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2025.02.21

#不動産投資#投資戦略

投資用物件を売却するベストタイミングは? 出口戦略の考え方

投資用物件を売却するベストタイミングは? 出口戦略の考え方

ざっくり要約!

  • 物件売却のタイミングは税率が変わるときや減価償却の期間などを考慮する
  • 高く売るためのポイントは不動産会社選びと高い稼働率

不動産投資で成功するためには、物件を運用して賃貸収入を得るだけでなく、売却のタイミングを見極めることも必要です。物件を高値で売却するためには、市場や税制の変化を的確に捉えて、最適なタイミングを見極めることが求められます。

不動産投資における物件売却の計画・戦略は「出口戦略」と呼ばれています。この記事では、不動産投資における「出口戦略」の考え方などを解説し、税率や市場状況、物件の減価償却期間など、具体的に売却を検討すべき5つのタイミングについて詳しく紹介します。

不動産投資の出口戦略とは?

不動産投資における「出口戦略」とは、投資用物件をどのタイミングで、どのような条件で売却するかを決める計画のことです。不動産投資における利益は家賃収入による「インカムゲイン」と物件売却による「キャピタルゲイン」の2種類に大別されており、出口戦略はキャピタルゲインに大きく関連します。

物件の売却は大きな金額が動く上に、売却することでその物件から得られる利益が確定するため、出口戦略は物件選びと同じくらい重要です。

不動産投資は長期的に利益を出し続けられる資産運用です。しかし、運用期間が長期化すると物件も古くなっていきます。物件が古くなると、修繕コストが増えたり、空室リスクが高まったりなど、リスクが大きくなっていきます。

物件を保有し続けることで、かえって損失を被ることも少なくありません。また、物件の市場価格がピークに達したタイミングを逃してしまうと、本来得られるはずだった利益を失うことにもつながります。

物件を売却して得た売却益は、次の物件購入資金として活用することも可能です。このため、出口戦略は投資の「終わり」ではなく「次のステージ」への準備にもつながっています。

なお、出口戦略を立てる際には、物件購入時に「この投資ではいくらの利益を目指すのか」「どれくらいの期間保有するのか」といった目標を設定することが重要です。短期的なキャピタルゲインを狙う場合と、長期的なインカムゲインを目的とする場合では、出口戦略も大きく異なります。

投資用物件を売却するベストなタイミング5選

投資用物件の売却を成功させる鍵の一つが「タイミングの見極め」です。最適なタイミングで売却することで、売却益を最大化できます。

一方で、不動産市場は常に変動している上に、税制や物件の状態、減価償却など、売却時期に影響を与える要因はさまざまです。ここからは、投資用物件を売却する際に押さえておきたい5つのベストなタイミングを解説します。

税率が下がるタイミング

税率が下がるタイミングは、投資用物件を売却する上で非常に重要なポイントです。特に、譲渡所得税は物件の所有期間によって税率が大きく異なります。

物件の所有期間が5年以下の場合(短期譲渡所得)は税率が39.63%と高くなりますが、5年を超える場合(長期譲渡所得)は20.315%に軽減されます。税率が19%以上違うため、売却益が数百万円単位で変わる可能性もあるでしょう。

なお、物件を購入した翌年の1月1日から数えて5年を経過しているかによって長期保有と短期保有が変わるため、保有年数の数え方には要注意です。

市況が良いタイミング

不動産市場は景気や金利、社会情勢に大きく影響されます。市場価格が上がっているタイミングは、高値で物件を売却できるチャンスです。例えば、金利が低い時期や都市開発が進んでいるエリアでは、物件の需要が高まり、売却価格の上昇を見込めます。

また、過去には、東京オリンピックが決定した2013年以降、都内の不動産価格が急騰した例があります。このように、社会的なイベントや政策の動向を見極めて、市場が活発なタイミングで売却を検討することが利益を最大化する鍵です。

