年収400万 住宅ローン
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年収400万円の住宅ローン適正額とは?手取りから考える無理のない金額

執筆者プロフィール

辻本 剛士
辻本剛士
宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー1級

1984年8月3日生まれ、神戸・辻本FP合同会社代表。大学卒業後、医薬品・医療機器会社に就職し、在職中にFP1級、CFP、宅地建物取引士に独学で合格。会社を退職後、未経験から神戸で数少ない独立型FPとして起業。現在は相談業務、執筆業務を中心に活動している。
https://kobe-okanesoudan.com/

ざっくり要約!

  • 年収400万円の人が住宅ローンを利用する場合、2500〜3200万円程度が無理なく返済できる金額
  • 年収400万円の場合、住宅ローンの年間の返済額は約80万円、毎月の返済額は約6万5,000円がひとつの目安となる

年収400万円の場合、住宅ローンが無理なく返済できる年収比率は25%が目安とされ、借入可能額は約2722万円(適用金利1.5%・35年)となります。

借入額や返済計画を適切に考えることで、年収400万円でも住宅購入は可能です。

この記事では、年収400万円の借入限度額から、無理なく返済できる借入額についてみていきます。あわせて、借入額が希望より少ない場合の対処法についても解説するため、これから住宅購入を検討している方の参考となるでしょう。

記事サマリー

年収400万円の借入限度額は?

収400万円の借入限度額

住宅ローンの借入限度額は、以下の要素から判断されることになります。

  • 商品ごとの上限額
  • 個人の上限額

住宅ローンの商品のなかには、個人の年収や状況にかかわらず借入限度額が設定されている場合があります。

住宅金融支援機構が提供しているフラット35では、借入額を100万円以上8000万円以下に設定しており、年収が高くても限度額以上の借り入れはできません。

また、住宅ローンの借入限度額の範囲内で自由に借り入れができるわけではなく、個人の年収に応じた上限額を設けている金融機関もあります。フラット35では、年収400万円を基準に以下のように設定されています。

年収400万円未満400万円以上
返済負担率30%以下35%以下
引用:【フラット35】ご利用条件|住宅金融支援機構

返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合を表したもので「年間返済額 ÷ 年収 × 100」で算出します。

返済負担率は、年収比率や返済比率とも呼ばれています。

ここでは、年収400万円の人が年収比率35%・30%で借り入れした際の限度額を、以下の条件でシミュレーションしていきましょう。

条件

適用金利:1.5%

返済期間:35年

返済方法:元利均等返済

年収比率35%の場合

年収400万円の人が年収比率35%で借り入れしたときの限度額は「約3810万円」となります。

なお、年収比率で計算される借入限度額は、金融機関から借りられる上限金額であり、必ずしも融資が受けられるわけではありません。住宅ローン審査では年収だけでなく、雇用形態や年齢、健康状態といった要素から総合的に判断されることになります。

年収比率30%の場合

年収400万円の人が年収比率30%で借り入れをした場合は「約3266万円」が限度額となります。

年収比率は、住宅ローンを提供している金融機関によって異なるので、申し込み前に確認しておくことが大切です。年収比率が高い住宅ローンを選べば、より多くの資金を準備できますが、返済の負担も大きくなることを認識しておきましょう。

年収400万円の人が無理なく返せる住宅ローンの借入額は?

年収400万円の人が無理なく返せる住宅ローンの借入額

住宅ローンを契約している人のなかには、返済ができなくなってしまう人が一定数います。

住宅金融支援機構が公表したデータによると、債権合計額に占める破綻先債権と延滞債権、3カ月以上延滞債権、貸出条件緩和債権の割合が「約2.8%」に上っており、住宅ローンを契約している100のうち約3人が返済に困っていることがわかります。

住宅ローン返済が滞ることがないように、無理なく返せる借入額を知ることが大切です。ここでは、年収400万円の人が無理なく返済できる借入金額の目安を紹介します。

「借入限度額」と「返済可能額」は異なる

金融機関から借りられる上限額である「借入限度額」は、無理なく返済できる「返済可能額」とは異なります。

返済可能額を無視して借入限度額で融資を受けた場合は、月々の返済額が大きくなることで住宅ローン返済が滞ってしまう可能性があります。返済が滞ると、ローン残高の一括返済を求められたり、住宅が競売にかけられたりすることになるので、返済できない金額を借りないようにしましょう。

・「住宅ローンが払えない」に関する記事はこちら
住宅ローンが払えないとどうなる?住めなくなる前にすべき対策8選

年収倍率はどれくらいが適正?

