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オール電化住宅のメリット・デメリットは?後悔しないためのポイントも解説

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • オール電化住宅とは、ガスを使わず電気だけで生活できる住まいのこと
  • オール電化住宅で光熱費を削減するには、太陽光発電や蓄電池の導入、生活上の工夫も必要

さまざまなものの値段が高騰する中、光熱費もその例外ではありません。少しでも光熱費を抑えたいと考える人は多いのではないでしょうか?
そこで、光熱費を電気に一本化できる「オール電化住宅」にすれば、光熱費を抑えられるというイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、必ずしも光熱費が安くなるとは限りません。オール電化について十分に理解のないまま導入すると、後悔することもあるかもしれません。

そこで本記事では、オール電化についてや、導入する方法や費用、オール電化のメリット・デメリットについて、くわしく解説していきます。

オール電化住宅とは?

オール電化は、料理・給湯・冷暖房など、生活で必要とするエネルギーの全てを「電気」で供給するシステムです。オール電化住宅は室内で火を扱わないため、住まいの安全性を高めることができます。

オール電化住宅にする方法

オール電化住宅にするためには、次のような設備を導入する必要があります。

エコキュート

エコキュートとは、空気中の熱を利用してお湯を作るシステムで、ヒートポンプユニットと貯湯ユニットの2つの設備から成ります。

電気も使用しますが、電気だけでお湯を作る電気温水器と比べると、電気消費量は約1/3程度。エネルギー効率が良いのがエコキュートの特長です。

IHクッキングヒーター

ガスコンロに代わって、導入が必要になるのが「IHクッキングヒーター」です。IHクッキングヒーターは、電気が流れると磁力が発生し、電流の変化と電気抵抗によって鍋自体が発熱する加熱機器です。

そのため、土鍋や耐熱ガラス鍋などが使えない、鍋底がフラットな物に限定されるなどの制約があります。

オール電化住宅/電気・ガス併用住宅
使用できる住宅設備の比較

オール電化住宅電気・ガス併用住宅
調理  IHクッキングヒーターガスコンロ、IHクッキングヒーター
給湯  エコキュート、電気温水器ガス給湯器、エコジョーズ
空調  エアコン、ヒートポンプ式温水床暖房、蓄熱暖房機などエアコン、ガスファンヒーター、ガス温水式床暖房など

オール電化住宅のメリット

オール電化住宅にすると、月々の光熱費を削減できたり、キッチンの使い勝手が良くなったりするメリットがあります。

光熱費が削減できるケースも

オール電化住宅にすると、光熱費の契約を電気に一本化できるので家計管理がしやすくなります。ガスの契約がなくなることで、ガスの基本料金も不要です。

オール電化によって光熱費が削減できるかは、ライフスタイルによって変わります。オール電化向けの料金プランは夜間料金が安く、日中は割高な料金になっているからです。

たとえば、日中不在なことが多い共働き家庭では光熱費を削減しやすくなりますが、昼間に家族が在宅しているご家庭の場合は、電気料金が高くなる可能性もあります。

調理の危険性が下がる

火を扱うガスコンロは、火災の不安や不完全燃焼による一酸化炭素中毒など、小さなお子さんや高齢の方がいるご家庭では心配なこともあるでしょう。

一方、IHクッキングヒーターは火を使わないため、比較的安心・安全に使いやすい加熱機器です。ただし、火災が起きない訳ではないため、使用時はガスコンロと同じように換気やつけっ放しに注意しましょう。

キッチン周りのお手入れが楽

IHクッキングヒーターは、ガスコンロのような五徳がなく天板がフラットなため、お手入れがとても簡単です。

その一方で、調理で発生した油煙の捕集効率が下がる一面も。ガス火調理では上昇気流が発生し、レンジフードで油煙が捕集されますが、IHヒーターでは上昇気流が起きにくいため、油煙や水蒸気でキッチンの周囲が汚れやすくなります。

調理後は、IHヒーター周辺をサッとひと拭きする習慣を付けると、きれいなキッチンを維持できます。

断水時に生活用水を一定量確保できる

エコキュートは一定量のお湯を貯めているため、緊急時の生活用水として使えます。

お湯は、貯湯ユニットの非常用取水栓から取り出せますが、高温の場合があるので注意しましょう。取り出したお湯は生活用水として使用し、飲用することは避けてください。

オール電化住宅のデメリット

オール電化住宅は、月々の光熱費を節約できる可能性がありますが、初期費用が高額というデメリットがあります。

停電時にライフラインが使えない

オール電化住宅は、停電すると、お湯を沸かせない、調理ができない、空調を使えないという状態に陥るため、生活に与える影響が多大です。電気以外の熱源で、最低限の備えを用意しておく必要があります。

