プロに聞いた! 防犯を考慮した家選びのコツ~空き巣や強盗対策~
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プロに聞いた!防犯を考慮した家選びのコツ~空き巣や強盗対策~

執筆者プロフィール

橋本岳子
住まいと地域の評論家/福祉住環境コーディネーター

約20年間、不動産情報サービスの会社に在籍。独立後は、売買・賃貸・管理・投資など、不動産のさまざまな分野での執筆を行っている。また、2018年より東京都内の商店街を毎月取材し、地域の抱える問題点などについてもリサーチを続けている。

強盗や窃盗などの犯罪が世間を賑わせている昨今。家探しをされているお客さまから、防犯対策に対する質問が寄せられることが多くなっています。今回は、このような背景をふまえ、犯罪の実態や家を選ぶ際に注意するべきポイントについて、ALSOK(綜合警備保障株式会社) 渋谷支社 営業部 (営業部長)橋本洋輔氏、(グループリーダー)朝倉克久氏にお話をお伺いしました。

INTERVIEWEE
綜合警備保障株式会社(ALSOK)
渋谷支社 営業部
営業部長 橋本洋輔氏
グループリーダー 朝倉克久氏

1965年の創業以来、警備業におけるリーディングカンパニーとして、安全確保に日々努力。国内最大級のネットワークを活用して、時代の変化に対応しながら、社会に暮らす人々の「安全・安心」をより確かなものにしている。
https://www.alsok.co.jp/

最近は、どのような犯罪が増えていますか。また、問い合わせの状況なども教えてください。

全体の話からすると、刑法犯(※1)認知件数は平成15年からは減少に転じ、令和3年は56万8,104件と、戦後最少の件数となりました。しかし残念ながら、令和4年は60万1,389件と前年より5.9%増加しています。

侵入窃盗認知件数の推移

「空き巣」「忍込み」「居空き」など、住宅を対象とした「侵入窃盗」の認知件数については減少傾向ではあるものの、令和4年は1万5,692件も発生しています。

侵入強盗の認知状況の推移

また、家人を脅して金品を強奪する「侵入強盗」は129件起きています。ちなみに認知件数ですので、家主が気付いていないなど表に出ていない被害を合わせると、もっと多くの被害があると思われます。

ルフィ事件の発生以降は、問い合わせが3~5倍ぐらいになっています。個人の方の問い合わせも以前より多い印象ですね。主な相談内容は「セキュリティシステムを導入したい」「防犯カメラを設置したい」などです。また、核家族化が進んでいる影響から、遠くに住む高齢の親を遠隔で見守りたいということで「HOME ALSOKみまもりサポート」への問い合わせも増えています。

弊社では金融機関の「ATM管理サービス」も請け負っているのですが、いまだに特殊詐欺の発生が見受けられます。金融機関内で被害に気付いていない高齢者をお見掛けし、警備員が説得してやっと理解していただいたという報告も多いですね。

また、強盗殺人や罪者グループ、特殊詐欺の実行犯に対して、預貯金口座、携帯電話、電話転送サービスなどを提供したり、電子マネー利用番号等の転売、買取等を行ったりしている悪質な事業者の存在が依然として認められます。

※1:凶悪犯、粗暴犯、窃盗犯、知能犯、風俗犯などのこと
※上記件数は、警視庁「住まいる防犯110番」より参照

どのような家が狙われやすいのでしょうか?

人通りが少ないエリアにある家は狙われやすいですね。犯人はやっぱり捕まりたくないですから、人目をとっても気にしています。よって、あまり人が歩いていないエリアというのは、犯人にとって好都合なわけです。

また、新興住宅地にある家も注意が必要です。ご近所同士、面識があまりない状況ですので、外部の人が歩いていても不審に思われにくいんです。入居前後は様々な業者が出入りすることに目をつけ、作業服を身に着けて堂々と歩いている犯人もいるんですよ。


それから、死角にある窓や出入口からは容易に侵入できるため、死角が多い建物も注意が必要です。さらに、深夜0~4時は在宅中でも狙われやすい時間帯。寝静まったころを見計らって忍び込んでくる侵入犯がいます。「全員2階で寝ていて、朝起きたら1階が荒らされていた。出くわさなくてよかった・・・」というようなお話を聞くこともあります。

住むエリアを選ぶ際にチェックしておくべきポイントはありますか?

人目につきやすい場所かどうか、町内会の防犯意識が高いかどうか、犯罪を抑止できる施設が近くにあるかどうかなどをチェックしてみてください。

具体的には、

  • 人通りや車通りの多い場所、大きな公園など人目につきやすい場所が近くにあるか
  • 町内会で火の用心などの防犯、防災への取り組みをしているか(掲示板などでチェックできます)
  • 防犯カメラなどが設置されていたり、見守り体制がしっかり機能していたりする商店街、警察署、交番、消防署など、犯罪を抑止できる施設が近くにあるか

などです。

防犯性の高いマンションについて教えてください。

オートロック付きの場合、建物内へ容易には入れないので、付いてないマンションに比べると防犯性は高いと言えます。また、防犯カメラは犯人が嫌う設備のひとつ。付いていることで抑止力となるでしょう。インターホンは、来客の顔が確認できる、モニター付きのものがおすすめです。最近は、留守中にどんな来客があったのかが確認できる録画機能付きの商品もあります。

コロナ禍以降、一気に導入が広がった宅配ボックス。これも実は防犯面に優れた設備です。非接触という点で注目されていますが、建物内に入らないということで、宅配業者を装った犯罪の抑止になります。
人目があるという観点からすると、管理人が常駐しているマンションも防犯性が高いでしょう。管理人は住民と挨拶を交わすことが多く、外部の人間がくるとすぐに分かるからです。

オートロック付きは安心な面もありますが、注意して欲しいことがあります。それは、住人間で利用方法についての温度差があるということ。中には、モニターに映る来客者の顔や素性をあまり確認せず、鳴ったら即開錠してしまう住民もいます。正しい使い方をしていれば安心、安全な設備ですが、そういった点があることは認識しておく必要があります。

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防犯性の高い一戸建てとは?