減価償却期間が終わるタイミング

減価償却が終了する時期は、投資用物件の売却タイミングを考えるに当たって重要なポイントです。減価償却とは建物部分の取得費用を法定耐用年数に基づいて毎年計上していく制度であり、不動産投資においては節税効果があります。

しかし、減価償却期間は時限的なもので、期間が終わると節税効果がなくなります。減価償却による節税効果がなくなると収支に大きな影響が出るため、償却期間が終了する時も物件を売却するタイミングの1つです。

なお、減価償却期間は物件の構造によって異なり、RC造の居住用物件は最長で47年、木造の居住用物件は最長で22年となっています。不動産は減価償却期間が終了するタイミングでは築古の物件になっており収益性も低下するため、修繕費や税負担が増える前に売却を検討するのが得策です。

デッドクロスになるタイミング

「デッドクロス」とは、ローンの元金返済額が減価償却費を上回ることを指します。減価償却が終了したうえに、ローン返済の金利も減って節税効果が薄まった結果、手元に残るお金が少なくなってデッドクロスを迎えるケースは多いものです。

収支が赤字の物件を長期保有するメリットはあまりないので、デッドクロスを迎える前のタイミングで売却を検討するのが一般的です。あらかじめローンの返済計画と収支シミュレーションを確認し、デッドクロスのタイミングを把握しておくことが重要になります。

大規模修繕後のタイミング

これから修繕が起こりうるかもしれない状況より、修繕が終わったタイミングの方が、見た目が良くなり、取得後の修繕費も抑えられやすいことから購入検討者からの心証が良く、売れやすい傾向にあります。

とくに一定の築年数が経過した物件は、劣化状況や修繕履歴を重視する購入検討者が多いため、大規模修繕後に売り出すことで競合物件との差別化が図れます。

投資用物件を売却する流れ

査定や契約、引渡しなど、投資用物件の売却は複数の段階を経て行われるものであり、時間も相応にかかります。また、売却前の準備も必要なので、あらかじめ計画を立てておくことが重要です。ここからは、投資用物件を売却する際の一般的な流れを5つのステップに分けて解説します。

1.査定依頼

物件売却の最初のステップは、不動産会社に査定を依頼することです。売り出し価格を決める前に、査定を依頼して物件の市場価値を把握します。この際、複数の不動産会社に査定を依頼し、価格の根拠や提示条件を比較することが重要です。

なお、査定には「簡易査定」と「訪問査定」があります。簡易査定は周辺相場を基にした机上の概算である一方、訪問査定では物件の状態や立地条件などを直接確認して査定価格を算定します。

より適切な売却価格を設定するためには、訪問査定を依頼したうえで、根拠の明確な査定結果をもらいましょう。

2.媒介契約

納得のいく査定結果をもらえたら不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

一般媒介

一般媒介契約を結べば複数の不動産会社と契約可能です。自由度は高いものの不動産会社が積極的に活動してくれない可能性もあります。

専任媒介

専任媒介契約は1社の不動産会社としか契約できません。一般媒介契約と比較すると、不動産会社が積極的に売却活動を行ってくれます。また、売主が自分で買い手を見つけてくることも可能です。

専属専任媒介

専任媒介契約と条件は似ていますが、売主が自ら買主を見つけたとしても、必ず不動産会社の仲介を受けなければなりません。反面、販売状況報告を1週間に一回以上(専任媒介の場合は2週間に一回以上)しなければならないなど不動産会社の負う義務も強められています。

媒介契約を結ぶ時には、不動産会社の報酬額や広告活動の内容などを確認し、信頼できる不動産会社を選ぶことがポイントです。

・「媒介契約」に関する記事はこちら
専属専任媒介契約とは?専任媒介・一般媒介との違いやメリットを解説

3.購入申込み

購入希望者が現れると購入申込みが行われます。申し込みに際しては、買主から「購入申込書(買付証明書)」が提出され、物件の購入条件が提示されます。

提示された条件には価格交渉も含まれることが多いため、価格や引渡し時期などの条件を受け入れられるか、慎重な判断が必要です。申込みの段階ではまだ正式な契約ではないため、他の購入希望者を募ることも可能です。

