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東京都23区で子育てしやすい街はどこ? 治安・待機児童・保育サービス利用率のランキング

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • 治安が良く子育てしやすい行政区は、目黒区・杉並区・練馬区
  • 0歳児が保育園に入園しやすい行政区は、千代田区・新宿区・豊島区
  • 保育サービスの利用率が高い行政区は、荒川区・墨田区・江東区

「東京都で子育てをするなら、どの区がいいのだろう?」妊娠・出産を機に引っ越しをするのなら、できるだけ子育て支援が充実した区、のびのび育てられる住環境を選びたいものですね。

この記事では、東京都23区で子育てしやすい街を、治安・保育園の入園倍率・保育サービスの利用率の3つに分けて、ランキング形式でご紹介します。

子育てしやすいのはどんな街?

子育て世帯にとって理想的な環境は、安全性と利便性のバランスが良いことです。加えて、保育園への入園のしやすさや子育て支援制度の充実度もポイントになります。

治安が良い

子育てをする上で、治安の良さは欠かせません。事件事故の発生件数や交通事故の発生件数などは、あらかじめ確認しておきたいポイントです。

幼少期だけでなく、小学生になった時のことも考えて、通学路や周辺道路の安全性は確認しておきましょう。行政区の中には、防犯意識の高い地域や見守りパトロールをしている地域もあります。

待機児童が少ない

共働きを予定している場合は、保育施設の充実度は住まい選びの重要な指標になります。保育園に入りやすい行政区や待機児童の数は確認しておきましょう。

また、自治体によっては独自の保育サービスを実施していることもあります。預け先の選択肢が増える場合もあるので、行政区の保育サービスは確認しておきたいポイントです。

子育て支援制度が充実している

子育て世帯にとって、自治体の子育て支援制度の充実度は重要なポイントです。医療費助成の範囲や所得制限の有無、予防接種の公費負担、経済的支援制度などは行政区によって異なる場合もあります。

中には、家賃の補助や住宅ローンの引き下げなど、住居に関する支援を受けられる場合もあるので、支援を受けたい方は確認しておきましょう。

その他に重視したいポイント

日常の買い物ができるスーパーや商店街の他、共働き世帯であれば、職場へのアクセスといった利便性も重視しておきたいポイントです。

他にも、子どもが遊べる公園や急病にも対応できる病院、学習塾や習い事施設など、ご家庭によって重視するポイントを整理しておきましょう。

東京都23区で治安が良いのはどこ?

まず、子育てをする上で重視したいのが治安の良さではないでしょうか。人口に対する事件事故発生数から犯罪率を算出し、ランキングにしました。上位3位の区の中から子育てしやすい街をご紹介します。

東京都23区治安の良さランキング<2025年1月>

ランキング人口(人)事件事故件数犯罪率
1目黒区287,406820.03%
2杉並区593,5461800.03%
3練馬区757,6442420.03%
4世田谷区944,6173620.04%
5品川区427,7451770.04%
6中野区351,1481540.04%
7大田区751,5913370.04%
8文京区248,6371150.05%
9板橋区592,4462790.05%
10江戸川区694,4763340.05%
11江東区539,3642650.05%
12葛飾区458,7012340.05%
13足立区701,4923590.05%
14荒川区223,3231200.05%
15北区363,7362070.06%
16墨田区283,7361720.06%
17中央区186,4601470.08%
18港区268,3732430.09%
19豊島区309,0532850.09%
20台東区224,4072330.10%
21渋谷区244,3873120.13%
22新宿区357,5235080.14%
23千代田区68,4732500.37%

出典:警視庁「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数
出典:東京都「東京都の人口(推計)

目黒区

東京都23区治安の良さランキング1位は、目黒区です。自由が丘のように人が集まるエリアもありますが、閑静な住宅街も多く、落ち着いた住環境が魅力となっています。

目黒区にある「学芸大学」駅周辺は、大きな商店街が複数あり、ファミリー層でも暮らしやすい街です。都心へのアクセスが良いのはもちろん、横浜にも出やすいというメリットもあります。

学芸大学駅から徒歩6分程度の場所には、緑豊かな「碑文谷公園」があり、公園内にはうさぎやモルモット、ポニーと触れ合える広場があることが嬉しいポイントです。

杉並区

目黒区に続いて2位となるのは杉並区です。杉並区は、治安維持のために防犯に力を入れており、区職員等で安全パトロール活動を行っています。

3路線が通る「荻窪」駅周辺は、商業施設や繁華街が広がり、日常的な買い物からおしゃれなファッションまで買い物に困ることがありません。

杉並区には大きな公園も点在しており、2つの池がある「善福寺公園」では、カモやカワセミなどの野鳥が見られます。親水施設があるので子どもが水遊びを楽しめるのも魅力です。

