オンライン内見 方法 注意点
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オンライン内見とは? 方法や注意点、聞くべきことを解説

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • オンライン内見とは、スマートフォンやパソコンを使ったビデオ通話によって物件を見学する方法で、多くの場合、事前予約が必要です。
  • メリットは、遠方からでも内見でき、交通費や移動時間がかからない点や、多忙な家族ともスケジュールを合わせやすい点です。
  • 映像だけでは広さの感覚や細部の状態、周辺の音や臭いなどが分かりにくいというデメリットもあります。

物件を探す際、現地に行かずに室内を見学できるオンライン内見に関心を持つ方が増えています。時間や場所の制約を受けにくい便利な方法ですが、実際に利用するとなると「どのように行うのか」「画面越しで十分に物件を判断できるのか」といった疑問や不安を感じるかもしれません。

この記事では、オンライン内見の方法やメリット・デメリットを解説します。オンライン内見で確認すべきチェックポイントや、物件選びで後悔しないための注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

オンライン内見とは?

オンライン内見とは、スマートフォンやパソコンなどのデバイスを使い、現地に行かずに物件の内部を見学する方法です。不動産会社の担当者がビデオ通話で物件からライブ中継を行い、希望者は自宅など好きな場所からリアルタイムで室内の様子を確認できます。

遠方に住んでいる方や、仕事などで忙しく時間が取れない方でも、気軽に物件を内見できるのが大きな特徴です。一方的に録画された動画を見るのとは異なり、その場で担当者に質問したり、「もっと違う角度から見たい」といったリクエストを伝えたりできるため、双方向のコミュニケーションを取りながら進められます。

オンライン内見の方法

はじめに、オンライン内見がどのように行われるのか、主な方法や特徴を見ていきましょう。

  • 使用するのは専用アプリや会議用ツール
  • 担当者が画面越しに案内してくれる
  • 事前予約が必要

使用するのは専用アプリや会議用ツール

オンライン内見では、ZoomやGoogle Meet、Skypeといった一般的なビデオ会議ツールがよく利用されます。これらのツールは普段から使い慣れている方も多く、手軽に始められるのが利点です。不動産会社によっては、独自の専用アプリを提供している場合もあります。

多くの場合、利用者は事前にアプリをインストールしておき、予約時間になったら不動産会社から送られてくるURLにアクセスするだけで内見を開始できます。特別な機材は必要なく、インターネットに接続できるスマートフォンやパソコンがあれば問題ありません。

担当者が画面越しに案内してくれる

オンライン内見では、不動産会社の担当者がスマートフォンやタブレットを手に持ち、物件の現地から映像を中継してくれます。担当者は物件内を移動しながら、利用者の要望に応じて様々な場所を映し、物件の状況を説明してくれます。

画面を見ながら「クローゼットの中を見せてください」「窓からの景色を確認したいです」といったリクエストをリアルタイムで伝えられるのが特徴です。担当者との対話を通じてその場で疑問点を解消できるため、録画映像を視聴するだけの場合よりも深く物件を理解できます。

事前予約が必要

オンライン内見を利用するには、原則として事前の予約が必要です。担当者が物件へ移動し、案内するための時間を確保する必要があるためです。また、居住中の物件の場合は、現在の入居者との日程調整も発生します。

予約は、不動産会社のウェブサイトの問い合わせフォームや電話などで行うのが一般的です。希望する物件と日時を伝え、予約を確定させます。人気の物件や土日などは予約が埋まりやすいため、内見を希望する日が決まったら、早めに連絡することをおすすめします。

オンライン内見のメリット

オンライン内見は、従来の現地での内見にはない利点があります。ここでは、オンライン内見の主なメリットについて見ていきましょう。

  • どこでも内見できる
  • 家族・同居人とスケジュールを合わせやすい
  • 交通費がかからない

どこでも内見できる

オンライン内見の大きなメリットは、場所を選ばずに物件を見学できる点です。インターネット環境さえあれば、自宅や職場など、どこからでも参加できます。遠方に住んでいて希望の物件まで行くのが難しい方や、海外からの転居を考えている方にとっては便利な手段です。

