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市街化調整区域ってどんな場所?メリット・デメリットや注意点を解説

「市街化調整区域とは?」土地選びをしているとそのような疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。都市開発を抑制する地域である市街化調整区域では、建設できる建物に大きな規制がかかります。

しかし、市街化調整区域といっても、デメリットばかりではなくメリットもあります。

この記事では、土地を選ぶうえで把握しておいたほうがよい、市街化調整区域のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

市街化調整区域とは都市開発が規制された地域

市街化調整区域とは、都市計画法によって都市化を抑制した地域を指します。都市の発展のために定めた都市計画法では、都市化を計画的に進める「市街化区域」と都市化を抑制する「市街化調整区域」に分けて土地を指定しています。

市街化区域は都市の活性化を目的とし、インフラの整備や宅地・商業施設などの開発を計画的に進めていく地域です。反対に、市街化調整区域は都市化を制限する地域として指定され、新しい建築物の建設や既存の建物の増設・リフォームが制限されます。

市街化調整区域に指定された土地では、原則として家や商業施設が建てられません。しかし、自治体によっては建設許可を得て、家などを建てられる場合があります。

市街化調整区域のメリット

建設が制限される市街化調整区域は、デメリットに目が向きがちです。

しかし、市街化調整区域には下記のようなメリットもあります。

  • 安価で土地を購入しやすい
  • 固定資産税などの税負担が安い
  • 静かな環境になりやすい

以下でそれぞれのポイントを解説します。

安価で土地を購入しやすい

市街化調整区域の大きなメリットは、土地を安価で手に入れやすい点です。市街化調整区域は、土地活用や利便性にマイナス面があるため、市街化区域に比べ土地が安くなる傾向があります。

一般的には、市街化区域の土地よりも7割~8割ほどの価格となり、場合によっては半額以下ということもあります。土地購入代を抑えた分、家の建築代に費用をかけられる点や、同じ費用でも市街化区域に比べ、広い土地を購入できるのは魅力と言えるでしょう。

固定資産税などの税負担が安い

土地や建物などの不動産を所有すると、固定資産税や都市計画税が毎年課せられます。固定資産税は土地の評価額に比例するため、土地の価値が低く設定されやすい市街化調整区域では、固定資産税も市街化区域より低くなります。

また、市街化調整区域では都市計画税が課せられないという特徴もあります。固定資産税や都市計画税は毎年発生するため、それらの税金が抑えられるのは負担の軽減につながるでしょう。

静かな環境になりやすい

市街化調整区域では、農地の保全のために新しい住居の建設が制限され、商業施設なども建設できません。将来的にも高いビルや大型商業施設が建設されることはないと考えられます。

また、交通量も比較的少ないという特徴があります。市街化調整区域は郊外に設定されることがほとんどで、自然豊かな土地という特徴もあり、静かな環境になりやすいのが特徴です。

敷地も比較的広く確保でき、隣地との距離を取ることもできるため、近隣への騒音問題なども起こりにくいでしょう。静かな環境でプライベートを保って生活したい場合にも、おすすめの土地と言えます。

市街化調整区域のデメリット

市街化調整区域に住む場合、デメリットを理解しておくことも重要です。デメリットには、以下の点があげられます。

  • 家を建てるのに制限が多い
  • 売却しづらい
  • インフラ整備に別途費用が必要になる場合がある

それぞれ見ていきましょう。

家を建てるのに制限が多い

市街化調整区域では、原則として自由に新しい家を建てることはできません。

ただし、条件によって許可される場合もあるため自治体に確認が必要です。

また、既存の家の増築やリフォームの際にも基本的には許可が必要で、制限がかかる場合があります。

中古住宅を購入した場合でも、自由に改築できない点には気を付けましょう。新築の条件や増改築の制限については、自治体によって基準が異なるため事前に確認することが大切です。

とくに、新しく家を建てる場合、土地を選ぶ際には「地目」の確認が必要になります。地目とは、土地活用の用途に応じて指定される土地の種類のことです。地目が「宅地」であれば、制限はかかりますが家を建てることは可能でしょう。

