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断熱窓はDIYできる?リフォームの種類や費用、補助金も紹介

執筆者プロフィール

桜木 理恵
資格情報: Webライター、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、管理業務主任者

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。その他信託銀行にて不動産事務として勤務経験あり。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主任者」所持。

ざっくり要約!

  • 断熱窓にするとエアコンの効きがよくなり、電気代を節約できるなどのメリットがある
  • 断熱窓にリフォームする場合、既存の1枚ガラス(単板ガラス)を断熱または複層ガラスに交換する方法、既存の窓の内側に窓を設置して二重窓にする方法、既存の窓サッシを撤去して断熱窓に交換する方法がある

断熱窓には、夏は紫外線や外気の熱を遮断し、冬は室内の暖かさを逃がさないようにする効果があります。家の断熱性能を高めることでヒートショックを軽減することができ、エアコンが効きやすくなるので、省エネにもつながります。

この記事では、断熱窓リフォームの種類や費用相場、また利用できる補助金について解説します。

リフォームが難しい方のためにDIYでできる断熱対策も紹介しますので、まずはできることから改善してみましょう。

断熱窓とは

家の断熱性能を高めるには、断熱窓の採用が効果的です。

窓の開口部からは、冬は室内の暖められた熱が58%流出し、夏は外の熱が73%も入ってくるといわれています。

引用:開口部からの熱の出入りは、どの位あるのですか?|一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会

開口部の大部分を占める窓の断熱性能を見直すことで、エアコンの効きがよくなり、ヒートショックも軽減できます。

断熱窓はメリットが多いものの、デメリットもあるので事前に把握しておきましょう。この章では、断熱窓のメリットとデメリットを紹介します。

断熱窓のメリット

断熱窓のおもなメリットを4つ紹介します。

電気代の節約

断熱窓に変えることでエアコンの効きがよくなるため、冷暖房費を抑えることができ、結果として電気代を節約できます。

結露を防げる

冬は温度差と空気中の水蒸気により窓が結露することがあります。

その場合、外気と室内の間に空気層ができる二重窓や複層ガラス、熱伝導率が低い樹脂製のサッシにすることで結露やカビを防ぐことができます。

ヒートショックを軽減する

断熱窓は健康面にもメリットがあります。室内の温度を一定に保ちやすくなるため、血圧が急激に上昇することを防ぐことができます。したがってヒートショックによる、心筋梗塞や脳卒中などを軽減できます。

補助金が使える

補助金の対象になる製品を選ぶ必要はありますが、一定の条件を満たすことで国や自治体の補助金を利用することができます。

タイミングによっては予算に到達して、受付を締めきっていることがあります。最新の進捗状況は、環境省のホームページや市町村の窓口などで確認しましょう。

断熱窓のデメリット

断熱窓のおもなデメリットを3つ紹介します。

従来のガラスや窓に比べるとコストが高い

現在のような断熱窓が流通する前は、窓ガラスは単板(1枚)ガラスでした。

しかし、いま主流になりつつある複層ガラスや樹脂サッシは、その構造により高額になっています。リフォーム費用が比較的高くなることがデメリットです。

窓の開け閉めが面倒になる

断熱窓はその特徴的な構造により、従来の単板ガラスに比べて重量が重くなっています。

掃き出し窓などでとくに面積が大きい場合は、開け閉めに苦労する可能性があります。

また二重窓は2回窓を開けなければならず、開閉時に多少面倒だと感じるでしょう。

形状や条件によっては断熱窓にできないケースもある

複層ガラスは厚みがあるため、既存の窓の枠がそのまま使えないことがあります。

また二重サッシにする場合、床の形状によっては内窓を設置できません。

もし既存の窓をすべて断熱窓にできない場合は、十分な断熱効果を得られないこともあります。断熱窓にできるかどうかについて、事前に施工会社に相談してみましょう。

断熱窓はDIYできる?断熱対策の方法と効果

断熱窓にリフォームするためには、それなりに工事費用がかかります。また賃貸物件や分譲マンションは、基本的に断熱窓のリフォームは難しいでしょう。

そこでこの章では、手軽にDIYでできる断熱対策を3つ紹介します。

ただし商品によっては、それほど断熱効果が期待できない可能性もあります。複数の対策を採用するなどし、工夫することをおすすめします。

断熱窓用シート

一番簡単にできるのが、窓に断熱シートや断熱フィルムを貼る方法です。

材料はホームセンターやネット通販などで購入でき、窓に貼る作業も比較的簡単なため、1窓につき数分程度で設置できます。

断熱シートや断熱フィルムの種類には、透明タイプや目隠し効果があるタイプなどがあります。製品によって断熱効果は異なりますが、紫外線や赤外線をカットすることで暑さ対策でき、室内の熱を逃さないようにすることも可能です。

