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世帯年収1,000万円の住宅ローン適正額は?無理なく返せる目安を解説

執筆者プロフィール

水野 崇
水野崇
CFP®︎認定者/1級ファイナンシャルプランニング技能士

水野総合FP事務所代表。東京理科大学理学部卒業後、東京エレクトロン株式会社に就職。30歳で独立起業し、複数事業のスタートアップに参画、スモールM&Aを経験。現在は独立系FPとして活動の幅を広げ、相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、テレビ出演など多方面で活躍。
https://mizunotakashi.com/

ざっくり要約!

  • 住宅ローンの借入額は年収の5〜7倍程度とされ、世帯年収1,000万円の場合は5,000万〜7,000万円程度が一つの目安になる
  • 住宅ローンの借入額は、希望する物件価格だけでなく、生活費を確保しながら貯蓄を続けられる毎月の返済額を基準にする

世帯年収1,000万円の場合、住宅ローンの借入可能額は7,000万~8,000万円程度が一つの目安となり、条件によっては1億円前後まで借りられるケースもあります。

ただし、共働き世帯では、出産や育休で片働きとなり、家計の前提が変わる可能性もあります。物件価格だけでなく、教育費や老後資金、足元の金利動向も踏まえた検討が欠かせません。

この記事では、年収倍率や返済負担率、家族構成に加え、ペアローンや収入合算の考え方も取り上げながら、世帯年収1,000万円の適正な住宅ローン借入額の目安を解説します。

世帯年収1,000万円の住宅ローンの適正な借入額は?

世帯年収1,000万円の住宅ローンの適正な借入額

世帯年収1,000万円のご家庭で住宅ローンを組む際、「我が家は一体いくらまで借り入れできるのか?」「どのくらいの借入額であれば返しきれるものなのか?」と疑問に思う方が少なくありません。

まず、住宅ローンの上限額、そして無理のない適正な借入額をどのように考えるべきか以下に解説していきたいと思います。

世帯年収1,000万円の住宅ローンの上限額

住宅ローンの借入可能額は、契約者の年収や勤務先、勤続年数、他のローンの状況、購入する物件の条件、金融機関の審査基準などによって変わります。

一般の金融機関では、年収倍率7~8倍程度を目安に借りられるケースがあり、なかには年収の10倍程度まで検討対象とする金融機関もあります。

世帯年収1,000万円であれば、7,000万~8,000万円程度、条件によっては1億円前後まで借りられる場合があります。

近年は物件価格の高騰などを背景に、1億円を超える上限を設ける金融機関も見られます。

また、全期間固定金利の代表格である【フラット35】では、2026年4月以降、融資限度額が1億2,000万円以下に引き上げられています。ただし、借入額は建設費または購入価額の範囲内で、総返済負担率などの申込要件を満たす必要があります。

上限額はあくまで参考とし、毎月の返済額や将来の支出も踏まえて、無理のない水準を見極めることが大切です。

年収倍率から見た借入額の目安

住宅ローンでいくら借りるかを考えるときは、年収倍率が参考になります。年収倍率とは、借入額が年収の何倍にあたるかを示す考え方です。

一般的には、住宅ローンの借入額は年収の5〜7倍程度とされます。

世帯年収1,000万円の場合、5,000万〜7,000万円程度が一つの目安になります。

ただし、ここでいう年収倍率は主に額面年収をもとにした概算です。実際の手取り収入(可処分所得)は、税金や社会保険料を差し引いた後の金額になるため、年収倍率だけで無理なく返せるかを判断することはできません。

教育費や老後資金、購入後の維持費まで考えると、7倍に近い金額よりも5~6倍程度から試算したほうが、返済計画を立てやすくなります。手取り収入を踏まえた無理のない返済額は、次の返済負担率でも確認しましょう。

・「住宅ローンは年収の何倍?」に関する記事はこちら
住宅ローンは年収の何倍が理想なのか?借入可能額と返済可能額の違いとは

返済負担率から見た借入額の目安

借入額だけでなく毎月の返済額から考えることも欠かせません。その際に参考になるのが返済負担率です。返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合を指します。

