ざっくり要約!
- 銀行や信用金庫で住宅ローンを利用している場合は金利交渉に応じてもらえる可能性がある
- 現在返済している住宅ローンよりも低い金利で借り換えできる金融機関がある場合、金利交渉が進みやすくなる
住宅ローンを返済している方のなかには「借り換えまでは考えていないものの、今より金利を下げられないだろうか」と感じる方もいるのではないでしょうか。金利が下がれば毎月の返済負担を抑えられるため、家計管理の面でも重要なポイントになります。
この記事では、住宅ローンの金利交渉に適したタイミングや、実際の進め方についてみていきます。あわせて、交渉を行う際の注意点や押さえておきたいポイントについても解説します。
住宅ローンの見直しを検討する際の判断材料としてぜひ活用してください。
住宅ローンの金利交渉は状況次第で可能

住宅ローンの金利交渉は、借り入れている金融機関によって対応が分かれます。金利の見直しができる場合もあれば、制度上むずかしい場合もあります。
ここでは、交渉に応じてもらえるケースとそうでないケースをみていきましょう。
銀行・信用金庫で借りている場合は可能性がある
結論として、銀行や信用金庫で住宅ローンを利用している場合は金利交渉に応じてもらえる可能性があります。
実際に交渉を行った結果、1%以上の金利引き下げにつながったケースも珍しくありません。
引き下げ交渉ができる主な金融機関は次のとおりです。
- メガバンク
- 地方銀行
- 信用金庫
- ネット銀行
以前は金利交渉が進みにくいといわれていましたが、近年は借り換えを検討する方が増えたことで、他行へ移られるよりも良いと判断し、交渉に対応する金融機関が増えつつあります。
ただし、交渉を進める際は再審査が必要となるケースが多く、必ず通るとは限りません。
また、すでに最大限の優遇金利が適用されている場合は、これ以上金利を引き下げることはむずかしいでしょう。
フラット35で借りている場合は不可
フラット35を利用している場合、金利交渉はできません。
フラット35は独立行政法人住宅金融支援機構の支援を受けて提供される住宅ローンであり、個々の事情に応じて金利を変更する仕組みを採用していないためです。
なお、金利の引き下げはできなくても、返済期間の延長や返済額を一定期間だけ減らすといった返済方法の調整には対応しています。
金利そのものを見直したい場合は、民間金融機関への借り換えが選択肢になるでしょう。
・「フラット35」に関する記事はこちら
フラット35とは?メリットから手続きの流れまでわかりやすく解説
・「マイナス金利解除」に関する記事はこちら
マイナス金利解除!住宅ローン金利や不動産価格に与える影響は?
住宅ローンの金利交渉で成功しやすい状況とタイミング

住宅ローンの金利交渉は、申し出れば必ず応じてもらえるわけではなく、金融機関ごとに判断基準が異なります。ここでは、交渉が成功しやすい状況と相談するのに適したタイミングを解説します。
他行でより低金利で借り換えられる場合
現在返済している住宅ローンよりも低い金利で借り換えできる金融機関がある場合、金利交渉が進みやすくなります。
特に他行の仮審査に通過している状況は「実際に借り換えをする意思がある」という明確なサインとなり、金融機関にとって軽視できない材料です。借り換えの可能性が具体的であるほど交渉に有利となります。
また、相談時に仮審査結果がわかる資料を持参することで、比較がより明確になり、金融機関側も対応しやすくなるでしょう。
まとまった預金がある場合
融資を受けている銀行にまとまった預金がある場合、返済能力が高いと判断されて、金利の引き下げに応じてもらいやすくなります。
金利の判定では、返済能力や滞納リスクが重要な判断材料となるため、万一の事態が発生しても資金回収が見込める状況であれば、金融機関としても見直しがしやすいでしょう。
また、預金に加えて、株式や投資信託といった有価証券を保有している場合も評価につながります。
これらの資産について、残高証明書や取引明細など金額が確認できる資料を用意しておくことで、金融機関は返済の裏付けとなる資産を把握でき、判断がしやすくなります。
収入が増えている場合
昇給や転職をきっかけに、収入が増えるケースもあります。
借入時と比べて年収が明確に増えている状況であれば、返済能力が高まったと判断されやすく、金利交渉が進みやすくなります。
金利の見直しには再審査が必要となるため、収入面で以前より評価が上がっていることは、審査において有利に働くでしょう。
ただし、金融機関は収入額だけでなく、収入の継続性も重視します。
たとえば転職をしたばかりで勤務年数が短い場合は、返済能力の安定を判断する材料としては乏しく、評価を得られるのはむずかしいかもしれません。
一般的には、転職後の勤務期間が3年以上あるほうが、安定性の面で評価されやすいといえます。
住宅ローンの金利交渉をするタイミング
住宅ローンの金利交渉は、期末の決算が近い時期を選ぶと進めやすいとされています。
決算が集中する月は主に以下のとおりです。
- 3月
- 9月
このタイミングは銀行側が業績を意識する時期でもあり、場合によっては金融機関の担当者が相談内容を前向きに検討しやすくなります。
ただし、決算期は社内業務が増えることもあり、担当者の予定が埋まりやすい時期でもあります。交渉のための時間が取りにくい場合もあるため、早めの連絡やスケジュール調整が求められるでしょう。
住宅ローンの金利交渉の流れ