また、複数の物件を比較検討したい場合でも、移動の手間なく一日で多くの物件を見ることができます。時間を有効活用できるため、効率的に物件探しを進めたい方にとって価値のある選択肢といえるでしょう。

家族・同居人とスケジュールを合わせやすい

家族や同居人と一緒に住まいを探す場合、全員のスケジュールを合わせて現地に集まるのは簡単ではありません。オンライン内見であれば、それぞれが別の場所にいても同時に参加することが可能です。

たとえば、夫婦がそれぞれの職場から参加したり、進学する子どもと遠方に住む親が一緒に内見したりすることもできます。関係者全員がリアルタイムで物件を確認し、その場で意見交換ができるため、スムーズな意思決定につながります。

交通費がかからない

現地へ足を運ぶ必要がないため、交通費や移動時間を節約できるのもメリットです。特に、遠方の物件を内見する場合には、新幹線代や飛行機代といった高額な費用がかかることもありますが、オンライン内見ならその心配がありません。

節約できた費用や時間を、家具の購入資金に充てたり、他の物件を探すために使ったりと、より有意義に活用できます。コストを抑えながら効率的に住まい探しを進められる点は、多くの人にとって魅力的に映るでしょう。

オンライン内見のデメリット

便利なオンライン内見ですが、デメリットや注意すべき点も存在します。ここでは、オンライン内見を検討する際に知っておきたい主なデメリットについて解説します。

  • オンラインだけでは確認できないことも多い
  • 音声・映像が乱れることもある
  • 対応している不動産会社が限られる

オンラインだけでは確認できないことも多い

オンライン内見では、画面越しの映像だけでは確認しきれない情報が多くあります。たとえば、部屋の広さの感覚や天井の高さ、壁紙の細かな質感、日当たりの微妙な変化などは、実際にその場にいないと正確に把握するのが難しいです。

また、周辺の騒音や臭い、共用部分の雰囲気といった、五感で感じる情報も得にくいといえます。

音声・映像が乱れることも

オンライン内見はインターネット回線を利用するため、電波状況によっては音声や映像が乱れる可能性があります。特に、電波の届きにくい地下室や、通信環境が不安定なエリアの物件では、途中で映像が止まったり、音声が途切れたりすることもあります。

通信トラブルが発生すると、重要なポイントを見逃してしまうかもしれません。安定した通信環境を確保するため、Wi-Fi環境の整った場所から参加するのが望ましいです。

対応している不動産会社が限られる

オンライン内見は普及しつつありますが、すべての不動産会社や物件で対応しているわけではありません。特に、地域密着型の不動産会社や個人の大家さんが管理する物件などでは、まだ導入が進んでいないケースも見られます。

そのため、オンライン内見を希望する場合は、対応可能な不動産会社や物件を探す必要があります。気になる物件を見つけたら、まずはオンライン内見が可能かどうかを問い合わせてみましょう。

オンライン内見のチェックリスト

オンライン内見 チェックリスト

オンライン内見を行う際には、限られた時間の中で効率良く情報を集めることが重要です。ここでは、以下の各部屋や内容について、チェックすべきポイントを解説します。

  • 玄関
  • リビング・居室
  • 水回り
  • 収納
  • 共用設備
  • 担当者に聞くべきこと

玄関

玄関は家の第一印象を決める重要なスペースです。靴箱の容量やドアの開閉スペースなど、日々の使い勝手に関わる点を確認しましょう。

  • ドアの開閉スペースと動線
  • 靴箱の収納量
  • 鍵の種類(ディンプルキー、カードキーなど)
  • インターホンの種類(モニター付きか)

ドアを開けた際のスペースに十分なゆとりがあるか、靴の脱ぎ履きがスムーズにできるかを確認します。靴箱は扉を開けてもらい、棚の数や奥行き、傘を置くスペースの有無などをチェックしましょう。