金融機関の審査では、額面年収をもとに返済負担率を算出するのが一般的です。ただし、実際に住宅ローンを返済していくのは手取り収入の中からです。

長期にわたって無理なく返せるかを判断するには、手取り収入の20〜25%程度に収まるかを確認しておくと、家計への影響を把握しやすくなります。

世帯年収1,000万円の場合、手取り収入は家族構成や働き方、各種控除の状況によって差があるものの、およそ700万~780万円程度です。

返済負担率20%と25%のそれぞれのケースにおける、年間返済額および月額返済額の目安は以下のとおりです。

返済負担率年間返済額毎月の返済額(目安)
20%約140万~156万円約11.7万~13.0万円
25%約175万~195万円約14.6万~16.3万円

住宅ローンの借入額は、希望する物件価格だけでなく、生活費を確保しながら貯蓄を続けられる毎月の返済額を基準にします。

・「住宅ローンの月々の返済額」に関する記事はこちら
住宅ローンの月々の返済額はどのくらい?【シミュレーション付】

世帯年収1,000万円の住宅ローンの適切な返済金額

前項までの目安を踏まえると、世帯年収1,000万円の場合、毎月の返済額は約11.7万〜16.3万円が一つの基準になります。

ただし、同じ世帯年収でも、共働きか片働きか、子どもの人数や教育費の見通しによって、無理なく返せる金額は変わります。

共働き世帯

夫婦2人の収入が続く前提であれば、返済負担率20~25%の範囲内で検討しやすくなります。ただし、出産や育休、時短勤務、転職などで一時的に収入が下がる可能性もあります。

25%に近い金額で借りる場合は、片働きになったときも返済を続けられるか確認しておきましょう。

専業主婦(主夫)世帯

収入源が一人に偏るケースでは、返済負担率20%寄りの金額を基準にすると、家計に余裕を持たせやすくなります。毎月の返済額では、約11.7万~13.0万円が目安です。希望する物件価格に届かない場合は、頭金を増やすなど、住宅ローン以外の資金も含めて計画を立てる必要があります。

教育費を見込む世帯

子どもの人数や進学方針によって、将来の支出は大きく変わります。住宅ローンの返済に家計の余力を使い切ってしまうと、進学費用や老後資金の準備に影響が出ることがあります。教育費や老後資金も含めて、住宅ローンに回せる金額を見ておきましょう。

購入する物件がマンションであれば、住宅ローン以外にも管理費や修繕積立金、駐車場・駐輪場代などがかかります。戸建ての場合は、将来の修繕費も自分で準備しておく必要があります。

また、固定資産税や都市計画税はマンション・戸建てのいずれでも見込んでおきたい支出です。毎月の返済額だけを見ると無理がないように見えても、住み続けるためにかかる費用全体で見ると、思った以上に支出が多くなることがあります。

現在の家賃と比べて購入後の住居費が大きく増える場合は、頭金を増やす、物件価格を見直すなど、資金計画を調整する視点も必要です。

共働き世帯であっても、将来的に片働きになった際に返済を続けられる水準を意識しておきましょう。

・「億ションのローン返済シミュレーション」に関する記事はこちら
1億円を超える「億ション」を買える人の年収は?ローンの返済シミュレーションまで紹介

家族構成別に見る住宅ローン額の決め方と注意点

家族構成別に見る住宅ローン額の決め方と注意点

同じ世帯年収1,000万円でも、家族構成によって無理なく返せる住宅ローン額は変わります。夫婦ふたり暮らしなのか、子どもがいるのかによって、毎月の支出や将来必要になる資金が異なるためです。

特に差が出やすいのが教育費です。住宅ローンは長期間にわたって返済が続くため、購入時点の家計だけでなく、将来の支出ピークも見込んでおきましょう。

夫婦+未就学児2人

未就学児のいる世帯がマイホーム購入を考える場合、世帯年収1,000万円の共働き世帯であっても、保育園関連費用がすでに家計の負担になっているケースがあります。

家賃はなくなるものの、保育園関連費用に住宅ローンの返済が新たに加わり、場合によっては勤め先からの家賃補助も打ち切りとなります。こうしたプラス分とマイナス分を踏まえ、毎月返済額が家計に無理なく収まる借入額を考えることが大切です。

