中古マンション・中古戸建ともに成約件数が2桁増
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は5月10日、2024年4月度首都圏(1都3県)不動産市場の動向を発表しました。中古マンション、中古戸建ともに、前年同月と比べて成約件数は2桁増。成約価格も伸びています。一方、在庫物件の価格についてはいずれも下落傾向にあるようです。
首都圏中古マンション
項目 | 2024年4月成約物件の平均 | 対前年同月 |
---|---|---|
平米単価 | 78.08万円/㎡ | +11.3% |
件数 | 3,251件 | +10.1% |
価格 | 5,018万円 | +11.9% |
専有面積 | 64.27㎡ | +0.6% |
築年数 | 24.12年 | +0.1年 |
在庫件数 | 46,027件 | +0.9% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2024年4月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比+11.3%の「78.08万円/㎡」でした。成約平米単価の上昇は48ヶ月連続、成約件数の増加は11ヶ月連続です。2023年は、在庫件数が前年同月比10〜20%増で推移していましたが、2024年に入ってから伸び率は縮小しています。一方、在庫物件の平米単価は9ヶ月連続で下落しています。
エリア | 2024年4月成約㎡単価前年同月比 | 2024年4月成約件数前年同月比 |
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東京都区部 | +8.3% | +19.0% |
東京都多摩 | +4.2% | +3.8% |
横浜・川崎市 | +9.2% | +5.9% |
上記除く 神奈川県 |
+4.6% | -10.1% |
埼玉県 | +4.9% | +8.1% |
千葉県 | +11.3% | +2.2% |
(参考:東日本不動産流通機構)
成約平米価格は、すべてのエリアで上昇しました。とくに東京都区部、横浜・川崎市、千葉県の上昇率が高く、10%前後の伸び率となっています。東京都区部は、成約件数も+19.0%と大幅増。その他のエリアも、2023年と比べ、総じて成約件数が増加傾向にあります。
首都圏中古戸建
項目 | 2024年4月成約物件の平均 | 対前年同月 |
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価格 | 4,035万円 | +4.4% |
件数 | 1,223件 | +14.2% |
土地面積 | 149.46㎡ | +3.1% |
建物面積 | 104.18㎡ | -0.4% |
築年数 | 22.26年 | +0.56年 |
在庫件数 | 21,520件 | +26.1% |
(参考:東日本不動産流通機構)
中古戸建の成約件数は、前年同月比+14.2%と大幅増。2桁増は3ヶ月連続です。成約価格も同+4.4%で、3ヶ月連続の上昇となりました。一方、在庫件数はいまだに増加傾向にあり、在庫価格も11ヶ月連続で下落しています。
エリア | 2024年4月成約㎡単価前年同月比 | 2024年4月成約件数前年同月比 |
---|---|---|
東京都区部 | +15.0% | +15.5% |
東京都多摩 | -5.2% | +11.3% |
横浜・川崎市 | -1.3% | +15.2% |
上記除く 神奈川県 |
+10.5% | +12.6% |
埼玉県 | -2.6% | +16.0% |
千葉県 | -0.7% | +13.3% |
(参考:東日本不動産流通機構)
成約件数はすべてのエリアが大幅増となりましたが、一都三県の平均では前年同月比プラスとなった成約価格ですが、地域差があるようです。東京都区部および横浜・川崎市を除く神奈川県のみが大きく上昇し、その他のエリアは前年同月を下回っています。
“注目”の不動産ニュース
空き家数900万戸・空き家率13.8%で過去最大に
総務省は4月30日、2023年10月1日時点の空き家の数や空き家率を発表しました。それによれば、全国の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%。いずれも過去最大です。
空き家の数は30年間で約2倍に
(出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅概数集計(速報集計)結果」)
空き家数・空き家率の調査は5年に1度行われるもので、前回は2018年に実施されました。空き家の数は前回調査から51万戸増加し、900万戸に。総住宅数に占める空き家の割合を示す空き家率は13.8%で、0.2ポイント上昇しました。空き家の数は、1993年からの30年間で約2倍まで増加しています。
都道府県別の空き家率は、和歌山県と徳島県が21.2%で最も高く、賃貸・売却用を除く空き家率は鹿児島県が13.6%と最高となっています。一都三県は空き家率こそ全国平均より低いものの、住宅総数が多いため、空き家の数は決して少なくありません。
2023年末には空き家法が改正
(出典:政府広報オンライン)
2023年12月には、空き家対策特別措置法(空き家法)が改正されました。これにより、行政による助言や指導、勧告の対象となる空き家が「管理不全空き家」にまで拡大。勧告のタイミングでは「住宅用地の特例」が適用除外となり、土地の固定資産税や都市計画税が実質的に増税してしまいます。
住宅用地の特例固定資産税課税標準 | 都市計画税課税標準 | |
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小規模住宅用地(200㎡以下) | 1/6に減額 | 1/3に減額 |
一般住宅用地(200㎡超) | 1/3に減額 | 2/3に減額 |
空き家の増加によって周辺地域の防災や防犯、衛生環境の悪化が危惧されることはもちろん、不動産の相場価格が下がることも懸念されます。マンションであれば、空き家が増えることで管理不全に陥ってしまったり、建て替えなどの合意形成が難しくなったりすることも想定されます。
空き家は、一朝一夕に減らせるものではありません。不動産売買をされる方は、周辺エリアの空き家率にも注目し、今後の資産価値を考えたうえで売り時・買い時を検討することが大切です。