分譲マンション,引っ越し,理由
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分譲マンションからの引っ越し理由は?住み替えを考える人に多い7つの本音

執筆者プロフィール

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

ざっくり要約!

  • 分譲マンションからの引っ越しは珍しいことではなく、家族構成や働き方、子育て環境などの変化をきっかけに検討する人は少なくない
  • 引っ越し理由として多いのは「家族構成の変化」「立地や周辺環境への不満」「修繕積立金の値上げ」など

「終の住処」として分譲マンションを購入する人も多いでしょうが、実際にはライフステージの変化などを理由に引っ越しを検討するケースも珍しくありません。とくに近年は暮らし方や働き方、価値観が多様化しており「持ち家=終の住処」という考えは、かつてほど一般的ではなくなりつつあります。

本記事では、国土交通省の公的データとともに、分譲マンションから住み替えを決断するリアルな理由を7つに整理して解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、住み替えの判断材料としてぜひご活用ください。

【データで見る】住み替えを検討するきっかけや理由TOP3

国土交通省「令和5年住生活総合調査」によれば、直近5年間に住み替えた人のきっかけや理由として多かったのは以下のとおりです。

1位:世帯からの独立(13.2%)

住み替えの理由・きっかけとして最も多かったのは、結婚や離婚、単身赴任などを含む「世帯からの独立」でした。たとえば、結婚や出産を機にコンパクトマンションからファミリー向けのマンションに引っ越す、離婚に伴いマンションを売却するケースがこれに該当します。

2位:転勤や退職(6.9%)

第2位は、定年退職を含む「転勤・退職」です。終の住処と考えて分譲を購入したとしても、予期せぬ転勤で売却を迫られるケースも少なくありません。退職による住み替えは、主にライフスタイルや収入の変化が具体的な理由になっているケースが多いものと推測されます。

3位:就職や転職(6.5%)

「就職や転職」を理由に住み替える方も多いようです。勤務先が変わると、購入時には通勤に便利だった立地が一転して負担になることがあります。分譲マンション居住者の場合、「通勤時間が大幅に増えた」「職場の近くに引っ越したい」という動機から売却・住み替えを決断するケースが考えられます。

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分譲マンションから引っ越す7つのリアルな理由

分譲マンションからの引っ越し理由は、家族構成や働き方、立地への不満、資産性など人によってさまざまです。ここからは、国土交通省のデータだけでは見えにくい、分譲マンションから引っ越しを検討するリアルな理由について詳しく見ていきましょう。

理由1.家族構成の変化

分譲マンションからの引っ越し理由として多いのが、家族構成の変化です。

たとえば、購入当初は「夫婦2人にちょうどいい広さ」だったとしても、出産や子どもの成長によって手狭に感じるケースは少なくありません。とくに近年は在宅ワークや在宅学習の普及により「仕事部屋が欲しい」「子どもの勉強スペースを確保したい」といった理由から住み替えを検討する方も増えています。

一方で、子どもの独立をきっかけに「広すぎる」と感じるケースもあります。ファミリー向けの広いマンションは管理や掃除の負担が大きく、使わない部屋が増えることで「もっとコンパクトな住まいで十分」と考える方もいます。とくに高齢期に入ると、段差の少ない住まいや駅近物件への住み替えを希望するケースも増える傾向があります。

・「コンパクトマンション」に関する記事はこちら
コンパクトマンションの特徴は?メリット・デメリットと選び方を解説
・「駅近物件」に関する記事はこちら
駅近物件のメリット・デメリット! 物件選びのポイントとは?

理由2.周辺環境・立地への不満

ライフスタイルや家族構成、年齢などの変化から、周辺環境や立地に不便さを感じるようになることもあります。とくに転職や異動、子どもの進学などにより、通勤・通学時間が延びると、購入当初は便利だった立地でも負担に感じやすくなります。また、年齢を重ねるにつれて、駅までの距離や坂道の多さが気になり始める方も少なくありません。

また、自分や家族の変化だけでなく、再開発や店舗の入れ替わり、交通量の増加などによって街の雰囲気が変わり、住みにくさを感じるケースもあります。

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理由3.マンションの老朽化・修繕積立金の値上げ

マンションの老朽化や修繕積立金の値上げが引っ越しのきっかけとなるケースもあります。マンションは経年によって劣化していくものであり、徐々に間取りや設備、性能が現代の暮らしと合わなくなっていくこともあります。

また、多くのマンションは修繕積立金を徐々に上げていく「段階増額積立方式」を採用しており、築年数の経過とともに毎月の負担が重くなっていくことも少なくありません。とくに近年は建築費や人件費が顕著に高騰しており、修繕積立金だけでなく、管理費も値上げ傾向にあります。

