2026.09.02

#リスク管理#不動産投資#収益物件

中古不動産投資における「契約不適合責任」の概要と買主の留意点

中古不動産投資における「契約不適合責任」の概要と買主の留意点

ざっくり要約!

  • 不具合の有無だけでなく、契約書に明記し合意していたかが責任の境界線となる。
  • 免責特約の有効性は誰が売主なのかによって変わる。
  • リスクヘッジとしてインスペクションは有効だが、代替策が必要な場合もある。

中古不動産投資において、物件の引き渡し後に思わぬトラブルを防ぐため、必ず押さえておきたいのが「契約不適合責任」です。

2020年の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」から移行したこの制度では、買主の権利が拡充されると同時に、売主の責任範囲も見直されました。

万が一、物件の購入後に雨漏りやシロアリ被害などの欠陥が発覚した場合、売主が適切な対応を取らなければ、想定外の修繕費用によってキャッシュフローや利回りが大きく損なわれるリスクがあります。

この記事では、契約不適合責任の定義や買主の4つの権利、免責特約の有効性と限界、さらにインスペクションなどの実務的な対策などについて解説します。

不動産取引における「契約不適合責任」とは

不動産投資で中古物件の購入を検討する際、「引き渡しを終えた後に、思わぬ不具合が見つかったらどうしよう」という不安を抱える方は少なくありません。

不動産の取引においては大きなお金が動くからこそ、物件購入後のトラブルは投資の成否に直結します。そうした万が一の事態から買主を法的に守るための重要な仕組みが「契約不適合責任」です。

まずは、この制度がどのようなものなのか、基本となる定義や判断基準から解説します。

種類・品質・数量に関する契約不適合の定義

契約不適合責任とは、売買契約に基づいて引き渡された目的物が、契約書に定められた「種類」「品質」「数量」と合致していない場合に、売主が買主に対して負うべき法的責任のことです。

不動産売買における売主の義務は、単に「現物の不動産を引き渡す」ことだけではなく、「契約書で約束した通りの状態の不動産を引き渡す」ことであると考えられています。

契約で交わした約束が果たされていない状態は「債務不履行(契約違反)」とみなされるため要注意です。具体的には、以下のようなケースがそれぞれの不適合に該当します。

種類に関する不適合

木造の一棟アパートを購入する契約を結んだにもかかわらず、実際には軽量鉄骨造の物件が引き渡されたようなケースです。

品質に関する不適合

「通常の居住に問題がない」という前提で契約した物件であるにもかかわらず、引き渡し後に雨漏りやシロアリ被害など、建物の安全性や機能に重大な欠陥が見つかったケースです。

数量に関する不適合

売買契約書に記載されている土地の面積や専有面積が、引き渡し後の実際の測量値よりも不足していたというケースです。

「瑕疵担保責任」との違い

契約不適合責任と、2020年4月の民法改正前に使われていた「瑕疵担保責任」との最大の違いは、売主が負う責任の本質が「契約違反(債務不履行)」であると明確に位置づけられた点にあります。

旧法における「隠れた瑕疵(買主が注意しても気付けなかった欠陥)」という曖昧な概念を廃止し、「契約書の内容そのものに適合しているかどうか」を取引の基準にする仕組みへと変わりました。

例えば瑕疵担保責任が問われた時は、物件に不具合が見つかった際、それが「隠れていた欠陥だったのか」「買主に気づけなかった落ち度(過失)はなかったか」という点が激しく争われました。

しかし現在の契約不適合責任では、不具合の有無自体だけでなく、「その不具合が契約書に明記され、双方納得のうえで合意していたか」が重要な焦点となります。

さらに、旧法では原則として「損害賠償」と「契約解除」しか認められていませんでした。

一方で、新法では「不具合の修繕を求める権利(追完請求)」や「不具合の度合いに応じた値引きを求める権利(代金減額請求)」が新設されています。

民法改正によって「契約書に何が書かれているか」がこれまで以上に重視されるようになったと言えるでしょう。

「契約内容への適合」の判断基準

物件に何らかの不具合があった際、それが「契約内容に適合していない(売主側の責任)」とみなされるかどうかの境界線は、単に物理的な傷や古さだけでなく、契約書の記載内容や取引の目的、価格などを総合的に考慮して判断されます。

中古不動産は時間の経過とともに経年劣化していることが当然であり、単に「設備が古い」「床に細かな傷がある」という理由だけで、全てを売主の責任にできるわけではありません。