ただ、保育料は子どもが小学校に上がるまでの期間限定の出費です。小学校以降は、公立進学であれば学校にかかる費用を抑えやすい一方、習い事や塾など学校外の支出が増えることもあります。専業主婦(主夫)世帯では、将来配偶者が働くことで世帯収入を上げられる可能性もあるため、夫婦の今後の働き方も踏まえて住宅ローンを検討しましょう。

一方、将来かかる教育資金の確保は後回しにできません。未就学児の段階ではまだ先の話に感じられるかもしれませんが、小学校・中学校・高校の学習費に加え、大学進学費用まで見込んでおきましょう。

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント(令和6年12月25日公表資料訂正版)」によると、1年間・子ども1人あたりの学習費総額は以下のとおりです。

学校種別公立私立
小学校約36.6万円約174.1万円
中学校約54.2万円約156.0万円
高等学校(全日制)約59.7万円約117.9万円

大学進学時には、入学金や授業料などまとまった支出も発生します。大学費用は国公私立の違いだけでなく、私立大学では文系・理系・医歯系によっても大きく異なります。自宅通学を想定した場合の主な学費の目安は、以下のとおりです。

進学先(自宅通学を想定)初年度納入金の目安2年目以降の年間学費の目安卒業までの学費総額の目安
国立大学約81.8万円約53.6万円約242.5万円(4年)
公立大学約76.0万~91.1万円約53.6万円約236.9万~251.9万円(4年)
私立大学・文系約121.2万円約99.2万円約418.9万円(4年)
私立大学・理系約160.2万円約135.7万円約567.2万円(4年)
私立大学・医歯系約477.9万円約369.1万円約2,323.4万円(6年)
出典:
令和7年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について|文部科学省
2023年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)|文部科学省
※上記のデータをもとに筆者作成

未就学児がいる世帯では、購入直後の保育園関連費用だけでなく、10年後、15年後の教育費まで視野に入れることが欠かせません。教育費のピークを迎える前に家計に余裕がある場合は、繰り上げ返済で元金を減らしておくことも選択肢になります。

ただし、教育資金や緊急予備資金を取り崩してまで無理に行う必要はありません。資金計画に不安が残る場合は、対象エリアや物件価格、頭金の準備も含めて見直すとよいでしょう。

夫婦+小学生2人

子どもが小学校に通う期間は、一般的に「お金の貯め時」といわれます。保育料の負担が落ち着き、公立小学校であれば学校関連の支出も比較的抑えやすいためです。とはいえ、習い事やスポーツ、塾代などが増えると、思ったほど貯蓄が進まないこともあります。中学受験をする場合は、受験準備の費用も家計に影響します。

また、この先は中学・高校・大学と進むにつれて支出が大きくなりやすく、私立に進学する可能性も考えておきたいところです。公立進学を前提に住宅ローンを組むと、進路が変わったときに家計が窮屈になるおそれがあります。

受験や進学などで教育費の増加が見込まれる場合は、住宅ローンの借入額や物件価格を抑える、配偶者の働き方を見直すなど、家計に余裕を残す選択肢もあります。

住宅資金と教育費の準備をセットで考えることが大切です。

夫婦ふたり暮らし

夫婦ふたり暮らしで共働きの場合、子育て費用がない分、毎月の返済余力を確保しやすい傾向があります。

世帯年収1,000万円前後であれば、物件選びや借入額の選択肢も増え、ペアローンや収入合算も候補になります。

教育費がかからない分、家計の余力を住宅ローンに回しやすくなりますが、老後資金形成や介護費用への備えも見落とせません。将来の生活費や介護費用を夫婦でどのように準備するかも、現役時代から考えておきたいポイントです。

万一への備えとして、団体信用生命保険(団信)の保障内容や夫婦それぞれの返済負担も確認しておくと安心です。共働きで収入に余裕がある世帯ほど、住宅ローンの選択肢は広がりやすくなりますが、老後資金や介護費用への備え方についても検討しましょう。

