住宅購入,親からの支援,バレる
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住宅購入で親から支援を受けるとバレる?贈与税と対策を解説

執筆者プロフィール

水野 崇
水野崇
CFP®︎認定者/1級ファイナンシャルプランニング技能士

水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部卒業後、東京エレクトロン株式会社に就職。30歳で独立起業し、複数事業のスタートアップに参画、スモールM&Aを経験。現在は独立系FPとして活動の幅を広げ、相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、テレビ出演など多方面で活躍。
https://mizunotakashi.com/

ざっくり要約!

  • 住宅購入時に親から受けた支援は、税務署にほぼ把握される
  • 親から住宅購入資金の支援を受ける場合でも、一定の要件を満たして制度を正しく利用すれば、贈与税の負担を抑えられる

住宅購入で親から資金援助を受けると、贈与税の申告が必要になる場合があり、税務署にバレる可能性もあります。

中には「現金でもらえばばれないのでは」「申告しなくても問題ないのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、不動産購入は金額が大きく、登記や金融機関の情報から税務署が資金の流れを確認しやすい取引です。

本記事では、親からの支援が把握される理由、申告しなかった場合のペナルティ、住宅購入で使える非課税制度や贈与税の申告方法を解説します。

住宅購入時の親からの支援はバレる?

住宅購入時の親からの支援

マイホームの購入に際して、親からの援助を受けられれば、自己資金に余裕が生まれ、希望する住宅を購入しやすくなります。一方で、住宅購入時に親から受けた資金援助は、税務署にほぼ把握されます。

「ばれなければ問題ない」と考えて申告しないのは危険です。不動産購入は金額が大きく、登記や金融機関の情報などから資金の流れを確認されやすい取引だからです。

この章では、親からの資金援助が税務署に把握されやすい理由と、実際に親から援助を受けている人の割合・平均額を紹介します。

住宅購入時の親からの援助はほぼ把握される

住宅購入時に親から資金援助を受けた場合、その事実は税務署にほぼ把握されると考えておいたほうが安全です。

不動産は購入金額が大きく、所有権移転登記や住宅ローン、税務申告など、さまざまな場面で資金の流れが記録に残ります。

税務署は、不動産登記の情報、金融機関への照会、過去の申告・納税情報などをもとに、購入者の年収や自己資金と、購入した物件価格に不自然な点がないかを確認できます。また、KSK(国税総合管理)システムにより、申告内容や納税情報などの税務データが連携・管理されているため、住宅購入時の資金移動も確認されやすい仕組みになっています。

そのため、「現金でもらったから大丈夫」「親子間のお金のやり取りだから分からない」と考えるのは危険です。

現金で受け取った場合でも、親の預金の引き出し、子どもの住宅購入額、住宅ローンの借入額などを照合すれば、資金の出所に疑問を持たれる可能性があります。

援助額が大きいほど、購入者本人の収入や貯蓄だけでは説明しにくくなり、発覚リスクも高まります。親からの援助が贈与にあたるにもかかわらず申告していない場合、贈与税の申告漏れとして扱われ、追徴課税の対象になることがあります。

住宅購入時の親からの平均支援額

一般社団法人不動産流通経営協会の「不動産流通業に関する消費者動向調査<第30回(2025年度)>」によれば、2024年4月1日から2025年3月31日までに住宅を購入して引渡しを受けた世帯のうち、親からの贈与を受けた割合は8.3%でした。

住宅購入者全体で見ると1割未満ですが、親からの援助を受けて住宅を購入するケースは少なくありません。また、贈与を受けた世帯のうち、贈与額が1,000万円を超える割合は35.1%となっています。

親からの平均支援額は、住宅の種類によって次のように異なります。

住宅の種類 親からの平均支援額
新築住宅 1,205.6万円
既存住宅(中古住宅) 699.9万円

同調査では、贈与を受けた人が対象の「直系尊属の住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」を利用した、または利用する予定である割合は77.3%でした。住宅購入でまとまった援助を受ける場合は、非課税制度の利用や贈与税の申告を前提に、早めに手続き方法を確認しておくことが大切です。

出典:不動産流通業に関する消費者動向調査<第30回(2025年度)>調査結果報告書(概要版)|一般社団法人不動産流通経営協会

住宅購入時に親からの支援がバレる4つのパターン

住宅購入時に親からの支援がバレる4つのパターン

住宅購入時に親から受けた資金援助は、税務署が複数の経路から把握することがあります。不動産購入は金額が大きく、購入者本人の収入や住宅ローンの借入額と、実際の購入資金との整合性を確認されやすい取引です。