2024年度にフラット35で住宅ローン契約をした人の年収倍率は以下の通りです。

種別年収倍率
土地付注文住宅7.5倍
建売住宅6.7倍
注文住宅6.9倍
マンション7.0倍
中古戸建5.3倍
中古マンション5.5倍
出典:2024年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

このデータを年収400万円にあてはめると、新築住宅(土地を除く)は「400万円×7倍=2800万円」、中古住宅が「400万円×5.5倍=2200万円」を目安に借入額を設定していることがわかります。

なかには、年収倍率の8〜10倍を借入限度額に設定している金融機関があるので、借り入れをする前にどれほどの年収倍率になるのかを確認しておきましょう。

無理なく返済できる借入額の目安

無理なく返済できる借入額は、家族構成や収入額によって異なるので、年収比率を用いて計算するのが一般的です。

理想的な年収比率は「25%」といわれており、この比率を下回る借入限度額を設定するのがおすすめです。

たとえば、年収400万円の人が年収比率25%で借り入れをする場合の限度額は「約2722万円」となります(適用金利1.5%、借入期間35年)。この金額を年収倍率にすると「約6.8倍」となり、フラット35で新築住宅を購入した人の倍率とほぼ同水準となります。

一方、借入金利が0.5%の場合の借入額は3200万円程度、2%となると2500万円程度になるため、金利次第ではありますが2500〜3200万円程度が年収400万円の人が無理なく返済できる金額だと考えられます。

年収400万円の手取りから考える毎月の返済額

年収400万円の手取りから考える毎月の返済額

住宅ローンの返済負担率は、額面年収をもとに計算されることが一般的です。しかし、無理なく住宅ローンを返済するには、手取り額を基準に考えることも有効です。

額面で年収400万円の場合、税金や社会保険料が差し引かれたあとの手取りは、おおよそ310万〜320万円程度になります。

この手取りをもとに、安全な返済負担率とされる25%で計算すると、年間の返済額は約80万円、毎月の返済額は約6万5,000円がひとつの目安となるでしょう。

ただし、住宅を所有すると住宅ローンの返済だけでなく、修繕積立金や管理費、固定資産税などの支出も発生します。これらを含めたうえで、無理のない返済額かどうかを判断することが大切です。

【借入額別シミュレーション】月々の返済額

【借入額別シミュレーション】月々の返済額

ここからは、借入額2000万円から4000万円までのケースごとに、月々の返済額の目安をみていきます。住宅ローンの返済額は、借入額だけでなく金利や返済期間によっても変動するため、前提条件をそろえて比較する必要があります。

