ざっくり要約!
- 住宅ローンの審査は、主に本人の返済能力から判断するため、シングルマザーであることで不利になるケースはほとんどない
- シングルマザーで家を購入すると、子どもに住まいを残せたり性能の良い家に住めたりするメリットがある一方、購入費用・維持費用の負担が大きいことや、ライフスタイルの変化に対応しにくい点がデメリットとしてある
- マイホームを購入する際は、シングルマザーを対象にした国の貸付制度や住宅ローン控除、省エネ性能が高い物件を対象とした補助金制度を活用するとよい
「シングルマザーの私でも家を買えるのだろうか?」「住宅ローンの審査に通るか不安」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
結論を言えば、シングルマザーであるという理由だけで住宅ローンの審査に落ちることはありません。年収や勤務形態などによっては、適切な物件を選ぶことで金融機関の承認を得られる場合があります。
本記事では、シングルマザーが住宅ローンを利用する際に押さえておきたいポイントや家を購入するメリット・デメリットなどを解説します。積極的に活用したい減税制度や補助金制度もご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
記事サマリー
シングルマザーでも大丈夫!家を買うために必要な年収は?
シングルマザーの方が住宅ローンを組むためには、いくらの年収が必要なのでしょうか。金融機関の審査基準や住宅購入の予算の立て方とあわせて解説します。
住宅ローンの審査基準
金融機関の住宅ローン審査では、シングルマザーであること自体がマイナスになることはほとんどありません。
金融機関が審査で確認するのは主に「借り入れたお金を安定して返済し続けられる能力があるか」であり、性別や離婚歴などは直接的には影響しないためです。
国土交通省の調査データによると、金融機関は以下の項目を重視して審査をしています。

金融機関が融資を行う際に考慮する項目は、完済時年齢(98.4%)、健康状態(95.1%)、借入時の年齢(96.0%)、年収(93.4%)、勤続年数(93.2%)などです。
審査の際に「家族構成」を考慮すると回答した金融機関は33.9%であるため、シングルマザーであることはさほど影響しないといえます。
そのため、シングルマザーであっても安定した年収があり、過去に長期間にわたり借金を滞納したことがないなど、金融機関の基準に該当すれば住宅ローンを組むことは可能です。
一方「勤続年数が1年未満であり年収も低下した」「派遣社員やパートである」などに該当する場合は住宅ローンの審査に通過することが難しくなる可能性があります。
少なくとも年収300万円なければ住宅ローン審査は通りにくい
フラット35「世帯年収別」利用割合の推移

住宅ローン審査を通過するために必要な年収に明確な基準はありませんが、一般的には300万円が1つの目安といわれています。
住宅金融支援機構の2024年度調査によれば、フラット35(住宅支援機構と民間金融機関が提供する住宅ローン)の契約者の19.9%は年収400万円未満です。そのため、年収300万円台の方でも住宅ローンを組めていることが見て取れます。
また、SBI新生銀行の住宅ローンでは「前年度年収が300万円以上の正社員または契約社員」であることを申し込み要件の1つとしています。りそな銀行のように、年収100万円以上で申し込みが可能な金融機関もあるようです。
ただし、上記はあくまで住宅ローンを申し込める要件の1つに過ぎず、実際は勤続年数や勤務形態、信用情報、物件の担保価値などをもとに融資の可否が判断されます。
また、年収が低いと借り入れ可能な金額が少なくなるため、希望するマイホームを購入するために必要な借り入れができない場合もあります。
住宅の予算は自己資金+融資
マイホームを購入する際には、自己資金と融資のバランスを考えなくてはいけません。多くの人が住宅ローンを利用して購入資金を確保しますが、ここで重要なのが自己資金、つまり「頭金」です。
頭金は、購入する住宅の代金の一部として最初に支払う費用で、残りの金額はローンで賄い、月々返済していくことになります。
物件価格の一部を頭金として支払うメリットは、頭金の分は利息がかからない点や、総返済額が少なくなり月々の返済額も減らせる点などです。
頭金なしの「フルローン」も可能ですが、借入額が増えることで月々の返済負担が大きくなります。20年や30年など長期に渡りローンを返済することを考えると、一定の頭金は用意して返済負担が過度にならないようにしたほうが安心です。
借入額は年収の25%以下を目安に
年収に対する1年間の住宅ローン返済額を含む総返済額の割合を「返済負担率」と呼びます。家計を圧迫せず安心して暮らせる返済負担率の目安は「25%以下」とされています。
返済負担率25%というと、たとえば年収300万円の場合は「年収300万円×25%÷12ヶ月=62,500円」が月々の返済額の目安です。
住宅ローンを組むタイミングでは、理想のマイホームを購入するために、少し無理してでもできるだけ多くの融資を受けようとする方も少なくありません。
しかし、住宅ローンは20~30年という長期に渡って返済していくものであり、たとえ少しであっても無理をした借り入れをしてしまうと、後に返済不能に陥る可能性が高まります。
金融機関の中には、返済負担率30%を借入金額の上限としているところもあります。しかし、特に子どもの養育費やライフスタイルの変化により、突然の出費も想定されることから、シングルマザーは借入額を多くても25%までに抑えるように意識した方が安心です。
【年収別】住宅ローンの借入可能額はどれくらい?