理由4.近隣トラブル・人間関係の悩み

近隣トラブルや住民同士の人間関係の悩みから、引っ越しを検討するケースもあります。

マンションは上下左右に住戸が隣接しているため、騒音や生活マナーに関するストレスが生じやすい住居形態でもあります。とくに、小さな子どもの足音や深夜の生活音、ペットの飼育などに起因する近隣トラブルは決して少なくありません。

また、マンションの管理組合や理事、委員の業務に負担を感じる人もいます。とくに戸数が少ないマンションは、一人ひとりが担う役割が大きくなりやすく、心理的な負担となることもあります。

理由5.教育環境へのこだわり

子どもの進学や教育方針が引っ越しの理由となることもあります。

小学校入学前は「学区」を重視して引っ越す世帯も見られます。中学、高校、大学への進学を機に、子どもが通学しやすい場所に引っ越したいというニーズもあります。

また、通学や進学だけでなく、習い事や治安、自然環境、あるいはマンションの共用施設、自治体の子育て支援政策などを重視する世帯も一定数います。とくに共働き世帯は、保育園や学校への送迎のしやすさ、駅へのアクセスなども重要な判断材料になりやすく、子育てと仕事を両立しやすいエリアへ引っ越したいという理由から、分譲マンションの売却を検討するケースもあります。

理由6.戸建てへの憧れ

子どもの成長やペットの飼育などを機に、マンションから戸建てに引っ越したいと考えるようになることもあります。

戸建ては上下階への生活音を気にせず暮らせるだけでなく、庭や駐車場を自由に使いやすいなど、暮らしの自由度が高い点に魅力を感じる人も少なくありません。また、マンションは管理規約による制約も多いため、「大型犬を飼いたい」「楽器演奏やDIYを楽しみたい」「自由にリフォームしたい」といった理由から、戸建てへの引っ越しを検討するケースもあります。

近年は在宅ワークが普及したこともあって「書斎が欲しい」「広いリビングで暮らしたい」といったニーズも増えており、広さや自由度を重視して戸建てを選ぶ人もいます。

理由7.資産の組み替え

不動産価格指数
出典:国土交通省

近年、マンション価格が顕著に上昇していることもあって、現金化を目的にマンションを売却し、引っ越す方もいます。とくに都市部では、購入時を上回る金額でマンションを売却できるケースも少なくないことから「資産価値が高いうちに売却したい」と考える人も増えています。

また、相続税対策を目的に、より節税効果の高い不動産へ資産を組み替えたり、収益性や将来性を考慮して別のエリアへ引っ越したりするケースもあります。

その引っ越し理由は妥当?後悔しないためのチェックポイント

分譲マンションから引っ越す理由はさまざまですが、一時的な感情だけで決断してしまうと、後悔につながるケースもあります。とくにマンションの売却や住み替えには大きなお金が動くため「本当に引っ越すべきなのか」を冷静に検討することが大切です。

一時的な感情ではないか

近隣トラブルや職場のストレスが重なっている時期など、気持ちが落ち込んでいるタイミングでは、住まいへの不満が実際より大きく感じられることがあります。住まいがストレスの根源になっているとすれば引っ越す価値は大きいといえますが、別の要因によるストレスを住まいへのストレスと勘違いしていないか、あらためて考えてみるようにしましょう。

メディアや知人の話を機に、別の街や戸建て暮らしに漠然と憧れを抱いているようなケースも注意が必要です。負の感情も正の感情も「半年以上、同じ気持ちが続いているか」をひとつの判断基準にしてみましょう。

資金計画の現実性

「引っ越したい」という気持ちだけでマンションの売却や住み替えはできません。まず分譲マンションを売却するには、基本的に住宅ローンを完済する必要があります。

とくに購入から間もない場合は、予想以上に住宅ローンの返済が進んでいないケースもあります。マンションの売却にも一定の諸費用がかかるため、マンションを売ったお金でローンを完済できないケースも想定されます。

また、新居の購入や賃貸への引っ越しにもまとまった費用が必要になるため、気持ちだけで先走るのではなく、住宅ローンの残債額やマンションの査定額、自己資金額を事前に整理しておくことが大切です。

引っ越しせずに実現できないか

今感じている不満や悩みが、引っ越さずに実現できる可能性もあります。

たとえば「収納が足りない」「在宅ワークのスペースが欲しい」といった悩みは、リフォームや家具配置の見直しによって改善できるケースもあります。また、騒音や管理面の問題も、管理会社や管理組合への相談によって状況が改善する可能性があります。

一方で、通勤・通学の不便さや、子育て環境への不満、老後を見据えた立地の問題などは、現在の住まいでは解決が難しいケースもあります。引っ越しとなると費用や手間など負担も大きいため、「今の住まいで改善できること」と「引っ越さなければ解決できないこと」を切り分けたうえで判断することが大切です。

