ざっくり要約!
- マンションの購入申込みは、売買契約を締結する前であれば違約金なしでキャンセルできます。
- 新築マンションの申込み時に支払った申込金は、キャンセルした場合でも全額返還されるのが原則です。
- 売買契約を結んだ後のキャンセルは、手付金の放棄や、場合によっては違約金の支払いが必要になります。
マンションの購入を決めて申込みをしたものの、さまざまな事情でキャンセルを検討する方もいるかもしれません。その際に、「違約金は発生するのか」「支払った申込金は戻ってくるのか」といった不安を感じることもあるでしょう。
この記事では、マンションの購入申込みをキャンセルできるのかという疑問について、違約金の有無や注意点を解説します。新築・中古マンションそれぞれの購入の流れも説明するので、手続きを進める際の参考にしてください。
記事サマリー
物件の購入申込みとは
マンションの購入申込みは、法的な契約とは異なり、あくまで購入の意思を示すための手続きです。ここでは、購入申込みがどのような意味を持つのか、中古と新築のケースに分けて見ていきましょう。
- 購入の意思を示すこと
- 中古マンション交渉は原則申込み順
- 新築マンションは抽選となることも
購入の意思を示すこと
マンションの購入申込みとは、売主や不動産会社に対して購入の意思を正式に伝える行為です。一般的には、購入申込書や買付証明書といった書類を提出します。
この段階ではまだ売買契約は成立しておらず、法的な拘束力はありません。そのため、もし購入を見送りたいと考えが変わった場合でも、基本的にはペナルティなしでキャンセルが可能です。
| ・「買い付け証明書」に関する記事はこちら 不動産売買の買い付け証明書の法的効力は?キャンセルの可否も解説 |
中古マンションの交渉は原則申込み順
中古マンションの場合、購入の申込みは早い者勝ちが原則です。複数の購入希望者が現れた際は、基本的に先に購入申込書を提出した人が、売主との交渉権を得られます。人気の物件では、わずかな差で交渉の機会を逃してしまうこともあります。
そのため、購入の意思が固まったら、速やかに申込みの手続きを進めることが大切です。
新築マンションは抽選となることも
新築マンションでは、販売戸数に対して購入希望者が多い場合、抽選によって購入者を決めることがあります。特に、駅に近いなど条件の良い人気物件では、抽選になるケースが少なくありません。
申込み期間内に手続きを済ませた人が抽選の対象となり、当選した人が売買契約へと進む権利を得られます。
中古マンションの購入までの流れ
中古マンションの購入は、新築とは異なる流れで進みます。購入の意思を固めてから売買契約を結ぶまでには、いくつかの段階を踏むのが一般的です。
ここでは、中古マンション購入の主な流れを3つのステップで解説します。
- 購入申込書(買い付け証明書)を提出する
- 交渉権が得られれば売主と交渉
- 契約条件等に合意すれば売買契約
購入申込書(買付証明書)を提出する
購入したい中古マンションが決まったら、まず不動産会社を通じて売主に購入申込書(買付証明書)を提出します。この書類には、購入希望価格や住宅ローンの利用予定、引き渡しの希望時期といった条件を記載します。
購入申込書は、これからの交渉の土台となる重要な書類ですが、この時点ではまだ法的な拘束力はなく、あくまで交渉の開始を申し入れるためのものです。
交渉権が得られれば売主と交渉
購入申込書を提出し、売主が交渉に応じる姿勢を示すと、具体的な交渉が始まります。交渉の主な内容は、売買価格や引き渡し日、その他付帯設備の条件などです。
たとえば、提示されている価格に対して値下げを希望する場合や、エアコンなどの設備を残してほしいといった要望もこの段階で伝えます。不動産会社の担当者が間に入り、双方の意見を調整しながら合意点を探っていきます。
契約条件等に合意すれば売買契約
売主と買主の間で価格や引き渡し日などの条件がまとまったら、重要事項説明を経て、正式な売買契約を締結します。
重要事項説明では、宅地建物取引士から物件に関する法的な制限や権利関係など、専門的な内容の説明を受けます。内容を十分に理解し、納得したうえで売買契約書に署名・捺印することで、契約が法的に成立します。売買契約以降のキャンセルには、原則としてペナルティが発生します。
| ・「売買契約」に関する記事はこちら 不動産の売買契約とは?簡単にわかりやすく解説! |