返済期間が35年の住宅ローンを組む場合、借入可能額は一般的に年収の5〜7倍といわれています。年収ごとの借入額の目安は以下のとおりです。
| 年収 | 借入可能額(年収の5〜7倍) |
|---|---|
| 200万円 | 1,000万〜1,400万円 |
| 300万円 | 1,500万〜2,100万円 |
| 400万円 | 2,000万〜2,800万円 |
| 500万円 | 2,500万〜3,500万円 |
| 600万円 | 3,000万〜4,200万円 |
| 700万円 | 3,500万〜4,900万円 |
| 800万円 | 4,000万〜5,600万円 |
| 900万円 | 4,500万〜6,300万円 |
| 1,000万円 | 5,000万〜7,000万円 |
| 1,500万円 | 7,500万〜1億500万円 |
たとえば、年収300万円の場合、借入可能額の目安は1,500万〜2,100万円であるため、300万円の頭金を準備できれば1,800万〜2,400万円の物件は購入できる計算です。
ただし、前述のとおり実際の借入額は金融機関の審査によって決まるため、必ず年収の5〜7倍の価格の物件を購入できるとは限りません。
また、借入可能額の計算方法は金融機関によって異なります。家の購入を検討するときは、インターネットで公開されているシミュレーションを利用したり金融機関の融資審査の事情に詳しいファイナンシャルプランナーに相談するなどして借入額を調べるとよいでしょう。
シングルマザーが家を買うメリット
家を購入するか迷っているシングルマザーの方の中には、家を購入することでどんなメリットがあるかを詳しく知りたいと思っている方も多いでしょう。ここでは家を購入する3つのメリットについて解説します。
子どもに家を残せる
子どもの将来を考えるシングルマザーの方にとって大きなメリットになるのが、子どもに家を残せるということです。
多くの金融機関では、住宅ローンを組む際に「団体信用生命保険」への加入が条件となっています。この保険は、契約者が死亡または高度障害になった場合に、保険金で住宅ローンの残債が支払われる仕組みの商品です。
つまり、契約者である母親に何かあった場合でも、住宅ローンの返済が免除され、子どもに持ち家を残せるということです。賃貸物件の場合、借主が亡くなってもその後の家賃が免除されることはまずないため、万が一のときに住居費の負担がなくなる点は持ち家の大きなメリットといえます。
・「団体信用生命保険」に関する記事はこちら
団信とは?住宅ローンとの関係や仕組みをわかりやすく解説
住宅ローンの団信に入れない人はどうする? 告知すべき病気・疾患と対応策を伝授
また、相続された不動産は、子どもがそのまま住み続けられるのはもちろん、売却してまとまった資金に変えることも可能です。
さらに、相続税を計算するとき不動産は時価よりも低く算出される傾向にあります。そのため、現金ではなく不動産という形で資産を相続することで、相続税の負担を軽減する効果も期待できます。
・「相続税」に関する記事はこちら
相続税の評価額の計算方法を財産ごとに紹介!気になる節税についても解説
将来的に住宅にかかる費用が低減する
シングルマザーが家を買う場合、退職までに住宅ローンを完済できれば将来的に住宅にかかる費用を減らすことが可能です。
ずっと賃貸マンションやアパートに住み続ける場合、退職後も家賃の支払いが続くだけでなく、場合によっては家賃が高くなる可能性も否定できません。
収入が下がる老後の家計を楽にしたい場合は現役のうちに家を購入しておくのも1つの方法です。
・「賃貸と持ち家」に関する記事はこちら
賃貸と持ち家で1300万円の差が?!相場を比較して検証してみた
月々の負担が軽減する可能性も
2026年現在も住宅ローン金利は歴史的に見れば低水準のため、立地や間取りなどによっては、現在の家賃と同等、もしくはより低い金額でマイホームを購入することも可能です。
特に、返済期間が35年や40年などの長期のローンを組むと、総返済額は増えますが毎月の返済額を抑えられるため、住居費の負担を軽減できる可能性があります。
また、住宅ローン控除を受けられると年末時点のローン残高に応じた一定金額を所得税と一部の住民税から控除できるため、実質的な住居費負担はさらに軽減されるでしょう。
・「長期の住宅ローン」に関する記事はこちら
50年住宅ローンのメリット・デメリットは? 「やばい」って本当?
