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固定資産税評価額の目安は実勢価格や公示地価から計算できる! 計算方法を解説

この記事の監修

植村拓真
公認会計士/税理士 植村会計事務所・代表

植村会計事務所代表税理士・公認会計士。大手監査法人勤務時に鉄道系不動産会社の会計監査を経験。
監査法人独立後も不動産会社の予算管理や事業計画の策定に携わる他、不動産投資家向けの税務顧問、節税アドバイス、申告代行業務なども担当。
高い効率性・正確性を追求すべく、ITツールを駆使した税理士業務の運営を行う傍ら、各種セミナーや執筆協力なども行なっている。

ざっくり要約!

  • 固定資産税評価額とは税額の基準となるもの。各自治体が固定資産評価基準によって評価する
  • 土地の固定資産税評価額は、公示地価の70%程度を目安に算定されるため、納税通知書などがなくてもある程度の税額は推測できる

固定資産税とは、土地や建物などを所有している人が、市町村や東京都23区に納める税金です。固定資産税は「固定資産税評価額」を基に計算します。固定資産税評価額は各自治体が個別に定めるため、納税通知書や課税明細書が手元にない状況では、評価証明書などを取得しなければ知ることはできません。

そこで今回は、税額の計算方法とともに、実勢価格や公示地価などから固定資産税評価額の目安を推測する方法を解説します。

固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額とは、固定資産税を算出するための基準となるものです。固定資産税は、次の計算式で算出します。

固定資産税 = 固定資産税評価額(課税標準額)× 税率

固定資産税評価額とは、土地や建物の販売価格ではなく、自治体が算出した不動産の評価額を指します。税率は「1.4%」とされているケースが多い傾向にありますが、自治体によっては適用税率が異なることもあるので注意しましょう。

固定資産税評価額が基準になるのは固定資産税額だけではない

固定資産税評価額は、固定資産税の計算のみならず、都市計画税や不動産取得税、登録免許税などを算出する際の基準にもなります。いずれも、固定資産税評価額に税率をかけて算出されます。

土地と建物は個別に評価

固定資産税評価額は、土地と建物に分けて評価されます。よって、税額も土地と建物それぞれ計算する必要があります。

「評価替え」は3年に1回

不動産の固定資産税評価額は、3年に1度「評価替え」があります。評価替えとは、固定資産を適正に評価するために見直すことを指します。地価や建物の価値は変わっていくものであり、それを反映するために定期的に評価額を見直しているのです。

直近の評価替えは令和3年度に実施されたため、次回は令和6年度、その次は令和9年度に実施されます。

実勢価格・公示地価から土地の固定資産税評価額の目安を知る方法

固定資産税は「固定資産評価基準」をもとに評価されます。固定資産税評価基準とは、地方税法によって定められた固定資産評価の実施方法や手続きの基準です。

土地の公示地価から固定資産税評価額を推測する

土地の固定資産税評価額は、公示地価の70%を目安にするのが一般的です。公示地価とは、地価公示法に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が都市計画区域などの標準的な地点の1月1日時点の1㎡あたりの価格を判定したものです。

公示地価と実勢価格の関連性

実勢価格とは、実際に土地が取引される価格を指します。国が示す価格の目安があるとはいえ、土地の価格は当事者間の合意で決まるため、公示地価と実勢価格は必ずしもイコールにはなりません。

取引状況にもよりますが、実勢価格は公示地価の概ね1.1〜1.2倍になるのが一般的です。

土地の実勢価格から評価額が推測できる

固定資産税評価額は、先のとおり公示地価の70%を目安に算出できます。また、実勢価格は公示地価の1.1〜1.2倍程度と仮定すれば、次の計算式で、実勢価格から固定資産税評価額が推測できます。

ここまでのことをまとめると、土地の固定資産税評価額の目安を算出する計算式は、以下のようになります。

土地の固定資産税評価額の目安=公示地価×70%
              =(実勢価格÷1.1〜1.2)×70%

建物の固定資産税評価額は再建築価格と経年減点補正率から算出する

建物の固定資産税評価額は、「再建築価格方式」と呼ばれる計算方法で求めます。再建築価格方式とは、建物を立て直す場合にかかる費用である「再建築価格」を基準として、固定資産税評価額を算出する計算方法です。

