ざっくり要約!
- 買取再販とは、不動産会社が中古マンションを買い取り、リノベーションを施してから販売する仕組みのことです。
- リノベーション済みのため、すぐに入居できる点や、売主が不動産会社のため仲介手数料が不要な場合がある点がメリットです。
- 注意点として、リノベーションが表層的な場合もあるため、インスペクションの実施やマンション全体の管理状態の確認が重要になります。
中古マンションの購入を検討していると、「買取再販」という言葉を目にすることがあるかもしれません。リノベーションが施され、新築のようにきれいな室内が魅力ですが、一般的な中古住宅と何が違うのか、購入しても問題ないのか気になる方もいるでしょう。
この記事では、買取再販マンションの仕組みや一般的な中古住宅との違いを解説します。購入するメリットや後悔しないための注意点も紹介するので、物件選びの参考にしてください。
記事サマリー
マンションの「買取再販」とは? 一般的な中古住宅との違い
マンションの買取再販とは、不動産会社が個人などから中古マンションを買い取り、リフォームやリノベーションで付加価値を高めてから、再び販売する事業形態のことです。物件情報サイトなどでは「リノベーションマンション」や「リノベーション済み物件」として掲載されていることもあります。
一般的な中古住宅の売買では、売主も買主も個人で、不動産会社は取引を仲介する立場です。一方、買取再販では、リノベーションを行った不動産会社が売主となって買主に直接販売するケースが多く、この点が大きな違いといえるでしょう。
買取再販物件は、不動産会社によって内装や設備が一新されているため、購入者は築年数を感じさせないきれいな状態で入居できるのが特徴です。
| ・「リノベーションマンション」に関する記事はこちら リノベーションの価値と役割。リノベーションマンションの魅力とは |
買取再販マンションを購入するメリット

買取再販マンションの購入は、一般的な中古マンションの購入や、自身で中古マンションを購入してリノベーションする場合と比較して、さまざまな利点があります。ここでは、主なメリットを5つ紹介します。
- すぐに入居できる
- 売主から直接購入する場合は仲介手数料が不要
- 住宅ローン控除が新築並み
- 契約不適合責任が2年以上
- 自身でリノベーションするより割安なことも
すぐに入居できる
買取再販マンションは、すでにリノベーション工事が完了している状態で販売されるため、購入後すぐに入居できるのがメリットです。新築マンションのように、完成を待つ必要がありません。
自身で中古マンションを購入してからリノベーションを行う場合、物件の引き渡し後に工事を開始するため、入居までに数カ月の期間を要することがあります。その間の家賃負担なども考慮すると、すぐに新生活を始められる点は大きな魅力といえるでしょう。
また、販売時点でリノベーション後の室内を実際に見学できるため、暮らしのイメージがしやすいのも利点です。中には、家具や照明を配置し、実際の暮らしをよりイメージしやすくできるような工夫がされている物件も見られます。
売主から直接購入する場合は仲介手数料が不要
不動産会社が売主となっている買取再販マンションを直接購入する場合、仲介手数料がかかりません。一般的な中古マンションの売買では、不動産会社に仲介を依頼するため、売買価格に応じた仲介手数料を支払う必要があります。
たとえば、3,000万円の物件を購入する場合、仲介手数料の上限額は100万円を超えることもあります。この費用が不要になることで、初期費用を大幅に抑えることが可能です。
ただし、売主である不動産会社とは別の不動産会社を通して購入する場合には、仲介手数料が発生することもあるため、事前に取引形態を確認しておきましょう。
| ・「仲介手数料」に関する記事はこちら 不動産売買の仲介手数料の相場や上限は?計算シミュレーション付き |
住宅ローン控除が新築並み
買取再販マンションは、一定の要件を満たすことで、住宅ローン控除において新築住宅や新築同様の優遇を受けられる場合があります。住宅ローン控除とは、年末のローン残高の0.7%が所得税などから最大13年間にわたって控除される制度です。
一般的な中古住宅の控除対象となる借入限度額が2,000万円(2024年・2025年入居の場合)なのに対し、買取再販住宅では最大4,500万円(省エネ基準適合住宅の場合)と、控除額に大きな差が生まれます。
この優遇措置が適用されることで、税負担を軽減できるのは大きなメリットです。適用要件は細かく定められているため、対象物件かどうかを不動産会社に確認しておきましょう。
| ・「住宅ローン控除」に関する記事はこちら 【2024年度版】住宅ローンの控除の条件は?申請方法や注意点まとめ |
契約不適合責任が2年以上
不動産の売買において、引き渡された物件に契約内容と異なる不具合が見つかった場合、売主は買主に対して契約不適合責任を負います。
売主が個人の場合、この責任を負う期間は契約で任意に定められ、2~3カ月程度とされることが一般的です。一方、売主が宅地建物取引業者である買取再販マンションの場合は、宅地建物取引業法により、引き渡しから2年以上の期間、責任を負うことが義務付けられています。
| ・「契約不適合責任」に関する記事はこちら 契約不適合責任とは?不動産取引で買主ができる4つの請求と売主がとるべき対策を解説 |
さらに、事業者によっては独自の保証やアフターサービスを設けている場合もあります。東急リバブルのリノベーションマンション「Lideas(リディアス)」では、対象設備に最長10年間の保証が付くほか、24時間365日対応のコールセンターを設けており、より安心して暮らせる体制を整えています。
| ・東急リバブルのLideas(リディアス)はこちら ・「Lideas(リディアス)」に関する記事はこちら 【社員対談】くらしごと変える、次世代リノベーションマンション「Lideas(リディアス)」とは? 「Lideas(リディアス)」のリノベーション事例 |
自身でリノベーションするより割安なことも
