古い家を売る
更新日:  

古い家を売るには?売却する10の方法と好条件で売るコツを伝授

執筆者プロフィール

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

ざっくり要約!

  • 古い家を売る方法はひとつではない。状況や状態に合った売り方を選ぶことが大切
  • 独断で売り方を検討するのではなく、現状のまま不動産会社に相談しよう

築年数が30年を超えるような古い家は、築浅の家と比べると需要が低いことから、売り方には工夫が必要です。売り方もひとつではなく、状況や状態によって向き・不向きがあります。

本記事では、古い家の売却を検討している方のために、売る方法や注意点をわかりやすく解説しますのでぜひ参考にしてください。

記事サマリー

「古い家」とはどれくらいの築年数を指す?

「古い家」に明確な定義はありません。しかし、法定耐用年数を超えた住まいは「古い家」と称される傾向にあります。住宅の法定耐用年数は、以下のとおりです。

構造用途耐用年数
木造住宅22年
事務所24年
鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート造住宅47年
事務所50年
鉄骨造(骨格材4ⅿm超)住宅34年
事務所38年
鉄骨造(骨格材3ⅿm超4ⅿⅿ以下)住宅27年
事務所30年
鉄骨造(骨格材3ⅿm以下)住宅19年
事務所22年
引用:耐用年数(建物/建物附属設備)|国税庁

木造住宅であれば「22年」が法定耐用年数となるわけですが、そもそも法定耐用年数とは税務上の減価償却の基準であり、これを超えたからといって住めなくなってしまうわけではありません。

近年は住宅の性能も向上していることもあり、築22年の木造住宅であっても必ずしも古いと感じられるわけではありません。「古い家」の目安としては、木造住宅は築30年程度を超えた物件、マンションは築40年程度を超えた物件と考えておくと良いでしょう。

古い家も十分売れる可能性がある

中古住宅 平均築年数
出典:東日本不動産流通機構

上記のグラフは、首都圏で成約した中古住宅の平均築年数の推移を示しています。年々、平均築年数は上昇しており、2025年には中古マンション・中古戸建てともに平均築年数は25年前後であることがわかります。

中古戸建て 築年数 構成比
出典:東日本不動産流通機構

一方、上記は首都圏で成約した中古戸建ての築年帯別構成比率を表しています。2025年の成約物件の比率(上段)を見ると、築31年以上の物件は31%(築31〜35年:8.9%・築36〜40年:7.3%・築41年〜:15.7%)と3割を超えています。

古い家の成約比率が高まっている理由としては、不動産価格の高騰や新築住宅の供給減に加え「リフォーム・リノベーションして住む」という選択肢が一般化したことが大きく影響しているものと考えられます。

古い家は比較的、安価に取得できることから改修に費用をかけやすく、近年はリフォーム・リノベーション技術も向上しており、見た目だけでなく耐震性や省エネ性能の向上も可能になっています。古い家でも十分売却できる余地はあり、工夫次第で好条件で売却できる可能性も秘めています。

【築年数別売却相場】古い家はどれくらいで売れる?

古い家 相場
東日本不動産流通機構のデータを基に筆者作成

首都圏で2025年に成約した中古住宅の築年帯別価格は、上記のとおりです。中古マンション・中古戸建てともに、経年によって成約価格が下落していく傾向にある点は共通しています。

一方で、中古マンションは「築0〜5年」と「築31年〜35年」の価格差が約6,000万円、下落率は約70%であるのに対し、中古戸建ては価格差が約2,000万円、下落率も約40%のため、経年による下落率は中古マンションのほうが大きい傾向にあります。

とくに、中古マンションは「築26年〜30年」から「築31年〜35年」の価格差が大きくなっています。ただその後は緩やかに下落しており、築31年以降の下落率でいえば中古戸建てのほうが大きくなります。

建物が評価されなくなるのはいつから?

