ざっくり要約!
- 不動産所得者は「300万円超500万円以下」や「500万円超1,000万円以下」の割合が多い
- 不動産所得は家賃収入のことではなく、賃料から必要経費を差し引いた利益を指す
不動産経営者の所得である「不動産所得」の平均額は、547万円です。
不動産所得は「300万円超500万円以下」が24.1%となっており、全体の中で最も多い年収ゾーンとなっています。
不動産所得はあくまでも収入から必要経費を引いた利益であるため、実際の手残りがいくらかは人によって大きく異なります。
不動産経営で実質的な年収を増やすには、所得(利益)と手残りの違いを知っておくことも必要です。
この記事では、「不動産経営の年収」について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
不動産経営で得られる平均年収の目安

個人の所得は、給与所得と不動産所得、事業所得、譲渡所得、退職所得、雑所得、山林所得、利子所得、配当所得、一時所得の10種類に分類されます。
このうち、アパート等の賃貸経営で得られる所得が不動産所得です。
不動産所得は家賃収入のことではなく、賃料から必要経費を差し引いた利益を指します。
不動産所得 = 収入金額 - 必要経費
国税庁※では、不動産所得の平均額を公表しています。
※:国税庁「令和5年分 申告所得税標本調査」
国税庁によると、2023年における不動産所得者の平均額は「547万円」です。
過去3年分の不動産所得金額の平均額の推移を示すと、下表のようになります。
| 年 | 不動産所得平均額 |
|---|---|
| 2021年 | 542.7万円 |
| 2022年 | 542.5万円 |
| 2023年 | 547.1万円 |
2023年の給与所得者(サラリーマンの給料)の平均額は751.9万円であるため、平均所得金額で捉えると不動産所得の方が給与所得よりも低いということになります。
また、不動産所得者の金額別の構成割合を示すと、下表の通りです。
| 不動産所得額 | 割合 |
|---|---|
| 100万円以下 | 5.3% |
| 100万円超200万円以下 | 18.6% |
| 200万円超300万円以下 | 16.9% |
| 300万円超500万円以下 | 24.1% |
| 500万円超1,000万円以下 | 23.4% |
| 1,000万円超2,000万円以下 | 8.8% |
| 2,000万円超5,000万円以下 | 2.5% |
| 5,000万円超1億円以下 | 0.3% |
| 1億円超 | 0.1% |
不動産所得者は「300万円超500万円以下」や「500万円超1,000万円以下」の割合が多く、主たるボリュームゾーンとなっています。
不動産経営で得られる収入の主な内訳
不動産所得の収入には、以下のようなものが挙げられます。
- 家賃
- 共益費または管理費
- 礼金
- 更新料
- 駐車場使用料
- 自動販売機設置料や看板設置料、インターネット使用料等(物件による)
借主から預かっている敷金は、返還義務があるため、収入ではありません。
・「家賃収入」に関する記事はこちら
家賃収入とは?不動産投資による収益化までの流れと注意事項を解説
・「敷金礼金」に関する記事はこちら
敷金礼金とは?賃貸物件の入居時にかかる初期費用や退去時の費用もあわせて解説!
不動産経営で発生する支出の内訳

不動産所得を計算するにあたり、一般的に必要経費として認められる支出の費目には以下が挙げられます。
- 公租公課
- 損害保険料
- 修繕費
- 入居者募集費用
- 管理委託料
- 共用部の水道光熱費
- 共用設備の維持費
- 通信費・旅費交通費・接待交際費・新聞図書費・消耗品費
- ローン保証料
- 借入金利子
- 減価償却費
必要経費は、「借入金利子」と「減価償却費」の2つが大きなポイントです。
借入金に関しては、利子部分は必要経費になりますが、元本部分は必要経費になりません。
借入金はを借りたときに収入とならず課税されないのと同じ理屈で、返しても経費とならず節税できないということです。
減価償却費とは、建物の取得原価を各会計期間に費用として配分することで生じる会計上の費用のことを指します。
減価償却費は、初年度の建築時や建物取得時は建物代として支出しますが、2年目以降は実際に支出を伴わない費用です。
しかしながら、会計上の費用であるため、不動産所得を計上する上では必要経費として計上でき、所得税も節税することができます。
つまり、賃貸経営では実際に支出を伴うのに経費にならない借入金元本返済と、実際に支出を伴わないのに経費になる減価償却費の2つがあるということです。
不動産所得は、家賃収入から減価償却費はを差し引きますが、借入金元本返済は差し引かずに計算される金額になります。
そのため、不動産所得の平均額が547万円といっても、実際の手残り(キャッシュフロー)が547万円とは限りません。
キャッシュフローは、借入金の元本返済額が減価償却費よりも多い人であれば547万円よりも少なくなります。
一方で、借入金の元本返済額が減価償却費よりも少ない人であれば、キャッシュフローは547万円よりも多いです。
・「住宅ローンを組む銀行の選び方」に関する記事はこちら
住宅ローンを組む銀行の選び方は?金利やポイントを解説
不動産経営の年収シミュレーション