シミュレーションの条件は以下のとおりです。

  • 返済期間:35年
  • 変動金利:0.5%
  • 固定金利:1.5%
  • 返済方式:元利均等返済

実際の金利は金融機関や審査条件によって異なりますが、目安として参考にしてください。
以下で借入額ごとの返済額をみていきましょう。

借入額2,000万円

先ほどの条件に基づいてシミュレーションした場合、借入額2000万円の返済額は以下のとおりです。

金利タイプ毎月の返済額総返済額
変動金利(0.5%)51,917円21,804,939円
固定金利(1.5%)61,236円25,719,333円

年収400万円の手取りは、月額にすると約26万円前後です。

今回の返済額は手取りベースでみると返済負担率はおよそ20〜23%程度に収まっており、無理のない目安とされる25%を下回っています。

この水準であれば、家計に余裕をもたせながら進められる借入額といえます。

借入額2,500万円

借入額2,500万円でシミュレーションした場合の返済額もみていきます。

金利タイプ毎月の返済額総返済額
変動金利(0.5%)64,896円27,256,252円
固定金利(1.5%)76,546円32,149,099円

手取りベースで確認すると、返済負担率は変動金利で約25%、固定金利では約29%となります。

変動金利であれば、手取りに対して25%程度に収まる水準であり、年収400万円の方でも比較的余裕のある借入額といえるでしょう。

一方で、固定金利の場合は返済負担率がやや高くなるため、ほかの支出とのバランスを踏まえた判断が求められます。

借入額3,000万円

次は借入額3000万円でシミュレーションした場合の返済額をみていきます。

金利タイプ毎月の返済額総返済額
変動金利(0.5%)77,875円32,707,560円
固定金利(1.5%)91,855円38,579,007円

手取りベースで確認すると、返済負担率は変動金利で約30%前後、固定金利では約35%前後となります。手取りの30%を超える水準でも生活を維持することは可能ですが、突発的な支出や収入の変化があった場合には、家計状況が厳しくなる可能性があります。

そのため、必要に応じて支出の見直しなども検討しながら進めていく必要があるでしょう。

借入額3,500万円

借入額3,500万円でシミュレーションした場合の返済額についてもみていきましょう。

金利タイプ毎月の返済額総返済額
変動金利(0.5%)90,854円38,158,862円
固定金利(1.5%)107,164円45,008,901円

手取りベースで確認すると、返済負担率は変動金利で約35%、固定金利では約40%となります。手取りに対して35%を超える水準になると、毎月の支出に占める住宅ローンの割合が大きくなり、家計への影響も無視できなくなります。

そのため、あらかじめ一定の貯蓄を確保し、万一の支出増加や収入減少に備えておくことが重要です。また、状況に応じて繰上返済を活用し、将来的な返済負担の軽減も検討しておくとよいでしょう。

借入額4,000万円

最後に借入額4,000万円でシミュレーションした場合の返済額を確認します。

金利タイプ毎月の返済額総返済額
変動金利(0.5%)103,834円43,610,126円
固定金利(1.5%)122,473円51,438,816円

手取りベースで確認すると、返済負担率は変動金利で約40%、固定金利では約45%となります。この水準になると、毎月の収入に占める住宅ローンの割合が大きくなり、家計への負担も重くなりやすい状況といえます。

年収400万円の場合でも金融機関の審査に通る可能性はありますが、審査をより有利に進めるためには、ペアローンや収入合算などの活用も選択肢の一つです。

【年収400万円の住宅ローンシミュレーション】返済期間・金利で異なる返済額

【年収400万円の住宅ローンシミュレーション】返済期間・金利で異なる返済額

住宅ローンの返済額は、返済期間や金利によって大きく異なります。住宅ローンを無理なく返済するためにも、自分にあった返済期間や金利を選択することが大切です。

ここでは、年収400万円の人が年収比率25%で借り入れをした場合の総返済額を、返済期間・金利ごとに紹介します。


20年25年30年35年
0.5%約2000万円
(約97万円)
約2500万円
(約150万円)
約3000万円
(約215万円)
約3500万円
(約290万円)
1.0%約2000万円
(約188万円)
約2500万円
(約289万円)
約3000万円
(約409万円)
約3500万円
(約548万円)
1.5%約2000万円
(約273万円)
約2500万円
(約416万円)
約2999万円
(約585万円)
約3500万円
(約778万円)
※1万円未満は四捨五入

※()は利息額

月々の返済額は、年収比率で決まっているため、いずれの返済期間と金利を選択しても「約8.3万円」となります。

借入限度額と総返済額は、返済期間を伸ばすほど大きくなるので、購入物件にあわせた計画を立てることが大切です。

【固定金利】返済期間20年の場合

まずは、返済期間20年の固定金利で住宅ローンを以下の条件で契約した場合の返済額をシミュレーションします。

条件

適用金利:1.5%

返済方法:元利均等返済

年収400万円の人が金利1.5%・年収比率25%で住宅ローンを組む際は「約1727万円」が限度額になります。この金額を借り入れた場合の月々の返済額は約8.3万円、総返済額が約2000万円となります。

【固定金利】返済期間35年の場合

次に、返済期間35年の固定金利で住宅ローンを以下の条件で契約した場合の返済額をシミュレーションします。

条件

適用金利:1.5%

返済方法:元利均等返済

年収400万円の人が金利1.5%・年収比率25%で住宅ローンを組む際の限度額は「約2722万円」です。この金額を借り入れた場合の月々の返済額は約8.3万円、総返済額が約3500万円となります。

