ざっくり要約!
- マンションの管理人は、マンションの共用部の清掃や設備などを行い、維持・管理をサポートする人
- 管理人の勤務形態は、主に巡回、日勤、住み込み、常駐の4つ
マンションの管理人には、住人の快適な暮らしをサポートする役割があります。詳細な仕事内容や勤務形態はマンションによって異なりますが、管理人がいることで共用部が綺麗に保たれやすく、管理人がいないマンションと比べて防犯面も安心といえるでしょう。
この記事では、マンションの管理人の主な仕事内容や勤務形態、コンシェルジュや管理会社との違いなどについて解説します。
記事サマリー
マンションの「管理」とは?
分譲マンションには、区分所有者が所有する「専有部」とすべての区分所有者で共有する「共用部」があります。専有部の管理は基本的に区分所有者が行いますが、共用部はすべての区分所有者が協力して管理していかなければなりません。
建物の安全性や快適性を維持するためにも、マンションは管理が重要です。適切に管理されていないマンションは、資産価値や快適な暮らしが脅かされるおそれがあります。
「マンションは管理を買え」とも言われていますが、管理が行き届いているマンションは住み心地が良く、長く安心して住むことができます。
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管理人・コンシェルジュ・管理組合・管理会社の違い
マンションの管理は、管理組合や管理会社、管理人、コンシェルジュなどが協力して行っていきます。
管理人とは
マンションの管理人とは、マンションの共用部の清掃や設備などを行い、維持・管理をサポートする人です。管理人の多くは管理会社に所属しており、マンションと管理会社との契約に基づいて業務を行います。
コンシェルジュとは
コンシェルジュの役割は管理人と共通するところもありますが、自ら清掃や点検をするというより、ホテルや商業施設などのフロント業務に近い役割があります。
宅配便やクリーニングの手配や共用部の利用を受付などを行い、区分所有者の暮らしをサポートします。主に高級マンションや大規模マンションに配置されることが多く、高いホスピタリティを提供するのが特徴です。
管理組合とは

管理組合は、すべての区分所有者で組織される団体です。区分所有法には、マンションの管理主体は管理組合であることが明記されています。
管理組合は、マンション管理の基本ルールとして管理規約を制定し、執行機関として理事や理事長を選出・選任します。理事会で日常的な管理業務の方針を決定し、年に1回以上の総会でマンション管理の重要事項を決議します。
管理会社や管理人、コンシェルジュがいないマンションはありますが、管理組合はどのようなマンションでも必ず組織しなければなりません。マンション管理の責任と権限は管理組合にあります。
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管理会社とは
マンションの管理会社とは、管理組合からの委託を受けて管理にあたる事業者です。業務内容は委託契約によって異なりますが、主に以下の業務を請け負います。
- 維持・管理に必要な点検業者や清掃業者などの手配
- 修繕計画の提案
- トラブルの対応
- 会計報告 など
ただし、あくまで管理の主体は管理組合であり、維持・管理の方針の決定などはできません。管理会社は、パートナーとして専門的な知識や経験を活かして管理組合をサポートします。
マンションの管理人の仕事内容