分譲マンションからの引っ越しを成功させる3つのステップ

分譲マンション 引っ越し 成功

引っ越しを決意したら、次は具体的な行動に移りましょう。以下の3ステップで進めると、スムーズかつ後悔のない住み替えが実現しやすくなります。

1.まずは今のマンションの価値を知る

分譲マンションからの引っ越しの第一歩は、マンションの価値を知ることです。「いくらで売れるか」が分からなければ、資金計画も次の物件探しも始められません。

マンションの査定は、不動産会社に無料で依頼することができます。ただし、査定額は一律ではなく、不動産会社によって得手不得手も異なるため、どんな不動産会社でもいいというわけではありません。

できればマンションの売却実績が豊富で、該当エリアの市場動向に精通した不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。複数社に査定を依頼して比較することで、相場感をより正確に把握できます。

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2.「売り先行」か「買い先行」か決める

分譲マンションを売却し、新居を購入して引っ越す場合の方法は、次の2つに大別されます。資金計画や意向に合った住み替え方法を選択しましょう。

売り先行

「売り先行」は、今のマンションを売却してから新居を購入する住み替え方法です。マンションの売却金額が確定してから新居探しに着手できるため資金計画が立てやすく、住宅ローンの返済が重複しない点が大きなメリットです。売却を急ぐ必要がないため、価格や条件面で妥協しにくいのも利点といえます。

一方で、売却後に新居の引き渡しまで時間を要する場合には、仮住まいが必要になることがあります。新居に引っ越す前に仮住まいに転居することで、引っ越し費用が余分にかかる点はデメリットとして念頭に置いておきましょう。

買い先行

一方「買い先行」は、新居を購入してから今のマンションを売却する住み替え方法です。今の住まいから直接新居へ引っ越せるため仮住まいが不要で、空室の状態で売却活動に臨めるため内覧対応の手間もかかりません。新居探しに時間をかけやすい点もメリットです。

ただし、住宅ローンが残っている場合は2つのローン返済が重複する「ダブルローン」状態になる可能性があります。売却を急ぐあまり価格や条件面で妥協せざるを得ないケースもあるため、手元資金に余裕がある方やローンを完済している方に向いている方法といえます。

3.信頼できる不動産会社をパートナーに選ぶ

住み替えは、「今の住まいの売却」と「新居への住み替え」という2つのプロセスを同時並行で進める必要があります。次の住まいが購入であれ賃貸であれ、売却と住み替え先の両方を相談できる会社に依頼すると、スケジュール調整や資金計画がスムーズに進みます。

信頼できる不動産会社を選ぶポイントは、査定額の高さだけで判断しないことです。査定額の根拠や好条件で売るための売却戦略、スムーズな住み替えを実現するためのフローなど、提案内容をトータルで比較するようにしましょう。

・「不動産会社の選び方」に関する記事はこちら
マンション売却の不動産仲介業者の選び方を徹底解説

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まとめ

分譲マンションから引っ越す理由は、家族構成の変化、立地や環境へのニーズ、修繕積立金の負担、資産の組み換えなど、人によってさまざまです。迷っているなら、まず今のマンションの査定額を把握することから始めてみましょう。「いくらで売れるか」が分かるだけで、住み替えの現実味や選択肢が具体的になります。

この記事のポイント

分譲マンションから引っ越す理由として多いのは?

家族構成の変化、立地や周辺環境への不満、修繕積立金の値上げ、近隣トラブル、教育環境へのこだわり、戸建てへの憧れ、資産の組み換えなど、理由は人によってさまざまです。

詳しくは「分譲マンションから引っ越す7つのリアルな理由」をご覧ください。

分譲マンションから引っ越す前に確認することは?

一時的な感情からの決断ではないか、資金計画は現実的か、引っ越さずに解決できる問題ではないかの3点を確認することが大切です。

詳しくは「その引っ越し理由は妥当?後悔しないためのチェックポイント」をご覧ください。

分譲マンションから引っ越すにはどうすればいいですか?

まずは今のマンションの査定額を把握することから始めましょう。「いくらで売れるか」が分かることで、資金計画や次の住まいの選択肢が具体的になります。

詳しくは「分譲マンションからの引っ越しを成功させる3つのステップ」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

私は新築マンションを購入してから約5年で、戸建てに引っ越しました。娘が幼稚園に上がる前のことです。長く住むことを前提に分譲マンションを購入しましたが、いざ子育てをしてみると「物心ついてから引っ越すのはかわいそう」「できれば転校させたくない」という気持ちが強くなり、将来的に住む予定だった主人の実家の近くに転居しました。購入当時は想定していなかったライフスタイルや価値観の変化が、引っ越しのきっかけになることは決して珍しくありません。「こんな理由で引っ越してもいいのか」と迷う必要はなく、今の自分たちの暮らしに合った住まいを選ぶことが大切です。私自身、引っ越してから10年が経ちましたが、今の暮らしにとても満足しています。

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