部屋 カビ臭い
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部屋がカビ臭い! 応急処置と適切な対応策

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • カビは湿気と汚れのある場所に発生する
  • カビを除去するにはエタノールを70~80%含んだアルコールが有効

部屋の中で、どこからともなく漂うカビ臭。カビ臭い部屋は、居心地が悪いのはもちろんのこと、健康被害も心配です。カビ臭があるということは、カビがある程度生息している状態と判断し、原因や場所を特定したうえで、できるだけ早く対策しましょう。

この記事では、カビが発生する原因や発生しやすい場所、カビの除去や対応策について解説します。

部屋の中がカビ臭い原因

カビは、湿気があり栄養分となるホコリや汚れのある場所に発生します。カビは梅雨から夏にかけて出やすいイメージがありますが、加湿器を使う冬にも注意が必要です。

カビそのものは無臭ですが、カビは生き物であるために代謝をします。臭いは、その代謝活動によって発生するといわれています。

湿気がたまっている

カビが生息するためには、水分が必要です。湿度が60%を超えると、カビが繁殖しやすいといわれています。高温多湿の日本では、カビが発生する条件が揃いやすいといえるでしょう。

湿度のコントロールが、カビ対策の基本です。

換気不足

カビは換気が足りず、空気が停滞している場所に生えやすくなります。わかりやすい例を挙げると、クローゼットや押し入れです。空間が狭く、扉を閉めきった状態のクローゼットや押し入れは、空気がよどみやすくなります。普段あまり開けない場所は、定期的な換気が必要です。

汚れがたまっている

カビの栄養源は、ホコリや汚れです。湿り気のある場所には、ホコリが簡単に付着します。こういった場所を中心に、カビは生息範囲を広げていきます。

カビが発生しやすい場所

湿気や水分が多く、汚れやすい場所といえば「水回り」が挙げられます。水回り全般は、カビが発生しやすい場所といえます。ただし、条件が揃えばカビはどこにでも発生する可能性があります。

浴室

家の中で最も湿度が高い場所が浴室です。入浴後の換気がカビを防ぐポイントになります。
浴室の壁や床の水分をスクイージーで水切りし、換気扇を回す、窓を開けるなどして十分な換気を行いましょう。その際に浴室のドアは閉め、他の部屋に湿気が流れないようにします。

収納

収納は、空間が狭く、空気がよどみやすい場所です。日常的な開け閉めだけでは、換気が十分とはいえません。除湿剤を置くとともに、定期的に扉を開放し、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させましょう。

収納の湿気対策としては、次のようなものも効果的です。

  • スノコを使って、床や壁に空気の通り道をつくる
  • 物や衣類をぎっしり収納しない
  • 脱いだ衣類は湿気が飛んでから収納する
  • クリーニングのビニールカバーは外して収納する

エアコン

カビが繁殖しているエアコンを稼働させると、部屋中にカビやその臭いをばら撒いてしまいます。エアコンを使い始める前には、できる限り、専門業者にエアコンクリーニングを依頼することをおすすめします。

エアコンを使い始めたら、フィルター清掃や手が届く範囲で清掃をします。冷房として機能しているエアコンの内部には水分がたまっており、この水分を放置すると、エアコンの内部にカビが生えることになってしまいます。その日の使い終わりには、内部クリーン機能を使うか、送風で内部を乾燥させることがカビ対策として有効です。

さらに、冷房のシーズンオフに入る際には、カビ対策としてやっておきたいことがあります。それは「暖房運転」でエアコン内部の湿気を飛ばすことです。窓を開けて換気をしながら、25~30℃の暖房設定で2~3時間運転しましょう。エアコン内部を十分に乾燥させることが、カビ対策のポイントです。

寝室

人は、寝ている間に汗をかきます。寝具はその汗を吸い、湿気をためこんだ状態です。天日干し、または布団乾燥機で湿気を飛ばすとカビ・ダニ対策になります。

寝室は湿度が上がりやすい場所でもあるため、ベッドや家具は壁から離して設置をするとよいでしょう。起床後はマットレスを立てたり、窓を開けたりして、適切な換気を行いましょう。

玄関

玄関は、土汚れを含んだ靴で床がすぐに汚れ、雨の日には濡れた靴や傘で湿気を持ち込む場所。湿気と汚れにさらされ、玄関はカビが発生しやすい条件が揃っています。

こまめにホコリや土汚れはホウキで取り除き、雨で濡れたときには拭き上げて湿気を残さないようにするとカビを防げます。

また、湿気をためこみやすい下駄箱は、除湿剤を置くだけでなく扉を開放する習慣を。汗を含んだ靴はしばらく乾燥させてから下駄箱に仕舞いましょう。

和室

和室の内装材である畳や塗り壁は、洋室の内装材よりも湿気を含みやすい素材です。和室は、洋室よりもカビが生えやすいともいえ、風通しや湿気対策に気を配る必要があります。

和室に部屋干しをするご家庭もあるかもしれませんが、あまりおすすめはできません。畳はカビが生えやすく、畳表は問題がなくても畳の裏側にカビが発生することがあります。

窓周辺

窓周辺は雨風にさらされることから、ホコリや汚れもたまりやすい場所。とはいえ、頻繁な掃除はなかなかできない場所でもあります。気が付いたら「カビが生えていた!」ということも少なくありません。

また、冬は窓周辺が結露しやすくなります。窓ガラスやサッシに水分が付着し、カビが発生しやすい環境に。放置すると、カーテンがカビてしまうこともあります。

家具の下や裏

家具が接している床や壁は空気が通りにくく、カビが生えることもあります。壁から離すことが可能な家具は離したり、脚付きの家具を使ったりして、風通しを意識したレイアウトにすると良いでしょう。

家具の配置換えが難しい場合は、定期的に家具を動かし、普段は家具で隠れている床や壁を清掃するとカビ予防に効果的です。

カビ臭いときの応急処置!カビを除去するには?