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家賃の上昇を回避できる
賃貸物件の場合、契約更新の際に周辺の家賃相場の上昇や維持・管理コストの増加などを理由に家賃が値上げされる可能性があります。
一方、持ち家であればそもそも契約更新がないため、それにともない住居費が増加する心配もありません。
特に、固定金利型の住宅ローンを選んでいれば、一定期間が経過するか完済まで毎月の支払いを一定にできます。
・「住宅ローンの金利タイプ」に関する記事はこちら
住宅ローンの変動・固定金利の推移は?今後の選択ポイントを解説
固定金利期間選択型の住宅ローンとは? 固定金利の違いとメリット・デメリット
子どもが安心して長く暮らせる環境を整えられる
持ち家は、自分たちの住まいとして腰を据えて暮らすことを前提に購入されるケースがほとんどです。そのため、契約更新など引っ越しを考える場面が生じやすい賃貸物件に比べ、子どもが安心して長く暮らせる環境を整えやすい傾向にあります。
また、賃貸マンションや賃貸アパートでは、建物の老朽化や家主の個人的な事情などにより立ち退きを求められる可能性がありますが、持ち家であればその心配はありません。
子どもの友人関係や通い慣れた学校を変えざるを得なくなるリスクについても、賃貸住宅に比べて低いといえます。
賃貸住宅より性能やセキュリティが高い物件が多い
賃貸住宅ではなく持ち家を購入することで、より性能やセキュリティが高い物件に住める点も魅力です。
たとえば、分譲マンションは同程度の広さの賃貸物件に比べて、グレードの高い設備や内装が施されているのが一般的です。
水回りの設備が充実していると家事を効率よくこなせますし、インターネット環境が整っていればリモートワークや子どもの学習環境も、快適に整えられるでしょう。
遮音効果の高い床材や壁材が採用されているケースも多く、騒音や振動が軽減されるため、静かな住環境を保つことも可能です。
また、分譲マンションにはオートロックやダブルロック、管理人が常駐するなどセキュリティが充実している物件も多くあります。母親が不在時でも子どもが安全に過ごせる点も持ち家の大きなメリットです。
・「防犯」に関する記事はこちら
プロに聞いた!防犯を考慮した家選びのコツ~空き巣や強盗対策~
老後の不安が減る
高齢者になると賃貸住宅が借りにくくなり「住宅難民」となる可能性があります。
賃貸物件のオーナーは、孤独死や家賃の滞納などを懸念し、単身高齢者の入居審査を厳しくする傾向があるためです。
保証人になってくれる親族がいない場合はUR賃貸住宅などを探す方法もありますが、希望のエリアに空きがあるとは限りません。
その点、持ち家を購入すると老後も住み続けられる「終の棲家」を確保できます。そのため、「住む場所を見つけられないのではないか」などと不安になることもないでしょう。
シングルマザーが家を買うデメリット
シングルマザーで家を購入する際、上記でご紹介したメリットだけでなく、デメリットもあるということを認識しておく必要があります。メリットとデメリットのバランスを考えて、慎重に検討しましょう。
ライフスタイルの変化に対応しにくくなる
シングルマザーが家を買うと、ライフスタイルの変化に対応しにくくなる可能性があります。
