インナーテラスとは
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インナーテラスとは?メリット・デメリットや購入時の注意点を解説

執筆者プロフィール

村田愛美
宅地建物取引士

上智大学外を卒業後、不動産調査会社在籍中に宅地建物取引士試験に合格。宅建士として事業用不動産の仲介営業職に従事し、退職後はレンタルオフィスの運営会社で入居者・契約管理をするかたわら、売買・賃貸・住宅ローンを中心とした不動産関連の専門性が高い記事を多数執筆。不動産初心者でもわかりやすい文章に定評がある。

ざっくり要約!

  • インナーテラスとは、住宅の屋内または屋内に作られ、壁や屋根に囲まれているテラスのことを指す。
  • 屋外と一体化したような解放感を得られ、さまざまな活用法ができる一方で、固定資産税の増額・メンテナンスの手間がデメリットとして挙げられる。
  • インナーテラス付きの物件を購入する際には、雨漏りのあとがないか・断熱対策は講じられているかなどを確認しておくことが重要。

インナーテラスとは、住宅の屋内または屋内に作られ、壁や屋根に囲まれているテラスで、屋外と一体化したような解放感を得られ、さまざまな活用法ができます。一方で、固定資産税の増額・メンテナンスの手間がデメリットとして挙げられています。

本記事では、インナーテラス付きの物件のメリット・デメリットや購入する際の注意点について解説します。

インナーテラスとは

インナーテラスは、屋内または半屋内に設けられたテラスのことを指します。

住宅の外壁より内側に作られており、壁や屋根などで周囲を囲まれているという特徴があります。

壁や屋根があることで天候に左右されずに利用でき、屋内にいながら屋外空間の雰囲気を味わえるという点が魅力です。

「インナーバルコニー」との違い

インナーテラスとインナーバルコニーの主な違いは、インナーバルコニーが基本的に建物の外側に設けられるのに対し、インナーテラスは住宅の外壁より内側に作られる点です。インナーバルコニーは屋根や壁で完全に囲われていないことが多く、主に2階以上に設けられます。

「サンルーム」との違い

サンルームは、屋根や壁をガラス張りにして日光が当たるように設計された部屋のことを指します。

サンルームは庭先にせり出す形が一般的であるのに対し、インナーテラスは住宅の内部に設けられ、よりプライベートな空間として利用されます。

「中庭」との違い

中庭は、壁や建物に囲まれた空間で、屋外にあり屋根がないのが特徴です。

屋外でありながら周りを囲まれているので、プライバシーを守りながら開放感を味わえる点が魅力です。

インナーテラスのメリット

インナーテラスには、生活の質を高めてくれる多くのメリットがあります。

天候を気にせず利用できる

インナーテラスの最大のメリットは、天候に左右されずに利用できることです。

雨や雪、強風といった外部の条件に影響されることなく、1年中快適に過ごせます。

また、冷暖房も設備できるため、季節を問わず理想的な温度でリラックスした時間を過ごすことが可能です。

多種多様な使い方ができる

インナーテラスは幅広い用途に利用できる点も魅力です。

例えば、絵や工作を楽しんだり、ガーデニングや家庭菜園を始めたり、アウトドアリビングとして活用したりできます。また、在宅勤務が増える中、静かで集中できるワークスペースとしての活用法も人気です。

室内の開放感もUP

インナーテラスは、屋外にいるような自然の光と開放感をもたらしてくれます。

インナーテラスは屋内に作られるため、室内と屋外の境界線があいまいになります。屋外と繋がっているような気分になり、室内がより広く、より明るく感じられるというメリットがあります。

