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マンションの売却相場ってどのくらい?地域別の相場と調べ方を解説

執筆者プロフィール

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

ざっくり要約!

  • マンションの買取価格の相場は市場価格の7〜8割程度
  • 築浅・駅近・タワー・ブランドなどの条件のマンションは相場より高く買い取ってもらえることもある

マンションの売却方法は「仲介」と「買取」に大別されます。仲介とは、不動産会社に仲介してもらって販売活動したうえで、第三者の買主に購入してもらう方法です。一方、買取とは、不動産会社に直接マンションを買い取ってもらう方法を指します。不動産会社に買い取ってもらうことで早くマンションを売ることができますが、買取価格は市場価格より安くなるのが一般的です。

この記事では、マンションの買取価格の相場や高く買い取ってもらいやすいマンションの特徴などを解説します。

マンションの買取価格の相場は市場価格の7〜8割程度

買取でマンションを売却すると、仲介で売る場合に比べて早く売却することができます。一方で、マンションの買取価格の相場は、市場価格の7〜8割程度となるのが一般的です。

買取価格が市場価格より安くなってしまう理由は、再販して利益を得るために不動産会社がマンションを買い取るからです。マンションを買い取った不動産会社は、リフォームや修繕をかけて再販します。再販時は、リフォーム費用や不動産会社の利益を乗せたうえで市場価格やそれに近い金額で売り出すため、市場価格で買い取ることはできないという事情があるのです。

【地域・間取り・築年帯・駅からの交通別】マンション買取価格の目安

ここからは、地域・間取り・築年帯・駅からの交通別にマンションの売却相場および買取価格の目安を見ていきましょう。

地域別

都道府県売却相場価格売却相場の7割売却相場の8割
東京都
(2025年2月)
106.93万円/㎡74.85万円/㎡85.54万円/㎡
神奈川県
(2025年2月)
56.31万円/㎡39.42万円/㎡45.05万円/㎡
埼玉県
(2025年2月)
43.49万円/㎡30.44万円/㎡34.79万円/㎡
千葉県
(2025年2月)
41.28万円/㎡28.90万円/㎡33.02万円/㎡
大阪市
(2025年2月)
66.5万円/㎡46.55万円/㎡53.2万円/㎡
札幌市
(2025年2月)
34.50万円/㎡24.15万円/㎡27.6万円/㎡
仙台市
(2025年2月)
34.98万円/㎡24.49万円/㎡27.98万円/㎡
名古屋市
(2024年12月〜2025年2月)
39.31万円/㎡27.52万円/㎡31.45万円/㎡
福岡市
(2025年2月)
50.22万円/㎡35.15万円/㎡40.18万円/㎡
出典:東日本不動産流通機構近畿圏不動産流通機構中部圏不動産流通機構西日本不動産流通機構

各エリアの売却相場価格、そして売却相場の7割・8割の金額は上記のとおりです。相場価格は東京都が最も高く、大阪市、神奈川県、福岡市と続きます。

間取り別(首都圏)

間取り売却相場価格(2023年)売却相場の7割売却相場の8割
ワンルーム77.07万円/㎡53.95万円/㎡61.66万円/㎡
1DK・LDK98.15万円/㎡68.71万円/㎡78.52万円/㎡
2DK・LDK88.39万円/㎡61.87万円/㎡70.71万円/㎡
3DK・LDK64.85万円/㎡45.40万円/㎡51.88万円/㎡
4DK・LDK49.31万円/㎡34.52万円/㎡39.45万円/㎡
5DK・LDK以上30.15万円/㎡21.11万円/㎡24.12万円/㎡
出典:東日本不動産流通機構

間取り別の売却相場価格からは、ワンルームを除き、コンパクトなマンションほど平米単価は高くなる傾向にあることがわかります。

築年帯別(首都圏)