過去には「木造住宅は築10年で価値が半減、築20年で価値がゼロになる」といわれていた時代もありましたが、2025年の中古戸建て相場価格を見ると、築20年を境に価格が大きく落ちている様子はありません。最も下落率が大きいのは築30年前後であることから、現在はこの時期に建物の価値が落ちやすい傾向にあるものと推測されます。

とはいえ、その後も価値が横ばいになっていないため「築30年前後で建物が評価されなくなる」というより、築30年前後で大きく価値を落とし、その後も価値が落ち続けていくと考えるのが自然です。

一方、戸建てと比べて土地の持ち分が小さいマンションは建物の評価が価格に与える影響が大きいことから、相場価格が大きく落ちる「築30年前後」が建物の価値が大きく落ちる時期といえるでしょう。

ただ、これはあくまで相場からの見立てにすぎません。構造や仕様、メンテナンス状況は物件によって異なり、昨今は建物の管理状態が評価されやすくなっていることもあって、築年数だけで建物の価値を測ることはできません。

古い家を所有し続けるリスク

古い家を所有し続けることには、次のようなリスクがあります。

資産価値が低下する

「古い家」は明確に定義されていないとはいえ、築30年、40年を超えてくると建材や設備の劣化が目立ってきます。需要も基本的には経年につれて低下していくため、資産価値が下がっていくと考えておきましょう。

維持・管理に費用がかかる

古い家を適切に維持・管理しようとすると、それなりの費用がかかります。一戸建ては、一般的に築20年ごろまではメンテナンスや補修などで維持できますが、築30年を超えると外壁や屋根、内装材、設備などの交換が必要になってきます。

また、マンションも「修繕費用は積み立てているから安心」とは限りません。マンションも高経年化するにつれて、必要な修繕費用は上がっていきます。それに伴い、毎月、管理組合に徴収される管理費や修繕積立金が増える可能性もあります。

「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定される

適切な維持・管理を怠ると、一戸建ての空き家は空き家対策特別措置法に基づき、自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定される可能性があります。特定空き家や管理不全空き家に指定された状態で勧告を受けると、空き家が建つ土地が「住宅用地の特例」から除外され、固定資産税や都市計画税が跳ね上がるおそれがあります。

■住宅用地の特例


固定資産税課税標準額都市計画税課税標準額
小規模住宅用地(200㎡以下の部分)1/61/3
一般住宅用地(200㎡超の部分)1/32/3

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古い家の売却に際して知っておきたい近年の法改正

近年、古い家の売却に影響する法改正が相次いでいます。売却前に主な改正内容を把握しておきましょう。

建築基準法の改正

2025年4月に建築基準法が改正され「4号特例」が縮小されました。これにより、多くの一戸建てでこれまで省略されていた構造関係の審査が必要になったほか、大規模なリフォームにも建築確認申請が必要になりました。

「大規模なリフォーム」とは、主要構造部の一種以上の過半を超える修繕・模様替えを指し、柱・梁だけを残すスケルトンリフォームや屋根・外壁の半分以上を変えるリフォームなどが該当します。一方、キッチンや浴室の交換、壁紙の張り替えといった小規模なリフォームは引き続き確認申請不要です。

古い家を売却する際に買主がリフォームを検討している場合、将来的な増改築時のコスト増や制限について売買前に説明しておくことが、契約後のトラブル回避においてこれまで以上に重要になっています。

相続登記の義務化

所有者不明土地が全国で増加していることを受け、2024年4月1日から相続登記の申請義務化がスタートしました。相続人は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記しなければなりません。

正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。 なお、義務化は2024年4月1日より前に相続したが相続登記がされていない不動産も対象であり、2027年3月31日までに登記する必要があります。

相続した古い家を売却する場合、まず相続登記が完了していないと売却手続きを進めることができません。相続登記が未了のまま放置すると過料のリスクに加え、売却の機会を逃すことにもつながりかねないため、早めに対応することが大切です。

住所等変更登記の義務化

2026年4月1日から、不動産の所有者は住所や氏名等を変更したときの登記も義務化されました。所有者は、変更があった日から2年以内に変更登記をしなければならず、正当な理由なく変更登記を行わない場合は5万円以下の過料の適用対象となります。

2026年4月1日より前に住所を変更し、変更登記をしていない方も対象となります。この場合、2028年3月31日までに登記を申請する必要があります。

登記上の住所が古いままの場合、売却時に名義人の同一性を証明する書類が増えるなど手続きが煩雑になる可能性があります。古い家の売却を検討している場合は、まず登記簿を確認し、住所や氏名に変更がある場合は早めに変更登記を済ませておくと安心です。

古い家を売る10の方法

古い家を売る 方法

古い家を売る方法は、ひとつではありません。それぞれにメリット・デメリットや向き不向きがあるため、家の状態や売主の意向を踏まえて売り方を検討しましょう。

1.そのまま売却する

古い家も、解体やリフォームなどせず現状のまま売却することができます。ただし、古い家は購入後に修繕や解体をしなければならないことも多いため、築浅の家と比べるとどうしても需要は下がってしまいます。

