埼玉県の南中部に位置する川越市。都心から近いだけでなく、川越駅東口側には歴史的な建造物が多く残り、“小江戸”と称されて多くの観光客でにぎわいます。対する西口周辺は再開発によって一味ちがった雰囲気が。川越駅周辺に住むなら東口側か西口側か、情報をまとめていきましょう。
記事サマリー
川越駅・川越市駅・本川越市駅の3駅利用可能。空港やディズニーへの直行バスも
新宿から1時間程度で到着と、都心からのアクセスが良好な川越駅周辺。ほかにも2駅が近接し、往来するバスも多く、交通の便がいいエリアです。
川越駅・川越市駅・本川越駅の3駅が市街地に近接。新宿まで乗り換えなし
川越駅周辺に住んだ場合、川越市駅や本川越駅も近いため、3駅を使い分けると便利でしょう。なかでも川越駅は、JRの「川越線」(埼京線・八高線)および「東武東上線」が往来し、駅前も栄えた主要駅のため利用する機会も多いかもしれません。東武東上線で川越駅よりひとつ下ったら「川越市駅」です。東武東上線の1路線だけではありますが、周辺に学校があり学生の乗り降りでにぎわいをみせます。
そして西武新宿線の始発・終着駅である「本川越駅」。新宿に行くなら、本川越駅から西武新宿駅まで“座って行きたい”と考える人も多いのではないでしょうか。川越の観光名所として多くの人が往来する「一番街（蔵造りの町並み）」の最寄りのため、川越駅にも負けない活気があります。
川越駅周辺の市街地を廻る路線バスから空港・ディズニー直行の高速バスまで豊富
川越駅には東口と西口それぞれにロータリーがあり、市内を巡回するバスが往来しています。路線バスは西武バス・東武バスウエスト・川越シャトルが運行。さらに観光地を廻るのに便利な小江戸巡回バス（イーグルバス）と小江戸名所めぐりバス（東武バス）もあり、それぞれ1日乗車券が販売されています。観光地などを廻るときは利用するのもよいでしょう。
そのほか東京ディズニーリゾートに向かうバスを東部バスウエストと京成トランジットバスが共同運行。さらに江ノ島や藤沢駅に向かう東武バスの川越湘南線（2020年11月1日より運休中[2022年5月時点]）や、羽田空港に直行の空港連絡バス（イーグルバス・西武バス・東京空港交通による共同運行）など遠方へのバスも豊富です。
川越市駅からもバスは利用可能ですが、東武バスの「川越05」と小江戸巡回バス・小江戸名所めぐりバスの巡回バスのみです。川越市駅付近に住む場合は、川越駅や本川越駅まで歩いてからバスを利用する選択肢もあるでしょう。
【川越駅周辺の今】小江戸として有名な人気観光地。西口側は再開発で都市機能が向上
小江戸と称される歴史的な町並みは、東口から徒歩で20〜30分程度と川越駅からは少し距離があります。時の流れとともに町の中心が移り変わり、一番街周辺と川越駅周辺とではまったく違う雰囲気の町が広がっていきました。
小江戸と称される伝統的な町並みが守り継がれている川越
川越といえば、一番街にある蔵造りの町並みを想起される人も多いでしょう。川越城が築城された1457年ころから栄えはじめ、1638年の大火以降から城下町として作られた建物が今も残っている珍しい町です。
商人の町として栄えるも、1893年におきた川越の大火で町の1/3が再び焼失しました。川越の大火を契機に、日本の伝統的な耐火建築である土蔵造りが採用されて増加。大正・昭和期に建てられた洋風建築も混在し、さまざまな時代にタイムスリップしたような町並みが残るエリアになりました。景観を保つためのルールも定められ、特定非営利活動法人「川越蔵の会」と行政の協力によって町並みが保存されています。
[参考]
川越駅を中心に再開発が進展。西口側は都市的な町並みが広がる
都心へのアクセスの良さはすでに紹介しましたが、川越は古くから交通の要所とされてきました。商人たちで栄えた一番街から、街の中心が川越駅の方に移ったのは1975年ごろといわれます。川越駅周辺は再開発が進み、歴史的な町並みの一番街周辺とは違った都市機能が拡充されてきました。
もともと巨大商店街「クレアモール」や大型商業施設「アトレ川越」などが立ち並んで活気があった東口にくわえて、西口も2014年に駅前広場のロータリーがリニューアル。「U_PLACE」や「ウェスタ川越」などの商業テナントや行政サービスが集まる施設もできて、都市的なエリアに生まれ変わりました。また東西の出口は駅ビルの2階でつながっており、両エリアの往来もしやすくなっています。
川越駅周辺で住むのにおすすめのエリア2つ
町の中心となった川越駅周辺。住むときには一番街へも近くて古くからのにぎわいが感じられる東口側か、再開発によって都市的な雰囲気が魅力の西口側かを検討しましょう。
(1) 全長1200mにもおよぶ商店街が小江戸の町へとつながる「川越駅東口側」