ここでは、住宅購入時に親からの支援がバレる代表的な4つのパターンとして、相続税調査、金融機関の法定調書、不動産登記情報、税務署からの「お尋ね」について紹介します。

1.相続税調査で預金移動が確認される

親などが亡くなり役所に死亡届を提出すると、死亡したことが税務署に通知されるようになっていて、相続税の税務調査が行われます。

税務署は相続税が発生するかどうかを検証するために、死亡者の亡くなる前の所得や預金の流れを調査するので、このときにバレる可能性があります。過去に贈与を受けたことが判明した場合、さかのぼって贈与税が課税されます。

2.金融機関の法定調書から把握される

法定調書とは、所得税法などの規定により、税務署への提出が義務付けられている資料をいいます。

給与所得の源泉徴収票や公的年金等の源泉徴収票、生命保険契約等の一時金の支払調書などが代表例です。

税務署は、事業者が提出した法定調書から、本人の収入や保険金などの情報を確認できます。住宅購入は金額が大きいため、収入に比べて高額な物件を購入している場合や、高額送金・不自然な資金移動がある場合は確認対象になりやすく、親からの贈与の申告漏れや無申告が見つかることがあります。

3.不動産登記情報から把握される

不動産登記情報から発覚するパターンもあります。住宅などの不動産を購入すると、売主から買主へ所有者が移ったことを示す所有権移転登記が行われます。法務局で管理される登記情報には、不動産の所在地や所有者などの情報が記録されています。

税務署は、こうした登記情報などをもとに、不動産の取得を把握できます。購入者の年収や申告内容に比べて高額な物件を購入している場合、自己資金の出所を確認されることがあります。

親からの援助を受けているにもかかわらず贈与税の申告をしていないと、そこから申告漏れが見つかることがあります。

 4.税務署から「お尋ね」が届く

住宅購入後、半年から1年ほどの間に、税務署から「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」という書類が届くことがあります。

「お尋ね」では、購入した不動産の価格に加え、資金の出所として、住宅ローンの借入額、自己資金の内訳、親族からの贈与や借入の有無などを確認されます。

回答しないことに直ちに罰則があるわけではありませんが、内容に不自然な点がある、または未回答のままにしていると、後日の税務調査につながることがあります。住宅購入から少し時間をおいて届く書類のため、資金の流れが分かる資料を確認し、事実に基づいて正確に回答することが重要です。

住宅購入で親から支援を受ける際に知っておくべきポイント

住宅購入で親から支援を受ける際に知っておくべきポイント

親から住宅購入資金の支援を受けること自体は違法ではありません。ただし、贈与額や利用する制度によっては、贈与税の申告など税務上の手続きが必要になります。

適切に申告しなかったり、利用できる制度を確認しないまま進めたりすると、後から税負担が発生することがあります。

「知らなかった」ではすまされないため、この章では贈与税の申告が必要なケースや、申告しなかった場合のペナルティ、申告の流れを確認します。

贈与税の申告が必要なケース

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与の合計額が、原則として110万円を超えると申告が必要です。

親から住宅購入資金の支援を受けたときも、金額によっては贈与税の対象になります。

現金の受け取りに限らず、親が住宅ローンの返済を肩代わりした場合も、贈与と判断されることがあります。また、親が管理していた子ども名義の預金を住宅購入に使う、実際の価値より安く不動産を譲り受けるなど、名義預金やみなし贈与にあたるケースにも注意しましょう。

贈与税の申告書は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、住所地を管轄する税務署へ提出します。住宅取得等資金の非課税制度を利用して贈与税が0円になる場合でも、申告は必要です。

名義預金とは

名義預金とは、親が子ども名義の通帳に預金しているものの、実際には親が通帳や印鑑を管理しているなど、名義人と実際に管理している人が異なる預金のことです。

住宅購入時に名義預金を使うと、その時点で親から子どもへ財産が移ったと判断され、贈与税が発生することがあります。

みなし贈与

みなし贈与とは、当事者に贈与の意思がなくても、実質的に利益を受けているため、贈与とみなされる行為のことです。

たとえば、時価3,000万円の土地を親が子に1,000万円で売った場合、子どもは2,000万円分の利益を受けていることになります。このようなケースでは、みなし贈与と判断されることがあります。

