ヌックとは
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ヌックとは?ヌックの魅力と想定されるデメリットを解説

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • ヌックとは、家の中にある小さな居心地のよい空間のこと。家族で共有できるプライベート空間とも言える
  • 後悔しないためには、ヌックの環境や設置場所、長期的な用途の検討など計画性も必要

住まいの快適性を考えるとき、家の広さや開放感を重視しがちですが、小ぢんまりとした空間のほうが心地よく過ごせることもあります。また、ひとりでホッと安らげる空間が欲しいと思うことはありませんか?そんな要望に応えられる空間が「ヌック」です。

この記事では、ヌックの魅力やデメリット、物件購入の際の注意点を解説します。ヌックを検討している方は、ぜひご覧ください。

ヌックとは

ヌックとは、家の中にある小さな居心地のよい空間のことです。広さや設え(しつらえ)によって読書、遊び、休憩など多様な使い方が可能。ヌックは、家族で共有できるプライベート空間と言えます。

ヌックに具体的な定義はありません。こもり感の強い半個室のようなヌックもあれば、リビングの一角にオープンスペースとして設置されるヌックもあります。
同じ空間にあっても、壁をつくり天井を少し低くするだけで、特別な空間になることがヌックの魅力です。

インテリアのアクセントにもなる

ヌックは、空間デザインのアクセントとしての役割も果たします。
ヌックの入り口を三角屋根にして小さな家に見立てたり、アーチ形状の垂れ壁にしたりと、遊び心のあるデザインを楽しむことができます。また、ヌック内部にアクセントクロスを貼るのもおしゃれです。

ヌックはインテリア性が高く、費用を大幅にかけなくても目を引く空間をつくることができます。

ヌックのメリットは活用方法が多様なこと

ヌック メリット

ヌックは小さなスペースでありながら、設置場所によって多様な活用方法があります。また、上手く活用するためには、家族の共有スペース近くにあることがポイントです。

キッズスペースとして

ヌックは、キッズスペースとして使い勝手のよい場所です。壁に囲まれた小さな空間は、子どもにとって秘密基地さながら。ワクワクできる冒険心と創造性を育みます。

また、散らかしても構わない場所がひとつあるだけで、片付けや心理的な負担が減るなど、親にとってもメリットがあります。

テレワーク・学習スペースとして

ヌックは、ごく小さなパーソナルスペースとして活用できます。ヌック独特のこもり感は集中力を高めやすく、テレワークや学習スペースとしても最適です。

また、定番の活用法に本棚を造り付けた「リーディングヌック」があります。本の世界に没頭できるリーディングヌックは、読書好きの方におすすめです。

デッドスペースも有効活用できる

間取り設計の中で生じる「デッドスペース」。デッドスペースの活用法と言えば収納を思い浮かべますが、ヌックも活用法のひとつになります。

リビング階段下を活かした、勾配天井のヌックは人気のプランです。階段脇にヌックをつくるケースも見られます。階段周辺はリビングから近く、家族で共有しやすいのでヌックの設置場所としておすすめです。

リビングに家族が集いやすく、広く見える効果も

リビングの一角にヌックがあると、家族の傍らで読書や編み物といった趣味を楽しみやすくなります。家族とコミュニケーションを取りやすいこともヌックのメリットです。

また、ヌックはリビングを広く見せるのにも一役買います。ヌックをソファベンチにして、ベンチ下を収納にすれば、ソファも収納もいらない広々としたリビングを実現できます。

ヌックダイニング

ダイニングは、キッチンとできるだけ近い距離で配置したほうが便利ですが、外の景観がよい場合は、窓辺にヌックダイニングを計画するのも一案です。
窓から四季折々の景観を楽しめるヌックダイニングは、ひと味違う素敵な空間になります。