練馬区

東京都23区治安の良さランキング3位は、練馬区です。都心へのアクセスが良い街でありながら、大きな繁華街が少なく、全体的に治安の良い区となっています。

練馬区は、公園の数や緑が多いことも魅力です。都営地下鉄大江戸線「光が丘」駅周辺は、保育園や幼稚園が多く、子育て環境が整っています。「光が丘公園」には、複合遊具や噴水があり、のびのびと子どもを遊ばせることができます。

駅直結のショッピングモール、大小様々なスーパーや商店があり、毎日の買い物にも便利なエリアです。

東京都23区で待機児童が少ないのはどこ?

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子育てしやすい街の指標としては、保育園への入りやすさもポイントになります。東京都23区では待機児童が減少しており、ほとんどの区で待機児童数はゼロです。ただし、一部では待機児童がいる区もあるので、その区を一覧にまとめました。

東京都23区待機児童数<2024年4月>

就学前児童人口待機児童数待機率
荒川区8,425330.0039
世田谷区37,142580.0016
墨田区10,84480.0007
北区13,67080.0006
足立区24,10150.0002
文京区10,86720.0002

出典:東京都

東京都23区の待機児童は減少傾向にあるものの、それだけでは保育園へ入りやすいかどうかは判断できません。0歳児人口に対する、保育園の0歳児定員から入園倍率を算出し、保育園に入りやすい行政区をランキングにしました。

0歳児認可保育園に入りやすい行政区ランキング<2024年10月>

ランキング行政区入園倍率0歳児定員0歳児人口
1千代田区2.04252514
2新宿区2.368291,958
3豊島区2.407001,682
4葛飾区2.631,0642,801
5文京区2.696591,776
6板橋区2.751,1483,160
7品川区2.851,0282,933
8目黒区2.896511,879
9渋谷区2.895341,542
10杉並区2.901,1933,454
11港区2.938062,365
12中野区2.966992,069
13北区3.038042,435
14練馬区3.171,5274,843
15墨田区3.236091,965
16足立区3.321,1653,865
17荒川区3.434191,437
18世田谷区3.461,6635,747
19江東区3.561,0623,778
20中央区3.674431,625
21大田区3.931,1454,496
22台東区4.023591,443
23江戸川区7.665774,420

出典:東京23区 認可保育園入りにくい駅ランキング(2025年度入園版)公表

千代田区

0歳児認可保育園に入りやすい行政区ランキング1位は、千代田区です。千代田区は、23区の中央に位置し、利便性の高さが魅力となっています。

「飯田橋」駅周辺は、JR総武線や中央線、東京メトロなど複数の路線が乗り入れる利便性の高いエリアです。総合病院、スーパー、飲食店などが多くあり、生活するのに非常に便利な街といえます。

千代田区は、子育て支援制度が手厚く、児童手当や医療費助成を始め、育児支援訪問事業や子どもショートステイなど、様々な保育サポートが充実していることも特徴となっています。

新宿区

保育園に入りやすい行政区ランキング2位は、新宿区です。新宿区は利便性の高さはもちろんですが、意外にも「新宿御苑」や「新宿中央公園」など緑が豊かなスポットがあることも魅力となっています。

西武新宿線と都営大江戸線が利用できる「中井」駅は、都心へのアクセスが良いエリアでありながら、下町のような風情が残る街です。大きな商業施設はありませんが、昔ながらの商店街があり、日常的な買い物には困らないでしょう。

豊島区

ランキング3位の豊島区は、繁華街である「池袋」があるエリアですが、少し外れると下町のような情緒ある街並みが残っているエリアでもあります。

JR山手線が通る「大塚」駅は南口と北口にはそれぞれ大きな商店街があり、駅前全体が下町のような活気にあふれています。

商店街を少し離れると静かで落ち着いた住宅街が広がっており、小・中学校、高等学校も多く、教育環境も整っています。

東京都23区で保育サービス利用率が高いのは?