みなし贈与にあたるかどうかは一律の基準で決まるものではなく、取引内容や時価との差などをもとに税務署が個別に判断します。

贈与税を申告しなかった場合のペナルティ

親からの住宅購入資金が贈与にあたるにもかかわらず、贈与税の申告を怠ると、贈与税そのものに加えて、加算税や延滞税が課されることがあります。主なペナルティは次のとおりです。

税の種類発生する主な場面税率の目安
無申告加算税期限までに申告していないとき15〜30%
過少申告加算税実際より少ない税額で申告していたとき10〜15%
重加算税隠ぺいや仮装があったとき35〜40%
延滞税納付が遅れたとき原則年7.3%/14.6%
(2026年は年2.8%/9.1%)
※延滞税は、納付が遅れた期間により適用される税率が2段階に分かれます。実際の税率は年によって変動します。

要件を満たして申告すれば、住宅取得等資金の非課税制度により、贈与税を0円にできるケースもあります。

一方で、無申告のまま税務署に把握されると、贈与税に加えて加算税や延滞税が課され、結果として負担が大きくなるおそれがあります。

援助を申告しなかった場合のペナルティのシミュレーション

親から1,000万円の住宅購入資金の援助を受けたケースで比較してみましょう。

ここでは、省エネ等住宅の取得により、1,000万円の非課税枠を使える前提で試算します。

申告した場合、住宅取得等資金の非課税制度と基礎控除110万円を踏まえ、要件を満たして期限内に申告すれば、贈与税は0円です。

申告しないまま発覚した場合、住宅取得等資金の非課税制度を適用できずに暦年課税で計算すると、1,000万円から基礎控除110万円を差し引いた890万円に贈与税がかかります。

18歳以上の子が親から受ける贈与に適用される特例税率で計算すると、贈与税は177万円です。さらに、税務署の調査後に期限後申告した前提では、無申告加算税が約32.9万円かかります。

贈与税と合わせた負担は約209.9万円です。無申告加算税は日数で増えるものではありませんが、納付が遅れた日数に応じて延滞税が別途加算されます。

このように、要件を満たして申告すれば贈与税がかからないケースでも、無申告のまま発覚すると200万円を超える負担が生じることがあります。

贈与税申告の流れと必要書類

贈与税の申告が必要になったときは、期限までに申告書を提出し、必要に応じて納税を行います。住宅取得等資金の非課税制度を利用する場合も、贈与税が0円だから何もしなくてよいわけではありません。

ここでは、贈与税を申告する際の手続きの流れと、あらかじめ用意しておきたい必要書類を解説します。

贈与税申告の流れと必要書類

申告の流れ

贈与税は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに申告します。

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用して申告書を作成できるほか、書面で作成して税務署へ提出する方法もあります。

申告手続きは、以下の流れで進めます。

1. 必要書類を準備する
   贈与額や住宅の取得内容、親子関係などを確認できる書類をそろえます。住宅取得等資金の非課税制度を使う場合は、住宅に関する書類も必要です。

2. 贈与税申告書を作成する
   贈与額や利用する制度を確認し、贈与税申告書を作成します。非課税制度を使う場合は、その適用を受ける内容も記載します。

3. 税務署へ提出する
   贈与を受けた人の住所地を管轄する税務署へ提出します。e-Tax、郵送、窓口提出などの方法があります。

4. 納税する
   贈与税が発生する場合は、申告期限までに納税します。非課税制度で贈与税の税額が0円になる場合でも、申告書の提出は必要です。

必要書類

贈与税申告で必要になる書類は、贈与の内容や利用する制度によって異なります。住宅取得等資金の非課税制度を利用する場合は、親子関係や住宅の取得内容、非課税制度の要件を確認できる書類も用意します。

主な必要書類は、次のとおりです。

1. 贈与税申告書
   贈与額や贈与者、贈与を受けた人、利用する制度などを記載する書類です。住宅取得等資金の非課税制度を利用する場合は、非課税の適用を受ける内容も記載します。

2. 戸籍謄本など
   親や祖父母など、直系尊属からの贈与であることを確認するための書類です。親子関係を証明する資料として提出します。

3. 売買契約書や工事請負契約書の写し
   住宅の購入や新築、増改築の内容を確認するための書類です。贈与を受けた資金が住宅取得等に使われているかを確認する資料になります。

4. 登記事項証明書など
   取得した住宅の所在地や所有者、床面積などを確認するための書類です。申告書に不動産番号を記載することで、登記事項証明書の添付を省略できる場合があります。

5. 所得を確認できる書類
   住宅取得等資金の非課税制度には、受贈者の所得要件があります。源泉徴収票や確定申告書の控えなど、合計所得金額を確認できる書類を用意します。

6. 住宅性能証明書など
   省エネ等住宅として非課税限度額の上乗せを受ける場合などに必要となる書類です。住宅の性能や種類によって、必要書類が変わります。

必要書類は、新築・購入・増改築の別や、利用する制度によって異なります。申告前に国税庁のチェックシートなどで、提出が必要な書類を確認してから準備を進めます。

親から支援を受けた住宅購入で贈与税を節約する方法は?