ただし商品によっては長期間貼ることで剥がしにくくなり、窓に糊や跡が残ることがあるので注意しましょう。

断熱窓用カーテン

賃貸物件でも安心して採用できるのが、断熱(遮熱)タイプのカーテンです。カーテン専門店やホームセンターなどで販売しているほか、ネット通販でも購入できます。

光を通しにくい素材のカーテンを利用することで、外からの熱や太陽光を遮断してくれます。また適度に厚みのある生地のカーテンを選び、レースのカーテンも併用することで、窓と室内の間に空気層ができるので断熱効果を期待できます。

ただし断熱効果を得るためには、昼間でもカーテンを閉めておかなければなりません。状況に応じて開けておくなど、季節や時間帯によって使い分ける必要があるでしょう。

断熱窓用ボード

窓の下部に断熱ボードを置くことで、室内にすき間風や冷気が入ってくるのを防ぐことができます。

開口部が大きい掃き出し窓に設置するのが効果的ですが、出入りするときや掃除をする際に邪魔になることがあるため、状況に応じて貼るタイプを選択するとよいでしょう。

ちなみに木目調や柄物などデザイン性があるタイプや、吸水性があり結露対策できるタイプもあります。

断熱窓のリフォームの種類

窓を断熱改修する場合、おもに3つの方法が考えられます。

既存の1枚ガラス(単板ガラス)を断熱または複層ガラスに交換する方法、既存の窓の内側に窓を設置して二重窓にする方法、既存の窓サッシを撤去して断熱窓に交換する方法です。

それぞれメリットとデメリットがありますので、費用や効果を考慮して選択しましょう。

なお区分所有建物であるマンションでは窓は共用部分になり、基本的には住戸ごとに窓を交換することは難しいでしょう。ただ、2016年3月に公示された「マンションの管理の適正化に関する指針」により、マンション標準管理規約が改訂されたことで共用部分も工事が可能になっています。

したがって事前に管理組合の理事長に書面で申請し、承認を得ることができれば工事は可能です。ただし共用部分や他の専有部分に影響が生じたときは、責任と負担により必要な措置を取らなければなりません。必ずしも工事できるわけではありませんので注意しましょう。

出典:マンション標準管理規約(単棟型)|国土交通省

断熱または複層ガラスへの交換

既存のガラスを、断熱ガラスもしくは複層ガラスに交換することで断熱窓に改修する方法です。
サッシ(窓枠)は変わらないため、サッシ部分の結露は改善されない可能性があります。

比較的費用を抑えることができるのが魅力ですが、既存のサッシの条件によっては、ガラスだけの交換ができないこともあります。その場合は、二重サッシの設置や窓そのものの交換を検討しましょう。

内窓を設置して二重窓(サッシ)にする

既存の窓の内側に、内窓を設けて二重窓(サッシ)にする方法です。外側の窓と内側の窓の間に空間(空気層)ができるので、断熱効果を期待できます。

内窓のガラスを1枚(単板)でなく、複層ガラスにすることでさらに断熱効果はアップします。しかし既存の窓の内側に十分な空間がない場合は、設置できません。また窓を開けるためには、2回窓を開けなければならないので、多少面倒に感じる可能性があります。

窓サッシの交換

断熱窓にしたい場合、既存のサッシ(窓枠)に新しい窓枠をかぶせて取り付ける方法(カバー工法)や、外壁の劣化した部分を削り取る(はつる)工事をして新しい窓サッシを設置する方法があります。

