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所得証明書とは?取得方法や必要なタイミングを解説

執筆者プロフィール

大崎麻美
司法書士、FP技能士2級、宅地建物取引主任者、シニアライフマネージャー

日系エアラインのCAを経て30代で司法書士資格を取得。2012年あさみ司法書士事務所を設立。実需・収益不動産・商業に関する登記実務、終活のサポート業務を行う。2022年末より海外に移住。移住後は、実家じまいの情報発信サイト「実家じまい完全攻略ブログ」を運営。法律・不動産専門のライターとして活動。

ざっくり要約!

  • 所得証明書とは、ある年の1月1日~12月31日の所得の総額を証明する書類
  • 住宅ローンを組む際、会社員などの給与所得者は所得証明書(課税証明書)を、個人事業主は確定申告書の写しのほか、納税証明書を求められることが一般的

住宅ローンを組むときや、車のローンを組む際には所得証明書を求められますが、いったい何を用意したら良いか迷ってしまう人も少なくないでしょう。実は所得証明書は課税証明書と統合されている市区町村も多く、「所得(課税)証明書」と呼ばれることもあります。本記事では所得証明に関する次のことを解説します。

  • 所得証明書とは何か
  • 所得証明書と課税証明書の違いは?
  • 所得証明書の取得場所と取得方法
  • 所得証明書の提出が必要なタイミング

所得証明書が必要なシーンでスムーズに取得できるよう、しっかり確認していきましょう。

所得証明書とは?

所得証明書とは、ある年の1月1日~12月31日の所得の総額を証明する書類です。所得と収入はイコールではなく、収入から必要経費を差し引いたものが所得です。

会社員などの給与を得ている人の場合は、給与から経費を引く代わりに給与所得控除を引いたものが所得となり、自営業者の場合は、事業の売上から経費を差し引いたものが所得です。

また副業や不動産収入など所得が複数ある場合には、所得証明書にはすべての所得が記載されます。

市区町村が発行する所得額が記載された書類

所得証明書は年間の総所得額を証明する書類で、公的機関である市区町村が発行します。ただし、所得金額のみを証明する「所得証明書」を発行する市区町村と、所得証明書と課税証明書が統合された「所得(課税)証明書」のみを発行する市区町村が存在します。

この統合された「所得(課税)証明書」は、市区町村により呼称が異なり「所得(課税)証明書」や「課税(所得)証明書」などと呼ばれます。この所得証明書(課税証明書)には、昨年の収入(給与)から必要経費(給与所得控除)を差し引いた所得のほかに、住民税の課税内容が記載されています。

例えば岐阜市では「所得課税証明書」に所得金額(給与など)、市県民税の税額のほか、所得控除金額(扶養控除、社会保険料など)を記載しており、「所得証明書」には所得金額(給与など)しか記載されません。

住宅ローンの審査時、金融機関に「所得証明書を提出してください」と言われた場合には、役所で発行される「所得証明書」や「課税(所得)証明書」「所得(課税)証明書」等の書類を提出することになります。

出典:所得課税証明書と所得証明書の違いは何ですか?|岐阜市

所得証明書と課税証明書の違い

所得証明書は、ある年の「収入」と「所得額」が記載され、その人の1年間の合計所得を証明する書類を指すことが一般的です。一方で課税証明書は、合計所得額に応じて課税された住民税額を証明する書類です。

そのため、住民税額のほか、合計所得金額とその内訳、所得控除額や控除の内訳、課税標準額等の住民税額の算出に必要なデータも記載されています。

合計所得金額が記載されていることから、課税証明書は所得証明書を兼ねており、先述したとおり多くの市区町村は所得証明と課税証明書を統合し、「所得(課税)証明書」や「課税(所得)証明書」として発行しています。

出典:所得証明、課税証明書|京都市情報館

所得証明書の取得方法と必要な持ち物

所得(課税)証明書等は、役所の窓口やコンビニなどで取得可能ですが、いずれも1月1日時点で住んでいた市区町村から発行されます。

例えば2022年の所得(課税)証明書を取得したいときは、2023年1月1日に住民登録をしている市区町村の役所の税務課に令和5年度の所得証明書を請求します。

2023年1月2日以降に引っ越した場合には、1月1日時点で住民登録のある前の市区町村へ請求することになります。1月1日時点の居住地で判断するという点を覚えておきましょう。

また、証明する期間の年と、発行する証明年度が同じではないため、混乱しがちです。例えば、令和4年1月1日から12月31日分の所得の証明は令和5年度の所得(課税)証明書等に記載されますので注意しましょう。

最新年度の所得(課税)証明書等は、6月中旬頃に発行可能になります。時期は市区町村により多少前後するため、市区町村のホームページで確認をしてから請求しましょう。

自治体の窓口

所得(課税)証明書は住民登録をしている市区町村の役所・出張所・分室・連絡所や駅前の窓口センター等で取得申請が可能です。本人だけでなく、委任を受けた代理人も取得できます。この場合の委任状は、各市区町村のホームページよりプリントアウトして使用しましょう。委任状には、証明を受ける本人が自署・押印する必要があるので注意しましょう。

なお、生計を一にする同世帯の親族が代理人となる場合には、委任状を不要とする市区町村は多いものの、事前に確認することをおすすめします。本人が窓口に行く場合も、代理人が行く場合も、交付申請書に必要事項を記入し、交付手数料を支払えば取得可能です。