親から支援を受けた住宅購入で贈与税を節約する方法

親から住宅購入資金の支援を受ける場合でも、一定の要件を満たして制度を正しく利用すれば、贈与税の負担を抑えられます。

ただし、制度を利用するには、贈与者と贈与を受ける人の関係、住宅の床面積や省エネ性能、所得要件、申告期限といった細かな要件を満たす必要があります。確認が不十分なまま資金援助を受けると、想定外の贈与税が発生しかねません。

ここでは、親からの支援を受けて住宅を購入する際に、贈与税の負担を抑えるために利用できる主な制度を紹介します。

住宅購入時の非課税特例を利用する

親や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得・増改築に充てるための資金援助を受けた場合、一定の要件を満たすと「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」を利用できます。

この特例の対象になるのは、住宅そのものの贈与ではなく、住宅取得等のために使う金銭の贈与です。要件を満たして申告すれば、暦年課税の基礎控除110万円とは別に、一定額まで贈与税が非課税になります。

非課税限度額は、住宅の種類によって異なります。

・省エネ等住宅:1,000万円まで
・それ以外の住宅:500万円まで

省エネ等住宅とは、一定の省エネルギー性能、耐震性能またはバリアフリー性能を備えた住宅です。非課税限度額1,000万円の適用を受けるには、住宅性能証明書等を贈与税の申告書に添付して提出する必要があります。

主な適用条件は、次のとおりです。

・贈与者が直系尊属であること
・贈与を受けた人が、贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること
・贈与を受けた年の合計所得金額が、原則2,000万円以下であること
・贈与を受けた資金を住宅取得等の対価に充てること
・住宅の床面積など、対象住宅の要件を満たすこと
・原則として、贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住、またはその後すみやかに居住する見込みであること
・贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与税の申告をすること

この特例は、要件を満たして期限内に申告してはじめて適用されます。非課税枠内の贈与であっても、申告しなければ対象になりません。また、住宅ローンの返済に充てる資金や、住宅そのものの贈与は対象外です。

親から住宅購入資金の援助を受けるときは、対象になる住宅や必要書類を事前に確認したうえで、期限内に申告します。

出典: No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁

・「土地の生前贈与と相続税」に関する記事はこちら
土地の生前贈与で相続税を節約できる?贈与税の計算方法も解説

暦年課税の基礎控除110万円を活用する

暦年課税では、1月1日から12月31日までに受けた贈与の合計額から、基礎控除110万円を差し引いて贈与税を計算します。合計額が110万円以下であれば、原則として贈与税はかからず、申告も不要です。

住宅購入資金の援助も暦年課税の対象です。住宅取得等資金の非課税制度の要件を満たす場合は、非課税限度額とは別に基礎控除を差し引けるため、税負担をさらに抑えられるケースがあります。

ただし、あらかじめ一定期間・一定額の贈与を約束していると、年ごとの暦年贈与ではなく、最初からまとまった贈与を受ける約束があったものとして課税されることがあります。

暦年課税を活用するときは、贈与の都度、贈与契約書や振込記録を残しておくと、税務署から確認されたときに資金の流れを示しやすくなります。

相続時精算課税制度を利用する

相続時精算課税制度は、原則として60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫への贈与で選択できる制度です。

贈与者ごとに累計2,500万円まで特別控除を受けられ、2,500万円を超えた部分には一律20%の贈与税がかかります。

2024年1月1日以後の贈与からは、相続時精算課税にも年間110万円の基礎控除が設けられました。この基礎控除分は、相続時に加算する財産にも含まれません。住宅購入資金などまとまった援助を受ける場合、贈与時の税負担を抑えられる可能性があります。

この制度は贈与税が完全に免除される仕組みではありません。贈与者が亡くなったときは、原則として制度を利用して受けた贈与財産を相続財産に加算し、相続税として精算します。利用するには、最初に贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、相続時精算課税選択届出書を必要書類とともに税務署へ提出します。