ヌックがある家を購入して後悔?想定されるデメリット

ヌックは魅力的な空間である反面、その特性上のデメリットもあります。後悔しないよう、購入前にデメリットを確認しておきましょう。

スペースを費やす

ヌックは生活を豊かに楽しくしてくれる空間ですが、住まい全体の快適性を損なってまで設置するものではありません。

デッドスペースをヌックに転用している場合は問題ありませんが、生活空間を削って設置されている場合は、居住に支障がないか確認する必要があります。

バリアフリーではなくなってしまうことも

段差のあるヌックは、高齢者にとって使いづらさや危険を招く可能性も否定できません。

ただし、ヌックの形状によっては、腰掛けスペースや疲れた時に横になる空間として、便利に使える場合もあります。長い目で使い方を想定しておくと安心です。

ヌックのスペースは空調が効きにくい可能性がある

小さな出入口があるだけの、こもり感の強いヌックの場合は、空調がないと季節によっては使いにくいかもしれません。窓がないヌックの場合は、湿気対策も必要です。

開口部の大きいヌックの場合は、隣接する部屋の空調が届くように、サーキュレーターなどを活用すると良いでしょう。

ヌックがある家を購入するときの注意点

ヌックを活用するためには、快適な環境であることや設置場所がポイントです。具体的な活用法や長期的な使用についても検討しておきましょう。

快適に使える環境か確かめる

ヌックを快適に使うためには、温度や湿度、採光や通風を取れる環境であることが重要です。窓のあるヌックであれば、ある程度の条件をクリアできるため、窓の有無を確認すると良いでしょう。

また、ヌックは狭すぎると圧迫感につながる場合もあります。その一方で、広すぎるとヌックらしさがなくなり用途が曖昧に。適度な広さであることもポイントです。
さらに、照明やコンセントの有無、用途に合った収納の有無も確認しておきましょう。

設置場所を確認する

ヌックは家族で共有できるパーソナルスペースです。
そのため、リビングの一角、階段下や階段ホールなど、家族みんなが使いやすい場所に設置されていたほうが活用度が高くなります。家族の生活動線から大きく外れていないか確認しましょう。

使い方を明確にする

ヌックの活用法は、住み始めてから考えるのではなく、入居する前に考えておきましょう。用途によっては、必要な設備や設えが変わることもあります。
ヌックの使い方を決めて、必要な設備を整えてから入居したほうがスムーズです。

長く使えるか考える

入居当初は使用していたヌックも、ライフスタイルの変化に伴い、使われなくなることも少なくありません。長期的な視点でヌックの活用方法を考えておくと、デッドスペースにならずに済みます。

また、ヌックは設置場所によっては納戸のように使える場合もありますが、基本的にオープンなスペースのため、収納や他の用途に転用するのは難しいと考えておきましょう。

まとめ

ヌックは、小さいながらも不思議な心地よさを感じられる空間です。デッドスペースを活用しながら、空間デザインを楽しめることもヌックの魅力と言えます。

ヌックを上手く活用するためには、使い方に合わせた設置場所や生活動線への配慮、快適に過ごせる環境がポイントです。さらに、長期的な視点で活用法を考えておくと、ライフスタイルが変わっても使い続けることができるでしょう。

この記事のポイント

ヌックとは、どんな場所?

ヌックとは、家の中にある小さな居心地のよい空間のことです。家族で共有できるプライベート空間とも言えます。

詳しくは「ヌックとは」をご覧ください。

ヌックのある家は後悔する?

ヌックはその広さや段差があるといった空間特性から、デメリットもあります。後悔しないためには、事前にデメリットを知っておく必要があります。

詳しくは「ヌックがある家を購入して後悔?想定されるデメリット」をご覧ください。

ヌックがある家を選ぶときの注意点は?

ヌックを活用するためには、快適な環境であることや設置場所がポイントです。使い方や長期的な活用法についても検討しておくと、デッドスペースにならずに済みます。

詳しくは「ヌックがある家を購入するときの注意点」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

多種多様な使い方ができるヌックは、暮らし方、働き方が多様化する昨今に流行している住宅スペースです。しかし、単に「流行っているから」「おしゃれだから」という理由だけで取り入れてしまうと、使い方がわからず、貴重なスペースを持て余してしまうことにもなりかねません。住宅に求められるのは、自分たちの今とこれからに適合していること。そこでの暮らしを想像し、ヌックが必要か不要かを見極めましょう。

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