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新築マンションの購入までの流れ

新築マンションを購入する際は、抽選を経て契約に至るなど、中古物件とは異なる手順があります。ここでは、新築マンションの申込みから売買契約までの一般的な流れを説明します。
- 購入申込み
- 申込者が多い場合は抽選
- 売買契約
購入申込み
モデルルームを見学し、購入したい住戸が決まったら、販売会社に購入の申込みを行います。この際、申込書への記入とともに、申込証拠金として数万円から10万円程度の支払いが必要になる場合があります。
申込証拠金は、購入の意思を示すために預けるお金で、法的な手付金とは性質が異なります。申込みをキャンセルした場合、申込証拠金は原則として全額返還されます。
申込者が多い場合は抽選
希望する住戸に複数の申込みがあった場合、販売センターなどで抽選が行われます。抽選は公開で実施されることが多く、公正な手続きで購入者が決定されます。
当選した場合は購入の権利を得られますが、落選した場合はその住戸を購入することはできません。落選した場合、支払った申込証拠金は全額返還されます。人気の高い物件では、高倍率の抽選になることも珍しくありません。
売買契約
抽選に当選し、購入の意思が最終的に固まったら、売買契約の手続きに進みます。契約日には、重要事項説明を受けた後、売買契約書に署名・捺印します。この際、物件価格の5〜10%程度を手付金として支払うのが一般的です。
この売買契約が成立すると、法的な拘束力が生じ、以降、自己都合でキャンセルする場合には手付金を放棄する必要があるなど、ペナルティが発生します。
新築・中古ともにマンションの購入申込みはキャンセル可能
マンションの購入申込みは、売買契約を結ぶ前であれば、新築・中古を問わずキャンセルが可能です。ここでは、申込みをキャンセルする際のポイントや、契約後のキャンセルとの違いについて解説します。
- キャンセルに際して違約金などは不要
- キャンセルするならできる限り早めに
- 契約後のキャンセルは注意
キャンセルに際して違約金などは不要
売買契約を締結する前であれば、購入の申込みをキャンセルしても違約金や損害賠償を請求されることはありません。購入申込書は法的な契約書ではないためです。
新築マンションの申込み時に申込証拠金を支払っている場合も、キャンセルすれば全額返還されるのが原則です。万が一、不動産会社が返還を拒否するようなことがあれば、宅地建物取引業法に抵触する可能性があるため、覚えておくとよいでしょう。
キャンセルするならできる限り早めに
法的なペナルティがないとはいえ、申込みのキャンセルを決めたら、できる限り早く不動産会社に連絡を入れるのがマナーです。申込みをしている間、売主は他の方からの商談を断っている可能性があります。
また、不動産会社も契約に向けた準備を進めています。関係者に与える影響を最小限に抑えるためにも、誠意ある対応を心がけ、速やかにキャンセルの意思を伝えましょう。
契約後のキャンセルは注意
売買契約を締結した後のキャンセルは、申込み段階とは異なり、原則としてペナルティが発生します。自己都合で解約する場合、一般的には契約時に支払った手付金を放棄する必要があります。
さらに、売主がすでに引き渡しの準備などを始めているといった履行の着手後にキャンセルをすると、手付金の放棄に加えて売買代金の10〜20%に相当する違約金を請求される可能性もあります。
ただし、住宅ローンの審査が通らなかった場合に契約を白紙に戻せるローン特約が付いている場合、ローンの否認が理由であれば無条件で解約でき、手付金も返還されます。
| ・「手付金」に関する記事はこちら 不動産売買の手付金とは?相場や役割、支払い方法を解説 |
まとめ
マンションの購入申込みは、売買契約を締結する前であれば、基本的に違約金なしでキャンセルできます。新築物件で申込証拠金を支払った場合も、原則として全額が返還されます。
ただし、正式な売買契約を結んだ後のキャンセルは、手付金の放棄や違約金の支払いといったペナルティが発生する点を把握しておきましょう。
マンションの購入は大きな決断であり、手続きに不安を感じることもあるかもしれません。東急リバブルでは、お客様の状況に合わせ、安心して住まい選びを進められるようサポートいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事のポイント
- 「物件の購入申込み」をするとすぐに購入しないといけないのでしょうか?
マンションの購入申込みは、法的な契約とは異なり、あくまで購入の意思を示すための手続きです。
詳しくは「物件の購入申込とは」では、購入申込みがどのような意味を持つのか、中古と新築のケースに分けて見ていきましょう。
- 中古マンションの購入までの流れを教えてください。
中古マンションの購入は、新築とは異なる流れで進みます。購入の意思を固めてから売買契約を結ぶまでには、いくつかの段階を踏むのが一般的です。
詳しくは「中古マンションの購入までの流れ」をご覧ください。
- 新築マンションの購入までの流れを教えてください。
新築マンションを購入する際は、抽選を経て契約に至るなど、中古物件とは異なる手順があります。
「新築マンションの購入までの流れ」では、新築マンションの申込みから売買契約までの一般的な流れを説明します。
ライターからのワンポイントアドバイス
マンションの購入申込みをキャンセルする際は、電話で一報を入れた後、メールや書面など記録に残る形で正式に意思を伝えておくと、後のトラブル防止につながります。キャンセルの理由を正直に、かつ丁寧に伝えることで、不動産会社との関係性を損なわずに済むでしょう。例えば、「家族と話し合った結果、今回は見送ることになりました」「他の物件と比較検討した結果、別の物件に決めました」などの理由を伝えます。安易な申込みは避けるべきですが、万が一キャンセルする際は、丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。

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