続いては、マンションの管理人の主な仕事内容を見ていきましょう。
共用部の清掃
管理人の基本的な業務の一つが、共用部の清掃です。エントランスやエレベーターホール、廊下、階段、駐車場、ゴミ置き場など、マンションの共有スペースを清掃し、清潔な状態を保ちます。
共用部のメンテナンス
マンションの共用設備の簡単な点検や修繕も、管理人の仕事の一つです。照明の電球交換や給水施設の点検、植栽の手入れなど、日常的なメンテナンス作業を行います。
点検などの立ち会い
大規模な修繕や専門的な点検は専門業者に依頼しますが、管理人が立ち会い、作業がスムーズに進むようサポートすることもあります。工事の内容によっては事前に住民への周知や案内も行います。
トラブルの一次対応
住民からの苦情や設備の不具合の報告を受け、一次対応をするのも管理人の重要な役割です。エレベーターの故障や給水設備のトラブル、共用部での騒音問題など、さまざまな問題に対して初期対応を行います。
報告・連絡業務
マンションの状況や発生したトラブル、点検結果などを管理会社や管理組合に報告・連絡します。また、管理会社や管理組合からの連絡事項を掲示板に貼り出したり、場合によっては各戸に配布したりすることもあります。
管理人の勤務形態はマンションによって異なる
マンションの管理人の勤務形態は、マンションの規模や管理体制によって異なります。一般的な勤務形態とその特徴は、以下のとおりです。
| 勤務形態 | 勤務時間・頻度 | 特徴 | 向いているマンション |
|---|---|---|---|
| 巡回 | 週に数回、数時間程度 | 複数のマンションを担当し、定期的に巡回して業務を行う | 小規模マンション 管理の負担が少ないマンション など |
| 日勤 | 平日の日中(9時~17時頃) | 指定された時間帯に常駐し、業務を行う | 中規模マンション 高齢者が多いマンション など |
| 住み込み | 24時間体制(休憩・休日あり) | マンション内の管理人室に居住し、夜間の緊急時にも対応 | 古いマンション セキュリティを重視するマンション など |
| 常駐 | 24時間体制(交代制) | 複数の管理人が交代で24時間常駐 | 大規模マンション 高いセキュリティが求められるマンション など |
基本的に、管理人がマンションにいる時間が長いほど費用がかかります。最近はマンションの管理費も高騰傾向にあるため、マンションの規模や住民のニーズ、管理費の予算などを考慮して、最適な勤務形態を選ぶことが大切です。
マンションの管理人にしてもらえないこと
管理人はさまざまな業務を行いますが、基本的に次のようなことは対応してもらえません。
専有部への立ち入り
原則として、管理人は各住戸の専有部分には立ち入ることができません。水漏れなどの緊急時でも、区分所有者または居住者の許可がなければ入室しません。専有部内の修理や点検も、基本的に管理人の業務外です。
トラブルの仲裁
住民間のトラブルや近隣とのトラブルの仲裁は、基本的に管理人の業務ではありません。話を聞くことはあっても、トラブルの解決や判断を下すことはできません。深刻なトラブルが発生した場合は、管理組合や管理会社、場合によっては警察などの公的機関に相談する必要があります。
荷物の授受
管理人が不在時の宅配便などの受け取りを管理人に依頼したい場合もあるでしょうが、これは管理会社との契約内容によって対応が異なります。コンシェルジュがいるマンションでは対応可能な場合もありますが、管理人は業務外としているのが一般的です。
まとめ
マンション管理人は、共用部の清掃やメンテナンス、トラブル対応などを通じて、マンションの快適な暮らしを支える大切な役割を担っています。しかし、専有部への立ち入りやトラブルの仲裁など、対応できない業務もあることを理解しておきましょう。
マンションによって管理人の勤務形態や業務内容は異なるため、自分の住むマンションや購入を検討しているマンションの管理体制を把握することが大切です。
この記事のポイント
- マンションの管理人とコンシェルジュの違いは?
管理人は、マンションの共用部の清掃や設備などを行い、維持・管理をサポートしますが、コンシェルジュはフロント業務が主な仕事内容です。
詳しくは「管理人・コンシェルジュ・管理組合・管理会社の違い」をご覧ください。
- マンションの管理人はどんな仕事をしているの?
共用部の清掃やメンテナンス、点検などの立ち会い、管理会社の報告などが主な業務です。
詳しくは「マンションの管理人の仕事内容」をご覧ください。
- マンションの管理人にしてもらえないことは?
管理人は、基本的に専有部への立ち入りはできません。また、トラブルの一次対応をすることはあっても、仲裁などはしません。
詳しくは「マンションの管理人にしてもらえないこと」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
近年は、マンションの管理人不足や高齢化が深刻です。マンションの管理人は「企業の管理職を退職した60代」がなるのが一般的でしたが、昨今はシルバー人材の就業率も上昇傾向にあるため、管理人のなり手が減っているといいます。今は管理人がいるマンションも今後、場合によっては、管理人の勤務時間の短縮、あるいは巡回管理への切り替えなどが求められる可能性があります。

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