保育サービスとは、認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭的保育事業等の地域型保育事業、定期利用保育事業などを指します。

保育サービスの利用率が高いということは、共働きがしやすいエリアであるとも言い換えられるでしょう。保育サービス利用率が高い区ランキングは以下の通りです。

保育サービス利用率が高い区ランキング<2024年4月>

ランキング行政区就学前児童人口保育サービス
利用児童数
保育サービス
利用率
1荒川区8,4255,76368.4%
2墨田区10,8447,01864.7%
3江東区23,35815,07464.5%
4目黒区11,3977,34564.4%
5北区13,6708,79964.4%
6葛飾区17,41311,21364.4%
7豊島区9,8156,28064.0%
8杉並区22,77514,24162.5%
9板橋区20,21012,47361.7%
10品川区18,69911,50761.5%
11中央区9,7105,91060.9%
12中野区11,7637,11860.5%
13新宿区10,9756,54259.6%
14大田区27,50116,20558.9%
15台東区6,8503,97658.0%
16足立区24,10113,95557.9%
17練馬区31,08817,90657.6%
18文京区10,8676,17256.8%
19江戸川区26,87915,07356.1%
20渋谷区9,2625,16955.8%
21港区13,7807,65255.5%
22千代田区3,3371,81154.3%
23世田谷区37,14219,66552.9%

出典:東京都

荒川区

保育サービス利用率ランキング1位は、荒川区です。荒川区の子育て支援制度は、医療費助成や多胎児家庭支援、子育て教室や講座が充実していることが特徴となっています。
特に、医療費助成は所得制限がなく、乳幼児から18歳までと幅広い年代で助成を受けることが可能です。

子育てしやすい街としては、「町屋」駅周辺が挙げられます。京成電鉄・東京メトロ千代田線・都電荒川線を利用可能で、隅田川や「荒川自然公園」が近く、自然に囲まれた環境が魅力です。商業施設やスーパーが駅周辺に集まっているので、手早く買い物を済ませられるというメリットもあります。

墨田区

ランキング2位は墨田区です。墨田区の子育て支援制度は、医療費助成や多胎児家庭支援に加え、住宅に関する助成制度もあります。

すみだ住宅取得利子補助制度は、区内の住宅を取得した中学生以下の子どもがいる子育て世帯、または夫婦いずれもが40歳未満の若年夫婦世帯を対象に、住宅ローンの利子の一部を補助する制度です。

子育てしやすい街としては、「押上」駅周辺が挙げられます。都営浅草線や東京メトロ半蔵門線など4つの路線を利用できる利便性の高さや、東京スカイツリー周辺の商業施設を気軽に利用できることが魅力です。

江東区

ランキング3位は江東区です。江東区の子育て支援制度は、児童手当や医療費助成に加え、こども食堂や未就園児の定期的な預かり事業があることが特徴となっています。未就園児の定期的な預かり事業は、保護者の就労有無に関わらず、保育園の空きスペース等を活用して子どもを預けられる事業です。

子育てしやすい街としては、「清澄白河」駅周辺が挙げられます。「木場公園」や「清澄公園」、隅田川といった自然に囲まれた環境が魅力。東京メトロ半蔵門線と都営地下鉄大江戸線が利用可能で、都心へのアクセスも良好です。

美術館やカフェなどがあり、休日は人出もありますが、基本的には落ち着いた住環境となっています。

まとめ

東京23区内には、繁華街やオフィス街が多く、子育てに向かないエリアもありますが、少し外れるだけで下町のような風情や商店街があるエリア、緑が豊かで子育てしやすいエリアもあります。

実際の住み心地を確認するためには、現地に足を運び、駅周辺の様子や通学路に危険な場所がないかなどを自分の目で確認することも大切です。

この記事のポイント

「子育てしやすい街」というのはどんな街ですか?

子育て世帯にとって理想的な環境は、安全性と利便性のバランスが良いことです。加えて、保育園への入園のしやすさや子育て支援制度の充実度もポイントになります。

詳しくは「子育てしやすいのはどんな街?」をご覧ください。

東京都23区内で治安の良いところはどこですか?

子育てをする上で重視したいのが治安の良さではないでしょうか。人口に対する事件事故発生数から犯罪率を算出、ランキングにしました。

詳しくは「東京都23区で治安が良いのはどこ?」をご覧ください。

東京都23区内で待機児童が少ないのはどこですか?

東京都23区では待機児童が減少しており、ほとんどの区で待機児童数はゼロです。ただし、一部では待機児童がいる区もあるので、その区を一覧にまとめました。

詳しくは「東京都23区で待機児童が少ないのはどこ?」をご覧ください。

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ライターからのワンポイントアドバイス

子育てしやすい街の基準は人それぞれです。保育園への入園のしやすさや利便性を重視する方もいれば、手厚い子育て支援や緑豊かな公園を求める方もいるでしょう。
自分にとって子育てしやすい街を選ぶためには、住環境や家にかけられる予算、スーパーや商業施設の規模など、条件に優先順位を付けながら整理すると見つけやすくなります。

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