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戸建てとマンションの維持費はどれくらい?費用を抑えるコツとともに紹介!

ざっくり要約!

  • 戸建ては修繕積立金が徴収されないものの、自身でしっかり積み立てていく必要がある
  • マンションは毎月、修繕積立金が徴収されるため維持費の管理は楽なものの、将来的に増額する可能性がある点に注意

戸建てとマンションを比較するとき、まず目に入るのは物件の購入価格ではないでしょうか。しかし、住まいにかかるお金は購入時だけではありません。固定資産税・保険料・修繕費・管理費など、毎月、毎年、数十年単位でさまざまな費用が積み重なっていきます。

本記事では、戸建てとマンションそれぞれにかかる維持費の内訳を詳しく解説し、10年・20年・30年のシミュレーション比較も交えながら、どちらが長期的にコストを抑えやすいかを考察します。また、維持費を賢く抑えるための具体的なコツもあわせてご紹介します。「買えるかどうか」だけでなく「買った後も払い続けられるか」という視点で、ぜひ参考にしてみてください。

戸建てとマンション両方にかかる維持費

戸建てとマンションはそれぞれ維持管理に必要な費用が異なる部分もある一方で、共通してかかる費用もあります。具体的には次のとおりです。

固定資産税・都市計画税

一戸建てとマンション両方にかかる維持費として、まず固定資産税と都市計画税が挙げられます。

固定資産税は毎年1月1日時点に不動産を所有している人に課される税金で、自治体の定める固定資産税評価額に、1.4%の税率をかけたものが税金として請求されます。都市計画税は固定資産税と似たものですが、こちらは市街化区域内にある不動産に課される税金です。固定資産税評価額に対して、0.3%の税率で税金を納めなければなりません。

なお、それぞれ税額算出のもとになる固定資産税評価額は、地価の変動等によって変わり、建物部分については経年劣化により少しずつ下がっていくのが一般的です。

保険料

戸建てもマンションも、保険に加入する場合は保険料を支払う必要があります。住まいの保険は、主に火災保険と地震保険です。いずれも加入しなければならないわけではありませんが、住宅ローンを組んで住まいを購入する場合は、基本的に火災保険への加入が義務付けられています。

地震保険に関しては、火災保険の特約として加入するもので、こちらの加入は任意です。近年では国内で地震の被害も多くなっており、付帯率も上昇傾向にあります。火災保険はプランに加え保険会社によっても保険料は異なりますが、地震保険は建物の所在や構造、耐震性能、保険期間によって決まり、保険会社によって保険料が変わることはありません。

いずれも保険料の支払い方について複数年の一括払いや毎年払いなど選ぶことが可能です。以前は10年などの長期契約が可能でしたが、現在は最長5年となっています。契約期間を長く設定するほど1年あたりの保険料は抑えられますが、5年ごとの更新と見直しが必要である点に注意しましょう。

戸建てにかかる維持費

戸建てはマンションのように管理費や修繕積立金が徴収されることはありませんが、維持・メンテナンスに費用がかからないわけではありません。ここでは、戸建てにかかる維持費の内訳と概算を見ていきましょう。

住まいのメンテナンススケジュール
画像出典:住宅産業協議会

メンテナンス頻度一度あたりの費用概算
防蟻処理5〜10年程度15〜30万円程度
屋根10〜20年程度60〜190万円程度
外壁10〜20年程度5〜250万円程度
バルコニー10〜20年程度10〜200万円程度
外部建具25〜35年程度(交換)75〜140万円程度
室内5〜15年程度数万円/箇所
給排水管5〜10年程度1〜5万円程度

住宅産業協議会によれば、戸建ては上記のようなスケジュールを目安にメンテナンスしていく必要があります。費用に幅があるのは、使用されている建材や施工状態によって、メンテナンスの頻度や維持・交換にかかる費用が変わるためです。

新築から築30年までにかかるメンテナンス費用は、数百万円から1,000万円程度におよぶともいわれています。中古で購入した場合は、それまでのメンテナンス状況によって、取得後に数百万円の修繕費がかかる可能性もあります。

・「一戸建てのメンテナンス費用」に関する記事はこちら
一戸建て住宅のメンテナンス費用の相場や対処が必要になる時期をまとめて解説!