カビ臭い 対策

一刻も早く除去したいカビ。ここでは、カビ臭い状況をできるだけ早く改善する応急処置を紹介します。

アルコール消毒

手早くカビを除去するのに便利なのが「アルコール」です。エタノールが70~80%含まれたものを用意しましょう。無水エタノールの場合は、70~80%の濃度になるように精製水で薄めて使います。アルコールは子どもやペットがいるご家庭でも使いやすく、畳・壁・窓・ソファーなど、カビ取り剤や漂白剤を使えない場所にも使用できます。

まず、アルコールをボロ布やペーパーに含ませてカビを拭き取ります。できるだけ一定範囲を拭いたら使い捨てにしましょう。また、カビにアルコールを直接スプレーすると、カビの胞子が周囲に広がることがあるため避けてください。アルコール消毒をすることで、カビの除去だけでなく予防の効果も期待できます。

布類は酸素系漂白剤で洗う

布は臭いを吸着しやすく、付着したカビを除去するのが難しい素材です。消臭効果のある物を選び、こまめに洗濯してカビを発生させないようにしましょう。

布に発生してしまったカビは、酸素系漂白剤を使ったつけ置き洗いが有効です。まず、酸素系漂白剤を目立たない場所につけて色落ちしないか確認します。つぎに、40~50℃のお湯に酸素系漂白剤を溶かし、1~2時間程つけ置きします。時々落ち具合を確認しながら時間を調節しましょう。最後に洗濯機で洗って完了です。

熱湯をかける

多くのカビは60℃以上で死滅するといわれています。熱湯をかけることも、理論上ではカビの除去に有効です。しかし、家庭内で熱湯を使える場所は限定されます。浴室は熱湯を扱いやすい場所ではありますが、樹脂やコーキング材は高熱に耐えられる素材ではありません。

熱湯をかけることが紹介されている場合もありますが、浴室の取り扱い説明書に記載された方法で除去するのが確実です。システムバスのメーカーではカビ取り剤の使用が推奨されています。

カビ臭を発生させないための対策

部屋がカビ臭くなることを防ぐには、湿気と汚れをためないことです。日常的に換気と除湿を行い、定期的な清掃と除菌をすれば、カビ臭を防げます。

こまめに換気する

換気にはいくつかの方法がありますが、窓を開ける自然換気では、2か所の窓を開け、空気の入り口と出口をつくることがポイントです。

窓が1か所の場合は、扇風機やサーキュレーターで空気の流れをつくります。24時間換気システムがあるご家庭では、必ずつけたままにしておきましょう。24時間換気システムがあるにも関わらず使用しないと、気密性の高い家では換気不足になる恐れがあり、カビ発生のリスクも高まります。

「結露」対策をする

結露を防ぐには、適切な除湿をすることです。除湿には以下のような方法があります。

  • エアコンの除湿機能を使って湿度を調整する
  • 布団乾燥機で布団の湿気を飛ばす
  • 調理の際には換気扇を使い、水蒸気を排気する
  • 頻繁に換気できない場所には除湿剤を使う

また、持ち運びができる除湿機が1台あると便利です。

こまめに掃除する

カビを生息させないためには、ホコリや汚れを定期的に除去することです。カビの温床となる場所をつくらないことがポイントになります。とくに、日常的な掃除では行き届きにくい窓サッシ、部屋の角、収納の内部などは定期的に確認・清掃を行いましょう。カビ対策グッズを使う
市販のカビ対策グッズには、置くだけで簡単にカビを予防できるものがあります。
ただし、カビ対策グッズだけに頼らず、換気や掃除をした上で使うことが大切です。

湿気と汚れをためないことがカビ対策のカギ!

カビは、条件が揃えばどこにでも発生するものです。水回りだけでなく、畳や壁紙、衣類やカーテンなど発生箇所は多岐に渡ります。

カビは健康被害を招くこともあるので、部屋がカビ臭いときは一刻も早く原因を突き止め除去することが大切です。換気と除湿で湿度をコントロールし、清掃と除菌でカビが生息できない環境を目指しましょう。

この記事のポイント

部屋がカビ臭いのはなぜ?

カビは湿気があり、栄養分となるホコリや汚れのある場所に発生します。

詳しくは「部屋の中がカビ臭い原因」をご覧ください。

カビ臭を防ぐにはどうしたらいい?

カビを防ぐには、換気と除湿で湿気をためないこと、清掃をすることがポイントです。

詳しくは「カビ臭を発生させないための対策」をご覧ください。

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