カバー工法であれば半日程度でリフォームできますが、外壁に影響する工事をする場合はコストが高くなり、工事期間も長くなります。

断熱窓のリフォームの相場や補助金制度

最後に断熱窓のリフォームにかかる一般的な費用相場と、活用できる補助金制度を紹介します。

断熱窓のリフォームにかかる相場

断熱窓のリフォームにかかる相場は、リフォームの種類によって異なります。

断熱または複層ガラスへの交換

既存のサッシ(窓枠)は残して、ガラスを複層ガラスに交換する方法です。既存の窓枠は単板用の溝幅になっているため、アタッチメントがついた複層ガラスを設置します。

ガラス部分の交換のみなので、工期が短くコストも安価なのが魅力です。しかしサッシの部分の断熱性能は変わりませんので、部分的に結露する可能性があります。


アタッチメント付き複層ガラスの交換
腰高窓約60,000~85,000円
掃き出し窓約120,000~140,000円

内窓を設置して二重窓(サッシ)にする

既存の窓の内側に内窓を設置する場合、既存の窓には手を付けないで工事をするため、比較的安価なのが特徴です。

ガラスの種類によってコストも変わりますが、内窓を設置する費用相場は以下の通りです。


単板ガラスの内窓設置複層ガラスの内窓設置
腰高窓約70,000~90,000円約85,000~100,000円
掃き出し窓約170,000円~200,000円約200,000~240,000円

窓サッシの交換

既存の窓を断熱窓に交換するのであれば、既存のサッシ(窓枠)に新しい窓の枠をかぶせて窓を設置する、カバー工法がおすすめです。外壁に手を付けることなく工事ができるので、半日程度で工事できます。

カバー工法の場合、ややガラス面が狭くなるのがデメリットですが、サッシ部分も樹脂製などに変えることができるので、結露も軽減できます。


カバー工法による窓・サッシ交換(複層ガラス)
腰高窓約160,000~270,000円
掃き出し窓約340,000~400,000円

カバー工法ではなく、外壁に食い込んだサッシ(窓枠)部分を撤去して窓サッシを交換する場合は、外壁の劣化した部分を削り取る(はつる)工事が必要になります。また2階などの窓を工事する場合は、別途足場代がかかります。

なお、外壁に影響が出るため、基本的にマンションではこの方法でリフォームすることはできません。


既存の窓枠を撤去して窓を交換
腰高窓約240,000~380,000円
掃き出し窓約480,000~600,000円

断熱窓で活用できる補助金制度

断熱窓の改修工事を検討するのであれば、補助金を上手に活用しましょう。

「先進的窓リノベ2024事業」では、既存住宅の窓やドアを断熱窓や断熱ドアにする改修工事を対象に、最大200万円(改修工事の1/2相当)までの補助金を交付します。

また、先進的窓リノベ2024事業と併用できる「子育てエコホーム支援事業」もあります。

子育てエコホーム支援事業では、子育て世帯または若者夫婦世帯※が行う省エネリフォーム工事に対し、最大30万円(既存住宅の購入をともなう場合は最大60万円)が補助され、その他の世帯についても省エネリフォームを行う場合は最大20万円まで補助されます。

※子育て世帯:申請時に18歳未満の子を有する世帯(ただし2023年4月1日時点で18歳未満。つまり2005年4月2日以降に出生した子)、若者夫婦:申請時に夫婦であり、2023年4月1日時点でいずれかが39歳以下である夫婦(いずれかが1983年4月2日以降出生であること)

なお上限に達した場合は受付が締め切られますので、受付状況については公式ホームページで確認してください。

出典:先進的窓リノベ2024事業|環境省
子育てエコホーム支援事業|国土交通省

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この記事のポイント

断熱窓はDIYできる?

断熱窓はDIY可能です。一番簡単にできるのが、窓に断熱シートや断熱フィルムを貼る方法です。そのほか、断熱(遮熱)タイプのカーテンを取り入れるという方法もあります。

ただし商品によっては、それほど断熱効果が期待できない可能性もあります。複数の対策を採用するなどし、工夫することをおすすめします。

詳しくは「断熱窓はDIYできる?断熱対策の方法と効果」をご覧ください。

断熱窓の補助金制度は?

断熱窓の補助金制度として「先進的窓リノベ2024事業」「子育てエコホーム支援事業」があります。これらは併用可能です。

利用したい場合は、事前に対象要件を確認しましょう。また、上限に達した場合は受付が締め切られますので、受付状況については公式ホームページで確認してください。

詳しくは「断熱窓のリフォームの相場や補助金制度」をご覧ください。