また、防犯面では、鍵の種類やモニター付きインターホンの有無も重要なポイントです。担当者に実際に操作してもらい、セキュリティの高さを確認することをおすすめします。

リビング・居室

リビングや居室は、生活の中心となる空間です。次のポイントを入念にチェックしましょう。

  • 日当たりの良さ、方角
  • コンセントやテレビアンテナ端子の数と位置
  • 窓の大きさや種類、鍵の形状
  • エアコンの有無と状態(年式など)
  • 天井の高さや梁の有無

コンセントの位置は、テレビやパソコン、充電器などの配置に関わるため、数と場所を正確に把握しておきましょう。

日当たりは時間帯によって変わるため、内見している時間帯の状況と、他の時間帯の様子を担当者に聞いてみるのがおすすめです。

水回り

キッチン、浴室、トイレなどの水回りは、毎日使う場所だからこそ、使い勝手や清潔感が重要になります。細部までしっかり確認しましょう。

  • キッチンの作業スペースと収納量
  • コンロの口数と種類(ガス、IH)
  • 浴室の設備(追い焚き機能、浴室乾燥機など)
  • シャワーの水圧
  • トイレの設備(温水洗浄便座など)
  • 洗濯機置き場の広さと防水パンの有無

キッチンでは、調理スペースが十分か、シンクの大きさや蛇口の高さを確認します。収納は扉を開けてもらい、内部の広さや棚の状態を見せてもらいましょう。浴室では、担当者にシャワーを出してもらい、水圧を確認するのがおすすめです。

また、洗濯機置き場は、設置予定の洗濯機のサイズと合うか、事前に寸法を測っておくとスムーズです。

収納

収納スペースの広さや使い勝手は、快適な暮らしを左右する重要な要素です。見落としがちな部分まで、忘れずにチェックしてください。

  • クローゼットや押し入れの奥行きと高さ
  • ハンガーパイプや棚板の有無
  • 扉の開閉方式(開き戸、引き戸など)
  • 収納内部のカビやシミの有無

収納は、広さだけでなく、奥行きや高さも重要です。担当者にメジャーを当ててもらい、具体的な寸法を確認しましょう。衣類をかけるハンガーパイプや、小物を置く棚板が設置されているかも確認すべきポイントです。

扉の開閉方式によっては、前に家具を置けない場合もあるため、扉を開けたときのスペースも考慮する必要があります。内部の状態も、カビやシミがないかライトで照らしてもらうなどして確認しましょう。

共用設備

マンションやアパートの場合、共用設備の充実度も物件の魅力の一部です。どのような設備があるか、管理状況は良好かなどを確認しましょう。

  • 駐輪場・駐車場の有無と空き状況
  • ゴミ置き場の場所と管理状態
  • 宅配ボックスの有無と数
  • オートロックや防犯カメラの有無
  • エレベーターの有無

駐輪場や駐車場を利用する予定がある場合は、空きがあるか、利用料金はいくらかを確認しておく必要があります。

ゴミ置き場は、場所だけでなく、清掃が行き届いているかといった管理状況も見ておくと、住民のマナーを推し測る参考になります。宅配ボックスやオートロックの有無は、生活の利便性や防犯性に関わるため、忘れずにチェックしましょう。

その他担当者に聞くべきこと

画面越しの情報だけでは分からない、住環境に関する点も質問しておくことが大切です。特に、音や臭い、周辺環境については、現地にいる担当者だからこそ答えられる情報があります。

  • 周辺の騒音(車の交通量、近隣の工事音など)
  • 近隣の臭い(飲食店の排気、川の臭いなど)
  • 建物の防音性(壁の厚さ、隣戸との接地面など)
  • 携帯電話の電波状況
  • 周辺環境の利便性