「農地(田/畑)」の場合は、農業のみでの土地活用となり農業従事者以外への土地売買ができず、宅地にするにも農業委員会などの許可が必要になります。

市街化調整区域では、農業を保全する目的で土地が農地に指定されている可能性が高いため、その点を考慮して購入を検討しましょう。

売却しづらい

市街化調整区域の土地は、購入しても将来的に売却しづらい点には注意が必要です。建設や土地活用に制限が多く需要が低いため、売却できても安価になる可能性があります。

将来的に住み替えや転勤などを検討している場合は、将来の買い手が見つかりにくい点に留意しましょう。

インフラ整備に別途費用が必要になることがある

居住目的の土地でないことから、電気や水道・ガスといったインフラが整っていないケースもあります。仮にインフラ整備が必要な場合、基本的に自己負担での整備が必要です。

上水道・下水道(浄化槽)・電線などを整備するとなると、高額になる可能性が高くなります。土地購入代金を安く抑えられても、インフラ整備に高額な費用がかかるケースもあるため、事前に見積もりなどを取得することが大切です。

市街化調整区域の土地を購入する際の注意点

ここでは、市街化調整区域の土地を購入する際の注意点として、次の2つを紹介します。

  • 将来法改正する可能性がある
  • 住宅ローンに通りにくい

将来法改正する可能性がある

市街化調整区域内で、今は開発許可を得られれば建築できるケースでも、将来もその条件が継続するとは限りません。法改正によっては、建築制限が厳しくなる可能性があることに注意が必要です。

もちろん、法改正前にすでに建っている住宅を急に解体するという事態にはならないでしょう。

しかし、規制が厳しくなると改正後の増改築や売却が難しくなる可能性があるため、注意しなければなりません。

住宅ローンに通りにくい

家の購入を住宅ローンで検討している場合、市街化調整区域での購入では住宅ローン審査に通らない可能性があります。

住宅ローンでは、購入する家を担保に融資します。市街化調整区域内の住宅では、土地の制限が多いため資産価値が低くなる傾向があり、担保としての評価が低くなります。

また、原則として住宅の建設ができない土地でもあるため、融資の対象外となっているケースもあります。

ただし、誰でも再開発可能な不動産などの場合は、金融機関によってローンが組める可能性があります。ローンで購入を検討している場合は、事前に金融機関などに相談するとよいでしょう。

市街化調整区域の土地購入にはメリットもある!

市街化を抑制するための市街化調整区域では、原則として自由に家を建てられず、中古住宅の増改築にも許可が必要です。

しかし、条件を満たせば新しい家を建てられる可能性もあります。

市街化調整区域であっても、土地代の安さや静かな環境、税金の安さなどのコスト面で、メリットを得やすいという特徴があります。

ただし、市街化調整区域内の土地購入は規制も多いため、信頼できる不動産会社に相談しながら検討することが大切です。

この記事を参考に、市街化調整区域のメリット・デメリットを理解して、土地購入を検討しましょう。

この記事のポイント

市街化調整区域とは?

市街化調整区域は都市計画法によって都市化を抑制した地域を指し、新しい建築物の建設や既存の建物の増設・リフォームが制限されます。
詳しくは「市街化調整区域とは都市開発が規制された地域」をご確認ください。

市街化調整区域のメリットとは?

市街化調整区域には以下のようなメリットがあります。

  • 安価で土地を購入しやすい
  • 固定資産税などの税負担が安い
  • 静かな環境になりやすい

詳しくは「市街化調整区域のメリット」をご確認ください。

この記事の監修

逆瀬川 勇造
資格情報: 宅地建物取引士、FP2級技能士(AFP)

明治学院大学卒。地方銀行勤務後、転職した住宅会社では営業部長としてお客様の住宅新築や土地仕入れ、広告運用など幅広く従事。
2018年より独立し、不動産に特化したライターとして活動している。

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