リビングやダイニングと直結させると、インナーテラスを居住空間の一部として利用でき、より快適で唯一無二な居住空間を生み出せます。

インナーテラスのデメリット

デザイン性と機能性の高さなど、多くの魅力があるインナーテラスですが、いくつかのデメリットもあります。

固定資産税がかかる

ベランダやバルコニーといった、壁で囲まれておらず屋外に飛び出しているテラス部分は建築面積に含めないという決まりがあります。

しかし、インナーテラスは、屋根や壁があるという理由から建築面積に算入されます。

建築面積が増えるということは、そのぶん固定資産税の算出要素も増えるため、固定資産税が増加する可能性があることを、事前に理解しておくことが重要です。

雨漏りのリスクが高まる

屋根や壁の構造によっては、雨漏りのリスクが高まることがあります。

インナーテラスは屋内に設置するものとはいえ、屋外と一体化した雰囲気を味わえるように、屋外に面した壁を一面窓ガラスになっていることも少なくありません。

特に、屋根の接合部や壁との境界部分は水が侵入しやすいため、十分な防水加工を施しておくことが重要です。
雨漏りが発生すると、修繕のために時間とコストがかかり、居住空間の快適性にも影響を及ぼすため注意しましょう。

メンテナンス費がかかる

インナーテラスは、窓ガラスや壁・屋根が雨風にさらされやすい構造をしています。屋根や壁、床材の劣化を防ぐためにも、定期的な点検と修理が不可欠です。

また、日ごろからこまめに清掃するほか、一定期間ごとに防水処理を施すことも重要です。

メンテナンスにはまとまった費用がかかるため、長期的なメンテナンスの計画や資金の確保をしておきましょう。

インナーテラスのある物件を購入するときの注意点

インナーテラス 注意点

インナーテラス付きの物件は、解放感や内装のデザイン性の高さからとても魅力的に見えます。ただし購入後に「イメージと違った」とならないためには、下記3つのポイントをチェックすることが大切です。

外壁・手すりに雨染みがないか確認

インナーテラスが設置されている部分は、通常の住宅を比較して建材の接合部が多いため、雨漏りのリスクが高い傾向にあります。

雨漏りが起こる物件を購入してしまうと、後々修理費用を負担しなければならなくなります。物件をチェックする際には、雨漏りによる染み(雨染み)がついていないかを目視で確認することが重要です。

ただし、表面上は問題ないように見えても、壁内が破損・劣化しているケースもあるため、必要に応じてホームインスペクションの実施も検討しましょう。

テラスに接している部屋の明るさをチェック

インナーテラスのある物件は、インナーテラスに接している隣の部屋が暗くなりがちという点も押さえておく必要があります。

インナーテラス自体は、建物の中でも日当たりのいい場所に設置するケースが多いため、明るく開放感のある雰囲気を味わえます。しかし、その分ほかの部屋が奥まった場所に配置することになり、結果的に室内が暗いと感じることも少なくありません。

特にインナーテラスは、一般的なテラスやバルコニーにはない壁や天井があるため、より室内に日光が届きにくくなる点を覚えておきましょう。

建物の気密性・断熱性も要確認

インナーテラスのある家は、断熱性や気密性が低くなる傾向にある点にも注意が必要です。

インナーテラスのない住宅では、壁や屋根に入っている断熱材が、室内と屋外の気温差を小さくする役割を果たしてくれます。一方インナーテラスの場合は、ほとんどのケースで大開口窓を採用しており断熱材を入れられず、夏は暑く、冬は寒いと感じる場面が多くなります。

インナーテラスには冷暖房も設置できますが、窓の断熱性能が低いと空調効率が悪くなり、光熱費が余計にかかる原因となります。デザイン性だけでなく、サッシや窓の性能にも着目することが重要です。

まとめ

インナーテラスは、自然と一体となった生活空間を演出できるメリットがある一方で、メンテナンスに手間がかかったり、空調効率が悪くなったりと、デメリットも考慮しておく必要があります。

インナーテラス付きの物件を見つけたら、「おしゃれだから」という理由だけですぐに購入を決めず、ライフスタイルに合っているか・上手に活用できそうかも想像しながら、慎重に検討しましょう。

この記事のポイント

インナーテラスってなんですか?

インナーテラスとは、屋内または半屋内に作られた、壁や屋根のあるテラスのことを指します。

詳しくは「インナーテラスとは」をご覧ください。

インナーテラスのメリットは?

室内と屋外の境界線があいまいなため、室内が開放的な雰囲気になります。

詳しくは「インナーテラスのメリット」をご覧ください。

インナーテラス付き物件を購入する際の注意点ってある?

断熱性・気密性のほか、過去に雨漏りを起こしていないかを確認する必要があります。

詳しくは「インナーテラスのある物件を購入するときの注意点」をご覧ください。

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