買取再販マンションは、リノベーション費用が販売価格に含まれています。そのため、未改装の中古マンションよりは高額になりますが、自分で同等のリノベーションを行う場合と比較すると、総額が割安になる可能性があります。
これは、買取再販事業者が建材や住宅設備を一度に大量に仕入れることで、コストを抑えているためです。また、不動産の購入費用とリノベーション費用をまとめて住宅ローンとして組めるため、金利の低いローンを利用しやすい点もメリットといえるでしょう。
買取再販マンションを購入するときの注意点
メリットの多い買取再販マンションですが、購入後に後悔しないためには、注意しておきたい点があります。物件選びの際には、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 表層しか改修されていない可能性がある
- インスペクションの実施も検討しよう
- 改修できない管理状態にも目を向ける
表層しか改修されていない可能性がある
買取再販マンションはリノベーション済みであることが魅力ですが、その工事が壁紙や床材の張り替えといった、表面的な部分にとどまっているケースもあります。見た目はきれいでも、壁の内部にある給排水管やガス管、電気配線などが古いままでは、入居後に水漏れや故障などのトラブルが発生するリスクが残ります。
安心して暮らすためには、目に見えない部分まで改修されているかを確認することが重要です。
なお、東急リバブルの「リディアス」では、専有部分の給水管・給湯管・排水管などをすべて新しいものに交換し、検査結果を報告書で開示しています。さらに、設備配管や配線といったライフラインなど、床や天井で隠れて目に見えない部分も施工後のチェック項目に含み、厳しい点検・検査を実施しています。
| ・東急リバブルのリノベーションマンション「Lideas(リディアス)」の物件一覧はこちら |
インスペクションの実施も検討しよう
物件の状態をより客観的に把握するために、インスペクションの実施を検討するのもひとつの方法です。インスペクションとは、建築士などの専門家が、建物の基礎や柱、壁、屋根などの構造耐力上主要な部分や、雨水の侵入を防止する部分の状態を調査することです。
リノベーションによって室内は新しくなっていますが、建物の構造部分や共用部分はそのままです。専門家の目でチェックしてもらうことで、リノベーションではカバーしきれない部分の劣化状況や不具合の有無を把握でき、安心して購入判断ができます。
費用はかかりますが、将来の予期せぬトラブルや修繕費のリスクを軽減するためには有効な手段といえるでしょう。
| ・「インスペクション」に関する記事はこちら インスペクションとは?メリットや費用、注意点、自治体の補助金を解説 |
改修できない「管理状態」にも目を向ける
リノベーションで専有部分を新しくすることはできますが、マンション全体の管理状態は変えられません。快適なマンションライフを送るためには、共用部分の管理が行き届いているかが重要なポイントになります。
具体的には、エントランスや廊下、ゴミ置き場などがきれいに保たれているか、長期修繕計画が適切に策定され、修繕積立金が計画通りに積み立てられているかなどを確認しましょう。管理状態が良くないと、建物の老朽化が進んだり、将来的に修繕費用が不足して一時金の徴収が発生したりする可能性があります。
内見の際には室内だけでなく共用部分にも目を向け、管理規約や重要事項調査報告書などの書類にも目を通すことが大切です。
まとめ
買取再販マンションは、不動産会社が中古物件を買い取り、リノベーションを施して販売するものです。新築のようにきれいな室内でありながら、購入後すぐに入居できる点が魅力といえるでしょう。売主が不動産会社の場合、仲介手数料が不要になることや、手厚い保証を受けられるといったメリットもあります。
一方で、リノベーションが表面的な部分にとどまっている可能性や、マンション全体の管理状態といった、購入前に確認すべき注意点も存在します。メリットと注意点の両方を理解したうえで物件を選ぶことが重要です。
東急リバブルでは、専有部分のインフラまで一新したリノベーションマンション「Lideasリディアス」を取り扱っています。買取再販マンションの購入を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。
| ・東急リバブルのリノベーションマンション「Lideas(リディアス)」の物件一覧はこちら |
この記事のポイント
- マンションの「買取再販」とはなんですか?
マンションの買取再販とは、不動産会社が個人などから中古マンションを買い取り、リフォームやリノベーションで付加価値を高めてから、再び販売する事業形態のことです。
詳しくは「マンションの「買取再販」とは? 一般的な中古住宅との違い」をご覧ください。
- 買取再販のマンションを購入するメリットはありますか?
買取再販マンションの購入は、一般的な中古マンションの購入や、自身で中古マンションを購入してリノベーションする場合と比較して、さまざまな利点があります。
詳しくは「買取再販マンションを購入するメリット」をご覧ください。
- 買取再販のマンションを購入する際の注意点はありますか?
メリットの多い買取再販マンションですが、購入後に後悔しないためには、注意しておきたい点があります。
詳しくは「買取再販マンションを購入するときの注意点」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
買取再販マンションを検討する際は、どのようなリノベーションが施されたのか、その履歴を詳しく確認することをおすすめします。不動産会社によっては、リノベーション工事の内容を示した図面や仕様書、使用した建材・設備の品番などが記載された書類を保管している場合があります。すべての物件で詳細な書類が揃っているわけではありませんが、可能な範囲で情報の開示を求めてみましょう。

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