窓の種類
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窓の種類にはどんなものがある?窓の名称、ガラス・サッシの種類も解説

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • 窓の種類は、開閉方法・性能・ガラス・サッシなど分類はさまざま
  • 窓には、断熱性や気密性が必須であるとともに、防犯性なども求められる

住まいに光をもたらし、風を通す「窓」。窓は、採光・通風が大きな役割ですが、眺望や外観デザインにも関わるものです。また、断熱性や気密性、防犯性など、窓に必要とされる性能や種類は多様化しており、選び方に迷うことも少なくありません。

この記事では、窓に必要な性能、窓の種類・特徴について解説。ぜひ、窓選びの参考にしてください。

窓・サッシに求められる性能

窓は熱を伝えやすく、気密性や断熱性は欠かせない性能です。また、割れやすいガラスは、犯罪や災害リスクが高まることも。窓に求められる性能について解説します。

気密性・断熱性

窓は、家の中で最も多く熱が出入りする場所です。熱を伝えにくい断熱性の高い窓は、夏も冬も冷暖房効率を高め、光熱費を抑える効果があります。
また、気密性の高い窓は、隙間が少なく空気の出入りを抑えます。断熱性と同様に、窓に欠かせない性能です。

防犯性

ガラスを破れば侵入できる窓は、不審者の侵入経路になり得ます。不審者は侵入に5分以上かかると、侵入を諦めるというデータもあり、窓には防犯性能も重要です。

侵入をあきらめる時間
出典:住まいる防犯110番(警察庁)

窓の防犯性能を高めるには、ガラスに特殊な中間膜を挟んで破れにくくした「防犯合わせ複層ガラス」、人の体が入らない小窓やスリット窓を活用することなどが挙げられます。
また、面格子やシャッターを設置すると、さらに防犯性を上げることができます。

防災性

台風・地震など、窓に対する防災対策としては、万が一割れてもガラスの破片が飛散しないことが大切です。

「防犯合わせ複層ガラス」は、飛来物や家具の衝突でも割れにくく、防災対策にも有効です。「強化複層ガラス」は、割れた際に粒状になるガラスで、ケガを防ぐことができます。

また、台風の場合は予測できる災害のため、シャッターや雨戸を設置し、閉めておくことが最も安全な対策法です。

窓の種類と特徴

窓は形状や開き方によって、多くの種類があります。窓の名称とそれぞれの特徴を紹介します。

引き違い窓

引き違い窓は、左右どちらにでもスライドして開閉できる窓です。最もベーシックな窓で、サイズの種類が豊富。開け閉めが簡単で、風量も調整しやすいですが、閉めた時の気密性はやや劣ります。

掃き出し窓(テラス窓)

掃き出し窓は、床まである大きな開口部が特徴です。掃き出し窓があることで、庭やウッドデッキとの行き来がしやすくなります。また、大きな開口部からは採光を取りやすく、眺望を楽しむこともできます。

FIX窓(はめ殺し窓)

FIX窓は、開閉ができない窓のことで採光・眺望・デザインを目的としています。サイズやデザインの種類も豊富で、外観・内観のアクセントとしても効果的です。

上げ下げ窓

上げ下げ窓は、上下にスライドして開閉する窓です。上下の障子(窓の開閉部)を開閉できるタイプ、下部の障子だけを開閉できるタイプがあります。

片開き窓

片開き窓は、左右どちらかの枠を軸に開閉する窓です。収納扉のように弧を描いて開き、閉めた時には気密性が高まることが特徴です。

両開き窓

片開き窓は障子が1枚ですが、2枚になったものを両開き窓と呼びます。左右の枠を軸に大きく開くため、引き違い窓よりも開放感を得られることが魅力です。

すべり出し窓

すべり出し窓は、縦または横を回転軸にすべり出しながら開く窓を指します。
縦方向を回転軸にする「縦すべり出し窓」は、家に沿って吹く風を取り込みやすく、横方向を回転軸にする「横すべり出し窓」は室外側に開くため、小雨程度であれば換気ができる窓です。

出窓

出窓は、外壁側に張り出した窓のことで、部屋を広く見せる効果があります。出窓の床板は日当たりが良く、観葉植物を育てる場所としても適しています。

天窓(トップライト)

天窓は、屋根に設置される窓のことです。壁面に設置する窓と比較して、天窓の採光量は約3倍と言われています。天窓は、住宅密集地の採光手段として有効です。

スリット窓

スリット窓は、縦または横に細長く、主に採光を目的とした窓です。開閉できるタイプは通風を取ることもできます。基本的に防犯に有効な窓ですが、ガラスのサイズや配置によっては注意が必要です。

単板ガラス・ペアガラス・トリプルガラス…何が違うの?

