます。

事例1:旧居が想定価格で売れず残債が消せなかった

Aさんは、持ち家が2,000万円で売却できると見込み、住宅ローン残債1,800万円は問題なく完済できると判断しました。その前提で新居を先に購入し、ダブルローンで住み替えを進めました。

しかし実際の売却価格は1,600万円にとどまり、残債を完済できず不足分を自己資金で補填することに。生活費として確保していた資金が減ったことで当初の資金計画が崩れ、新居のローン返済が家計にとって大きな負担となってしまいました。

このように、売却価格が見込みを下回ると住み替え全体の資金計画は狂いやすくなります。

売却価格は余裕をもって見積もり、無理のない返済計画を立てましょう。

事例2:二重のローン返済で生活費がショートした

2つ目は、旧居の売却が想定より長引き、ダブルローンの期間が延びて家計が圧迫してしまったケースです。

Bさんは、新居を先に購入し、一定期間は二重返済になることを理解したうえでダブルローンを利用しました。当初は「数カ月で旧居は売れるだろう」と見込んでいました。

しかし、実際には1年以上経っても買い手が見つかりません。旧居と新居のローン返済が長期間続き、毎月の負担が重くのしかかる状況に。ボーナスや貯蓄を取り崩して対応していましたが、次第に生活費が不足し、家計は厳しくなっていきました。

このように、売却には想定以上の時間を要するケースも少なくありません。

ダブルローンを選択する場合は、売却が長期化しても耐えられる資金計画を立てておくことが重要です。

ダブルローンに関してよくある疑問

ダブルローンに関してよくある疑問

最後に、ダブルローンやペアローンに関するよくある質問を紹介します。住宅の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

車のローンがある場合、ダブルローンは組める?

すでに車のローンを組んでいる場合でも、住宅ローンを借り入れることはできますが、返済比率によっては審査が通らない可能性があります。ダブルローンはそもそも返済比率が高くなるため、より難しくなることが想像できます。

返済比率とは、年収に対する年間のローン返済額の比率です。
年収に応じて返済比率の基準がありますが、返済比率を計算する際に、他の返済も合算して計算することになります。

ちなみに金融機関や年収によっても異なり、一般的に25~35%が目安といわれています。

住宅ローン以外に借り入れがあることを故意に告げなかったとしても、結局は金融機関に知られることになります。ほかにローンがあることは隠さず審査を受けるようにし、住宅ローンの借り入れを予定している場合は、ほかのローンを増やさないようにしましょう。

ペアローン利用中に離婚した場合はどうなる?

ペアローンを返済中に離婚する場合でも、それぞれローンは返済し続けなければなりません。

また互いに相手の連帯保証人であることが多く、離婚してもその立場を変更できないケースがほとんどです。

もし相手の返済が滞った場合は連帯保証人である自分が返済しなければならず、離婚後も返済のリスクが生じます。

したがって離婚後は住宅を売却して、住宅ローンを完済することをおすすめしますが、相手側が売却に応じないときは売却できません。
ペアローンを組む際は、離婚や退職によるリスクがあることを理解しておく必要があります。

売却益が出た場合は3,000万円特別控除との併用は可能?

旧居を売却して利益が出た場合、3,000万円の特別控除を利用できる可能性があります。

3,000万円の特別控除とは、マイホームを売って得た譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度です。課税対象となる譲渡所得を圧縮できるため、譲渡所得税の負担を抑えられます。

ただし、旧居の売却で3,000万円特別控除を適用した場合、新居で住宅ローン控除を受けられない点に注意が必要です。

そのため、売却益が出る見込みの場合は、3,000万円特別控除と住宅ローン控除のどちらを選ぶべきか、事前にシミュレーションを行い、税負担の差を確認したうえで判断することが重要です。

・「3,000万円特別控除」に関する記事はこちら
マンション売却で活用可能! 3,000万円特別控除とは?

まとめ

ダブルローンは新居を先に購入できる柔軟な手法です。ただし、二重返済による負担増や売却価格の下振れリスクを伴います。とくに売却が想定より長引いた場合、家計への影響は想像以上に大きくなる点に注意が必要です。

自宅の住み替えにはダブルローン以外にもつなぎ融資や住み替えローンなどの選択肢があります。

返済余力が高い方はダブルローン、旧居の売れる見込みが高い場合はつなぎ融資、残債を含めて借入を整理したい場合は住み替えローンが適しています。それぞれの特徴を理解し、自身の状況に合わせて選択することが重要です。

売却の見通しと資金計画を正確に把握すれば、ダブルローンを活用した住み替えは十分に実行可能です。条件を踏まえたうえで、計画的に進めていきましょう。

この記事のポイント

ダブルローンを利用するメリットは何ですか?

ダブルローンは買い先行することができるので、新居を見つけたタイミングで購入できます。
気に入った物件を買い逃してしまうこともなく、仮住まいも必要ありません。
自宅を空き家にした状態で売り出すことができ、内覧に立ち会う必要がないこともダブルローンのメリットといえます。

詳しくは「ダブルローンを利用するメリット」をご覧ください。

ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資のどれを選べばいい?

ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資のどれを選ぶかは、資金力や住み替えにおける優先順位によって異なります。
返済余力や売却の見通しを踏まえ、無理のない方法を選ぶことが重要です。

詳しくは「ダブルローン・住み替えローン・つなぎ融資の徹底比較」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

辻本 剛士

ダブルローンを検討する際は「この金額なら払えそう」ではなく「最悪のケースでも払えるか」で判断することが大切です。売却が半年~1年以上かかる可能性や、想定より価格が下がるケースも視野に入れ、返済比率と生活費のバランスを具体的にシミュレーションしておきましょう。数字で確認してから決断することが、後悔しない住み替えにつながります。不安がある場合はFPなどの専門家に相談し、第三者の視点から資金計画をチェックしてもらうことも有効な選択肢です。

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