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不動産の売却相談は誰にすべき?相談できる具体的内容と売却の流れもあわせて紹介

不動産を売却するとき、自分で解決できない内容は専門家に相談することが必要です。

不動産は扱う金額が大きいので、専門家に相談せずに自己判断で売却すると、相場よりも安く手放すことになるなど多大な損失が生じる可能性もあるでしょう。

具体的にどのような専門家に相談できるのか、また、相談する相手によってどのような情報を得られるのか解説します。

売却する手順についても紹介するので、ぜひ売却を検討している方はぜひご覧ください。

不動産売却を専門家に相談することでトラブルを未然に防げる

不動産を売却するときは、基本的には自身で相場や税金などを調べて理解することが大切です。

しかし、不動産の売却には多方面の知識が必要で、インターネットだけで調べてもわからないことも少なくありません。

とはいえ理解が不十分な状態で売却すると、相場よりも著しく低い金額で手放してしまうなどの不利益を被ることがあります。

不動産売却に関するさまざまな知識を持つ専門家に相談し、的確なアドバイスのもと、不動産を売却することで、不利益を回避するようにしましょう。

最初に不動産売却の流れを把握する

まず不動産を売却する前に、どのような流れで不動産を売却するのか理解しておきましょう。

一般的には、不動産の売却は次の流れで進みます。

  1. 売却相談
  2. 不動産販売の媒介契約を締結する
  3. 販売開始
  4. 売却契約
  5. 不動産の引き渡し
  6. 確定申告を行う

1.売却相談

不動産売却の専門家は、不動産会社です。

不動産を売却すると決めたら、まずは不動産会社に相談しましょう。

ただし、不動産会社には、マンションの売買に強い会社や一戸建ての売買に強い会社、周辺地域の物件に特化した地域密着型などがあります。

今回の売却にはどのようなタイプの不動産会社が適しているのか見極めてから、相談するようにしましょう。

2.不動産販売の媒介契約を締結する

不動産会社で不動産売却の相談をし、売却を進めてもらうことになると、「媒介契約」を締結する必要があります。

媒介契約には3種類あるので、どの契約がよいのか考えておきましょう。

特定の不動産会社だけで売却を進める「専属専任媒介契約」は、一社だけに依頼するので、連絡の手間がかかりません。また、1週間に1回の報告義務があり、状況もしっかりと把握できます。

「専任媒介契約」も特定の不動産会社で売却を進めていきますが、自分で見つけた相手に売却することも可能です。

不動産会社に依頼しつつも親戚や知人に譲る可能性がある方などは、専任媒介契約がよいでしょう。

ただし、不動産会社からの状況報告義務は2週間に1回になります。

「一般媒介契約」は複数の不動産会社で同時に売却を進めていくため、早く買い手が見つかる可能性がありますが、売却価格が安くなる場合もあるので注意しましょう。

自分でも買い手を見つけることができるので、多方向から売却を進めたいときには適しているでしょう。

しかしながら、どの不動産会社にとっても自社だけで売却する契約ではないため、専属専任媒介契約や専任媒介契約と比べると力を入れない可能性があります。

3.販売開始

媒介契約を締結すると、いよいよ販売活動の開始です。売却のための宣伝や営業活動などが不動産会社にて行われます。

購入を希望する方が内覧に来る可能性があるので、普段から売却する物件をきれいにしておきましょう。

4.売却契約

買い手が見つかったら売却契約を行います。

買い手によっては値引き交渉をすることもあるので、どの程度までなら応じるのか、あるいは応じないのか事前に決めておきましょう。

5.不動産の引き渡し

売却契約が成立すると、不動産の引き渡しへと進みます。

現在、居住している不動産を売却する場合は、あらかじめ決めておいた引き渡し日までに間に合うように引っ越しをしましょう。

6.確定申告を行う

売却代金から取得費や諸経費を差し引いてプラスになったときは、所得税が発生します。

ただし、マイホームを売却するときなどの特定の状況に該当する場合は、売却代金から取得費と諸経費、特別控除額を差し引いてプラスになったときに課税対象となります。

税率は、不動産を保有していた期間によって異なります。売却する年の1月1日において5年を超えて保有している場合には「長期譲渡所得」となり、所得税率は15.315%(※)、住民税率は5%です。