戸建ての維持費を抑えるコツ

戸建ての維持には一定の費用がかかることが避けられませんが、次のような工夫で維持費を抑えられます。

適切なタイミングでメンテナンスを実施する

戸建ての維持費を抑えるうえで最も大切なのが、適切なタイミングで適切なメンテナンスを実施することです。小さな不具合を放置してしまうと、劣化が進んで修繕範囲が広がり、結果的に費用が大きく膨らむ原因になります。

たとえば、外壁のひび割れを早期に補修しておけば数万円で済むところが、雨水の浸入によって腐食まで進んでしまうと、数十万円〜数百万円規模の工事が必要になることもあります。

定期的に専門業者による点検を受け、各部位のメンテナンス時期の目安を把握しておきましょう。メンテナンス計画を事前に立てて資金を積み立てておくことで、突発的な出費による家計への負担も軽減できます。

メンテナンスが行き届いている中古住宅を選ぶ

中古住宅を購入する場合は、これまでのメンテナンス状況を必ず確認するようにしましょう。メンテナンスが適切に行われてきた物件であれば、購入後すぐに大規模な修繕が必要になるリスクを抑えられます。逆に、メンテナンスが不十分な物件は、購入直後に屋根や外壁の大規模修繕が必要になるケースもあり、取得費用とは別に数百万円の出費が生じることもあります。

メンテナンスが不十分であっても必ずしも避けるべきというわけではなく、その事実を把握し、取得直後や今後どれくらいの維持費がかかるかを試算しておくことが大切です。物件の状態を正確に把握するためには、インスペクション(住宅診断)の活用が有効です。

インスペクションとは、建築士などの専門家が住宅の劣化状況や不具合を調査するものです。費用は数万円程度かかりますが、購入後の想定外の出費を防ぐ意味では、費用対効果の高い手段といえます。修繕履歴や点検記録が整備されている物件を選ぶことも、維持費を抑えるうえで重要なポイントです。

取得時に必要なリフォーム・メンテナンスを実施する

中古住宅を購入した際、複数箇所のリフォームやメンテナンスが必要な場合は、できるだけまとめて実施することをおすすめします。

工事を個別に依頼するたびに足場の設置費用や業者の出張費などがかかるため、複数の工事をまとめて行うことで、それらのコストを抑えられます。とくに足場を立てるコストは高額なため、たとえば外壁塗装と屋根の補修を同時に行うことで、大幅なコストカットになります。

近年は、建築資材の価格高騰や職人不足などを背景に、リフォーム費用が上昇傾向にあります。「まだ使えるからしばらく様子を見よう」と先延ばしにすることで、同じ工事でも数年後には費用が大幅に増えているケースも少なくありません。取得時にまとめて必要な工事を済ませてしまうことが、長い目で見てコスト削減につながる可能性があります。

・「リフォーム・リノベーション費用」に関する記事はこちら
リノベーション費用の相場とは?マンション・戸建てでどう変わる?

性能が高い戸建てを選ぶ

住宅性能が高いほどメンテナンス頻度を抑えられ、長期的な維持費の節約につながります。たとえば、耐久性の高い外壁材や屋根材を採用した住宅は、塗り替えや葺き替えの周期が長くなるため、修繕にかかるトータルコストを下げることができます。

また、断熱性能や省エネ性能が高い戸建ては、光熱費の削減にも寄与します。住宅の性能を示す指標としては、省エネ基準への適合状況やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)認定の有無などが参考になります。断熱性能に加え気密性能が高い住宅は、結露が発生しにくく、住まいの大敵となる水分やカビの発生も抑えられやすいという傾向にあります。