10の売却の方法のうち、最も手間はかからないものの、売却できる保証はありません。また、売れたとしても、売却に半年や1年、それ以上の期間がかかる可能性もあります。

2.「古家付き土地」として売却する

古い一戸建ては「古家付き土地」として売却することも可能です。土地として売ることで、新築を目的としている人や土地活用を検討している人もターゲットに加えることができます。

ただし、一戸建てではなく土地として販売するため、基本的に建物は評価されません。場合によっては、一戸建てとして売るより価格が下がってしまう可能性があります。

3.家を解体して売却する

新築や土地活用を検討している人にとっては、建物が残っていることがマイナスになる可能性があるため、家を解体したほうが需要が高まる可能性があります。ただし、家の解体には100万円以上の費用がかかるのが一般的であるため、慎重に判断しましょう。

4.「更地渡し」で売却する

家を解体した後に販売活動をするのではなく「更地」として引き渡すことを前提に売却するのも一案です。更地にすることは条件や状況によっては有効な売却手段であるものの、家を解体すると前述した「住宅用地の特例」の適用がなくなり、固定資産税や都市計画税は実質的に増税してしまいます。

建物を解体して更地にした後に長期間売れないことを避けるには「更地渡し」という引き渡し方法が有効です。更地渡しとは、売買契約後に売主が建物を解体し、更地にして買主に引き渡すことを指します。更地の状態で所有する期間を最小限に抑えられるため、増税を気にすることなく売却できます。

5.建物をリフォームして売却する

家をリフォームして売却するのもひとつの選択肢です。リフォーム済み物件は、買主にとって「すぐに住める家」として魅力的に映りやすく、築年数が古くても高値で売れる可能性があります。また、購入後に改修する必要がないため、買主にとっても負担が少なく、早期の成約につながりやすくなります。

一方、リフォームには費用と時間がかかるため、費用対効果を十分に見極めることが大切です。

6.「インスペクション」をして売却する

古い家の購入を検討している方の多くは「状態」を気にしています。「目に見えない場所で水漏れが起きていないだろうか」「構造躯体に深刻なダメージがあるのでは」といった不安を一定程度、解消できるのが「インスペクション(建物状況調査)」です。

インスペクションとは、中古住宅を売買する前の状況調査を指します。調査は第三者のプロが行うため、中立的かつ専門的に建物の状況を買主に把握してもらうことができます。

7.「瑕疵保険の付保」をして売却する

瑕疵保険とは、基本構造部分などの不具合などを対象とした保険です。インスペクションは壁や床を破壊して行う検査ではないため、すべての不具合を発見できるわけではありません。瑕疵保険まで付保することで買主の大きな安心となり、早く、高く売れる可能性が高まります。

瑕疵保険は原則的に新耐震基準で建てられた住宅にしか付保できませんが、1981年5月以前に建築確認を受けた旧耐震基準の住宅も、一定の耐震性を有していれば付保が可能な場合もあります。また、買主が購入後に耐震改修などを実施した場合も対象となる保険も一部存在します。

ただし、家屋の解体を前提としている買主にとっては、インスペクションも瑕疵保険も付加価値にはなりません。家の状態や需要を考慮しながら実施を検討しましょう。

・「耐震基準」に関する記事はこちら
旧耐震と新耐震の違いは?地震発生時のリスクも解説

8.不動産会社に買い取ってもらう

家は不動産会社の「仲介」によって売却するのが一般的ですが、不動産会社に買い取ってもらうこともできます。買主が一般消費者ではないため、資金調達や購入の判断が速く、「仲介」に必要な仲介手数料が不要といったメリットがあります。

ただし、どのような物件でも買い取ってもらえるわけではありません。宅建業者は買い取った物件を修繕・リフォームし、再販して利益を得ることを目的にしています。利益が得られないと判断する物件は、宅建業者であっても買い取ることはありません。

また、買取価格は仲介で売却した場合の7〜8割ほどになるのが一般的です。以上の特徴から「仲介では売れなかった」「できる限り早く売りたい」というケースや意向がある方に適した売却方法といえるでしょう。

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・「買取と仲介の違い」に関する記事はこちら
不動産売却の仲介と買取の違いは?物件ごとの向き・不向きも解説

9.「売却保証」をつけて売却する

「売却保証」とは、一定期間、売れなかった場合に限って買取で売却するという方法です。一定の期間中は「仲介」による売却を目指します。

最終的に「買取」によって売ることになる可能性はあるものの「仲介」による販売活動も挟むため、高額で売れる可能性もあるというのが売却保証の特徴です。売却保証をつけることができれば「売れない」ことを避けられるため、住み替えによる売却、あるいは売りたい期日がある方に向いている売却方法です。