この「再建築価格」に、建築後の年数の経過に応じて生じる減価を基礎に定めた割合である「経年減点補正率」を乗じて、固定資産税評価額を算出します。

計算式にまとめると、以下のようになります。

建物の固定資産税評価額=再建築価格×経年減点補正率

建物の固定資産税評価額の目安

新築住宅の正確な固定資産税は、建物が建築された後に決定されます。その流れとしては、新築し入居した後、1〜3ヶ月以内に自治体による家屋調査が行われ、固定資産税評価額を算出しています。
新築時には、家屋の建築費の50〜70%程度が固定資産税評価額の目安となり、その後は経過年数に応じた経年減価補正率を乗じて固定資産税評価額の目安を推測します。なお、経過年数ごとの経年減価補正率の詳細は、法務省のサイトでご確認ください。

実勢価格からも建物の固定資産税評価額の目安を算出できる

実勢価格から建物の固定資産税評価額の目安を算出することも可能です。上記に比べ、ややおおまかな方法にはなりますが、新築住宅の場合は、新築価格の60%を目安とし、中古住宅の場合は、実勢価格に経年減価補正率を乗じて算出することも可能です。

固定資産税の減税措置

一定要件を満たした固定資産を所有している場合は、自治体に申請することで以下の減税措置の適用が受けられます。

減税措置名減税対象減税割合減税期間
新築住宅の軽減措置建物2分の1戸建ては3年間
マンションは5年間
住宅用地の特例土地6分の1〜3分の1基本的に建物を解体するまで
リフォーム減税建物3分の1〜3分の21年間
マンション長寿命化促進税制建物6分の1〜2分の1令和7年3月31日まで

税額の目安を算出する場合は、これらの減税措置も考慮しましょう。

固定資産税評価額を調べる方法

固定資産税評価額は、実勢価格や公示地価などからその目安を推測できます。しかし、この方法でわかるのは、あくまで目安。正確な固定資産税評価額および税額を知る方法は、次の3つのいずれかです。

固定資産税納税通知書を確認

毎年1月1日時点で土地や建物を所有している人には、4〜5月頃に各自治体から固定資産税納税通知書が送付されます。通知書の中にある「課税明細書」には、固定資産税評価額が記されています。なお、固定資産税納税通知書および課税明細書は紛失しても再発行されないためご注意ください。

固定資産課税台帳を閲覧

「固定資産課税台帳」でも、固定資産税評価額を確認できます。固定資産課税台帳とは、課税される土地や家屋の所有者や所在、評価額が記載された帳簿です。市区町村の役所、あるいは東京23区の都税事務所で閲覧可能です。

固定資産税評価証明書を取得

「固定資産税評価証明書」は、固定資産課税台帳に記載された内容を証明する書類です。原則的に、土地や建物の所有者とその家族であれば、市区町村の役所あるいは東京23区の都税事務所で取得できます。1週間〜10日程度かかりますが、郵送で取り寄せることも可能です。マイナンバーカードを使ってコンビニで取得できる自治体もあります。

実勢価格などから固定資産税評価額の目安は計算できる

土地の固定資産税評価額は、公示地価の70%を目安に算定されます。また、実勢価格から算出する場合は、まずは実勢価格を1.1〜1.2で割っておおよその公示地価を求めた上で、その70%が固定資産税評価額の目安になります。建物の固定資産税評価額は、新築時は、家屋の建築費の50%〜70%が目安です。その後は、経過年数に応じた経年減価補正率を乗じることで目安が分かります。

ただし、税額は減税措置の適用の有無によっても変わってきます。新築住宅や住宅が建つ土地などは、固定資産税の減税措置があるため考慮するようにしましょう。

この記事のポイント

固定資産税評価額ってなに?

固定資産税を算出するための基準となるものです。

詳しくは「固定資産税評価額とは?」をご覧ください。

固定資産税評価額がわからない場合に税額の目安を知る方法は?

公示地価や実勢価格からある程度、推測することができます。

詳しくは「固定資産税評価額と実勢価格、公示地価の関連性は?」をご覧ください。

固定資産税評価額はどうやって調べればいいの?

固定資産税納税通知書の中にある課税明細書で確認できます。お手元にない場合は、役所などで知ることができます。

詳しくは「固定資産税評価額を調べる方法」をご覧ください。

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