老後資金対策に不動産投資を活用する方法|年金+家賃収入で安心プランを設計
ざっくり要約!
- 不動産投資は年金対策だけでなく、インフレや相続税の対策にもなる
- 成功のためには、まず「必要な家賃収入」を把握することが不可欠
- リスクはあるが、正しい知識で事前に対策は可能である
「将来、年金だけで本当に生活していけるだろうか?」
多くの方が、そんな漠然とした不安を感じているのではないでしょうか。
税金や社会保険料に加えて物価も上昇している2025年時点では、公的年金だけに頼る将来に希望を見いだせないとしても無理はありません。
将来に向けた有効な対策の一つとして今、注目されているのが「不動産投資」です。家賃収入という「私的年金」を育て、インフレにも強い資産を持つことで、未来のお金の不安を「安心」へと変えられます。
この記事では、不動産投資のメリットから具体的なリスク対策などについて解説します。
目次
老後不安がある今、不動産投資が注目される理由
老後2000万円問題に象徴されるように、将来の経済的な不安は多くの方にとって他人事ではありません。
公的年金だけを頼りにするのが難しい時代だからこそ、自身の資産を守り、育てていく「自助努力」が求められています。そんな中で、不動産投資は有力な選択肢の一つです。
家賃収入が年金代わりになる
不動産投資で得られる家賃収入は、公的年金を補う「自分だけの私的年金」として機能します。入居者がいる限り、年金とは別の収入源から毎月安定的にお金が振り込まれる仕組みを構築できるからです。
老後の収入の柱が複数あることは、経済的な安定はもちろん、精神的な安心感にも直結します。なお、家賃収入(不動産所得)を得ても、受け取れる公的年金の額は減りません。
給与収入を得ながら年金を受け取ると年金が減額されることもあります。しかし、不動産所得は給与収入とは別扱いされるため、年金を満額受給しながら収入を上乗せできます。
インフレ対策にもなる
不動産投資は、インフレによる「お金の価値が目減りするリスク」への有効な対策の一つです。物価が上昇するインフレの局面では、現金や預貯金の価値は相対的に下がってしまいます。
その一方で、不動産のような「現物資産」は、物価の上昇に合わせて資産価値や家賃も上昇する傾向があります。
具体的に、もし今後インフレが進んでモノの値段が2倍になれば、銀行に預けている1,000万円の価値は実質的に半分になってしまうでしょう。しかし、不動産投資をしていれば、物価に合わせて家賃を引き上げることも可能です。また、物件そのものの価値も物価に合わせて維持・上昇します。
インフレの局面においては特に、投資用不動産は、現金よりも安定性の高い価値を持っていると言えます。したがって、現金や預貯金だけでなく、価値が変動しにくい不動産を資産ポートフォリオに組み入れることは、将来の経済変動に対する「守りの一手」として有効です。
・「インフレ対策」に関する記事はこちら
【比較解説】インフレに強いのは不動産投資?株式投資?資産防衛の視点で選ぶ最適解とは
【2025年最新版】不動産投資とインフレ対策|資産保全に有効な理由とは?
売却して老後資金に充てることも
家賃収入を得るだけでなく、必要なタイミングで売却すれば、不動産をまとまった老後資金に変えることも可能です。
老後の生活では、月々の生活費とは別に、介護施設の入居金や高度医療費など、一時的に大きな資金を要する場面が訪れるかもしれません。不動産は、そうした突発的な出費に備えるための「切り札」になり得ます。
不動産投資をしていれば、普段は家賃収入を得ながら、もし急に大きなお金が必要になった際には、その物件を売却して現金化するという選択肢が生まれます。年金や預貯金だけでは対応が難しい不測の事態にも、柔軟に対応可能です。
相続税対策にもなる
現金で資産を相続する場合と比べて、不動産の相続は相続税の負担を大きく軽減できます。相続税を計算する際の資産評価額が、現金と不動産では大きく異なるからです。
現金や預貯金は額面通り100%で評価されるのに対し、不動産の評価額は実際の時価(取引価格)よりも低く算出されるのが一般的です。
時価3,000万円の不動産の場合、相続税路線価などを基に計算される評価額は、その7~8割程度の2,100~2,400万円程度になることがあります。また、その不動産を人に貸している場合は、評価額がさらに下がることも多いものです。
この評価額の差が、課税対象となる金額を圧縮し、結果として相続税の節税に繋がります。
・「節税」に関する記事はこちら
不動産投資で節税ができる仕組みを解説! 住民税・所得税・相続税を節税したいときの注意点は?