一方、売却する年の1月1日において保有期間が5年以下のときは「短期譲渡所得」となり、所得税率は30.63%(※)、住民税は9%となります。

(※)復興特別所得税も含まれています。

不動産を売却するときに覚えておきたい相談先

的確な相手に相談することで、スムーズに不動産の売却ができます。どのような状況において誰に相談できるのか解説します。

不動産会社の担当者

不動産会社の担当者は、不動産売却の専門家です。価格査定や広報活動、売却活動、契約書作成、引き渡しについて相談できます。

不動産鑑定士

不動産鑑定士も、不動産売却の専門家です。

価格査定や不動産鑑定書の作成について相談できます。不動産会社に不動産鑑定士の資格を持っている社員がいる場合もあるので、価格などについて気になるときは尋ねてみましょう。

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、土地の境界確定や測量図の作成について相談できる専門家です。

不動産会社に土地家屋調査士の資格を持っている社員がいる場合もあります。境界線などが気になるときは、相談してみましょう。

法務局の職員

不動産を売却するときには登記の書き換えなどが必要になります。

登記申請を自分で行う際には、法務局の職員に相談すると登記手続きの仕方を教えてくれます。

しかし、登記手続きは手間がかかることが多いので、通常は司法書士に依頼するのが一般的です。依頼すると司法書士報酬が発生するので、事前にどの程度かかるのか尋ねておきましょう。

司法書士

司法書士には、表題登記作成や所有権保存、移転、抵当権設定表記、抵当権抹消登記などを相談、あるいは手続きを依頼することができます。

不動産会社に紹介してもらえることもあります。

税理士

税金に関することや確定申告については、税理士に相談できます。不動産の売却で得たお金に係る税金についても、聞くことができ、税法上の仕組みについても確認できます。

自分で探すこともできますが、不動産会社に紹介してもらうことも可能なので必要に応じて相談してみましょう。

弁護士

売却相手とのトラブルが起こったときなどには、法律の専門家である弁護士に相談しましょう。相談の内容としては、例えば、「聞いていた話と食い違いがある」、「不動産売買契約書の不備」、「土地の境界をめぐって隣地所有者との争いが起きた」などが考えられます。

不動産会社からは、不動産の取引に関して経験豊富な弁護士を紹介してもらうこともできるでしょう。

必要に応じて適切な人に相談して不動産売却を進めよう

自分で買い手を見つけて売却・納税まで全部自分で行うこともできますが、手間がかかるだけでなく不動産の売却価格が下がる可能性があります。

必要に応じて適切な人に相談し、慎重に不動産売却を進めていきましょう。

この記事のポイント

不動産売却はどのように進む?

不動産売却の流れは以下の通りです。

  1. 不動産売却相談
  2. 不動産売却の媒介契約を締結
  3. 販売開始
  4. 売買契約
  5. 不動産の引き渡し
  6. 確定申告を行う

しっかり手順を踏んでトラブルを未然に防ぐことが大切です。

詳しくは「最初に不動産売却の流れを把握する」をご確認ください。

不動産売却の専門家とは?

不動産売却には様々な手続きがあります。
手続きの内容によって、不動産鑑定士や司法書士など相談すべき専門家を見極める必要があります。

詳しくは「不動産を売却するときに覚えておきたい相談先」をご確認ください。

この記事の監修

安田 亮
資格情報: 公認会計士、税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

神戸市中央区で「安田亮公認会計士・税理士事務所」を開業している公認会計士・税理士。
大手監査法人で約4年間、東証一部上場企業で6年間勤務した後に独立開業。
税理士として法人企業や個人事業主の方の決算・申告はもちろんのこと、大家業を営まれている方の不動産所得や譲渡所得の申告を数多くこなす。また、1級FP技能士の資格も保有しており、個人のお金・家計・税金分野についても強みを持つ。

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