共働きから片働きになった場合の注意点

共働きで住宅ローンを組む場合、購入時点の収入が将来も続くとは限りません。妻の出産や夫婦どちらかの育休取得、時短勤務、転職、退職などによって、一時的または長期的に世帯収入が下がる可能性があります。

借入時の世帯収入だけを基準に借入額を大きくすると、片働きになったときに毎月の返済が家計を圧迫するおそれがあります。

特に、ペアローンや収入合算で夫婦の収入を前提に借りている場合は、返済額自体は変わらなくても、収入が減る分、家計に占める返済負担が重くなります。

住宅ローンを組む前に、どちらか一方の収入だけになった場合でも返済を続けられるか試算しておくと安心です。判断が難しい場合は、不動産会社や金融機関、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談する方法もあります。

住宅ローンの頭金はいくら必要?

住宅ローンの頭金はいくら必要

一般的には、住宅価格の20%程度を頭金として用意することが一つの目安とされます。

例えば、5,000万円の物件を購入する場合、1,000万円を頭金として準備できると理想的です。とはいえ、手元資金にゆとりがない方もいるでしょう。

頭金なしでも住宅購入は可能です。金融機関の審査や物件の条件を満たせば、頭金を入れずに住宅ローンを組めるケースもあります。その分、頭金が少ないほど借入額は大きくなり、毎月の返済額や利息負担も増えやすくなります。

住宅購入時には、頭金とは別に諸費用もかかります。

登記費用、住宅ローンの事務手数料、保証料、火災保険料、仲介手数料などがあり、物件価格の3~7%程度が目安です。

・「諸費用」に関する記事はこちら
住宅購入にかかる諸費用ってどのぐらい?

諸費用も別に確保したうえで、頭金をいくら入れるかは、購入後に残る手元資金や家計の安全性も踏まえて判断しましょう。

頭金0%・10%・20%の違い

頭金をいくら入れるかによって、借入額だけでなく、審査の見られ方や購入後に残る手元資金、売却時のリスクも変わります。

実際の金利や審査結果は、金融機関や物件の条件、申込者の収入・勤務状況などによって異なりますが、一般的な違いを整理すると以下のとおりです。

項目頭金0%頭金10%頭金20%
頭金の金額0円500万円1,000万円
借入額の目安5,000万円4,500万円4,000万円
審査の難易度厳しく見られやすい標準的比較的余裕を見られやすい
手元資金温存しやすい一部を残しやすい大きく減りやすい
売却時のリスク高め中程度低め

頭金0%は、手元資金を温存できる点がメリットです。

その反面、借入額が大きくなるため、毎月の返済額や利息負担は重くなりやすく、審査でも厳しく見られることがあります。購入後に売却することになった際、売却価格より住宅ローン残高が多い「オーバーローン」になるリスクも高めです。

頭金10%は、借入額をある程度抑えながら、手元資金も残しやすい水準です。

頭金20%は、さらに借入額や利息負担を抑えやすく、売却時のリスクも下げやすくなります。一方で、まとまった資金を使うため、購入後の手元資金が少なくなりやすい点には注意が必要です。

・月々の支払額から物件を探す場合はこちら
住まい探しに資金計画は重要です。頭金やボーナス時の加算額を入力いただき、具体的な支払金額を目安に検討できます。

共働きで世帯年収1,000万円ならペアローンと収入合算のどちらがよい?

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共働き世帯では、夫婦の収入をどのように住宅ローンに反映させるかによって、借入額や保障内容が変わります。世帯年収1,000万円前後の場合、夫婦の収入をもとに借入額を増やせる可能性がありますが、借入方法によって注意点も異なります。

代表的な借入方法には、ペアローンや収入合算があります。どちらも夫婦の収入を活用できる点は共通していますが、住宅ローン控除や団信の扱い、将来収入が変わったときの返済負担など、メリット・デメリットは同じではありません。