月々の返済額は、年収比率で決まっているため変動することはありませんが、返済期間を伸ばすほど借入限度額と総返済額が大きくなります。

【変動金利】返済期間20年の場合

ここでは、返済期間20年の変動金利で住宅ローンを以下の条件で契約した場合の返済額をシミュレーションします。

条件

適用金利:0.5%

返済方法:元利均等返済

年収400万円の人が金利0.5%・年収比率25%で住宅ローンを組む際の限度額は「約1903万円」です。この金額を借り入れた場合の月々の返済額は約8.3万円、総返済額が約2000万円となります。

【変動金利】返済期間35年の場合

最後は、返済期間35年の固定金利で住宅ローンを以下の条件で契約した場合の返済額をシミュレーションします。

条件

適用金利:0.5%

返済方法:元利均等返済

年収400万円の人が金利0.5%・年収比率25%で住宅ローンを組む際の限度額は「約3210万円」です。この金額を借り入れた場合の月々の返済額は約8.3万円、総返済額が約3500万円となります。

適用金利が低くなる傾向がある変動金利では、月々の返済額を変えずに借入限度額を大きくできます。ただし、借入期間中に適用金利が上がってしまうと、返済の負担が増えてしまうので注意しましょう。

年収400万円で住宅ローンの借入額が希望より少ない場合の対処法3選

年収400万円で住宅ローンの借入額が希望より少ない場合の対処法

住宅ローン審査の結果、借入できる金額が希望より少なくなるケースも珍しくありません。そのような場合は、借入額だけに頼るのではなく、ほかの方法で資金を補う必要があります。

主な対処法は次の3つです。

  • ペアローンや収入合算を検討する
  • 頭金を増やす・親族から資金援助を受ける
  • 中古住宅も視野に入れる

それぞれの対処法について詳しくみていきましょう。

1.ペアローンや収入合算を検討する

単独で希望額の借り入れが難しい場合は、ペアローンや収入合算といった方法が主な選択肢となります。いずれも世帯収入をもとに借入額を増やす方法ですが、仕組みやメリット・デメリットには違いがあります。

それぞれの特徴を以下の表にまとめました。


ペアローン収入合算
連帯保証連帯債務
特徴夫婦で別々のローン契約を契約一方が主債務者、もう一方は連帯保証人一方が主債務者、もう一方は連帯債務者
メリット・借入可能額を増やしやすい
・それぞれ住宅ローン控除を受けられる
・それぞれ団体信用生命保険に加入できる
・借入可能額を増やしやすい
・ローン契約が1本で済む
・借入可能額を増やしやすい
・それぞれ住宅ローン控除を利用できる
デメリット・諸費用が高くなる
・万一のことがあっても、残された側のローン返済が残る
・連帯保証人は住宅ローン控除や団体信用生命保険を受けられない・一方が返済不能になると、もう一方が全額を負担する
・取り扱う金融機関が少ない

このように、いずれの方法も借入可能額を増やせる点は共通していますが、契約形態や将来の返済負担のあり方が異なります。

たとえば、ペアローンは双方がそれぞれ契約するため、住宅ローン控除や団体信用生命保険の面ではメリットがありますが、契約が2本になることから諸費用が増えてしまいます。

一方、連帯債務型の場合は連帯債務者も住宅ローン控除の対象となるものの、双方が返済義務を負うため責任は重くなります。また連帯保証型については、連帯保証人は住宅ローン控除や団体信用生命保険の対象とならないため、税金や保障のメリットはほとんど受けられません。

2.頭金を増やす・親族から資金援助を受ける

希望する借入額に届かない場合は、不足分を頭金で補う方法も有効です。頭金を増やすことで審査に通りやすくなるだけでなく、以下のようなメリットも得られます。

  • 利息を抑えられる
  • 金利の優遇が受けられる可能性がある

また、両親や祖父母から資金援助を受けられる場合は有効に活用したいところです。住宅取得を目的とした資金援助については、要件を満たすことで一定額までは贈与税がかからない制度もあります。