自分と子どもだけで暮らす予定で家を購入しても、将来的に再婚や両親との同居、子どもの独立などが起こると間取りや広さがライフスタイルと合わなくなるかもしれません。
たとえば、子どもとの2人暮らしを想定して2LDKの物件を購入したその数年後に再婚が決まったことで部屋数が足りなくなる可能性があります。
また、一度定住すると新たな住まいに移るのに大きな手間と時間がかかります。職場の変更や再婚などで引っ越しが必要になった場合、持ち家は流動性が低いため、希望するスケジュールで売却できないケースも少なくありません。
シングルマザーが住宅を購入する際には、長期的な視点でライフスタイルの変化に対応できる物件を選ぶことが重要です。
初期費用の負担が大きい
家を買う場合、仲介手数料や契約書に貼り付ける収入印紙代、登記費用などの諸費用がかかります。
住宅ローンを借りるときは、頭金の他にも融資事務手数料や保証料など金融機関が指定する諸費用も支払うため、多額の初期費用がかかり、その負担は決して小さくありません。
頭金というのは、住宅購入代金の一部を現金(自己資金)で支払うもので、一般的には購入価格の10~30%が目安です。
ローンを組む際の諸費用は、物件の種類によって異なりますが、頭金を除いて物件価格の3~10%程度です。諸費用は現金で支払うのが一般的なため、家を買う際はまとまった現金を準備する必要があります。
金融機関によっては住宅ローンに諸費用分も組み入れて借りることもできますが、借入審査や条件が厳しくなる可能性があるため、できる限り現金で用意したほうがいいでしょう。
・「住宅購入の諸費用」に関する記事はこちら
住宅購入にかかる諸費用ってどのぐらい?
維持・修繕費用がかかる
住宅を購入するとなると、どうしても毎月の住宅ローンの返済だけに意識が向きがちです。しかし他にも、固定資産税・都市計画税といった税金や、修繕・メンテナンス費といった定期的な維持費がかかるということも頭に入れておかなくてはいけません。
また、建物は年月を経るごとに老朽化していくため、将来的に設備交換や大規模な修繕が発生する可能性もあります。
まとまった出費が予想されるため、毎月の支払いとは別に、将来に備えて一定額を積み立てていくことも重要と言えるでしょう。
変動金利は金利上昇のリスクがある
変動金利型の住宅ローンを選択する場合、市場の金利に応じて返済の途中で金利が上昇するリスクがあります。
2024年にマイナス金利政策が解除されて以来、変動金利は上昇局面にあり、今後も段階的な利上げが予想されています。現在は低金利であっても、10年後や20年後の金利水準がどうなっているかは不透明です。
多くの金融機関では、金利が急上昇しても返済負担が重くなりすぎないよう、変動金利に「5年ルール」と「125%ルール」を設けています。
- 5年ルール:金利が上がっても5年間は毎月の返済額が変わらない仕組みのこと
- 125%ルール:6年目以降に返済額を上げる際も、変更前の1.25倍までしか上げない仕組みのこと
しかし、5年ルールにより毎月の返済額が変わらなくても、それに占める利息の割合が増えるため、元金の返済が進まず返済総額や支払利息が多くなります。
また、一部の金融機関は変動金利に5年ルールや125%ルールを設けていないことがあり、金利上昇時にすぐに返済額が増えるケースもあります。
・「5年ルール」に関する記事はこちら
住宅ローンの5年ルールはどう計算される?金利が上昇するとどうなる?