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10.空き家バンクに登録する

空き家が多いエリアや過疎化が進んでいるエリアの古い家は、売り方を工夫しても、力量のある不動産会社に依頼したとしても、売却が困難なケースがあります。

地方自治体では、こうした古い空き家を「空き家バンク」に登録し、買いたい人とマッチングする政策を行っています。自治体によっては、不動産会社と媒介契約中の物件は登録できないなど細かな規定があるため、まずは自治体のホームページなどで情報を集めてみましょう。

古い家を好条件で売るためのコツとは?

決して需要が高いとはいえない古い家を好条件で売るには、次のようなコツがあります。

相場を把握して適正な価格で売り出す

古い家に限ったことではありませんが、不動産を好条件で売るには、まず「適正価格」を知る必要があります。

たとえば、市場価値が2,000万円の不動産を1,500万円しかないと思い込んでいたら、機会損失につながりかねません。一方、2,000万円の不動産の価値を2,500万円と思い込んでしまっている場合は、売り出し価格が高すぎて売れない可能性が高くなります。

市場価値より高く売りたいとしても、まずは適正な価格を知ることが大切です。市場価値より高く売るなら、それなりに時間をかけるか「付加価値」を付ける必要があります。

複数の不動産会社に査定を依頼する

正しい相場価格を把握する手段が、複数の不動産会社への査定依頼です。査定額は、あくまで不動産会社が考える売却予想金額であり、各社によって見立ては異なります。相場の読みに加え、不動産会社によって古い家の売却実績や得意とするエリア・物件タイプも異なるため、1社だけの査定では適正価格を判断しにくいのが実情です。

複数社に査定を依頼することで、査定額だけでなく、各社が提案する売り方を比較できるのも大きなメリットです。先のとおり、古い家を売却する方法はひとつではなく、家の状態やその地域の需要、売主の意向などによって異なるため、自分に合った最適な売り方を見つけやすくなります。

独断でのリフォーム・解体は避けるべき

リフォームや解体は古い家を売るための有効な手段のひとつですが、不動産会社に相談する前に独断でリフォーム・解体することは避けるべきです。リフォームや解体によって、早く、高く売れる可能性はあるものの、施策にかけた費用の分だけ高く売れるとは限りません。

また、リフォームや解体をすることで、逆に買い手を狭めてしまうことにもなりかねません。不動産会社に相談した結果、リフォームや解体をしたほうが良いという判断になる可能性はありますが、どのような状態であってもまずは手を加えない状態で査定を依頼しましょう。

補助金制度を活用する

インスペクションの実施や建物の解体に補助金が出る自治体もあります。補助金には上限がありますが、一部でも負担してもらったうえで物件の魅力が高まるのであれば使わない手はありません。

インスペクションや解体への補助金の多くは、古い空き家に対するものです。家が建つ自治体名とともに「解体 補助金」「インスペクション 補助金」といったキーワードで検索すれば、情報にたどり着けるはずです。

古い家の内覧対策

解体を前提としていない場合、古い家は内覧時の第一印象が成約の可否を大きく左右します。築年数の古さは変えられませんが、内覧前に以下のようなポイントを押さえることで、購入希望者に与える印象を改善できます。

まず、清掃・片付けを徹底しましょう。「どうせ古いから」と諦めず、床・窓・水回りを中心に清掃し、不用品はできる限り処分または収納しましょう。生活感を抑え、買主がスペースを具体的にイメージしやすい状態に整えることが大切です。

においの対策も大切です。長年住んだ家や空き家になった家は、独特のにおいが染み付いていることもあります。換気を十分に行い、必要であれば消臭剤や脱臭スプレーを活用しましょう。

庭や外構は、見落とされがちなポイントです。雑草が生い茂っていたり、外壁が汚れていたりすると、建物の内部を見る前に悪い印象を与えてしまいます。外観の清掃・剪定を行い、玄関まわりを整えるだけでも印象は大きく変わります。

売却時期の検討

不動産の売却は、時期によって売りやすさが変わります。一般的に、不動産市場が活性化するのは1〜3月です。新生活を控えた転勤・進学シーズンに向けて住まい探しをする人が増えるため、買い手が見つかりやすい傾向にあります。