「年金+家賃収入」で安定した老後とするには
不動産投資は老後の資金対策として有効です。しかし、ただ漠然と「不安だから」という理由で始めてしまうのは危険です。成功のポイントは、現状を正確に把握し、具体的な目標を設定することにあります。
まずは年金受給額を調べる
年金対策として不動産投資を検討する最初のステップは、ご自身が将来受け取れる年金額を正確に把握することです。
現状の土台となる収入を知らなければ、「自分自身は老後の生活にいくら必要なのか」という具体的な不足額を算出できません。漠然とした不安を解消するためには、まず数字で現状を直視することが必要です。
将来受け取れる年金額を把握するためには、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」や、日本年金機構のウェブサイト「ねんきんネット」を確認すると良いでしょう。
特に「ねんきんネット」では、年金記録をいつでも確認できるうえに、将来の受給額をシミュレーションすることも可能です。
老後に必要な費用をシミュレーション
年金受給額を把握したら、次に「ご自身が送りたい老後の生活には、一体いくらかかるのか」をシミュレーションしましょう。
「理想の生活費」と「年金受給額」の差額こそが、あなたが不動産投資によって得るべき家賃収入の具体的な目標額になります。目標が明確になることで、物件選びの基準や必要な投資規模もはっきりしてくるでしょう。
ご自身の理想の生活を描いてから「ゆとりある老後の生活費(例:月35万円など)」を設定し、調べた年金額との差額を計算します。
理想の未来から逆算して必要な金額を算出することで、「月々あと10万円の家賃収入があれば目標を達成できる」といった、具体的で現実的なゴールを設定できます。
物件選びでは安定性と節税効果もチェック
目標収入を達成するための物件選びでは、表面的な利回りの高さだけでなく、「長期的な安定性」と「節税効果」という二つのポイントをチェックしましょう。
利回りが高くても空室が発生してしまっては計画通りの収入は得られませんし、税金を支払った結果、手残りがほとんどなくなってしまうケースも少なくないからです。
具体例として、「安定性」の観点では、人口が増加傾向にあり、最寄り駅から徒歩10分以内など、賃貸需要が将来にわたって見込めるエリアの物件を選ぶことが基本です。「節税効果」の観点では、建物の減価償却費をうまく活用することがポイントになります。
特に中古物件は、新築物件と比べて短い期間で減価償却できるため、不動産所得を圧縮して所得税や住民税の負担を軽減できます。
・「物件選び」に関する記事はこちら
不動産投資で成功する物件の選び方|優良物件を見極めるポイントと現地調査のコツ
失敗しない不動産投資4つのステップ
不動産投資によって得たい金額が定まったら、目標に向けて具体的なアクションを起こしていきましょう。ここからは、不動産投資の流れについて解説します。
情報収集をする
ゴールを設定したら、次は信頼できる情報源から不動産投資の基礎知識を学ぶことが大切です。インターネットには断片的な情報や、特定の立場に偏った意見も多く、正しい知識なくしては冷静な判断ができません。
まずは、定評のある書籍を数冊読んだり、中立的な立場で開催されているセミナーに参加したりして、体系的な知識を身につけましょう。
専門家に相談「自分の状況」を客観的に把握する
基礎知識を身につけたら、信頼できる不動産会社の専門家に相談し、客観的なアドバイスを求めることが有効です。独学だけでは気づきにくい点や、ご自身の年収・資産状況に合わせた具体的なプランについて、プロの視点から助言をもらえるからです。
この際、一社だけでなく複数の会社に相談し、その対応や提案内容を比較検討することで、本当に信頼できるパートナーを見つけやすくなります。
資金計画「無理のない予算」を立てる