賃貸経営における支出は、家賃収入に対する割合に概ねの相場があります。
| 区分 | 項目 | 家賃収入に対する割合 |
|---|---|---|
| 経常的に生じる費用 |
| 10~15% |
| 偶発的に生じる費用 |
| 10~15% |
| 借入金 |
| 40~60% |
不動産所得で必要経費として認められる部分のうち、減価償却費を除いた「経常的に生じる費用」と「偶発的に生じる費用」の合計は家賃収入に対して20~30%程度です。
借入金の返済額は借入金の額にもよりますが、都市部で土地所有者がアパート経営を行った場合は家賃収入に対して40~60%となるケースが比較的多いといえます。
例えば、家賃収入に対して、「経常的に生じる費用」と「偶発的に生じる費用」の合計が家賃収入に対して20%、借入金の元本返済額が家賃収入に対して50%だとします。
この場合、キャッシュフローを計算する上での支出が家賃収入に対して70%になります。
家賃収入が毎月100万円の場合、年間家賃収入は1,200万円となります。
キャッシュフローの支出が家賃収入に対して70%とすると、手残りは360万円(=1,200万円×(1-70%))ということです。
不動産経営のメリット3つ

この章では、不動産経営のメリットについて解説します。
長期にわたり継続した収入がある
不動産経営は、長期にわたり安定的な収入を得られる点がメリットです。
収入の見通しが立てやすいため、借入金を組んで大きな物件に投資をすることができます。
節税効果が高い
収益物件を持つと、相続税の節税効果があります。
また、不動産所得が赤字となった場合、損益通算という手続きにより所得税を節税することもできます。
インフレでも資産価値を維持しやすい
インフレとは、不動産のようなモノの価値が上がり、現金の価値が下がる現象です。
インフレ時は不動産を保有しておけば価値が上がっていくため、インフレ対策となります。
・「不動産投資とインフレ対策」に関する記事はこちら
【2025年最新版】不動産投資とインフレ対策|資産保全に有効な理由とは?
不動産経営の注意点3つ

この章では、不動産経営の注意点を解説します。
空室がでると収益が減る
賃貸経営では、空室が生じると収益が下がります。
空室を発生させないためには、極力、立地の良い物件に投資をすることが適切です。
借入金額が多く金利の影響を受けやすい
借入金を変動金利で組むと、金利の影響を受けやすいです。
今後、金利は上がる可能性があるため、一部は固定金利で組んでおく等の対策が必要となります。
入居者トラブルが起こる可能性がある
賃貸経営では、入居者トラブルが発生する可能性があります。
入居者トラブルを最小化するには、実績豊富な管理会社に管理を委託し、適切な入居審査を実施してもらうことが対策となります。
不動産経営を成功させて年収を増やすコツ

最後に、不動産経営を成功させて年収を増やすコツを紹介します。
自己資金を増やす
同じ物件を購入しても、実際の手残り(キャッシュフロー)は借入金の返済額によって異なります。
借入金の返済額が少ないほど、手取りは多いです。
そのため、自己資金を十分に用意してから投資をすることが手取り収入を増やすコツとなります。
空室対策をする
賃貸経営は、満室が収入の最大値となることから、極力空室を発生させないことが年収を増やすコツです。
空室を発生させないためには、まずは立地の良い物件を購入することが重要となります。
賃貸需要は立地の良い場所に偏在するため、物件は築年数よりも立地を優先して選ぶべきです。
また、賃貸仲介に強い管理会社に管理を委託することも空室対策となります。
管理会社は、実績等を調べたうえで慎重に選定することが望ましいです。
節税対策をする
最終的な手残りを増やすには、所得税を節税することもコツです。
所得税を節税するには、必要経費をもれなく計上することが適切となります。
通信費や旅費交通費、接待交際費、新聞図書費、消耗品費といった費目は賃貸経営と関連する支出であれば経費計上することが可能です。
これらの費目は家事消費(個人的な支出のこと)と混同されやすいため、記録や領収書をしっかりと残し、税務署に対してきちんと説明できるようにしておきます。
経営に必要な知識を身に着ける
賃貸経営を行うには、最低限必要な知識は身に着けておくことが望ましいです。
特に、借入金の元本返済額や減価償却費の特徴を知っておくことがポイントとなります。
・「不動産の減価償却」に関する記事はこちら
不動産の減価償却とは?耐用年数や定額法での計算方法をわかりやすく紹介
まとめ
以上、「不動産経営の収入」について解説してきました。
不動産所得の平均金額は、547万円です。
不動産所得は家賃収入から必要経費を差し引いたものであり、必要経費には減価償却費を含み、借入金の元本返済額は含まない点が特徴となります。
不動産経営のメリットには、収入が安定している、インフレ対策になる等がありました。
一方で注意点は、空室リスクがある、入居者トラブルがある等です。
不動産経営の収入を知るにあたり、参考にして頂ければと思います。
この記事のポイント
- 不動産経営の平均年収は?
国税庁によると、2023年における不動産所得者の平均額は「547万円」です。
2023年の給与所得者(サラリーマンの給料)の平均額は751.9万円であるため、平均所得金額で捉えると不動産所得の方が給与所得よりも低いということになります。詳しくは「不動産経営で得られる平均年収の目安」をご覧ください。
- 不動産経営のメリットは?
不動産経営は、長期に安定的な収入を得られる点がメリットです。
収入の見通しが立てやすいため、借入金を組んで大きな物件に投資をすることができます。詳しくは「不動産経営のメリット」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
賃貸物件の利回りには一定の相場があるため、不動産の年収は資産規模が大きくなるほど増えることになります。簡単にいうと、不動産経営の年収を増やすには、資産規模を拡大することが必要です。
昨今のようなインフレ基調のときは、売却すると購入時の価格よりも高く売れる可能性が高いため、買い替えによって資産規模を拡大しやすいといえます。借入金は売却によって完済でき、自己資金も増やせる可能性が高いです。不動産経営で年収を増やしたい場合には、より大きな物件への買い替えも検討していくことをおすすめします。

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