築年帯売却相場価格(2024年)売却相場の7割売却相場の8割
築0〜5年126.08万円/㎡88.26万円/㎡100.86万円/㎡
築6〜10年109.09万円/㎡76.36万円/㎡87.27万円/㎡
築11〜15年99.35万円/㎡69.55万円/㎡79.48万円/㎡
築16〜20年85.07万円/㎡59.55万円/㎡68.06万円/㎡
築21〜25年74.71万円/㎡52.32万円/㎡59.77万円/㎡
築26〜30年57.71万円/㎡40.40万円/㎡46.17万円/㎡
築31〜35年40.54万円/㎡28.38万円/㎡32.43万円/㎡
築36〜40年41.24万円/㎡28.87万円/㎡32.99万円/㎡
築41〜47.66万円/㎡33.36万円/㎡38.13万円/㎡
出典:東日本不動産流通機構

首都圏の売却相場を築年帯別に見ると、基本的にはやはり築浅のほうが高く売れる傾向にあります。ただし、経年によって同じペースで価値を落としていくのではなく、価値が落ちにくい築年帯もあるようです。

たとえば、築6年から築25年までは5年ごとに10%前後ずつ価値が減価していますが、築21〜25年と築26〜30年の相場価格には20%以上の開きがあります。また、築31年以降は必ずしも経年によって価値を落としていくわけではないようです。

駅からの交通別(首都圏)

駅からの交通売却相場価格(2023年)売却相場の7割売却相場の8割
徒歩10分以内86.13万円/㎡60.29万円/㎡68.9万円/㎡
徒歩11〜20分以内56.67万円/㎡39.67万円/㎡45.34万円/㎡
徒歩21分以上38.35万円/㎡26.85万円/㎡30.68万円/㎡
バス便28.29万円/㎡19.8万円/㎡22.63万円/㎡
出典:東日本不動産流通機構

駅からの交通別の相場価格は、やはり駅から近いほうが高くなるようです。駅までの歩く分数が10分伸びるごとに、30%前後減価します。

マンションの売却相場の調べ方

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マンションの買取価格は売却相場が基準となっているため、買取価格の目安を知るには売却相場を調べるのが有効です。売却相場の調べ方は次のとおりです。

不動産ポータルサイト

不動産ポータルサイトを閲覧することが、最も手軽にマンションの売却相場を調べる方法です。売却を検討しているマンションと立地や広さ、間取り、築年帯が近い物件を抽出し、平米単価を割り出してみましょう。

たとえば、60㎡のマンションが3,000万円で売却されていれば、平米単価は「3,000万円÷60㎡」で50万円/㎡と計算できます。ご所有のマンションが55㎡だとすれば「50万円/㎡×55㎡」で2,750万円程度が売却相場と推測できます。

ただし、ポータルサイトに掲載されている金額は「売り出し価格」です。マンションは必ずしも売り出し価格のまま成約に至るとは限らないため、実際に売れる金額とは差がある可能性があります。

・東急リバブルの売出相場検索はこちら

レインズマーケットインフォーメーション

売り出し価格ではなく実際に成約に至った価格を調べるには「レインズマーケットインフォメーション」というサイトが便利です。

レインズマーケットインフォメーションは、不動産流通機構が管理する不動産取引価格情報が提供されているサイトです。具体的に物件名までは公表されませんが、成約時期やエリア、築年帯、広さなどを絞って成約価格を検索できます。

不動産情報ライブラリ

成約価格を調べるうえでは、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」も活用できます。不動産情報ライブラリでは、成約価格だけでなく、公示地価や基準地価なども検索できます。地図上からエリアを絞っていけるため、操作性も高いサイトといえるでしょう。

不動産会社による査定が最も正確

ここまで自身でマンションの売却相場を調べる方法を紹介しましたが、相場価格は立地や築年帯、広さだけでなく、物件の個別条件や売却時期によって異なります。加えて、買取価格が相場の何割程度になるかは不動産会社によるところが大きいため、いくらで買い取ってもらえるか知りたい場合は不動産会社に査定してもらうことをおすすめします。

仲介で売ることを前提とした売却査定額は、あくまで不動産会社が「これくらいで売れるだろう」と推測する金額ですが、買取査定は「査定価格=売れる金額」となります。したがって、少しでも好条件で買い取ってくれる不動産会社を探すことが大切です。