具体的な物件を探し始める前に、必ずご自身の「無理のない予算」を明確にする必要があります。不動産投資は多額の資金が動くため、身の丈に合わない投資は、将来のキャッシュフローを圧迫し、計画全体を危うくするからです。
自己資金はいくら投入できるのか、金融機関から融資を受けられるのか、そして毎月いくらまでなら安定してローンを返済できるのかを具体的に見極めます。
・「投資シミュレーション」に関する記事はこちら
不動産投資シミュレーションの作り方と使い方|キャッシュフローと利回りを正確に把握する方法
物件の検討「提案された物件」を冷静に分析する
続いて重要なポイントは、専門家から提案された物件を、自分自身のゴールと照らし合わせて冷静に分析・検討することです。
営業担当者の言葉を鵜呑みにするのではなく、その物件が本当に自分の目的を達成するために最適な選択肢なのかを、客観的な視点で見極めることが必要です。
提示された収支シミュレーションは妥当か、物件の立地や周辺環境に問題はないかなど、最終的な判断は人任せにしないことが重要になります。
年金対策は安定性が重要:不動産投資のリスク

不動産投資は老後の資金対策として有効ですが、あくまでも安定した運用をできていることが前提です。ここからは、安定運用を目指すうえでケアすべき不動産投資のリスクについて解説します。
空室・家賃滞納のリスク
空室や家賃滞納は、家賃収入に基づいた計画を揺るがす直接的なリスクです。不動産投資における収益の源泉は毎月の家賃です。家賃が入ってこなければ、ローンの返済や経費の支払いが自己資金からの持ち出しになってしまいます。
空室や家賃滞納のリスクは、賃貸需要の安定したエリアの物件を選ぶことや、信頼できる賃貸管理会社に管理を委託することで対策可能です。
金利上昇のリスク
変動金利で融資を受ける場合は、将来の金利上昇によって返済額が増加するリスクがあります。当初は問題なく返済できていても、市場の金利が上昇すれば、月々の返済負担が重くなり、収支のバランスが崩れてしまいます。
このリスクに対しては、返済計画に余裕を持たせたり、固定金利の利用を検討したりするなど、ご自身の資金状況に合わせた事前の対策が重要です。
災害(地震・火災)のリスク
地震や火災、水害などの自然災害は、物件そのものに損害を与える物理的なリスクです。
災害によって建物が損傷・倒壊すれば、多額の修繕費がかかるだけでなく、資産価値そのものが失われてしまう可能性もあります。
災害のリスクに対しては、適切な火災保険や地震保険に加入することが基本的な対策となります。また、物件選びの段階でハザードマップを確認することも有効です。
建物の老朽化・修繕のリスク
どんな建物であれ、不動産は必ず経年劣化するため、突発的な修繕費が発生するリスクがあります。このリスクに備えるためには、あらかじめ長期的な視点で修繕計画を立て、必要な費用を計画的に積み立てておくという資金管理が必要です。
不動産業者に関するリスク
不動産投資を検討するうえでは、知識や経験が少ない方をターゲットにした、不利益な取引に誘導する業者が存在するリスクがあります。このリスクを軽減するためには、特定の一社の情報だけを信じ込まず、複数の不動産会社から話を聞くなど、信頼できるパートナーを慎重に見極める姿勢が何よりも大切です。
距離のリスク
所有物件が遠方にあることで生じるリスクもあります。物件が遠いと、定期的な清掃や修繕が必要になった際に、わざわざ現地まで行く時間や交通費がかかります。遠いからとほったらかしにしていると修繕などが適切に行われず物件の価値を毀損する可能性もあります。また、入居者からの急なトラブル対応(設備の故障など)も迅速に行うことが難しくなります。
信頼のおける管理会社に委託することで対策ができることもありますが、遠いがゆえにそのような会社を探したり見定めたりすることも大変です。物件を探す際は、自宅からの通いやすさも考慮に入れるとリスクを低減できます。
・「不動産投資のリスク」に関する記事はこちら
不動産投資の6大リスク一覧!未然に防ぐ方法とは?