管理費・修繕積立金が上昇する可能性がある
分譲マンションを購入する場合、管理費と修繕積立金を支払うのが一般的です。このうち修繕積立金は、一定年数が経過するごとに段階的に値上げされる「段階増額積立方式」が採用されていることが多い傾向にあります。
将来的に、購入時よりも修繕積立金が値上がりすることで、毎月の家計が苦しくなる可能性がある点には注意が必要です。
また、建築資材や人件費の高騰による工事費用の増加などを理由に、当初の計画以上に修繕積立金が値上げされるケースやまとまった一時金が徴収されるケースもあります。
管理費についても、管理会社の委託費やマンションの維持コストの増加などで値上げされる場合があります。
住宅ローンを完済したあとも、管理費や修繕積立金は一生払い続けなければなりません。持ち家を購入する際は、途中で管理費や修繕積立金などの負担が増えても家計が苦しくならないかどうかをよく考えることが大切です。
・「マンションの管理費・修繕積立金」に関する記事はこちら
マンションの管理費の相場は?修繕積立金との違いや高い場合の理由も
修繕積立金ってどうして必要なの?相場や値上がりする理由も徹底解説
シングルマザーが家を買う適切なタイミングは40代?50代?

住宅の購入は、一生に一度の買い物と言われるほど金額が大きく、決断するタイミングに悩む方は少なくありません。そこで、ここでは家を買うタイミングを検討する際に押さえておきたいポイントを解説します。
適切なタイミングは世帯によって異なる
結論からお伝えすると、家を購入するタイミングは世帯によって異なります。
たとえば、子どもが小学校に入学するタイミングで家を買う人も多くいます。これは、入学後の転校により学校や子どもの交友関係が変わるリスクを避けるとともに、学習机や学用品を置くためのスペースなどを確保するためです。
また、中学や高校に進学する子どもに個室を与えるために、より広い間取りの家を購入する人も少なくありません。
親自身の昇進などにより安定した収入が見込めるようになったタイミングで家を購入する人もいます。
40代や50代になると、老後に備えて家を購入したいと考える人が増えてきます。子育てがひと段落し、定年退職後の生活を考える時期でもあり、一人暮らしであっても、賃貸より自分の家を持ちたいという希望が強くなるのです。
マイホームを購入するタイミングに正解はないため、自身や子どもの状況や希望、今後のライフイベントなどを踏まえて個別に判断することが大切です。
・「家を買うタイミング」に関する記事はこちら
家を買うタイミングはいつがいい?子どもの有無や年齢、離婚は影響する?
購入が早ければ長期にわたってローンを返済していける
多くの金融機関では、完済時の年齢が80歳を超えるような住宅ローンを組むことはできません。年齢を重ねるほど長期の住宅ローンを組みにくくなるため、若いうちに家を購入するのも1つの方法です。
住宅ローンの返済期間を長く取れると、月々の返済額も抑えられます。
たとえば、現在の年齢が35歳である場合、返済期間を35年に設定しても70歳には完済できる計算です。金融機関によっては、返済期間が40年を超えるローンを組むことができます。
ただし、住宅ローンには金利がかかるため、返済期間が長いと総返済額は高くなります。総返済額のみに目を向けると、返済期間を短くした方がいいということでもあるので、上手にバランスをとって計画を立てることが重要です。
インフレ・金利上昇などの市況や経済状況も考慮する
家を買うタイミングを考える際には、インフレや金利上昇など、市況や経済状況も考慮することが大切です。
近年の住宅ローンは少しずつ金利が上昇しているものの、歴史的に見れば低金利が続いており、利息を含めた総額を抑えられるため、家を買うには良いタイミングとなっています。
一方、変動金利で長期の住宅ローンを借り入れた場合、今後の社会情勢や経済動向によっては金利が上昇し、支払い総額が増加する可能性もあります。
場合によっては、ローン返済中にプランの見直しをしたり、ローンの借り換えを検討する必要もあるということを知っておきましょう。
シングルマザーで家を購入する際には、将来の収入や支出を考慮したライフプランを立てるのはもちろん、万が一のために手元に一定の資金を残しておくことも求められます。
・「金融政策」に関する記事はこちら
マイナス金利解除!住宅ローン金利や不動産価格に与える影響は?
マイホームは新築と中古どちらがおすすめ?