なお、一度選択すると、その贈与者から受ける贈与については暦年課税に戻れません。将来の相続税への影響も踏まえ、総合的に判断する必要があります。

暦年課税と相続時精算課税制度の違い

親から住宅購入資金の援助を受ける場合、贈与税の課税方法として、暦年課税と相続時精算課税制度の違いを理解しておく必要があります。

どちらを選ぶかによって、非課税となる金額や申告手続き、将来の相続税への影響が変わります。

比較項目暦年課税相続時精算課税制度
贈与者・受贈者の条件原則として制限なし60歳以上の父母・祖父母から、18歳以上の子・孫へ
非課税枠受贈者ごとに年間110万円年間110万円+贈与者ごとに累計2,500万円
超過部分の税率10〜55%の累進税率一律20%
届出・申告届出不要。110万円超は申告初回贈与の翌年2月1日〜3月15日に届出書を提出
相続時の扱い一定期間内の贈与は加算対象になる場合あり基礎控除分を除き、相続財産に加算
注意点定期贈与に注意一度選択すると暦年課税に戻れない

暦年課税は、年間110万円までの贈与であれば原則として贈与税がかからないため、少額の援助を受けるときに使いやすい方法です。相続時精算課税制度は、まとまった金額の贈与を受けやすい反面、将来の相続税に影響します。

住宅購入資金として親から援助を受ける場合は、いまの贈与税だけでなく、将来の相続税まで含めて検討する必要があります。

・「住宅購入で親からの支援を受けたときの非課税措置」に関する記事はこちら
住宅購入で親からの支援を受けたときの非課税措置は?各制度や注意点について解説

専門家によるサポートを受けるのもおすすめ

税金の解釈や計算は、慣れていないと難しく感じるものです。とくに税金の特例などを利用する場合は、専門家に相談するようにしましょう。

不動産会社によっては、税理士や弁護士による無料相談会を実施しており、税務や相続について専門家からのアドバイスを受けられることがあります。

東急リバブルでは、提携している税理士や弁護士による無料相談会を定期的に実施しています。事前予約が必要になりますので、お近くの店舗へお問い合わせください。

住宅購入は親からの支援がなくても可能

住宅購入は親からの支援がなくても可能

親からの資金援助は住宅購入の助けになりますが、支援を受けられないからといって購入できないわけではありません。住宅ローンを利用すれば、自己資金と借入れを組み合わせて住宅を購入できます。

住宅ローンを組む際の頭金は、物件価格の20%程度が一つの目安です。

ただし、頭金は必須ではなく、申込者の収入や勤務状況、返済負担率、信用情報、物件の担保評価によっては、頭金ゼロで借り入れできるケースもあります。

もっとも、頭金を抑えるほど借入額は増え、毎月の返済額や総返済額も大きくなります。

住宅ローンは「借りられる金額」ではなく「無理なく返せる金額」を基準に、諸費用や購入後の生活費も含めて資金計画を立てることが大切です。

住宅購入時の親からの支援に関するQ&A

住宅購入時の親からの支援に関するQ&A

ここまで、親から住宅購入資金の援助を受けた場合の贈与税や非課税制度、住宅ローンとの関係を見てきました。実際には、資金の受け取り方や申告の要否、親からの借入れとの違いなど、個別の事情によって判断に迷うケースもあります。

ここからは、住宅購入時に親からの支援を受ける際によくある疑問にお答えします。

Q.親から現金手渡しで支援してもらえばバレない?

現金手渡しで受け取った場合でも、親からの資金援助が税務署に把握される可能性はあります。

住宅購入額と本人の年収・自己資金・住宅ローン借入額との整合性を確認されることがあるためです。

また、相続税調査や金融機関への照会を通じて、親の預金の引き出し履歴が確認されるケースもあります。現金手渡しだから分からないと安易に考えず、贈与にあたる場合は期限内の申告を行い、非課税制度の利用も検討することが大切です。

Q.親に住宅ローンを払ってもらうと贈与になる?

親が子どもの住宅ローン返済を肩代わりした場合、その金額は贈与と判断される可能性があります。親が代わりに返済することで、子どもは本来負担すべき返済を免れるためです。

年間110万円を超える返済の肩代わりを受けた場合は、贈与税の申告が必要になることがあります。親に一時的に立て替えてもらう場合でも、返済の有無や記録があいまいだと贈与と見られるおそれがあるため、注意が必要です。

Q.支援ではなく親から借りたことにすれば問題ない?