「窓を開けたときに気になる音や臭いはありますか」といった具体的な質問をしてみましょう。

また、自身の契約している携帯キャリアの電波が問題なく入るかも確認しておくと安心です。周辺環境も含めて住みやすいかどうか、担当者に尋ねてみるのもよいでしょう。

物件選びで後悔しないための注意点

オンライン内見は便利ですが、後悔しない物件選びをするためには、次の点に注意することが大切です。

  • 確認したい事項をまとめておく
  • 録画・記録を残しておく
  • オンライン内見とリアル内見を使い分ける

確認したい事項をまとめておく

オンライン内見の時間は限られているため、その場で思いつくままに質問していると、重要なことを聞き忘れてしまうおそれがあります。内見を始める前に、自分が絶対に確認したいことや、譲れない条件などをリストアップしておきましょう。

間取り図に質問を書き込んでおいたり、チェックリストを作成したりしておくと、スムーズに内見を進められます。特に、家具や家電の配置に関わるコンセントの位置や窓の寸法などは、事前にリストに入れておくことをおすすめします。

録画・記録を残しておく

オンライン内見では、実際に現地で見た場合と比べて、記憶が曖昧になってしまうことがあります。不動産会社の許可を得たうえで、内見の様子を録画させてもらうとよいでしょう。

録画データがあれば、後で家族と相談したり、他の物件と比較検討したりする際に役立ちます。録画が難しい場合でも、スクリーンショットを撮ったり、重要なポイントをメモしたりして、記録を残すようにしましょう。

オンライン内見とリアル内見を使い分ける

オンライン内見は便利ですが、現地でしか分からないことも多くあります。そのため、オンライン内見と現地での内見をうまく使い分けましょう。

例えば、気になる物件が複数ある段階では、オンライン内見を利用して候補を2〜3件に絞り込みます。最終候補に残った物件だけを実際に訪れて、日当たりや騒音、部屋の広さといった、オンラインでは分かりにくい点を確認する方法がおすすめです。

両方のメリットを活かすことで、効率的かつ納得のいく物件選びができます。

まとめ

オンライン内見は、ビデオ通話を利用して遠隔で物件を見学できる便利な方法です。時間や場所にとらわれず、交通費をかけずに内見できるのがメリットです。一方で、画面だけでは伝わらない情報も多く、通信環境に左右されるといったデメリットも存在します。

最終的な判断は現地で行うなど、リアルな内見と組み合わせることで、物件選びの失敗リスクを減らせるでしょう。事前にチェックリストを準備し、重要なポイントを漏らさず確認することも大切です。

ご自身の状況に合わせてオンライン内見を賢く活用し、理想の住まいを見つけましょう。東急リバブルでは、お客様のご要望に応じた物件探しをサポートしています。オンライン内見のご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事のポイント

オンライン内見とはなんですか?

オンライン内見とは、スマートフォンやパソコンなどのデバイスを使い、現地に行かずに物件の内部を見学する方法です。

詳しくは「オンライン内見とは?」をご覧ください。

オンライン内見はどのように行うのですか?

オンライン内見では、ZoomやGoogle Meet、Skypeといった一般的なビデオ会議ツールがよく利用されます。

詳しくは「オンライン内見の方法」をご覧ください。

オンライン内見の時はどこをチェックすれば良いでしょうか?

オンライン内見を行う際には、限られた時間の中で効率良く情報を集めることが重要です。

「オンライン内見のチェックリスト」では、以下の各部屋や内容について、チェックすべきポイントを解説します。

ライターからのワンポイントアドバイス

オンライン内見では、部屋の広さや寸法を正確に把握することが難しい場合があります。この問題を解決するためには、事前の準備と当日のやり取りが重要です。現在お使いのベッドやソファ、冷蔵庫といった大きな家具・家電のサイズを、内見の前に測っておきましょう。
内見中、担当者にその寸法を伝え、メジャーで実際の設置スペースを測ってもらうと、手持ちのものが収まるかを確認しやすくなります。こうした準備や工夫次第で、オンライン内見の精度を高めることが可能です。

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