例えば、築40年の木造アパートを「リフォーム工事を行うことを前提に、現状有姿(ありのままの状態)で相場より大幅に安く購入する」内容の契約を結んだとします。

この場合、引き渡し後に多少の床の傾きやクロスの剥がれが見つかったとしても、それは取引の文脈や価格から予想できる範囲内であるとみなされ、契約不適合には当たらない可能性が高いです。

しかし、契約書の中に「主要構造部に傾きや重大な不具合はなし」と明確に記載されていたり、事前の説明が一切ないまま、賃貸経営が不可能なほど致命的な欠陥が発覚したりした場合は、契約内容に適合していないと判断されます。

不動産投資で発生しやすい契約不適合の具体例

不動産投資の実務において、契約不適合として特に問題になりやすいのは、事前の内見(目視)では気付きにくい建物の内部欠陥や、土地・周辺環境に潜む目に見えないトラブルです。

大半の買主は、収益物件を購入後すぐに賃貸経営を進めます。物件に致命的な欠陥が隠れていると、入居者からのクレームや突然の退去、想定外の巨額な修繕費の発生に直結してしまうでしょう。

典型的な契約不適合の具体例としては、以下のようなものがあります。

建物の品質不適合

屋根のひび割れや防水層の劣化による「雨漏り」、建物の土台を蝕む「シロアリ被害」、壁の内部や床下を通る給排水管の老朽化から起こる「漏水」などは、引き渡し後に発覚しやすい事象の代表例です。

土地や境界の不適合

敷地の地下から過去の建物のコンクリート破片や古い瓦礫、杭などが発見される「地中埋設物(土壌汚染含む)」や、隣地との境界線が曖昧でトラブルに発展する「境界不適合」なども、契約不適合の代表例です。

心理的・環境的瑕疵

過去に室内で事件や事故、孤独死などが発生していたことを知らされていなかった「心理的瑕疵」や、隣人に深刻なトラブルメーカーがいるといった「環境的瑕疵」も、事前の告知がなければ契約不適合とみなされる場合があります。

買主が売主に対して請求できる4つの権利

万が一、購入した中古投資物件に契約書と異なる不具合や欠陥が見つかった場合、買主はただ泣き寝入りをする必要はありません。

法的な保護に基づき、買主は売主に対して対応を求めることが可能です。2020年の民法改正によって、買主が取れる手段は「4つの権利」として整理され、より行使しやすくなりました。

1.追完請求権

追完請求権(ついかんせいきゅうけん)とは、引き渡された物件に契約内容と異なる不備があった際、売主に対してその不具合を修繕し、完全な状態にするよう求める権利です。

不動産売買契約における売主の最も根本的な義務は、「契約書で約束した通りの品質や状態の物件を届けること」です。このため、不完全な部分があればそれを補うのが当然の義務とされています。

例えば、物件の引き渡し後に、契約書に記載のなかった「雨漏り」や「給排水管の故障」が発覚した場合がこれに該当します。

このとき買主は売主に対して、屋根の防水工事や配管の交換といった「修補(修理)」を具体的に請求できます。また、土地の面積が契約より不足していた場合に、不足分の土地を追加で引き渡すよう求めるケース(不足分の引渡し)も追完請求の一種です。

なお、追完請求ができるのはあくまで「契約書に記載された通りの状態に戻す(修補する)」ことであり、元の状態以上の性能へグレードアップさせることや、修繕の機会を与えずに直ちに契約を解除することは原則としてできません。

2.代金減額請求権

代金減額請求権(だいきんげんがくせいきゅうけん)とは、物件の不具合について追完(修繕)を求めたにもかかわらず売主が対応しない場合、その不適合の度合いに応じて売買代金の値引きを請求できる権利です。

売主が不具合を直してくれない、あるいは構造上の問題などで物理的に修理が不可能な場合、当初の満額の購入代金を支払うのは買主にとって不公平であり、経済的なバランスを取る必要があります。

例えば、前述のシロアリ被害や雨漏りについて売主に修繕を催告したにもかかわらず、相当な期間が経過しても対応してもらえない場合にこの権利が役立ちます。

買主は「売主が直さないのであれば、自分でリフォーム会社に依頼して直すので、その修繕実費に相当する額を物件価格から差し引いてください」と法的に値引きを求めることが可能です。

3.契約解除権

契約解除権(けいやくかいじょけん)とは、引き渡された物件の不適合が重大であり、その物件を購入した本来の目的を達成できない場合に、売買契約そのものを白紙に戻す権利です。

投資判断を根本から覆すような、致命的な欠陥がある物件を無理に抱え続けても、買主が求める「安全な不動産投資」や「安定した賃貸経営」を行うことは不可能です。この解除権には、実務上2つのパターンがあります。