新築・中古を問わず、住宅を選ぶ際には目先の購入価格だけでなく、維持費を含めたトータルコストの視点で比較・検討することが大切です。

マンションにかかる維持費

続いて、マンションにかかる維持費を見ていきましょう。平均的な費用は次のとおりです。

費用項目平均的な費用
修繕積立金約1.3万円
管理費約1.2万円
駐車場代約6,000円
参考:国土交通省「令和5年度マンション総合調査

修繕積立金

修繕積立金は、将来の大規模修繕工事に備えてマンションの区分所有者が毎月積み立てる費用です。外壁の補修や屋根・エレベーターの修繕など、共用部分のメンテナンスに充てられます。

修繕積立金は固定ではなく、とくに「段階増額積立方式」を採用するマンションでは、新築分譲時の金額を抑えて段階的に値上げしていくことが計画されているため、基本的に築年数の経過とともに負担が増していきます。

一方、段階的な増額を予定していない「均等積立方式」を採用しているマンションであれば増額の心配はないということではありません。近年は、光熱費や人件費、建築費などマンションの修繕に関わるあらゆる費用が上昇しているため、たとえ均等積立方式であっても、費用が増額する可能性があります。

物件購入時には今の金額だけでなく、将来の増額見通しや長期修繕計画も合わせて確認しておくことが大切です。

管理費

管理費は、共用部の清掃・設備点検・管理会社への委託費など、マンションの日常的な運営に充てられる費用です。管理費も光熱費や人件費などの上昇によって近年、高騰傾向にあり、とくに共用設備が充実しているタワーマンションや戸数が少ないマンションなどでは、高額になりやすい費用です。

駐車場代

マンションの駐車場代は、立地によって大きく異なり、都市部であるほど高額になる傾向にあります。また、都市部では敷地スペースが限られることから、機械式駐車場が採用されているケースが多くあります。

機械式駐車場は平置きと比べてメンテナンスコストが高く、マンション全体の維持費に影響を与える要因のひとつです。駐車場の利用率が低下すると、駐車場使用料という管理組合の財源が減る一方でメンテナンス費用はかかり続けるため、住民一人あたりの負担が増大するリスクがあります。

・「マンション 維持費」に関する記事はこちら

マンションの維持費は高い?一戸建てとの違いやシミュレーションを紹介

維持費が抑えられやすいマンションの特徴

マンションの維持費は、管理状態や規模、性能などによって大きく異なります。マンションを選ぶ際は、価格や立地だけでなく、以下のようなポイントにも着目することで購入後のコストを抑えやすくなります。

管理状態が良い

管理状態が良いマンションは、適切なタイミングでメンテナンスが行われているため、建物の劣化が進みにくく、将来的な修繕費用を抑えやすい傾向にあります。

管理状態は、共用部の清潔さや清掃状況などでもある程度確認できますが、より正確に把握するには、管理組合の総会議事録や長期修繕計画、修繕積立金の積立状況を確認することが有効です。修繕積立金が計画通りに積み立てられているマンションは、将来の大規模修繕に備えられており、突発的な一時金の徴収リスクも低くなります。

大規模マンション

マンションの管理費や修繕積立金は、建物全体の維持にかかるコストを戸数で割って負担します。そのため、戸数が多い大規模マンションほど一戸あたりの負担が小さくなりやすい傾向があります。

エレベーターや共用廊下などの設備コストを多くの住人で分担できるため、スケールメリットが働きやすいといえます。

共用設備が少ない

豪華な共用設備はマンションの魅力のひとつですが、設備が充実しているほど維持・管理にかかるコストも高くなります。とくにコンシェルジュサービスやプール、ゲストルームなどを備えたタワーマンションでは、管理費が高額になりやすい点に注意が必要です。

維持費を抑えたい場合は、共用設備の充実度と毎月の負担のバランスをよく検討したうえで物件を選ぶことが大切です。

住宅性能が高い

断熱性能や耐久性が高いマンションは、光熱費の削減に加え、建物の劣化が進みにくく修繕頻度を抑えられる可能性があります。省エネ基準への適合状況や長期優良住宅認定の有無なども、住宅性能を判断する際の参考になります。