一方、夏場や年末は市場が落ち着く閑散期とされており、買い手の動きが鈍くなる傾向があります。急いで売る必要がなければ、需要が高まる時期に合わせて売り出しを開始することを検討してみましょう。

ただし、市場の繁閑だけが売却時期を決める要因ではありません。相続が発生したタイミング、空き家になったタイミング、固定資産税の負担が重くなってきたタイミングなど、それぞれの事情に応じた最適な時期があります。また、改修や解体を要する場合は、その工期も見込み、逆算して売却時期を検討する必要があります。「いつ売り出すか」も含めて、不動産会社と早めに相談しておくと良いでしょう。

・「家を売るタイミング」に関する記事はこちら
家を売るタイミングは?2025年の市場動向・金利・税制から判断

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古い家を売る流れ

続いて、古い家を売る流れを見ていきましょう。

1.まずはそのままの状態で不動産会社に相談する

「リフォームして売る」「更地にしてから売る」など古い家を売るための手段はいくつかありますが、まずはそのままの状態で不動産会社に相談しましょう。リフォームや解体といった施策は、家の状態や需要を見ながら不動産会社と一緒に判断していきます。

2.販売方法の決定

不動産会社に査定や調査をしてもらい、販売方法を決めていきましょう。適切な販売方法は「いつまでに売りたいのか」「いくらで売りたいのか」といった売主の希望によっても分かれます。

こうした売主の意向にしっかりと耳を傾け、状況に合わせた最適なプランを提案してくれるかどうかは、信頼できる不動産会社を見極めるためのひとつの大きなポイントといえるでしょう。

・「不動産会社の選び方」に関する記事はこちら
家を売るならどこがいい? 不動産会社の選び方のコツを伝授

3.販売活動

販売方法が決定したら、実際に物件を売り出していきます。ターゲット層に合わせ、ポータルサイトや不動産会社のホームページでの物件掲載、新聞折込やチラシ投函の実施など、多角的に情報を発信します。

4.売買契約

購入希望者と条件が合致したら売買契約を締結し、買主から手付金を受領します。古い家は引き渡し後に不具合が見つかるリスクがあるため、売主が負う「契約不適合責任(契約内容と異なる不具合があった際の責任)」の要件をしっかり確認しておくことが大切です。後々のトラブルを防ぐためにも不具合は包み隠さず告知し、納得してもらったうえで契約を進めましょう。

5.引き渡し

売買契約から引き渡しまでは、1〜2ヶ月ほどの期間があくのが一般的です。買主はこの間にローンの本審査を受け、売主は引き渡しの準備を進めます。

引き渡し当日は残代金の受領と同時に鍵を渡し、すべての手続きが完了となります。古い家ならではの膨大な荷物処分なども、不動産会社に相談しながら計画的に進めておくと安心です。

古い家の売却で使える可能性のある税金控除特例

古い家であっても、売値次第では譲渡所得(売却益)が発生し、売却後に所得税や住民税が課される可能性があります。しかし、譲渡所得を控除できる特例も少なからずあります。
とくに購入当時の価格がわからない古い家は、譲渡所得が高くなってしまいがちです。あらかじめどのような控除特例が適用できるか、確認しておきましょう。

状況特例
住んでいた自宅を売却するときに
利用できる税金控除特例
居住用財産の3000万円特別控除
長期所有における軽減税率の特例
自宅売却で譲渡損失が出たときに
利用できる税金控除特例
特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
相続した実家を売却するときに
利用できる税金控除特例
相続空き家の3000万円特別控除
取得費加算の特例
平成21年・平成22年に取得した土地を売却したときに利用できる税金控除特例1000万円の特別控除
収容などにより土地を売却したときに
利用できる税金控除特例
収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例
収容等の場合の5000万円特別控除

売れない古い家はどうすればいい?

古い家の需要は、決して高いとはいえません。都市部や駅近であれば建物が古くても土地自体に魅力がありますが、郊外や駅から歩けない距離にある古い家は、思うような価格や期間で売れない可能性もあります。なかなか売れない場合は、次のような手段を講じてみましょう。

値下げする

売れない理由のひとつは、価格にあります。売り出し価格が市場の相場より高すぎる場合、買い手の検討対象にすら入りません。売り出し直後は問い合わせや内覧希望が入りやすい時期であるため、この時期に反響がない場合は、価格が高すぎる可能性が考えられます。

値下げ幅の目安としては、1回あたり売り出し価格の5〜10%程度が一般的です。また、たとえば5,100万円から4,980万円へといった「桁」を変える値下げも、買い手の印象を変えるうえで効果的と考えられます。