紹介してきたとおり、一番街などの観光エリアが集まっているのが川越駅東口側です。観光だけでなく、巨大商店街「クレアモール」などで日常的な買い物のしやすさも抜群。古い町並みのなかに新しい住宅も増えています。
川越駅東口を出ると目の前にはペデストリアンデッキが広がっています。2022年春にきれいに整備が完了したばかり。屋根もついて待ち合わせに重宝するだけでなく、スロープの改良や滑りにくいタイルの設置で安全性も向上しました。デッキ下にはロータリーが広がり、バスやタクシーが往来しています。
川越駅東口前には、駅ビル内にある「EQUiA川越」のほか、東口すぐの「川越マイン」や「アトレ川越」などショッピングセンターが豊富。また北側に進むと「クレアモール」の入り口が見えてきます。全長1200mにおよぶ巨大商店街で、飲食店やエンタメスポットなどが充実。買い物や娯楽なら東口側の方が選択肢は多いといえるでしょう。
新富町あたりからクレアモールを西に曲がると「本川越駅」が見えてきます。西武新宿線の始発・終着駅で、新宿（西武新宿駅）へも特急なら45分程度で到着。「西武本川越ペペ」が駅直結のほか、目の前に「イトーヨーカドー食品館川越店」もあり周辺での買い物も不自由しないでしょう。
クレアモールが終わると、石畳が綺麗な大正浪漫夢通りへと入っていきます。通りの名前そのままの時代を感じるレトロな建物だけでなく、一本それれば新興のマンションも立ち並ぶエリアです。この辺りまで来れば一戸建ても多くあるため、家族で住むのにもよいでしょう。
大正浪漫夢通りを行き突き当たりを西側に曲がると「仲町」の交差点が。川越の観光スポット「一番街」に到着です。道の両脇に蔵造りの建物が並び、人力車が往来する姿も見られます。道の両脇を埋め尽くす観光客用に、食べ歩きスイーツのお店などが多く並んで楽しいエリアです。
一番街周辺までは、川越駅からだと徒歩25分程度。もし一番街周辺に住むならば本川越駅の方が近いので、適宜使い分けてみてください。川越駅前の便利さに加え、休日には歴史を感じながら散策なども楽しみたい人は東口側で物件を探してみましょう。
(2) 再開発で都市的な生活が楽しめる「川越駅西口側」
東口側のにぎやかさとは対照的に、洗練されて落ち着いた雰囲気が川越駅西口側にはあります。再開発を終えて駅前にライフラインが充実。都市的な生活が送れるエリアです。
川越駅西口を出ると東口と同じようにロータリーが広がっています。2014年にリニューアルが完了し、ペデストリアンデッキによって車両と歩行者の完全分離。駅からまっすぐ伸びる道は両脇ともに歩道の幅がしっかり確保され、安全に歩ける駅前が実現しています。
西口側は金融機関やオフィスビルなどが多いビジネスエリアといってもよいでしょう。ショッピング施設の豊富さは東口側に軍配が上がりそうですが、西口側にも「ルミネ川越」があったり、オフィスビルの合間にファミレスやコンビニもあったりするため、人によっては西口側でも十分利便性を感じられるかもしれません。
川越駅西口市有地活用事業利活用によって生まれた複合施設「U_PLACE」も西口からすぐそこです。駅から続く屋根付きのペデストリアンデッキによって、雨の日には濡れずに到着できるほど便利な立地。川越市民サービスステーションという行政機能も担っているほか、レストラン・オフィス・ホテルなどが入った西口のランドマーク的な施設です。
さらに徒歩数分の場所には、2015年オープンの複合拠点施設「ウェスタ川越」が広がっています。1700人収容の大ホールや公共施設のほか、ショッピングセンター「ウニクス川越」も入っており、U_PLACEと合わせて西口側の都市的な雰囲気を象徴する施設です。
西口周辺には住宅も豊富です。単身向け・家族向けのマンションはもちろん、一戸建ても多く、車が停まっている物件も多数見られました。また川越駅から徒歩では40分以上かかりますが、「川越公園（川越水上公園）」が近くの大きい公園として人気です。電車の場合は川越市駅の先にある最寄りの「西川越駅」から行くか、車で行く選択肢もあるでしょう。
川越駅周辺に住むなら東口側か西口側かを検討
伝統的な町並みやにぎやかな商店街が売りの東口側と、再開発によって都市的になった西口側とでは町の雰囲気が大きく異なります。ぜひ一度足を運んで実際に違いを感じながら、物件を散策してみてください。
今回は駅周辺を紹介しましたが、車を持ちたいと考えている人などは駅から離れた場所の物件を探すのも選択肢の一つです。もし川越駅周辺での暮らしに興味をお持ちであれば、東急リバブルが物件探しをサポートいたします。
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