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マンション売却時の内覧を成功させるポイントは?高く売るコツを解説

執筆者プロフィール

竹内 英二
不動産鑑定士

不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士の資格を保有。

ざっくり要約!

  • マンション売却時の内覧前にはスリッパの用意や室内の清掃などが必要
  • マンション売却時の内覧で好印象を与えるには質問への対応などに注意

住みながらマンションを売る場合には、売主に内覧の対応が発生します。内覧とは、販売期間中に購入希望者に対して実際に家の中を見てもらうことです。

内覧に来る人はあくまでも物件に興味があるという段階ですが、内覧で物件を気に入ってくれれば、売買契約につながります。内覧は購入希望者が意思決定をするプロセスであることから、売主としてはできる限り良い印象を与えたいところです。売却につなげる内覧にするには、売主による事前準備や工夫も重要と言えます。

この記事では、マンション売却の内覧に必要な準備や内覧数を増やすポイントなどを解説します。

マンション売却時の内覧前にやっておきたい準備

内覧は、購入希望者が突然一人で訪れてくるわけではありません。最初に購入希望者が不動産会社に「物件を見たい」という連絡をします。次に、不動産会社から売主に連絡が入り、内覧可能日の調整が行われます。

内覧当日は、不動産会社の担当者と購入希望者が一緒に物件を訪れて、基本的には担当者が購入希望者に対して物件を案内していくという流れです。売主は、あくまでも部屋の中を案内している担当者の後ろについて回るというイメージとなります。

住みながら家を売る場合には、普段の居住空間を購入希望者に見られることになります。そのため、内覧の際は購入希望者に家の中を見られても良い状態にしておくことが必要です。この章では、内覧前にやっておきたい準備について解説します。

来客用スリッパの用意

内覧が決まったら、事前に来客用にスリッパを多めに用意しておくことが望ましいです。
高価なスリッパなどである必要はなく、航空機内で配られるような折り畳み式のスリッパや使い捨てのスリッパでも十分です。

場合によっては、購入希望者が家族そろって訪れることもあります。不動産会社から内覧の申し入れの連絡が入った場合には全員で何人来るかを確認しておくといいでしょう。

スリッパは購入希望者の足の裏を冷やさないようにし、心地よく住める家だというイメージを持ってもらう目的もあります。もし購入希望者が家の中でスリッパを履くことに慣れている場合、スリッパがない状態で家の中を案内されると足の裏が非常に冷えてしまうこともあります。すると「あの家はなんだか寒かった」というネガティブな印象を与えてしまう可能性があるためです。

もし床暖房が入っているマンションであれば、「ここは床暖房が入っているのでスリッパなしでも歩けますよ」と伝え、あえてスリッパを脱いでもらうというのも物件の印象を上げるコツです。

そのため、床暖房が入っているマンションでも、床暖房の良さを体感してもらうためにスリッパを用意しておきましょう。

また、内覧時はバルコニーに出る際に履く外履き用のスリッパも用意しておくことをおすすめします。こちらは一足でも構いません。

マンションの内覧では、バルコニーに出て眺望や日照を確認したがる人も多いです。眺望の良い上層階のマンションであれば、バルコニーに出てもらった方が物件の印象を上げることができます。

室内の整理整頓で部屋を広く演出

内覧当日に向けて、室内を整理整頓しておくことが望ましいです。
生活感が溢れかえっている家は、それだけで物件の印象を落としてしまうことがあります。生活感は物件の本質的な価値とは無関係なものですが、不用意に印象を下げることは避けたいところです。

空間の中に物が多く置かれていると、購入希望者に「生活感がある」と思われてしまう傾向があります。内覧時は極力物を片付け、必要最小限の物だけ置いておくとスッキリした印象を与えることができます。

また、内覧時は他人が生活空間に入ることから、見られてはいけない書類等はきちんとしまっておくことも必要となります。お子さんのプライバシーを守りたい場合は、写真等もしまっておくようにしましょう。