窓の種類 違い

見た目には分かりにくいガラスの種類ですが、その性能は大きく異なります。

単板ガラス

ガラス1枚から成る、単板ガラスは断熱性が低く結露しやすいガラスです。断熱性が重視される昨今、新築住宅に使われることはほとんどありません。

ペアガラス(複層ガラス)

ペアガラスとは、2枚のガラスの間に空気層を設け、断熱性や遮熱性を高めたガラスを指します。防犯合わせ複層ガラスもペアガラスのひとつです。

特殊な金属膜をコーティングした「Low-E複層ガラス」は、熱の伝わりを抑制する効果があり、寒冷地に適した「高断熱タイプ」と、夏の日射熱を遮る効果に優れた「高遮熱タイプ」があります。

トリプルガラス

トリプルガラスとは、3枚のガラスから成り、ペアガラスよりもさらに高い断熱性を有するガラスです。結露が起きにくく、遮音性も高くなります。ペアガラスの機能がより強化されたガラスと言えます。

サッシの種類

窓 サッシ

サッシの材質は、断熱性の高さや結露の有無など、住まいの快適性に大きく関わる部分です。また、サッシは外観・内観の意匠性にも影響を与えます。

アルミサッシ

アルミサッシは、耐久性が高く、軽量で加工しやすいことから、高度経済成長期に広く普及しました。しかし、アルミは熱を伝えやすい素材です。断熱性が低く、冬は結露しやすいというデメリットがあります。

樹脂サッシ

断熱性が高く、結露しにくい樹脂サッシは、近年主流になりつつあるサッシです。カラーバリエーションが豊富なことも魅力のひとつとなっています。ただし、アルミサッシよりも価格は高額です。

アルミ樹脂複合サッシ

アルミサッシと樹脂サッシの良さを兼ね備えているのが、アルミ樹脂複合サッシです。室内側は樹脂サッシで断熱性が高く、室外側は耐久性・耐候性に優れたアルミサッシになっています。

木製サッシ

木製サッシは、木の優しい風合いを取り入れられる意匠性の高さが魅力です。木は断熱性が高く調湿性にも優れているので、暖かく結露しにくい環境になります。ただし、価格が高く、定期的な再塗装やメンテナンスが必要です。

まとめ

窓はその形状や開き方、配置方法によって、採光・通風・景観に大きな影響を与えます。
近年では、断熱性や気密性が求められるとともに、防犯・防災といった窓の安全対策も重視されるなど、窓に求められる性能は多様化しています。
快適な住まいを実現するためには、窓を知り、必要な性能を満たすことが重要です。

この記事のポイント

窓・サッシに必要な性能は?

窓は熱が出入りしやすく、気密性・断熱性が欠かせません。また、割れやすい窓には防犯・防災対策も必要です。

詳しくは「窓・サッシに求められる性能」をご覧ください。

窓の種類には何がある?

窓は開き方によって、引き違い窓、掃き出し窓、上げ下げ窓などの種類があります。また、採光を目的とした開かない窓もあります。

詳しくは「窓の種類と特徴」をご覧ください。

サッシにも種類がある?

昔の住宅はアルミサッシが主でしたが、現在は樹脂サッシやアルミ樹脂複合サッシが主流となっています。

詳しくは「サッシの種類」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

窓は、暮らしに「陽光」や「眺望」といった彩りを与えてくれるだけでなく、防犯、防災、耐震、断熱、気密などにも大きく影響する建材です。大きな窓からは光が多く入り、視界が抜けるため部屋が広く見える効果に期待できますが、省エネ性や防犯性の低下も懸念されます。窓によって性能は異なるため、大きさや形状、開閉方法だけでなく、ガラスやサッシの種類にも目を向けるようにしましょう。

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