住宅ローンの金利交渉を効率的に進めていくためには、どのような手順で取り組むのかを理解しておくことが大切です。ここでは、実際に金利交渉を行う際の具体的な流れをみていきます。
1.金利をいくら引き下げてほしいか明確にする
金利交渉を行う際は、漠然と「金利を下げてほしい」と伝えるのではなく、具体的にどの程度の引き下げを求めるのかを決めておくことが重要です。
目安としては、今利用している金融機関の優遇金利や、他行が提示している金利を参考にすると判断しやすくなります。
たとえば「他行は〇〇%なので、こちらも今より1%下げてほしい」というように、根拠を示しながら明確に伝えることで、金融機関も検討しやすくなります。
実際に1%、金利が引き下がった場合の毎月の返済額と総返済額を試算してみましょう。
【現在の住宅ローンの詳細】
借入金:5,000万円
金利:2.0%
返済期間:25年
返済方式:元利均等方式
【金利引き下げ後の住宅ローンの返済状況】
借入金:5,000万円
金利:1.0%
返済期間:25年
返済方式:元利均等方式
| 現在 | 引き下げ後 | 差額 | |
|---|---|---|---|
| 毎月の返済額 | 約21万2,000円 | 約18万8,000円 | 約2万4,000円 |
| 総返済額 | 約6,360万円 | 約5,650万円 | 約710万円 |
このように、1%金利を引き下げることで、毎月2万円以上の返済負担を軽減できます。
ただし、数字に裏付けのない要望や、現実から離れた引き下げ幅を提示すると、話が進みにくくなる可能性があります。提示する金利や数字の根拠を整理し、現実的な範囲で相談するようにしましょう。
2.他行で借り換えの仮審査を受けて通過する
住宅ローンは、1つの金融機関としか契約できませんが、申し込みや仮審査については複数の金融機関で同時に進めることが可能です。
この仕組みを活用し、他行で金利の低い住宅ローンの仮審査を受けておくことで、金利交渉を有利に進められます。
仮審査はオンラインで手軽に申し込みできるケースも多いため、まずは気になる金融機関で仮審査を実施し、審査に通過した状態を作っておくとよいでしょう。
また、仮審査に複数通った際には、金利の低い金融機関から優先的に選び、通過を示す資料を準備しておくとより効果的です。
3.書類をそろえて金融機関の担当者と話す
金利交渉を進める際は、まず住宅ローンの担当者に連絡します。初回の契約時に担当してくれた担当者名がわかる場合は、その方に連絡するのがスムーズです。
もし担当者が不明な場合や、すでに異動・退職している場合は、融資を受けている支店の住宅ローン窓口に相談しましょう。
交渉にあたっては、現在の状況を把握できる以下のような書類を準備しておくと、スムーズに進められます。
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 源泉徴収票 | 収入が増えているかどうかを示す証拠になる |
| 他行の仮審査 | どの金融機関で、何%の金利で借り換え可能かがわかる |
| 資産が分かる書類(預金残高、投信残高等) | 返済能力を示す追加材料になる |
| 本人確認書類 | 受付時に求められる基本書類 |
書類をそろえたら、担当窓口で率直に金利の見直しをお願いしましょう。
交渉時は、次のポイントを具体的に伝えることが大切です。
- 他行の住宅ローン仮審査に通過している
- 金利が変わらない場合は借り換えも検討している
- もし見直しに応じてもらえるなら、現在の金融機関で継続したい
こうした情報を明確に伝えることで、担当者も柔軟に判断しやすくなり、前向きな交渉につながります。
4.交渉の結果で継続・借り換えを検討する
金利交渉がうまく進み、希望に近い水準まで金利が見直される場合は、そのまま現在の金融機関で継続します。
一方で、交渉が思うように進まなかった場合は「現在の金融機関で金利タイプを変更する」あるいは「他行へ借り換える」といった選択肢を検討する必要があります。
ただし、借り換えには次のような費用が発生します。
- 融資手数料
- 保証料
- 登記費用
- 印紙税
これらのコストを含めて総額でどちらが有利かを比較し、慎重に判断することが大切です。
また、借り換えの手続きには一定の事務作業や審査が伴うため、仕事とのスケジュール調整が求められます。そのため、費用と時間の両面を踏まえて検討する必要があるでしょう。
・「登記費用」に関する記事はこちら
不動産の登記費用の相場は?【計算シミュレーション付き】
・「住宅ローン借り換えのタイミング」に関する記事はこちら
住宅ローン借り換えのタイミングとメリット・デメリットについて
住宅ローン金利交渉での注意点やポイント