たとえば、簡単な調理ができるカセットコンロ、暖をとれるカセット式ガスストーブなどを備えておくと安心です。

※災害時のガスの使用は安全性を確保した上でご使用ください。
※カセットボンベのご使用に際しては、十分な換気を行ってください。

初期費用がかかる

オール電化住宅は、エコキュートとIHクッキングヒーターが必須となるため、初期費用がかかります。他にも付随して、ソーラーパネルや蓄熱暖房機、床暖房など検討すべき設備が多くあるため、初期費用が高額になりがちです。

新築でオール電化住宅を建てる場合は、住宅ローンの借入金額にも影響するため、慎重な判断が必要となります。

逆に光熱費が上がるケースも

オール電化住宅向けの電気料金プランは、夜間電力を使うことによってお得に設定されています。そのため、昼間の電気使用量が多いご家庭では、光熱費が上がる可能性もあるでしょう。

また、今はオール電化向けのお得な料金プランがあったとしても、料金の改定によって内容が変わることも懸念されます。定期的な料金プランの見直し、電力会社変更の検討も必要です。

オール電化で後悔しないために!デメリットを解消するポイント

オール電化住宅のデメリットを解消し、メリットを享受するために導入しておきたい設備や生活上の工夫を紹介します。

太陽光発電・蓄電池を導入する

  • 停電時にライフラインが使えない
  • 日中の電気料金が割高

オール電化のデメリットであるこの2つを補うために有効なのが、太陽光発電と蓄電池の導入です。

太陽光発電は、屋根にソーラーパネルを設置し、太陽の熱を電気に変える発電システムです。太陽が出ている日中は自家発電の電気を使えば、割高な電気代を払う必要がありません。

ソーラーパネルだけでは、発電した余剰電力を貯められませんが、蓄電池があれば余剰電力を貯められるようになり、家庭内で効率良くエネルギーを循環できます。

また、太陽光発電と蓄電池があれば、停電時にも一定量の電力を確保できます。停電時にライフラインが使えないという、オール電化住宅の弱点を補うことも可能です。

断熱性・気密性を高める

オール電化住宅で光熱費を削減するためには、高気密高断熱の建物であることも重要です。

オール電化住宅を建てたとしても、建物の断熱性や気密性が低いとエネルギーロスが発生。冬は暖かい空気が外に逃げ、夏は暑い熱が室内に入ってきます。
結果として、快適な室温を維持するための光熱費が上がることになるのです。

オール電化住宅の空調機器には、エアコン、ヒートポンプ式温水床暖房、蓄熱暖房機などがあります。いずれの空調設備を使うとしても光熱費を抑えるためには、エネルギーロスが起きにくい建物であることが大切です。

こまめにエコキュートの設定を変える

エコキュートは上手に使えば、給湯にかかる電気料金を節約できます。節約のポイントは、以下のとおりです。

  • 適切な湯量を把握し、日中の沸き増しをしない
  • 季節によってエコキュートの設定を変える
  • 太陽光発電がある場合は、余剰電力での沸き上げを優先する

とくに、一年を通して設定を変えないと、無駄なエネルギーを消費してしまいます。湯量を多く使う冬は沸き増しをしなくて済むように設定し、太陽光発電の発電量が増える夏は省エネモードや沸き上げる湯量を減らすなどの工夫をして、消費するエネルギー量を上手くコントロールしましょう。

オール電化の仕組みをよく知り、導入の検討を

オール電化住宅で、光熱費を抑えつつ快適に暮らすためには、夜間電力を上手に活用することがポイントです。

エコキュートの沸き上げ、ドラム式洗濯乾燥機や食器洗い乾燥機など、タイマー設定が可能な家電製品は積極的に予約運転を活用し、夜間に稼働させましょう。

また、日中の電気使用量が多いご家庭では、太陽光発電を導入すると割高な電気料金を払わずに済みます。さらに蓄電池があれば、余剰電力を蓄えることも可能です。

しかし、初期費用が高額になるため、住宅ローンの返済計画については十分に検討する必要があります。

この記事のポイント

どうすればオール電化住宅にできる?

オール電化住宅にするためには、IHヒーターとエコキュートを導入し、ガス契約が不要の住まいにすることが必要です。

詳しくは「オール電化住宅とは?」をご覧ください。

オール電化住宅はどんなデメリットがある?

まず、初期費用が高額なことが挙げられます。また、日中の電気使用量が多い場合は電気料金が高くなってしまう可能性もあります。

詳しくは「オール電化住宅のデメリット」をご覧ください。

オール電化住宅のデメリットを解消するにはどうしたらいい?

自家発電設備である「太陽光発電」と電気を貯められる「蓄電池」を導入すると、日中の電気料金を抑えられ、余った電力を蓄電池に蓄えることができます。

詳しくは「オール電化で後悔しないために!デメリットを解消するポイント」をご覧ください。

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