マンション同様、玄関にモニター付きインターホンがある家は安心です。また、犯人は、侵入までに時間がかかる家を嫌います。そういった点からも、鍵は1つより2つのほうが、犯罪を抑止できると言えます。よって、玄関だけでなく、お勝手口も二重鍵になっている一戸建ては狙われにくいでしょう。また、防犯カメラや警備会社のステッカーがある一戸建ての住民は防犯意識が高いと判断されるので、犯人もそういった家は侵入対象から除外すると思います。

高い窓や2階からの侵入を防ぐために、足場になりそうなものを出しっぱなしにしていない家も、防犯性の高さからすると優秀ですね。

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住宅を購入した後に自分でできる対策と費用について教えてください。

防犯カメラ 住宅を購入した後に自分でできる対策と費用について教えてください。

代表的なものは以下の通りです。なお、マンションの専用庭や専用駐車場などは共用部分なので、設置をしたい場合は管理組合での承認が必要です。

補助錠や音砂利、ダミーカメラ等の設置(~1万円)

  • 補助錠:セキュリティを強化するために、標準で付いている鍵に加えて設置。
  • 音砂利:上を歩くと音が出る砂利。死角となる場所に設置することで、人の侵入を把握できる。音が出るので侵入者が嫌がる。
  • ダミーカメラ:撮影や録画機能はないが、最近は本物と見分けがつかないものもあり、付いているだけで抑止力となる。ただし、カメラとしての機能がないため、レンズがおかしな方向を向いていても気付かないことがある。これではダミーとばれてしまうので、定期的に設置状況を確認する必要がある。

人感センサーライトの設置(10~20万円程度)

周りがある程度暗くなると、人を感知して明かりがつくライト。侵入時、急に明るくなると犯人は驚いて逃げてしまう。
日常的には、暗い足元や敷地内を照らすという使い方ができる。

ホームセキュリティの導入(月額4,070円※(税込み)~、初期費用30万円前後)

導入する設備などは、希望や予算に合わせて組み合わせが可能。最初は最低限のものを導入し、必要に応じてレベルを上げていくこともできる。警備業法では、異常事態を知らせるセンサーが発報してから25分以内(広大地など25分以内が困難な場合は30分以内)に現場に到着することが義務付けられている。何かあった場合もその時間内に警備員が駆けつける(免責事項有)ので安心感がある。導入までは約1カ月。問い合せ、現場調査、提案、契約締結、発注、工事、警備開始という流れとなる。
※ALSOKホームセキュリティ(HOME ALSOK Connectお買上げプラン)の場合

防犯カメラの設置(30~50万円程度)

録画やモニターでのチェック機能が付いているのが一般的。あまり多く設置すると家が要塞のようになってしまい、くつろげなくなるので注意が必要。また、設置の際にはお隣や近所に了承を得ておくこと。隣の敷地や室内が映り込まないようにするなどの配慮も重要。

家族構成によって、気をつける点はありますか?

ファミリーであれば、子どもが一人になる時間があることを察知されないように努めることが重要です。弊社では防犯出前授業「ALSOKあんしん教室」というのをやっていて、そこでは、年齢に応じて様々な安心につながることを伝えています。例えば、家に誰もいなくても帰宅時には「ただいま」と家の中に向かって言うというのも立派な防犯対策。下見にきている犯人がその様子を見れば「大人が中にいるんだな」と思い、侵入をあきらめることもあります。

また、お子さまのSNS発信にも注意を。「家族で旅行中!」などとアップすれば、留守中というのがすぐにばれてしまいます。ちなみに旅行中は、新聞の配達をストップしたり、ご近所に不在であることを伝えておいたりすることも有効です。
女性の一人暮らしの場合は、女性物の下着を外に干さないなど、どんな人が住んでいるのかが分からないようにしましょう。

防犯対策を意識した家選びをする際に、重要なことを教えてください。

地域の治安チェックは重要なポイント。周辺環境はご自身で簡単に変えることはできませんので、事前に実際に周辺を歩いて、時間帯ごとの人通りや街灯の数、帰り道までのルートなどを確認するようにしましょう。

また、防犯に対する意識が高いことを示すのも必要です。例えば、駐輪場が乱雑、清掃が行き届いていない、電気がきれっぱなし、というようなメンテナンスの行き届いていないマンションは意識が低いと見られてしまいます。一戸建ても同じで、窓が割れたまま、庭の手入れが行き届いていない、といった場合は侵入されやすいと言えるでしょう。

特に一戸建ては、日ごろからしっかりとメンテナンスをするなど、家族の意識改革で防犯レベルをアップすることができます。まずはお金をかけずに、防犯意識を高めるところから始めてみましょう。

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