なお、内覧に備えて、一つの部屋を倉庫代わりにし、そこに余分な荷物を押し込めてしまう場合もあるようですが、これはやるべきではありません。内覧はすべての部屋を確認してもらえる状態にすることが基本です。たとえ一つの部屋だけだとしても「その部屋は入らないでください」という状態にしてしまうと、物件を実際に確認するという内覧の意味がなくなってしまいます。

荷物が多すぎる場合、マンションの売り出し中は内覧時に備えてトランクルーム等に荷物を一時的に預けるという方法もあります。不動産会社によっては荷物の一時預かりサービスを行っている場合もありますので、不動産会社を選ぶ際の確認しておくのもいいでしょう。

水回りや玄関の清掃

内覧に向けては、特にキッチンや洗面所、バス等の水回りを清掃しておくことをおすすめします。

水回りは、内覧に訪れた奥様(または家事をメインで担当している人)が良く見る部分となります。特にキッチンを気に入ってくれた場合、物件そのものを気に入ってくれる傾向がありますので、キッチンは入念に清掃をしておくことがコツです。

築年数の古い物件の場合、販売活動を始める前のタイミングでハウスクリーニングを依頼した方が良いケースもあります。すべての箇所を実施する必要はありませんが、水回りだけでも依頼すると効果的です。

例えば、トイレなどはハウスクリーニングによって嫌なニオイが減ることもあります。見た目がキレイになるだけでなく、ニオイ対策にもなって清潔感がアップし、物件の印象を上げることにつながります。

不動産会社の中には、ハウスクリーニングの無料サービスを提供している会社もあるので、そうしたサービスがある場合はぜひ利用しましょう。

玄関に関しては、ある程度掃き掃除をしておき、靴は基本的に下足入れにしまっておきます。その上でスリッパを用意し、気持ちよく迎えられる状態にしておくことが適切です。

・「ハウスクリーニング」に関する記事はこちら
ハウスクリーニングの相場はいくら?水回りから一戸建てにかかる費用まで紹介
・東急リバブルの「水回りブライトニング」はこちらから

室内のニオイ対策

内覧当日は、室内のニオイ対策もしておきます。
購入希望者が来る前までに、窓を開けて部屋の中の空気を入れ替えておくことが望ましいです。

内覧時は、基本的に窓は閉めておき、空調を適切な温度に設定しておくようにしましょう。

また、消臭スプレーや空気清浄機がある場合には、それらを使ってニオイを消しておくという方法もあります。

・「部屋のにおい」に関する記事はこちら
部屋のにおいの原因は?においを消す方法を場所別に紹介
・東急リバブルの「除菌・消臭サービス」はこちらから

室内のキズや凹みは最低限修復

室内のキズや凹みがある場合は、最低限の修復をしておきましょう。
査定の段階で、不動産会社に対応方法を確認するのがおすすめです。

直したほうが良いというアドバイスされた場合は、内覧時までに修復しておくのが望ましいです。修復に関しても、不動産会社によっては無料で対応してくれることもあります。不動産会社選びの際は、キズや凹みがある場合の修復サービスの有無もチェックしてみてください。

・東急リバブルの「壁・床リペアリングサービス」はこちらから

ホームステージングの利用も検討

ホームステージングとは、家の中をモデルルームのように演出して販売する方法のことです。場合によっては、ホームステージングを利用することで売却がスムーズに進むこともあります。

ただし、ホームステージングは基本的に空き家を前提としたサービスです。住みながら売る場合には、内覧の都度、いったん家具を搬出してホームステージング用の家具を入れ替えるといった大がかりな作業が生じます。

住みながら売る場合は費用も割高になるので、基本的にはホームステージングまでやる必要はないといえます。

・「ホームステージング」に関する記事はこちら
ホームステージングとは?メリットや売却への効果、自分で行うポイントも解説
・東急リバブルの「ルームデコレーション」はこちらから

マンション売却時の内覧で好印象を与えるには?