老後資金対策として不動産投資をするときの注意点
老後資金対策として不動産投資を成功させるためには、物件を購入して終わりではなく、長期的な視点を持って計画的に運営していくことが必要です。
不動産投資は株式の短期売買などとは異なり、10年以上など長い時間をかけて収益を積み上げていく「事業経営」に近いからです。物件購入時の判断だけでなく、「いつ始めるか」「どのように資金を調達するか」「最終的にどのように手放すか」という、入口から出口までの一貫した戦略が、最終的な成果を大きく左右します。
できる限り若いうちから始める
老後を見据えた不動産投資は、できる限り若いうちから始めるのが有利です。これには大きく二つの理由があります。一つは金融機関からの「融資条件」が有利になること、もう一つは「時間」を味方につけて資産形成を効率化できることです。
金融機関はローン審査の際に申込者の年齢と完済時年齢を厳しく見ます。例えば30歳で始めれば、最長で35年ローンを組むことが可能ですが、50歳で始めると完済時年齢が85歳となるため、ローンの返済期間が短くなったり、そもそも審査が厳しくなったりする傾向があります。
さらに、若いうちから始めれば、定年退職を迎える頃にはローンを完済できる可能性が高まります。もちろん、40代や50代からでは遅すぎるということはありませんが、時間を味方につけるという観点からも、思い立った時に専門家へ相談すると良いでしょう。
ローンのバランスを考慮する
不動産投資を成功させるには、自己資金とローンのバランスを慎重に考慮し、「無理のない範囲でレバレッジを効かせる」ことが鉄則です。
不動産投資の魅力である「レバレッジ効果(少ない自己資金で大きな資産を動かすこと)」は、裏を返せば「多額の借金を負うこと」と表裏一体です。
過度な借入は金利上昇や空室発生といった不測の事態に対応する力を失わせ、最悪の場合、家賃収入だけでは返済を賄いきれずに破綻するリスクを高めてしまいます。
不動産経営を安定させるためには、物件価格の1~2割程度の自己資金を準備し、残りを融資で賄うのが一つの目安です。 自己資金を投入することで月々のローン返済額を抑えられるだけでなく、金融機関からの信頼も得やすくなります。
・「不動産投資ローン」に関する記事はこちら
不動産投資ローンの種類と選び方|アパートローン・プロパーローン・ノンバンクの違いとは?
不動産投資ローンの金利相場はどれくらい?金利タイプによる返済額を比較
・「自己資金」に関する記事はこちら
不動産投資に自己資金はいくら必要?自己資金別の購入できる物件価格と種別を紹介
継承や相続を見据えた管理を
不動産投資は物件を購入する時から、将来の「継承や相続」といった出口戦略までを見据えて計画・管理することが、長期的な成功のために不可欠です。
不動産は現金と違って簡単に分割できません。また、誰が引き継ぐのか、管理はどうするのかといった問題は、時として家族間のトラブルを招くものです。
具体的な対策としては、まず信頼できる管理会社に物件管理を委託しておくことが挙げられます。 優秀な管理会社に任せておけば、ご自身に万が一のことがあっても、相続人がスムーズに運営を引き継げるでしょう。
まとめ
不動産投資は、家賃収入によって「私的年金」を構築できるだけでなく、インフレによる資産価値の目減りを防ぎ、相続時の税負担を軽減できる可能性も持っています。
投資を成功させるためには、ご自身の年金受給額と理想の老後生活費を把握し、具体的な目標額を設定することから始めましょう。
最終的に、長期的な視点に立った無理のない資金計画を立て、信頼できるパートナーを見つけることが、安定した資産形成を実現する鍵となります。

不動産投資用物件なら東急リバブルにお任せ下さい。
投資用マンション・投資用アパート・ビル購入など、最新の投資用不動産情報をお届けします。
ワンポイントアドバイス
「不動産投資による家賃収入は年金代わりになる」というのは、不動産会社の常套文句でもあります。しかし、不動産会社が提示する「収支シミュレーション」の大半は、家賃下落や突発的な修繕費などが考慮されていない、最も楽観的な「理想の数字」です。
物件を探す際には「周辺の競合物件が増えて家賃が10%下落したら?」「2年間で3ヶ月の空室が出たら?」など、厳しい条件を加えても、なおキャッシュフローが出る物件であるかを確認しましょう。
この記事のポイント
Q. なぜ老後資金のために不動産投資が注目されているのでしょうか?
A. 老後2000万円問題に象徴されるように、将来の経済的な不安は多くの方にとって他人事ではありません。公的年金だけを頼りにするのが難しい時代だからこそ、自身の資産を守り、育てていく「自助努力」が求められています。詳しくは「老後不安がある今、不動産投資が注目される理由」をご覧ください。
Q. 年金と家賃収入で安定した老後を過ごすにはどうすれば良いですか?
A. 不動産投資は老後の資金対策として有効です。しかし、ただ漠然と「不安だから」という理由で始めてしまうのは危険です。詳しくは「「年金+家賃収入」で安定した老後とするには」をご覧ください。
Q. 不動産投資にはどのようなリスクがありますか?
A. 不動産投資は老後の資金対策として有効ですが、あくまでも安定した運用をできていることが前提です。「年金対策は安定性が重要:不動産投資のリスク」で、安定運用を目指すうえでケアすべき不動産投資のリスクについて解説します。