【10年・20年・30年】一戸建てとマンションの建物維持費を比較

戸建て マンション 維持費 比較

一戸建てとマンション、それぞれの維持費についてお伝えしましたが、実際のところどちらが維持管理に費用がかかるのでしょうか。ここでは、建物の構造部の維持にかかる概算費用を計算して比較します。

なお、固定資産税・都市計画税、保険料は以下の費用に含みません。戸建ては住宅産業協議会のメンテナンススケジュールの平均値、マンションは令和5年度マンション総合調査に基づく平均値を採用しています。

経過年数戸建て(累積概算費用)マンション(累積概算費用)
10年約30万円約370万円(駐車場なし:約300万円)
20年約420万円約740万円(駐車場なし:約600万円)
30年約910万円約1,120万円(駐車場なし:約900万円)
※マンションは管理費1.2万円、修繕積立金1.3万円(月額合計2.5万円)をベースに算出

築10年までは戸建ての維持費は比較的小さく、マンションとの差が大きく開きます。しかし築15〜20年程度を境に外壁・屋根・バルコニーなど大規模修繕が集中して発生するため高額な費用がかかりやすくなります。その結果、築30年時点ではマンションとの差分は大きくありません。

ただし、この試算はあくまで平均値に基づく概算です。戸建ては使用する素材や施工状態によってメンテナンス費用が大きく変わり、マンションも修繕積立金の増額や大規模修繕の実施状況によって一時金の徴収が発生するリスクがありますので、実際の負担は異なります。

また、費用の「総額」だけでなく、毎月の家計への影響や一時的な出費への備えという観点も含めて、総合的に検討することが大切です。

一戸建て・マンションは初期費用だけでなく維持費用も比較することが大切

一戸建てとマンションの維持費は、費用の発生の仕方が大きく異なります。戸建ては日常的な支出は少ないものの、大規模修繕のタイミングで一時的にまとまった費用が発生します。マンションは毎月一定額がかかり続ける反面、築年数の経過とともに増額されるリスクがあります。

30年間の累積で見ると、条件次第では両者の差はそれほど大きくありませんが、使用されている建材や取得時の状態、マンションの戸数や共用設備の充実度などによって維持費は大きく変わってきます。

いずれにしても、住まいを選ぶ際は購入価格などの初期費用だけでなく、長期的な維持費も含めたトータルコストで比較・検討することが大切です。

・「マンション 戸建て どっち」に関する記事はこちら
マンションと戸建てはどっちが人気?どっちが売れる?【徹底比較】

この記事の監修

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

この記事のポイント

戸建てとマンション、共通してかかる維持費はなんですか?

固定資産税・都市計画税と保険料(火災保険・地震保険)は、戸建て・マンションどちらにも共通してかかる費用です。

詳しくは「戸建てとマンション両方にかかる維持費」をご確認ください。

マンションにかかる維持費の内訳はなんですか?

マンション固有の維持費として、修繕積立金・管理費・駐車場代があります。また、専有部の設備修繕は自己負担となります。

詳しくは「マンションにかかる維持費」をご確認ください。

戸建てとマンション、30年間の維持費はどちらが高いですか?

築浅のうちはマンションのほうが維持費が高額になりやすいですが、戸建ては築15〜20年を境に大規模修繕が集中するため、30年時点では両者の差はそれほど大きくありません。ただし、仕様や状態などにもよるところです。

詳しくは「【10年・20年・30年】一戸建てとマンションの維持費を比較」をご確認ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

維持費は、住まい選びで見落とされがちなポイントのひとつです。購入価格が安くても、その後の維持費が高ければトータルコストは大きく変わります。「買えるかどうか」だけでなく「買った後も払い続けられるか」という視点を持って、長期的なライフプランとあわせて検討してみてください。

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