相場より高く買い取ってもらいやすいマンションの特徴

先述のとおり、マンションの買取価格は相場の7〜8割程度となりますが、これはあくまで目安です。次のようなマンションは、買取価格が高くなりやすい傾向にあります。

駅近

どのような築年帯、広さ、間取りのマンションも、資産性に大きく影響するのは立地です。駅から近い物件であれば再販も比較的容易で、駅から遠いマンションと比べて不動産会社の収益率が上がる可能性が高いことから、買取価格も高くなりやすい傾向にあります。

築浅

買取という売り方が選択される多くは、築古のマンションです。築浅物件は不動産を買い取る不動産会社にとって希少性が高く、近年は新築マンションの供給数が少ないこともあって築浅物件の相場価格が上昇傾向にあります。さらに改修範囲も限定的になりやすいことから、買取価格が高くなりやすくなる条件の一つといえます。

需要に合った広さのマンション

間取り別の相場価格からは、ワンルームを除きコンパクトなマンションほど平米単価が高いことがわかりましたが、これはあくまで傾向にすぎません。ファミリー層が多いエリアでは、コンパクトマンションよりファミリー向けのマンションのほうが需要が高く、逆にオフィス街などでは単身者向けの物件の需要が高い傾向にあります。

需要に合った広さ・間取りのマンションであれば高い需要に期待でき、不動産会社も再販しやすくなるため、買取価格が高くなる可能性があります。

管理状態が良好なマンション

不動産会社は、買い取ったマンションをリノベーションして再販します。しかし、リノベーションできるのは専有部だけで、共用部までは改修できません。

近年はマンションの管理を重視して物件を選ぶ人も増えていることから、管理状態が良好なマンションは買取価格が上がる可能性があります。たとえば、築古のマンションも、耐震診断や耐震補強されている物件のほうが買取価格は高くなりやすいといえるでしょう。

タワーマンションやブランドマンション

マンションの中でも、タワーマンションやブランドマンションは人気があります。ここまでのとおり、不動産会社は再販して利益を得るためにマンションを買い取ります。タワーマンションやブランドマンションは、再販時も高く、早く売れることに期待できるため、買取価格も高くなりやすくなります。

マンションを少しでも高く売りたいなら「売却保証」も検討しよう

一部の物件は高額買取に期待できるものの、不動産会社が再販して利益を得ることを目的にしている以上、買取価格は相場を下回ってしまいます。やはりマンションを高く売るには、買取ではなく仲介が適しているといえるでしょう。

ただ、買取と仲介の「いいとこ取り」をした売り方もあります。それが「売却保証」です。

売却保証とは、一定期間、仲介によってマンションを売り出し、売れなかった場合に限り不動産会社が買い取ってくれる保証です。高く売ることを諦めず、一定期間内に確実に売却できるため、住み替えなど何らかの理由で売りたい期日が決まっている方に向いている売却方法です。

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まとめ

マンションの買取価格の相場は、市場価格の7〜8割程度です。とはいえ、物件の条件や市況、不動産会社によって買取価格は変わってきます。不動産会社が提示する買取査定額は、売却査定額のような推測値ではなく、各社がその金額で買い取ると提案する金額です。いくらで買い取ってもらえるか気になる方は、不動産会社に買取査定を依頼しましょう。

この記事のポイント

マンションの買取価格の相場はどれくらい?

売却相場価格の7〜8割程度になるのが一般的です。

詳しくは「マンションの買取価格の相場は市場価格の7〜8割程度」をご覧ください。

マンションの売却相場はどうやって調べればいいの?

不動産ポータルサイトを閲覧したり、レインズマーケットインフォーメーションや不動産情報ライブラリを使って調べたりする方法があります。

詳しくは「マンションの売却相場の調べ方」をご覧ください。

どんなマンションが高く買い取ってもらいやすいの?

築浅、駅近、ブランドマンション、タワーマンションは、高く買い取ってもらえる可能性が高いと考えられます。

詳しくは「相場より高く買い取ってもらいやすいマンションの特徴」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

近年は中古マンション価格も高騰傾向にあり、とくに築浅物件や駅近物件の希少性が上がっていることから、市場価格により近い金額で不動産会社が買い取る事例も散見されます。経済動向や市況が日々変わっているように、買取市場も変化しています。ご自身での推測には限界があるため、マンションの売却を検討されている方は不動産会社に査定依頼されることをおすすめします。

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