続いて、マンション売却時の内覧で好印象を与える方法について解説します。

飲み物でもてなす

毎回必要になるわけではありませんが、飲み物でもてなす準備はしておいた方が良いでしょう。特に、暑い夏場などは、冷たい飲み物を出すと購入希望者に喜ばれることもあります。

購入希望者が椅子やソファーに座って説明を受けるタイミングがあれば、その際に飲み物を出すと売主の印象が良くなります。

部屋の照明の明るさや温度を適切に設定

内覧時は、あらかじめ部屋の電気をすべて付けておきます。バスやトイレも電気を付けておくことが望ましいです。夏場や冬場の場合には、空調も適温に設定しておきましょう。

マンションに関する質問にはなるべくすべて応じる

内覧時の基本的な応対は、不動産会社の担当者が行います。ただし、住人でないとわからない部分は売主が答えるようにしましょう。

例えば、下層階の場合に「何時頃から日陰になりますか?」といった質問をされた場合は売主が答えることになります。加えて、契約後に「そんなの聞いていなかった」と買主に言われるなどのトラブルにならないよう、設備の不具合はもちろん「隣人との個別の取り決めなどがある」といった特殊事情がある場合については、隠さず申告しておく方が円滑に進むでしょう。事前にこうした事情を不動産会社の担当者に共有しておくという方法でも問題ありません。

余計な発言や口約束は控える

内覧時に余計な発言や口約束をしないようにしましょう。特に、価格や引渡の条件に関しては、買付証明書が提示された段階で熟慮して回答すべき内容であるため、その場で答える必要はありません。買付証明書とは、購入希望者が購入の正式な意思を売主に伝えるための書面のことです。

もし回答しにくい質問が来たら、不動産会社の担当者に答えてもらうようにしてください。

・東急リバブルの「マンション売却・査定」はこちらから

マンション売却時の内覧数を増やすには?

マンション売却時の内覧数を増やしたい場合、以下のようなコツが必要です。

広告の見直し

売主としては、インターネットで自分の物件がどのように広告されているかチェックすることも必要です。他の物件と比較し、例えば写真数が少ないと感じたら、写真を増やすといった見直しをするのが望ましいでしょう。写真は、バスやトイレも含めてなるべく全部屋載せるようにします。

不動産会社が内見サービスの「360°ビューイング」に対応しているようであれば、依頼することをおすすめします。

・東急リバブルの「パノラマサービス一覧」はこちらから

適正価格のチェック

場合によっては、売り出し価格が高過ぎるといった可能性もあります。強気のチャレンジ価格で売り出しているときは、内覧の申し込み状況も見ながら適正価格に下げていくことも必要です。

・「マンション 売却相場」に関する記事はこちら
マンションの売却相場ってどのくらい?地域別の相場と調べ方を解説
・「周辺の売り出し価格」の検索はこちらから

内覧可能時間を幅広く設定

内覧は基本的に土日や祝日に集中します。基本的には、休日は内覧に対応できるようにスケジュールを調整しておくことが望ましいです。
また、不動産会社に問い合わせ状況のヒアリングを行い、効果が出そうであれば平日夜も対応できるようにすると内覧が増える可能性があります。

様子を見て値下げや買取も検討する

条件の悪い物件は、値下げをしないと売れないこともあります。例えば、売り出してから3カ月以上経ってもまったく反応がない場合には、価格を見直すべきタイミングです。

また、最終的には買取という選択も考えられます。買取は不動産会社に市場価格よりも安い価格で売る売却方法になります。時間的な余裕がなく、安くても構わないので手放したいといった場合には、買取を検討しましょう。

・「マンション売却 買取」に関する記事はこちら
マンション売却時は仲介と買取どちらを選ぶ?物件の向き・不向きも紹介
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この記事のポイント

マンション売却時の内覧前にやっておきたい準備はありますか?

購入希望者用にスリッパを用意しておき、キッチンや洗面所、バス等の水回りの清掃などもしっかり行いましょう。

また、室内のキズや凹みを最低限修復しておくなどの対策も必要です。

詳しくは「マンション売却時の内覧前にやっておきたい準備」をご覧ください。

マンション売却時の内覧数を増やすにはどうしたらいいですか?

広告の見直しや適正価格かどうかのチェック、内覧可能時間を長くすることなどが挙げられます。

様子を見ながら、値下げや買取も検討するといいでしょう。

詳しくは「マンション売却時の内覧数を増やすには?」をご覧ください。

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