シングルマザー世帯には、新築よりも価格が安く資産価値が下がりにくい「中古住宅」がおすすめです。以下では、中古物件をおすすめする理由を詳しく解説します。
新築住宅は著しく高騰している
近年、新築マンションや新築戸建て住宅は価格の高騰が続いています。
これは、建設資材価格や人件費の上昇による建築コストの増加や地価の上昇による用地取得費の高騰など複数の要因が重なっているためです。
また、2024年からは住宅ローンの金利が段階的に上昇しているため、新築住宅を購入するハードルは年々上がっている状況です。
首都圏や主要都市では新築マンションの価格が年収の10倍を超える場合もあるため、単独で住宅ローンを組んでマイホームを購入することが難しいケースも少なくありません。
無理をして新築住宅を買うと、毎月の住宅ローン返済が家計を圧迫し、将来の教育費や急な出費に対応できなくなる可能性があります。
中古住宅は希望の立地と広さを両立しやすい
中古住宅であれば、新築住宅と同等の立地や広さでも価格を抑えることが可能です。
近年の建築資材高騰や人件費上昇により新築価格が高止まりした結果、需要が中古市場へ流れ、中古住宅の取引価格も上昇傾向にあります。
それでもなお、新築物件特有の「広告宣伝費」や「販売会社の利益」が上乗せされた「新築プレミアム」がない分、中古住宅は合理的な価格設定といえます。
また、新築では手の届かないような人気の駅近エリアや希望する住戸の広さも、中古住宅であれば予算内で見つかる可能性が高まります。
中古住宅を購入してリフォームやリノベーションを施し、キッチンや浴室などの水回りを新品に交換することで、新築同様の快適な家を手に入れることも可能です。
築30年以上なら取得後の減価率も小さい
一般的に中古住宅は、築30年にもなると建物部分の価値が下がり切って土地部分の価格のみで取引されることも多くなります。
首都圏における中古マンションの築年数帯ごとの平米単価からもその傾向が見て取れます。

中古マンションの平米単価は、築31〜35年がもっとも低くなり、その後は増加に転じていることが見て取れます。
築30年以上の中古住宅であれば、将来的に売却するときに購入時よりも値下がりして損をするリスクを抑えられる可能性があります。
好立地にある中古住宅であれば、資産価値が上昇することもあるため、将来的に子どもの進学や再婚などのライフイベントが発生したときに売却して対処しやすくもなるでしょう。
売却価格が住宅ローンの残債を下回る「オーバーローン」のリスクを低減する効果も期待できるため、家を買うときも築30年以上の中古住宅も候補に含めてはいかがでしょうか。
・「築年数と価格」に関する記事はこちら
マンションの築年数と価格推移の基礎知識|下落率の目安と計算方法
中古マンションを買うなら築何年がいい?築年数ごとの特徴を紹介
シングルマザーも嬉しい!家の購入で利用できる補助金・減税制度
シングルマザーが家を買う場合、減税や補助金、貸付金といった支援制度を利用する方法があります。以下で詳しく解説します。
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は、内閣府の子ども家庭庁による制度です。20歳未満の児童を扶養している母親または父親(配偶者がいないことが条件)を対象に、住宅購入にかかる資金を貸し付けてくれます。
貸付限度額は150万円です。保証人がいる場合は無利子で、住宅の建築・購入・修繕などにかかる資金を借りることが可能です。
また、転居費用として最大26万円の貸し付けも利用できるため、新居への引越しの際は利用を検討してみましょう。
さらに、自治体によってはシングルマザーがマイホームを取得する際に利用できる、助成金や補助金を設けている場合があります。各自治体のホームページや福祉担当部署で、利用可能な制度がないか確認してみるとよいでしょう。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用する人が受けられる税の優遇制度です。
2026年1月〜2030年までにマイホームに入居する場合、年末時点における住宅ローンの残高の0.7%が所得税から控除されます。所得税から引ききれない分は、控除対象の住民税から差し引かれる仕組みです。
控除期間は原則として最大13年ですが、所定の認定住宅等に該当しない中古住宅を購入する場合は最長10年となります。
※長期優良住宅、低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅
19歳未満の子がいる子育て世帯は、住宅ローン控除の借入限度額が優遇されています。借入限度額は住宅ローンの控除額を計算する際に対象となる借入額の上限です。