催告解除(さいこくかいじょ)
軽微とは言えない不具合について、売主に「〇月〇日までに直してください」と猶予期間を与えて催告したにもかかわらず、期間内に修繕がなされない場合に行う解除です。

無催告解除(むさいこくかいじょ)
建物の主要な土台が完全に腐朽しており修理そのものが不可能な場合や、売主が「絶対に修理しない」と明言している場合など、催告をしても意味がないときに期間を待たず即座に行う解除です。

4.損害賠償請求権

損害賠償請求権(そんがいばいしょうせいきゅうけん)とは、契約不適合によって買主に具体的な実害(経済的損失)が生じ、かつその原因について売主に過失(落ち度)がある場合に、その損害を金銭で補填するよう求める権利です。

物件そのものの修理(追完)や値引きだけでは、不具合によって二次的に発生してしまった周囲への被害や経営上の損失までを、完全にカバーすることはできません。

不動産投資の実務において特に重要なのは、民法改正により損害賠償の範囲が「履行利益(りこうりえき)」にまで拡大された点です。

旧法では「もし欠陥がなければ発生しなかった費用(調査費など)」という限定的な範囲(信頼利益)が主流でしたが、現行法では「契約が完全に履行されていれば得られたはずの利益」も対象になります。

例えば、引き渡し直後に隠れた漏水事故が発生し、その修繕対応のために既存の入居者が一時退去せざるを得なくなった場合、修繕費だけでなく「途絶えてしまった期間の家賃収入」や「入居者へのホテル代などの補償費用」まで請求できる可能性があります。

買主が見落としやすい「期間制限」と「免責の限界」

契約不適合責任は、購入した物件に不具合があった際に買主を強力に守ってくれる権利です。しかし、決して「いつでも」「どのような物件でも」無制限に使えるわけではありません。

法律にはタイムリミットが設けられているほか、中古不動産投資の実務では「免責特約(責任を負わない合意)」が交わされることも多いため、その限界を知っておく必要があります。

通知義務と消滅時効

契約不適合責任を追及するためには、不具合を見つけてから「1年以内」に売主へその事実を通知しなければならないという期間制限があります。

物件の引き渡しから何年も経った後に、いつでも過去の欠陥について修繕や補償を請求できる状態にしておくと、売主の立場がいつまでも不安定になり、取引の公平性が損なわれるからです。

買主は、不具合の存在を「知った日」からカウントして1年以内に売主へ「ここに契約と違う不具合があります」と書面などで通知を行う必要があります。

さらにこれとは別に「消滅時効」のルールもあり、買主が不適合を知っているかどうかにかかわらず、物件の引き渡し(権利を行使できる時)から5年、または不適合が発生してから10年が経過することでも権利は完全に消滅します。

売主の属性で変わる免責特約の有効性

売買契約書に記載される「契約不適合責任を負わない」という免責特約が、法的にどこまで有効であるかは、物件の売主がどのような立場(属性)の人かによって大きく変化します。 

民法の規定は当事者間の合意で変更できる「任意規定」であるため、原則として免責をつけるかどうかは自由です。

しかし、売主と買主との間に知識や情報の大きな差がある場合は、買主を一方的な不利益から守るために「宅建業法」や「消費者契約法」といった法律による制限がかかります。

具体的には、売主の属性によって以下のように有効性のラインが変わります。

売主が「一般の個人」の場合

中古の投資用物件の取引で最も多いケースですが、お互いが納得して合意していれば「売主は一切の契約不適合責任を負わない」という完全免責の特約も有効になります。 実務上の契約書では、責任期間を「引き渡しから3ヶ月間」と定める特約を設けるのが一般的な慣行となっています。

売主が「宅建業者(不動産会社)」の場合

プロである不動産業者が売主となる場合、買主が個人か法人かに関わらず、引き渡しから最低でも「2年以上」の責任期間を設けなければならないと宅建業法で定められています。これにより買主に不利な免責特約はすべて無効になります。

売主が「不動産業者以外の法人(事業者)」で、買主が「個人」の場合

企業の福利厚生施設の売却などがこれに該当しますが、買主が消費者の立場になるため消費者契約法が適用され、「法人は一切責任を負わない」とする完全免責の特約は無効になります。

売主が知りながら告げなかった不適合の扱い

売買契約書の中に「一切の責任を負わない(完全免責)」という特約が明記されていても、売主がその不具合を「知りながら買主に隠していた」場合は、その免責特約は法律上すべて無効になります。

物件に致命的な欠陥やトラブルがあることを認識していながら、それをあえて告げずに売却して責任だけを免れようとする行為は、信義誠実の原則(信義則)に反する行為であり、法律によって保護する価値がないと判断されるからです。