住宅ローンは、フラット35以外であれば金利交渉に応じてもらえる可能性があります。
ただし、実際に交渉する際には、事前に押さえておきたい点がいくつかあります。ここではそれぞれの注意点やポイントについて解説します。
交渉は必ず成功するわけではない
金利交渉を行っても、必ずしも希望どおりに引き下げてもらえるとは限りません。金融機関で再審査をした結果、見直しが認められないケースもあります。
とはいえ、仮に審査に通らなかったとしても、現在の金利が引き上げられるといった不利益が生じることはありません。
金利の引き下げに成功すれば、毎月の返済負担を軽減できます。こうしたメリットを考慮すると、一度金利交渉にチャレンジしてみる価値は十分にあるといえます。
信用情報が良好な状態を維持する
金利交渉で引き下げの方向性が示されたとしても、最終的には再審査に通過しなければ金利は見直されません。そのため、普段から信用情報を良好な状態に保っておく必要があります。
信用情報に影響しやすい行動として次の点に注意しておきましょう。
- クレジットカードの支払いを遅延しない
- 携帯端末の分割代金を延滞しない
- カードローンや各種ローンの返済を滞納しない
これらの情報はすべて信用情報機関に記録され、審査時の評価に反映されます。
小さな遅れでも記録に残るため、日頃から支払い漏れがないよう管理し、信用情報にキズをつけないよう注意しておきましょう。
・「住宅ローンの本審査に落ちる確率」に関する記事はこちら
住宅ローンの本審査に落ちる確率はどれくらい? 落ちたらどうなるの?
・「信用情報」に関する記事はこちら
住宅ローンで審査される信用情報とは? 調べられる内容と確認方法
強引に話を進めない
金利交渉では、強い口調で引き下げを求めたり、根拠のない金額を提示したりするのは避けるべきでしょう。このような態度は担当者に悪い印象を与え、対応が慎重になったり、関係性が悪化したりする原因にもなります。
あくまでも「相談させてほしい」という姿勢を大切にし、用意した資料や数字をもとに、丁寧に要望を伝えることが大事です。金融機関との信頼関係を損なわない対応が、今後の前向きな交渉につながります。
金利引き下げの手数料が発生するか確かめる
金利の引き下げに応じてもらえた場合でも、変更手続きに手数料が発生する場合があります。
そのため、交渉を進める前に「どの程度の費用が必要なのか」をあらかじめ確認しておくことが大切です。
一般的に、金利変更の手数料は極端に高額になることは少ないといわれています。
金利引き下げ後の返済額と手数料を比較し、トータルで費用を抑えられるかを確認したうえで交渉を進めていきましょう。
まとめ
住宅ローンの金利交渉は、利用している金融機関によって対応が変わります。銀行や信用金庫では交渉の余地がありますが、フラット35では制度上むずかしい点に注意が必要です。
交渉を進める際は、他行の仮審査結果や収入状況、預金残高などの根拠をそろえ、冷静に話し合う姿勢が求められます。
また、期末のタイミングを意識した相談や、信用情報を良好に保つ取り組みも、見直しの可能性を高められます。もし交渉の進め方に不安がある場合は、不動産会社やFPなどの専門家に相談することも有効でしょう。
この記事のポイント
- 住宅ローンの金利は交渉できますか?
結論として、銀行や信用金庫で住宅ローンを利用している場合は金利交渉に応じてもらえる可能性があります。
実際に交渉を行った結果、1%以上の金利引き下げにつながったケースも珍しくありません。
ただしフラット35を利用している場合、金利交渉はできません。詳しくは「住宅ローンの金利交渉は状況次第で可能」をご覧ください。
- 住宅ローンの金利を下げる交渉に成功しやすい方法は?
現在返済している住宅ローンよりも低い金利で借り換えできる金融機関がある場合、金利交渉が進みやすくなります。
特に他行の仮審査に通過している状況は「実際に借り換えをする意思がある」という明確なサインとなり、金融機関にとって軽視できない材料です。借り換えの可能性が具体的であるほど交渉に有利となります。詳しくは「住宅ローンの金利交渉で成功しやすい状況とタイミング」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
金利交渉を有利に進めるうえで、まず他行の仮審査に通過しておくことが重要です。仮審査に合格するためには、安定した収入はもちろんのこと、日頃からクレジットカードなどの支払いを滞納せず、基本的な信用の積み重ねが欠かせません。
さらに現在の資産状況も金利見直しの判断材料となるため、将来の交渉を見据えるなら早い段階から家計を見直し、貯蓄や資産形成を進めておくことが大切です。

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