借入限度額が高くなると、より多くの減税を受けることができます。
認定住宅等に該当しない新築住宅は対象外であるなどの注意点はありますが、要件を満たして住宅ローン控除を受けることができれば、減税によりマイホーム購入後の家計がより楽になる可能性があります。
贈与税の非課税措置
贈与税の非課税措置は、両親や祖父母などの直系尊属から住宅を取得するための資金を贈与してもらったときに一定の金額までは贈与税が非課税となる制度です。
この非課税措置を受けられると、1年間で贈与された財産が贈与税の基礎控除額110万円に加えて以下の金額まで税金がかからなくなります。
- 省エネ性能が一定基準を満たす質の高い住宅:1,000万円
- 上記以外の一般住宅:500万円
親からの援助を受けられる場合、贈与税の非課税措置を利用して頭金を増やせれば、住宅ローンの借入額を減らして毎月の返済負担を軽くできます。
・「親からの住宅資金援助」に関する記事はこちら
住宅購入で親からの支援を受けたときの非課税措置は?各制度や注意点について解説
省エネ性能の高い住宅・省エネリフォームは補助金も充実
長期優良住宅やZEH水準住宅など、省エネ性能が高い住宅を購入したときや省エネリフォームをしたときは補助金を受けられる場合があります。
たとえば「みらいエコ住宅2026事業」は、2025年11月28日以降に基礎工事に着手した新築住宅、またはリフォーム工事に着手した既存住宅が一定の省エネ基準に該当する場合に補助金が給付される事業です。
注文住宅や新築マンションなどを取得する場合の補助額は以下の通りです。
| 対象世帯 | 対象住宅 | 補助額 ( )は特定の寒冷地域の補助額 |
|---|---|---|
| すべての世帯 | GX志向型住宅 | 110万円/戸(125万円/戸) |
| 子育て世帯 または 若者夫婦世帯 | 長期優良住宅 | 古家の除却を行う場合:95万円/戸(100万円/戸) 上記以外:75万円/戸(80万円/戸) |
| ZEH水準住宅 | 古家の除却を行う場合:55万円/戸(60万円/戸) 上記以外:35万円/戸(40万円/戸) |
18歳未満の子どもがいる子育て世帯が長期優良住宅やZEH水準住宅を取得する場合、1戸につき最大で35万〜100万円の補助金が支給されます。
長期優良住宅やZEH水準住宅よりも断熱等級などがさらに高い基準を満たすGX志向型住宅であれば、補助金の額は1戸につき110万円または125万です。
既存住宅を購入して所定のリフォーム工事をするときも、所定の要件に該当すれば1戸につき40万〜100万円を上限に補助金が支給されます。
マイホームを購入する場合、省エネ性能が一定の基準を満たし補助金の対象となる高性能な住宅も候補に含めるとよいでしょう。
まとめ
シングルマザーが家を購入するためには、少なくとも300万円の年収が必要です。また、途中で返済が苦しくならないようにするためにも、借入額は年収の25%以内に収めることをおすすめします。
家を買うことができれば、万が一のときも子どもに住処を残してあげられるでしょう。老後生活が始まる前に住宅ローンを完済できると、家計にゆとりが生まれ、より充実した余生を送りやすくなります。
ただし、家を買うとライフスタイルの変化に対応しにくくなり、維持や修繕にも一定の費用がかかるようになります。家庭の経済状況やライフプランを踏まえ、国・自治体による減税制度や補助金制度も確認してマイホームを購入すべきか慎重に検討しましょう。
この記事のポイント
- シングルマザーでも家を買うことはできますか?
シングルマザーでも住宅ローンを組むことができ、家を購入するために必要な年収はそれほど高くありません。
詳しくは「シングルマザーでも大丈夫!家を買うために必要な年収は?」をご覧ください。
- シングルマザーが家を買うメリットはありますか?
子どもに家を残すことができたり、将来的には住宅にかかる費用を抑えたりすることができます。
詳しくは「シングルマザーが家を買うメリット」をご覧ください。
- シングルマザーが家を買うタイミングはいつが良いのでしょうか?
適切なタイミングは世帯によって異なりますが、住宅ローンの支払いの観点から見ると早い方が良いでしょう。
詳しくは「シングルマザーが家を買う適切なタイミングは40代?50代?」をご覧ください。
ライターからのワンポイントアドバイス
りそな銀行の女性向け住宅ローン『凛lin』フラット35は、全期間固定金利かつ保証人不要で借り入れが可能です。変動金利型のローンに抵抗があるという方は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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