ここからは、ペアローンと収入合算の特徴や注意点をそれぞれ見ていきます。

ペアローンとは?特徴とメリット・デメリット

ペアローンとは、1つの物件に対して夫婦が別々に住宅ローンを契約し、返済していく方法です。夫婦の収入をもとに審査を受けられるため、単独で申し込むより借入可能額を増やしやすい点がメリットです。

要件を満たせば、双方が住宅ローン控除の対象となり、団信にも別々に加入できます。

一方で、住宅ローン契約が2本になるため、事務手数料などの諸費用は増えやすくなります。また、退職や育休、転職などでどちらかの収入が下がると、家計に占める返済負担が重くなる可能性があります。万が一離婚した際は、返済義務や住まいの扱いをめぐって調整が難航するケースも珍しくありません。

ペアローンを利用する際は、借入可能額だけでなく、将来の収入変化やライフプランも整理しておくことが重要になります。

収入合算(連帯債務型・連帯保証型)とは?特徴とメリット・デメリット

収入合算とは、夫婦の収入を合算して住宅ローンの審査を受ける方法です。1人の収入だけでは希望する借入額に届かないときの選択肢になります。ペアローンと異なり、住宅ローン契約は1本です。

収入合算の主な種類には、夫婦2人で返済義務を負う「連帯債務型」と、主債務者が返済できなくなったときに連帯保証人が返済義務を負う「連帯保証型」があります。

メリットは、単独で申し込むより借入額を増やしやすく、ペアローンに比べて手続きや諸費用の負担を抑えやすい点です。ただし、住宅ローン控除や団信の扱いは、連帯債務型か連帯保証型かによって異なります。団信の対象や、将来収入が下がった場合の返済負担まで比較しておくと安心です。

ペアローンと収入合算(連帯債務型・連帯保証型)の違い

ペアローンは、夫婦が各自で住宅ローンを契約する方法です。収入合算は、夫婦の収入を合わせて1本の住宅ローン審査を受ける方法で、連帯債務型と連帯保証型に分かれます。

主な違いは以下のとおりです。実際の取扱いは金融機関や商品によって異なるため、一般的な目安として確認してください。

項目ペアローン収入合算
(連帯債務型)
収入合算
(連帯保証型)
契約本数2本1本1本
契約の考え方夫婦が各自で住宅ローンを契約する一方が主債務者、もう一方が連帯債務者になる一方が主債務者、もう一方が連帯保証人になる
住宅ローン控除各自が対象になる場合がある双方が対象になる場合がある原則として主債務者のみ
団信加入各自で加入するのが一般的主債務者のみが一般的。ただし、商品によって異なる原則として主債務者のみ
借入可能額への影響単独より増やしやすい単独より増やしやすい単独より増やしやすい
離婚時のリスク各自にローンが残り、調整が難しくなりやすい返済義務や持分の整理が必要になる連帯保証人の立場が残る可能性がある
諸費用2本分の手数料がかかりやすいペアローンより抑えやすいペアローンより抑えやすい

比較表からもわかるように、住宅ローン控除や団信、諸費用の扱いは借入方法によって異なります。

特に団信は金融機関や商品によって保障範囲が変わるため、金利や借入可能額だけでなく、万一のときにどこまで保障されるかも事前に見ておく必要があります。

ボーナス払いにはデメリットもあることを理解する

ボーナス払いにはデメリットも

公務員や大企業にお勤めの方など年間支給ボーナス額が大きい人、毎年ボーナスが支給される見込みの人は、ボーナス払いを併用することで月々の返済額を抑えることができます。

ただし、ボーナスが減額されたり支給されたりしなくなった場合に住宅ローン返済が困難に陥るリスクがあります。

ボーナス払いに頼りすぎず、月々の収入のなかで確実に返済できるよう資金計画を立てることを心がけてください。

世帯年収1,000万円の家庭で借入する住宅ローンの返済シミュレーション

世帯年収1,000万円の家庭で借入する住宅ローンの返済シミュレーション

世帯年収1,000万円の家庭で住宅ローンを検討する際は、借入額だけでなく、毎月の返済額や総返済額も確認しておきたいところです。同じ借入額でも、金利タイプや返済期間によって返済負担は変わります。