交付の手数料は自治体により異なりますが、1枚300円程度です。申請に必要な持ち物は市区町村により異なることがあるため、ホームページで事前に確認しましょう。

【必要な持ち物】

  • 官公庁発行の顔写真のある身分証明書(マイナンバーカード・免許証・パスポート等)
  • 上記以外の身分証明書の場合は2点(例)健康保険証+介護保険証
  • 代理人が請求する場合は本人の自署・押印済みの委任状、代理人本人の身分証明書
  • 手数料

郵送請求

役所が遠いなどの理由で窓口へ行けない場合には、郵送で請求することもできます。郵送請求は原則本人のみ請求が可能です。また、郵送請求は証明書が届くまで日数がかかるため(1〜2週間前後)、急ぎの場合は避けた方が無難です。

【郵送請求時に送付するもの】

  • 記入済みの交付申請書(役所のホームページよりプリントアウト)
  • 官公庁発行の顔写真のある身分証明書(マイナンバーカード・免許証・パスポート等)のコピー
  • 上記以外の身分証明書の場合は2点(例)健康保険証+介護保険証のコピー
  • 手数料分の小為替(郵便局で購入可能、小為替手数料が別途300円必要)
  • 返信用封筒(返送先を記入し、必要額の切手を貼ったもの)

コンビニのマルチコピー機

平日の開庁時間に役所に行くのが難しい場合に重宝するのがコンビニ交付サービスです。全国のコンビニエンスストア等に設置されたマルチコピー機から、市区町村発行の証明書が取得できます。毎日6:30~23:00まで利用可能な点、窓口での待ち時間が不要な点は大きなメリットです。

ただし、利用にはマイナンバーカードが必要で、市区町村によってはコンビニ交付サービスに対応していないことがあるため注意しましょう。

自分の住む自治体がコンビニ交付サービスに対応しているかどうかは、コンビニ交付サイトで簡単に確認ができます。

【コンビニ交付時の持ち物】

  • マイナンバーカード
  • 手数料

出典:コンビニ交付|地方公共団体情報システム機構

所得証明書の提出が求められるタイミング

所得(課税)証明書が求められるのは所得の有無や所得金額を確認する必要がある次のようなタイミングです。役所により呼称が異なることがあるため、どんな書類が必要なのか確認しておきましょう。

  • 賃貸住宅を借りるとき
  • 住宅ローンを組んで不動産を購入するとき
  • カーローンを組んで車を購入するとき
  • 保育園に入園するとき
  • 扶養にはいるとき

賃貸住宅を借りるとき

賃貸住宅の入居審査では、家賃を継続的に支払える能力があるかを審査するために所得(課税)証明書を求められることがあります。公的な所得(課税)証明書までは求められず、会社員であれば源泉徴収票や給与支払い証明書、自営業者であれば確定申告書の写しなどの提出でよいとするケースも多いでしょう。
物件によっては、入居審査時ではなく、賃貸借契約時に提出するパターンもあります。

住宅ローンを組んで不動産を買うとき

住宅ローンを組んで不動産を購入する時には、金融機関から所得(課税)証明書を求められます。高額なお金を貸す場合、借りる人の返済能力を公的機関より発行された所得(課税)証明をもとに、借りる人の返済能力を見極める必要があるためです。

会社員などの給与所得者の場合は、所得証明書(課税証明書)を求められることが一般的です。個人事業主の場合は確定申告書の写しのほか、納税証明書を求められます。

金融機関により、用意すべき書類や通数は異なるため、どのような証明書が必要になるか金融機関に確認をすることが大切です。

カーローンを組んで車を買うとき

カーローンを組んで車を買うときに所得(課税)証明書が必要になるケースがあります。すべてのカーローンにおいて所得(課税)証明書が必要になるわけではなく、借り入れる金額によって所得証明書(課税証明書)が不要なこともあります。

また、ディーラー系のカーローンや、中古車販売店が提供する独自の自社カーローンなどでは所得証明書(課税証明書)が不要なケースも多いです。

保育園に入園するとき

認可保育園に子どもを入園させるときにも、所得(課税)証明書が必要になるケースがあります。入園申込み手続きをする年の1月1日時点で、保育園のある市区町村に住民登録があれば提出は不要です。しかし、1月2日以降に引越をした場合には、引越前の市区町村から発行される所得(課税)証明書が必要になります。

扶養に入るとき

家族が勤務する会社に扶養申請をする場合には、所得(課税)証明書が必要になるケースがあります。たとえば、妻が夫の扶養に入るときには、扶養範囲以上の収入を得ていないことを証明するために、妻の所得(課税)証明書または非課税証明書の提出をします。

この記事のポイント

所得証明書とはどんなものですか?

所得証明書とは、ある年の1月1日~12月31日の所得の総額を証明する書類です。所得と収入はイコールではなく、収入から必要経費を差し引いたものが所得です。

会社員などの給与を得ている人の場合は、給与から経費を引く代わりに給与所得控除を引いたものが所得となり、自営業者の場合は、事業の売上から経費を差し引いたものが所得です。

詳しくは「所得証明書とは?」をご覧ください。

所得証明書の取得方法は?

所得(課税)証明書等は、役所の窓口やコンビニなどで取得可能ですが、いずれも1月1日時点で住んでいた市区町村から発行されます。

例えば2022年の所得(課税)証明書を取得したいときは、2023年1月1日に住民登録をしている市区町村の役所の税務課に令和5年度の所得証明書を請求します。

詳しくは「所得証明書の取得方法と必要な持ち物」をご覧ください。

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