こうした隠蔽トラブルを未然に防ぐためには、物件の過去の修繕履歴が書面によって開示されているかを確認するとともに、適切な情報開示を促してくれる仲介会社をパートナーに選ぶことが必要になります。

投資用物件の購入・売却時における実務的な対策

投資用物件 購入 売却 対策

不動産投資において、契約不適合責任に関わるトラブルを防ぐためには、単に法律を理解するだけでなく、実務的な防衛策を講じることが重要です。

特に中古物件や築古物件の運用では、事前の書面チェックや物件調査の精度が、その後のキャッシュフローの安定性を左右します。

物件状況等報告書・設備表・レントロールの精査

投資物件の購入検討時には、物件状況等報告書、設備表、そしてレントロールなどを確認することが実務上の重要な防衛策になります。

上記の書面は物件の現在のコンディションや過去のトラブル履歴、そして実際の収益力を表す一次情報であると言えるでしょう。

例えば、物件状況等報告書に「過去に雨漏り履歴あり(補修済)」と書かれていれば、それは契約時の前提として双方が合意したことになり、引き渡し後に同じ場所から雨漏りしても売主へ責任追及はできなくなります。

また、設備表でエアコンや給湯器の有無・故障状態を確認し、さらにレントロール(賃貸借条件一覧表)に記載された賃料や特約に実際の賃貸借契約とのズレがないかを確かめておくことで、数量や権利に関する不適合トラブルを防げます。

・「物件の選び方」に関する記事はこちら
不動産投資で成功する物件の選び方|優良物件を見極めるポイントと現地調査のコツ

売買契約書における「免責特約」の確認とリスク評価

買主として売買契約書に盛り込む「免責特約」を確認する際は、その特約がご自身の許容できるリスクの範囲内にあるか、見極めることが必要です。

中古不動産投資では、売主が個人の場合などに免責特約を設定することが一般的です。しかし、免責の範囲が曖昧なまま合意すると、予期せぬ修繕コストをすべて買主側で負担することになりかねません。

例えば、契約書をチェックする際は「建物構造の主要部分(柱や梁、屋根など)については引き渡し後3ヶ月間のみ売主が責任を負い、その他の設備に関しては一切免責とする」など、具体的な文言になっているかを確認します。

単に「現状有姿のまま取引し、売主は一切の責任を負わない」など大雑把な免責表現になっている場合は、万が一の際のリスク範囲が広すぎると言えるでしょう。

どの項目が免責でどの項目が保証対象なのかを仲介会社とともに細かく切り分ける必要があります。

キャッシュフローを揺るがす「付帯設備」の故障と免責特約の注意点

室内のエアコンや給湯器などの「付帯設備」については、建物本体の契約不適合責任とは切り離して、特約の条件を確認しておくことが実務上重要です。

中古投資物件の売買では、建物の主要構造部(雨漏りなど)に一定の保証期間が設定されていても、個別の付帯設備に関しては「一切の責任を負わない(付帯設備免責)」と特約で除外されるケースが少なくありません。

引き渡し直後の突発的な交換費用は、買主の初期のキャッシュフローに直接影響を与えます。

例えば、一棟アパートを購入した直後に複数の部屋でエアコンや給湯器が同時に故障した場合などは、付帯設備免責の特約が結ばれていると、売主に修理を請求できません。

このようなトラブルを防ぐためには、事前に各室の付帯設備の設置年数や稼働状況を把握し、あらかじめ将来の交換費用を運用シミュレーションに織り込んでおく必要があります。

引き渡し後のトラブルによる事業計画のブレを防ぐためにも、付帯設備の免責条件をあらかじめ見越したうえで、手元資金を十分に確保しておく心構えが必要です。

「インスペクション」の活用

中古投資物件の購入リスクを低減させるため、専門家による「インスペクション(建物状況調査)」を利用するのも有効です。

建築士などのプロの目で建物の基礎や外壁、雨漏りの兆候などを客観的に診断してもらうことで、目視では分かりにくい品質上の不適合リスクを契約前に洗い出せます。

ただし、投資用物件(収益物件)においては、すでに満室であるなど「購入時に入居者がいる場合、室内検査への協力が得づらい」「入居者への依頼自体、売主に難色を示されやすい」「入室できた場合でも、家具等により十分な検査を行えない恐れがある」といった収益物件特有の制約に要注意です。

また、インスペクションは当然の対策としていつでも実施できるわけではありません。売主へ依頼する際は「入居者の都合やプライバシーを最大限配慮する姿勢」を前提として示しながら、管理会社を通じて可能な範囲での協力を打診するのが妥当です。