もし複数の購入者から同時に申し込みがあった場合は、申込者がローンを利用するか、希望の引き渡しはいつかなど、条件を比較して判断する必要があります。

4.売買契約

購入条件に合意できたら不動産売買契約を締結します。売買契約を締結すると、他の購入希望者を募ることはできません。なお、購入者がローンを利用する場合は、金融機関の審査に通過できないと取引が成立しないため、ローン特約の設定が必要です。

そのほか、売買価格、引渡し時期、特約事項などを確認し、不明点や不安があれば事前に解消しておくことが重要です。なお、この段階で買主から手付金が支払われます。手付金は売買価格の5%〜10%程度です。

5.決済・引き渡し

売買契約を締結したら、最終的な決済と物件の引き渡しを行います。決済日には、売主と買主、不動産会社、司法書士が集まり、以下の手続きを進めます。

  • 売却代金の残金支払い
  • 抵当権抹消の手続き
  • 所有権移転登記の実施
  • 鍵や関連書類の引き渡し

引渡しが完了したら売却プロセスは終了です。決済・引き渡しがスムーズに進むよう、事前に必要書類などを準備しておきましょう。

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投資用物件の売却にかかる費用

投資用物件を売却する際には、いくつかの費用が発生します。

仲介手数料

不動産会社に支払う仲介手数料は、売買価格に応じて以下のように上限が定められています。

売買価格仲介手数料
200万円以下売買価格の5%+消費税
200万円超~400万円以下売買価格の4%+2万円+消費税
400万円超売買価格の3%+6万円+消費税
※ただし、空き家等に係る媒介報酬規制の見直し(令和6年7月1日施行)により、物件価格が800万円以下の宅地建物についてはこの限りではありません。

例えば、売却価格が3,000万円の場合、仲介手数料は以下のように計算されます:
(3,000万円 × 3% + 6万円) × 1.1(消費税)=105.6万円

この費用は売却が成立した際にのみ、不動産会社に支払う報酬として発生します。

登録免許税

物件を売却する際には、登記に関連する費用として登録免許税がかかります。具体的には、物件に設定された抵当権の抹消登記に1,000円(不動産一件あたり)が必要です。土地と建物それぞれに課税されるため、一物件あたり2,000円が基本的な負担額となります。

この手続きは司法書士に依頼して進めます。抵当権抹消費用とは別に司法書士への報酬が発生するため、登録免許税を含めて1~3万円程度の費用を見込んでおくと良いでしょう。

印紙税

印紙税は売買契約書を作成する際に必要な税金です。印紙税額は契約金額に応じて異なっており、一般的な価格帯の税額は次の通りです。

契約金額印紙税額
500万円超~1,000万円以下5,000円
1,000万円超~5,000万円以下1万円
5,000万円超~1億円以下3万円

正確な金額は契約書の記載内容によって異なるため、不動産会社に確認しておきましょう。なお、印紙を貼付しないと過怠税(最大で3倍)が課されるため要注意です。

譲渡所得税

物件を売却して利益が出ると譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は、所得税、住民税、復興特別所得税を合わせたもので、物件の所有期間に応じて税率が異なります。

  • 短期譲渡所得(5年以下):39.63%
  • 長期譲渡所得(5年超) :20.315%

譲渡所得の計算式は以下の通りです
譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)

なお、取得費には物件の購入価格や手数料、リフォーム費用などが含まれ、譲渡費用には仲介手数料や立退料などが含まれます。取得費が不明な場合は売却価格の5%を概算取得費として計上可能です。