親から住宅購入資金を借りること自体は可能ですが、形だけ「借りた」ことにしても、実態がなければ贈与と判断されるおそれがあります。

借入れとして扱うには、金銭消費貸借契約書を作成し、返済額や返済期限、利息などを明確にしておくことが前提になります。

契約書を作るだけでは足りず、実際に返済している記録も重要です。返済実績がない場合や、返済できる見込みがない金額を借りた形にしている場合は、贈与と認定されるリスクがあります。

まとめ

住宅購入時に親から資金援助を受けた場合、現金手渡しであっても税務署に把握される可能性があります。不動産購入は金額が大きく、登記情報や金融機関への照会、相続税調査などを通じて、資金の出所を確認されやすい取引です。

親からの援助が贈与にあたる場合、申告しないまま発覚すると、贈与税に加えて無申告加算税や延滞税が課されることがあります。住宅取得等資金の非課税制度や暦年課税の基礎控除、相続時精算課税制度を適切に活用すれば、税負担を抑えられるケースもあります。

支援を受ける前に、贈与税の申告が必要か、利用できる制度があるかを確認しておくことが大切です。住宅ローンの返済計画や将来の相続への影響も踏まえ、無理のない形で購入を判断しましょう。

この記事のポイント

住宅購入時の親からの支援はバレる?

住宅購入時に親から資金援助を受けた場合、その事実は税務署にほぼ把握されると考えておいたほうが安全です。

不動産は購入金額が大きく、所有権移転登記や住宅ローン、税務申告など、さまざまな場面で資金の流れが記録に残ります。

税務署は、不動産登記の情報、金融機関への照会、過去の申告・納税情報などをもとに、購入者の年収や自己資金と、購入した物件価格に不自然な点がないかを確認できます。また、KSK(国税総合管理)システムにより、申告内容や納税情報などの税務データが連携・管理されているため、住宅購入時の資金移動も確認されやすい仕組みになっています。

そのため、「現金でもらったから大丈夫」「親子間のお金のやり取りだから分からない」と考えるのは危険です。

詳しくは「住宅購入時の親からの支援はバレる?」をご覧ください。

住宅購入時に親からの支援がバレるパターンは?

住宅購入時に親からの支援がバレる代表的な4つのパターンとして、下記が挙げられます。

  • 1.相続税調査で預金移動が確認される
  • 2.金融機関の法定調書から把握される
  • 3.不動産登記情報から把握される
  • 4.税務署から「お尋ね」が届く

詳しくは「住宅購入時に親からの支援がバレる4つのパターン」をご覧ください。

住宅購入で親から支援を受ける際に知っておくべきポイントは?

親から住宅購入資金の支援を受ける場合、贈与額や利用する制度によっては、贈与税の申告など税務上の手続きが必要になると知っておきましょう。

適切に申告しなかったり、利用できる制度を確認しないまま進めたりすると、後から税負担が発生することがあります。

詳しくは「住宅購入で親から支援を受ける際に知っておくべきポイント」をご覧ください。

住宅購入時に、親から現金手渡しで支援してもらえばバレない?

現金手渡しで受け取った場合でも、親からの資金援助が税務署に把握される可能性はあります。住宅購入額と本人の年収・自己資金・住宅ローン借入額との整合性を確認されることがあるためです。

また、相続税調査や金融機関への照会を通じて、親の預金の引き出し履歴が確認されるケースもあります。

詳しくは「住宅購入時の親からの支援に関するQ&A」をご覧ください。

親に住宅ローンを払ってもらうと贈与になる?

親が子どもの住宅ローン返済を肩代わりした場合、その金額は贈与と判断される可能性があります。親が代わりに返済することで、子どもは本来負担すべき返済を免れるためです。

年間110万円を超える返済の肩代わりを受けた場合は、贈与税の申告が必要になることがあります。親に一時的に立て替えてもらう場合でも、返済の有無や記録があいまいだと贈与と見られるおそれがあるため、注意が必要です。

詳しくは「住宅購入時の親からの支援に関するQ&A」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

水野 崇

親からの資金援助で押さえたいのは、「どう受け取るか」だけでなく、あとから資金の流れを説明できる形にしておくことです。住宅購入では、売買契約、住宅ローン、登記、口座の入出金が記録として残り、贈与税の申告期限を過ぎると使えない非課税制度もあります。
援助を受ける前に贈与か借入れかを親子で決め、入金日・金額・使い道・契約書や申告書の控えをまとめておくと、住宅購入からしばらく経って税務署から「お尋ね」が届いたときにも、購入資金の流れを説明しやすくなります。

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