インスペクションが実施できない場合の代替策

オーナーチェンジ物件などでインスペクションを実施できない場合は、「インスペクションをできないことによる不確定要素を織り込んだ価格交渉」などを代替策として提示することが実務的なアプローチとなります。

室内を物理的に確認できない以上、引き渡し後に一定の不具合が発覚するリスクが残るため、そのリスクをあらかじめ購入価格の引き下げやリフォーム予算の確保という形で相殺しておく必要があるからです。

「室内の検査ができないリスクを考慮し、将来の設備更新費用として〇〇万円分の値引き、または容認事項としての価格調整をお願いしたい」と交渉を進めることが有効です。

また、引き渡し後に一定期間の設備故障をカバーしてくれる、不動産会社などが提供する「設備保証サービス」の利用を契約条件に加えるのも良いでしょう。

事前に室内の検査ができないからといって購入を諦めるのではなく、不確定なリスクの軽減策を書面や価格交渉の中に織り込み、プロの仲介会社と連携しながら事業計画全体の安全性を担保していくことが重要です。

・「オーナーチェンジ」に関する記事はこちら
オーナーチェンジ物件とは?概要とメリット・デメリットを解説
オーナーチェンジ物件が売りに出される理由とは?個人投資家が見落とせないリスクとチャンス

まとめ

2026年時点の民法における不動産取引では、単に物理的な不具合の有無だけでなく、「その状態が契約内容と適合しているか、双方が合意のうえで書面に残していたか」が法的責任の境界線になります。

なお、買主から売主の責任を問うためには、原則として不具合を知った時から1年以内の通知が必要です。

不具合の有無を事前に確認するためにはインスペクションの実施が有効です。ただし、状況によってはインスペクションを実施できないこともあります。実施できない場合は、リスクを織り込んだ価格交渉へ切り替えるなど柔軟な妥協策が必要です。

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ワンポイントアドバイス

リスク対策にばかり気を取られていては、本来であれば進む投資もなかなか進まないものです。どうしても契約不適合のリスクが不安、リスクヘッジに限界があるという場合は、リスクを価格交渉の材料にするという考え方が有効になります。

大切なのは契約不適合リスクの有無そのものではなく、リスクをあらかじめ事業計画のバッファや購入価格に織り込めているかが重要です。プロの仲介会社と連携して、リスクを数字でコントロールする意識を持ちましょう。

信頼できるプロの仲介会社を見つけることは、リスク管理の第一歩です。東急リバブルの投資専門窓口では、リスクを考慮した事業計画の立案や物件選定をプロの視点からサポートしています。専門的なアドバイスを積極的に活用し、自身の投資戦略をより強固なものにしていきましょう。
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この記事のポイント

Q. 不動産取引での「契約不適合責任」とはなんですか?

A. 契約不適合責任とは、売買契約に基づいて引き渡された目的物が、契約書に定められた「種類」「品質」「数量」と合致していない場合に、売主が買主に対して負うべき法的責任のことです。詳しくは「不動産取引における「契約不適合責任」とは」をご覧ください。


 Q. 「契約不適合責任を負わない」という免責特約は有効ですか?

A. 売主の属性によって有効性が変わります。売主が一般の個人であれば完全免責も有効ですが、宅建業者の場合は2年以上の責任期間が必要です。また、売主が不具合を知りながら隠していた場合は特約自体が無効になります。詳しくは「買主が見落としやすい「期間制限」と「免責の限界」」をご覧ください。


 Q.購入した中古投資物件に契約書と異なる不具合や欠陥が見つかった場合はどうしたら良いですか?

A.  法的な保護に基づき、買主は売主に対して対応を求めることが可能です。買主が取れる手段として「4つの権利」があります。詳しくは「買主が売主に対して請求できる4つの権利」をご覧ください。


 Q.投資用物件を購入・売却する時の対策はありますか?

A.  中古物件や築古物件の運用では、事前の書面チェックや物件調査の精度が、その後のキャッシュフローの安定性を左右します。詳しくは「投資用物件の購入・売却時における実務的な対策」をご覧ください。


 Q.購入前のインスペクションは必ず実施できますか?

A.  入居者がいる収益物件では、室内検査への協力が得づらいなどの制約から実施できない場合があります。その際は、リスクを織り込んだ価格交渉や設備保証サービスの活用が代替策となります。詳しくは「投資用物件の購入・売却時における実務的な対策」をご覧ください。

ライター:秦創平

海外も含めた不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門。秦 創平の記事一覧

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