ここからは、世帯年収1,000万円の家庭が住宅ローンを借りるケースを想定し、金利タイプ別・返済期間別に返済額をシミュレーションしていきます。

金利タイプ別の返済シミュレーション

借入額5,500万円、35年返済、元利均等返済、ボーナス返済なしの条件で、金利タイプ別の返済額を比較します。

試算金利は、2026年6月時点で確認できる主要銀行の住宅ローン金利を参考に、変動金利1.0%、固定期間選択型3.3%、全期間固定型3.9%としています。

なお、変動金利と固定期間選択型は将来見直される可能性があるため、以下は借入時の金利が続くと仮定した概算です。

金利タイプ試算金利毎月の返済額総返済額利息総額
変動金利年1.0%約15.5万円約6,521万円約1,021万円
固定期間選択型年3.3%約22.1万円約9,281万円約3,781万円
全期間固定型年3.9%約24.0万円約1億90万円約4,590万円

変動金利は当初の負担を抑えやすい一方、金利上昇時には返済額や利息負担が増える可能性があります。

固定期間選択型は一定期間、全期間固定型は完済まで返済額を見通しやすい反面、借入時の金利は高めに設定される傾向があります。

また、変動金利には「5年ルール」や「125%ルール」が設けられている商品もありますが、これらは返済額の急な増加を抑える仕組みであり、利息負担がなくなるわけではありません。

金利上昇時には元金の減り方が遅くなることもあるため、仕組みを理解したうえで金利タイプを選ぶことが大切です。

返済期間別の返済シミュレーション

借入額5,500万円、変動金利1.0%、元利均等返済、ボーナス返済なしの条件で、返済期間25年・30年・35年を比較します。

変動金利は将来変わる可能性があるため、ここでは金利が変わらない前提で試算しています。

返済期間毎月の返済額総返済額利息総額
25年約20.7万円約6,218万円約718万円
30年約17.7万円約6,368万円約868万円
35年約15.5万円約6,521万円約1,021万円

返済期間が長いほど毎月の返済額は抑えられますが、利息を支払う期間が延びるため、総返済額は増えます。上記の例では、35年返済は25年返済より毎月の負担を約5.2万円抑えられる一方、総返済額は約303万円多くなります。

毎月の返済額だけでなく、完済時期や教育費・老後資金とのバランスも踏まえて返済期間を決めるとよいでしょう。

住宅ローン控除(減税)の活用ポイント

住宅ローン控除(減税)の活用

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)とは、一定の要件を満たした場合に、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税などから控除できる制度です。

控除期間は住宅の種類や入居時期によって異なり、一般的には新築住宅や買取再販住宅は13年、既存住宅は10年が目安です。

控除の対象となる借入限度額は、購入する住宅の区分によって変わります。主な目安は以下のとおりです。

住宅区分借入限度額の目安
認定住宅(長期優良住宅・低炭素住宅)4,500万円
ZEH水準省エネ住宅3,500万円
省エネ基準適合住宅2,000万~3,000万円
その他の住宅新築は原則対象外、既存住宅は2,000万円

※省エネ基準適合住宅は、世帯属性や入居時期によって2,000万~3,000万円が目安です。その他の住宅は、既存住宅では2,000万円が目安となります。実際の借入限度額は、住宅区分、新築・既存の別、入居年などによって異なります。

年末の住宅ローン残高が借入限度額を超えていても、控除額の計算対象になるのは限度額までです。たとえば、借入額が5,500万円でも、対象住宅の借入限度額が3,500万円であれば、控除の計算対象は3,500万円までになります。

ペアローンを利用する場合は、夫婦それぞれが要件を満たせば、双方が住宅ローン控除の対象になることがあります。控除額だけでなく、住宅区分や借入限度額、所得要件なども確認したうえで資金計画を立てましょう。

まとめ

世帯年収1,000万円でも、審査上借りられる金額と、家計に無理のない借入額は同じではありません。年収倍率や返済負担率を目安にしながら、手取り収入、教育費、老後資金、購入後の維持費まで見込む必要があります。

ペアローンや収入合算は借入可能額を広げる一方、収入減少時の返済負担や団信、住宅ローン控除の扱いが変わります。金利タイプや返済期間によって、毎月の返済額と総返済額も大きく異なるため、複数の条件で試算しておくことで、金利や返済期間による負担の違いを把握しやすくなります。

家族構成やライフプランによって、適した住宅ローンの組み方は変わります。物件価格、頭金、住宅ローン控除、将来の支出を整理し、購入後の暮らしに余裕を残せるかまで確認しておきましょう。

この記事のポイント

世帯年収1,000万円の住宅ローンの上限額は?