ただし、需要そのものが低い場合は値下げの効果も限定的です。著しく低価格で手放さなければならない事態を避けるためにも、後述する売り方の変更や不動産会社の見直しも併せて検討してみましょう。

売り方を変えてみる

売り出し価格が相場から逸脱していないにもかかわらず反響が得られない場合は、売り方を変えてみるのも一案です。ただし、物件の条件や状態、反響によって適切な売却方法は変わってきます。

たとえば、築40年を超える一戸建ては建物が評価されない可能性が高いため、リフォームによる効果は限定的かもしれません。一方、築20年程度でまだまだ住める状態であれば、リフォームが効果的な施策となる可能性があります。

必ずしも「リフォームすれば需要が上がる」「解体すれば売れやすくなる」というわけではありません。これらの施策を講じるには一定の費用もかかるため、不動産会社に相談しながら慎重に判断しましょう。

一概にはいえませんが、価格が適正にもかかわらず、半年経っても反響が少ない、あるいは内見予約が入らない場合は売り方に問題がある可能性が考えられます。

不動産会社を変更する

選択肢のひとつとして、不動産会社を変えるという方法もあります。ただ、古い家が売れない要因が、必ずしも不動産会社にあるとは限りません。需要が低い家をなんとか売ろうと尽力してくれている不動産会社であれば、変更する必要はありません。

一方で、「媒介契約を締結した後、便宜的な定期連絡しかしてこない」「売ろうとする意欲が感じられない」といった場合は、不動産会社の変更も視野に入ってきます。

媒介契約の期間は「3ヶ月」が一般的です。契約期間満了のタイミングでこれまでの販売活動を振り返り、問い合わせ数や内覧数、フィードバックの内容などを確認してみましょう。担当者から十分な報告や提案がなかったと感じる場合は、媒介契約の更新をせず、別の不動産会社へ切り替えることを検討してみましょう。

新たに依頼する会社を選ぶ際は、古い家や同エリアの売却実績、提案内容の具体性などを複数社で比較することをおすすめします。査定依頼の際に「これまで売れなかった理由をどう分析するか」を各社に問いかけてみると、会社ごとの力量や方針の違いが見えやすくなります。

売却以外の方法を検討する

「どうしても売れない」「希望する金額で売れないのなら手放したくない」という場合は、売却以外の選択肢も検討してみましょう。

活用方法は主に次の2つです。

賃貸住宅として貸し出す

建物が住める状態であれば、リフォームして賃貸に出すのも一案です。築年数が古く、買い手が付きにくいマンションも、賃貸であれば需要が見込める可能性があります。一方、一戸建ての賃貸住宅は集合住宅と比べて数が少なく、子育て世帯などに人気があります。

土地活用する

戸建ての場合は建物を解体して更地にし、コインパーキングや駐輪場、トランクルーム、太陽光発電用地などとして運用することもできます。立地条件に左右されますが、売却できなくても毎月の収益を生む資産に変わる可能性があります。

ポイントを押さえて古い家の売却を成功させよう

古い家は売却が難しいケースが多いですが、売り方次第で売却は可能です。適切な売却方法は、物件の状況や状態によって異なるため、まずは現状のまま不動産会社に相談しましょう。相談する際には、いつまでにいくらで売りたいかという希望も明確に伝えることが大切です。

この記事のポイント

古い家を売る方法とは?

古い家を売る方法はひとつではありません。「そのまま売却する」「古家付き土地として売却」するなど、さまざまな手段があります。

詳しくは「古い家を売る10の方法」をご覧ください。

古い家を売るコツとは?

相場を把握して適正な価格で売り出すことが大切です。また、どんなに劣化していたとしても独断でのリフォームや解体は避けるべきでしょう。また、インスペクションや解体には助成金が出る可能性もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

詳しくは「古い家を好条件で売るためのコツとは?」をご覧ください。

古い家を売ったときの税金は節税できる?

居住していた場合も相続した場合も、3,000万円特別控除などが利用できる場合があります。

詳しくは「古い家の売却で使える可能性のある税金控除特例」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

古い家の需要は決して高くありませんが、全国的に中古住宅の築年数は上がっており、新築住宅の供給数は減少傾向にあることから、今後は古い家を改修して住むことは、主流になっていくものと考えられます。物件の築年数は変えることができませんが、付加価値を付けたり、見せ方を工夫したりすることは可能です。

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