その他の費用

物件売却時にローンの返済が残っている場合は、一括返済に伴う手数料が発生します。手数料は金融機関によって異なりますが、数千円から数万円程度です。

また、物件の印象を良くするために、簡単なリフォームや清掃を行うケースもあります。リフォームや清掃を行う場合も費用が必要です。

投資用物件を高く売るためのポイント

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投資用物件の売却価格に大きな影響を与えるのは収益性や立地ですが、売却をサポートする不動産会社のスキルや売り出すタイミングなども関係してきます。

投資物件の売却に長けている不動産会社に依頼する

投資用物件を高く売るためには、経験豊富で投資家目線に立った売却活動をできる不動産会社を選ぶことが極めて重要です。

一般的な居住用住宅とは違い、投資用物件は利回りを重視する買い手が多いため、物件の収益性を的確にアピールするスキルが求められます。

そのほか、確度の高い見込み客をどれだけ抱えているかも不動産会社を選ぶ際の着目ポイントです。また、国内だけでなく海外の投資家ネットワークを持つ会社であれば、買い手を探す間口が広がるでしょう。

空室率が低いタイミングで売却する

投資用物件を高値で売却するためには、空室率が低いタイミングを狙うことが重要です。投資用物件の価値は主にその収益性によって評価されます。

特に、収益還元法と呼ばれる評価手法では、物件が生み出す収益が価格決定の基準となるため、物件の稼働率を高く保つことが重要です。

なお、収益還元法では、物件の年間家賃収入から経費を差し引いた純利益(NOI:Net Operating Income)を計算に用います。物件が生み出す純利益を期待利回りで割り戻して価格を算出します。

例えば、純利益が年間200万円で期待利回りが5%の場合、物件価格は4,000万円(200万円÷5%)です。この計算式においては収益性が高ければ評価額も高まるため、空室率を低く保って純利益を高めることが重要です。

まとめ

投資用物件を高値で売却して利益を上げるためには、適切な出口戦略を計画し、最適なタイミングを見極めることが重要です。税率が切り替わるタイミングや物件の減価償却期間などの要素を考慮することで、税金や手数料を減らして利益を最大化できます。

また、信頼できる不動産会社の選定も売却の結果に大きく影響します。なお、高値で売却するためには、空室率を低くして高い収益性を保つことが重要です。

正確な出口戦略や収支計画を立てるためには、売却に伴う費用や税金を事前に把握しておくことが必要です。売却後の利益を最大限確保できれば、次の投資につなげられるでしょう。

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ワンポイントアドバイス

投資家が物件を選ぶ上で最も重視するのは物件の収益性です。稼働率が高く収益性の高い物件であれば、売却先に困ることはありません。最初の物件選びが上手くいっていれば、あとはあらかじめ出口戦略を立てておくことで、物件売却も上手くいくでしょう。

なお、市況の見極めも重要なポイントではありますが、未来の市況を正確に予測することは専門家でも難しいものです。市場の動きについて考え込むよりも、税金が減るタイミングなどを正確に把握しておく方が優先度は高いと言えるでしょう。

この記事のポイント

Q. 不動産投資の出口戦略はどのようにするのが良いですか?

A. 不動産投資における「出口戦略」とは、投資用物件をどのタイミングで、どのような条件で売却するかを決める計画のことです。詳しくは「不動産投資の出口戦略とは?」をご覧ください。


 Q. 投資用物件を売却するタイミングはいつが良いでしょうか?

A. 投資用物件の売却を成功させる鍵の一つが「タイミングの見極め」です。最適なタイミングで売却することで、売却益を最大化できます。詳しくは「投資用物件を売却するベストなタイミング5選」をご覧ください。


 Q. 投資用物件を売却する際はどのような流れになりますか?

A. 査定や契約、引渡しなど、投資用物件の売却は複数の段階を経て行われるものであり、時間も相応にかかります。また、売却前の準備も必要なので、あらかじめ計画を立てておくことが重要です。詳しくは「投資用物件を売却する流れ」をご覧ください。

ライター:秦創平

海外も含めた不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門。

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