世帯年収1,000万円であれば、7,000万~8,000万円程度、条件によっては1億円前後まで借りられる場合があります。

詳しくは「世帯年収1,000万円の住宅ローンの上限額」をご覧ください。

世帯年収1,000万円の住宅ローンの適切な返済金額は?

世帯年収1,000万円の場合、毎月の返済額は約11.7万〜16.3万円が一つの基準になります。

ただし、同じ世帯年収でも、共働きか片働きか、子どもの人数や教育費の見通しによって、無理なく返せる金額は変わります。

詳しくは「世帯年収1,000万円の住宅ローンの適切な返済金額」をご覧ください。

住宅ローンの頭金はいくら必要?

一般的には、住宅価格の20%程度を頭金として用意することが一つの目安とされます。

例えば、5,000万円の物件を購入する場合、1,000万円を頭金として準備できると理想的です。

詳しくは「住宅ローンの頭金はいくら必要?」をご覧ください。

住宅ローン控除(減税)とは?

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)とは、一定の要件を満たした場合に、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を所得税などから控除できる制度です。

控除期間は住宅の種類や入居時期によって異なり、一般的には新築住宅や買取再販住宅は13年、既存住宅は10年が目安です。

詳しくは「住宅ローン控除(減税)の活用ポイント」をご覧ください。

共働きで世帯年収1,000万円ならペアローンと収入合算のどちらがよい?

ペアローンは、夫婦が各自で住宅ローンを契約する方法です。収入合算は、夫婦の収入を合わせて1本の住宅ローン審査を受ける方法で、連帯債務型と連帯保証型に分かれます。

主な違いは以下のとおりです。実際の取扱いは金融機関や商品によって異なるため、一般的な目安として確認してください。

項目 ペアローン 収入合算
(連帯債務型)
収入合算
(連帯保証型)
契約本数 2本 1本 1本
契約の考え方 夫婦が各自で住宅ローンを契約する 一方が主債務者、もう一方が連帯債務者になる 一方が主債務者、もう一方が連帯保証人になる
住宅ローン控除 各自が対象になる場合がある 双方が対象になる場合がある 原則として主債務者のみ
団信加入 各自で加入するのが一般的 主債務者のみが一般的。ただし、商品によって異なる 原則として主債務者のみ
借入可能額への影響 単独より増やしやすい 単独より増やしやすい 単独より増やしやすい
離婚時のリスク 各自にローンが残り、調整が難しくなりやすい 返済義務や持分の整理が必要になる 連帯保証人の立場が残る可能性がある
諸費用 2本分の手数料がかかりやすい ペアローンより抑えやすい ペアローンより抑えやすい

比較表からもわかるように、住宅ローン控除や団信、諸費用の扱いは借入方法によって異なります。

特に団信は金融機関や商品によって保障範囲が変わるため、金利や借入可能額だけでなく、万一のときにどこまで保障されるかも事前に見ておく必要があります。

詳しくは「共働きで世帯年収1,000万円ならペアローンと収入合算のどちらがよい?」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

水野 崇

住宅ローンは35年など長期にわたって返済が続きます。「いくら借りられるか」だけでなく、「収入が変わっても返し続けられるか」から考えたいところです。共働きやペアローンでは購入物件や借入額の選択肢が広がる一方、教育費、金利上昇、片働きになった場合の家計も見込む必要があります。
さらに、購入後は固定資産税や修繕費、マンションなら管理費・修繕積立金も発生します。毎月の返済額だけで判断せず、将来の支出まで含めた見通しを持つことが、無理のない住宅購入につながります。

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