たとえば、住宅取得等資金贈与の非課税特例であれば、一般住宅であれば500万円、省エネ等住宅の場合は1000万円までが非課税で贈与できます。

制度内容や適用条件を確認したうえで、こうした非課税制度の活用も検討するとよいでしょう。

・「住宅購入で親からの支援を受けたとき」に関する記事はこちら
住宅購入で親からの支援を受けたときの非課税措置は?各制度や注意点について解説

3.中古住宅も視野に入れる

住宅購入を検討する際は、新築だけでなく中古住宅に目を向けてみるのも選択肢の一つです。一般的に中古住宅は新築に比べて価格が抑えられている傾向にあり、同じ予算でも選択肢を広げやすくなります。

ただし、購入時の価格が予算内であっても、入居前にリフォームや修繕が必要となる場合は、別途費用が発生します。物件価格だけで判断するのではなく、リフォーム費用も含めた総額で資金計画を立てることが大切です。

また、購入前には建物の欠陥や不具合の有無についても、不動産会社と十分に確認しておく必要があるでしょう。

・「物件選びのポイント」に関する記事はこちら
マイホームは新築・中古?一戸建て・マンション?物件の選びのポイント
・「中古住宅購入」に関する記事はこちら
中古マンションは建て替え狙いで購入すべき?確認ポイントは3つ

年収400万円で住宅ローンを組むなら頭金・諸費用も重要

年収400万円で住宅ローンを組むなら頭金・諸費用も重要

住宅ローンを検討する際に、多くの方が悩むのが「頭金をどの程度用意すべきか」という点です。頭金の有無や金額によって毎月の返済負担は大きく変わります。

また、住宅購入では物件価格とは別に、各種手数料や税金などの諸費用も発生します。これらを含めて資金計画を立てることが重要です。

ここでは、住宅ローンを組むうえで押さえておきたい頭金の目安と、諸費用の内訳・金額の目安について解説します。

頭金の目安

頭金の金額については一概にどれが正解というものはありません。しかし、実際にどの程度の頭金を用意しているのかを知ることで1つの判断材料となります。

2024年度にフラット35を利用した人の頭金の割合は、以下のとおりです。

物件種別頭金割合
注文住宅18.5%
土地付注文住宅9.2%
建売住宅8.4%
マンション23.9%
中古戸建9.0%
中古マンション17.3%
出典:2024年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

このデータから、物件の種類によって頭金の割合に差があることがわかります。

建売住宅や中古戸建では頭金の割合が1割前後にとどまるケースが多い一方で、マンションや注文住宅では比較的割合が高い傾向にあります。

ただし、頭金を多く入れると手元資金が減り、将来の支出や急な出費への対応が難しくなる可能性があります。頭金と手元資金のバランスを考慮し、自身の家計に合った水準を検討することが大切です。

諸費用の内訳と目安

住宅購入時には、物件価格とは別に発生する諸費用についても把握しておくことが重要です。諸費用は物件価格の3〜9%程度が目安とされており、あらかじめ資金計画に組み込んでおく必要があります。

主な諸費用の内訳は以下のとおりです。

項目内容
手付金売買契約時に購入代金の一部として支払う(購入代金の5~10%程度)
仲介手数料不動産会社に支払う報酬(「物件価格×3.3%+6万6000円」が上限)
印紙代売買契約書やローン契約書に貼付する印紙費用
登記費用所有権移転や抵当権設定などの登記にかかる費用
事務手数料金融機関に支払う手数料
火災保険火災や自然災害に備えるための保険料

これらの費用は物件価格に含まれていないため、自己資金として別途準備する必要があります。購入後の資金不足を防ぐためにも、諸費用を含めた総額で資金計画を立てましょう。

・「住宅購入にかかる諸費用」に関する記事はこちら
住宅購入にかかる諸費用ってどのぐらい?

年収400万円なら住宅ローン控除でいくら戻る?

年収400万円,住宅ローン控除

住宅ローン控除を活用することで、所得税や住民税の負担を軽減できます。

ここでは、住宅ローン控除の仕組みと、年収400万円の場合にどの程度の控除が受けられるのかをみていきます。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、一定の条件を満たすことで、住宅ローンの年末残高の0.7%を所得税から控除できる制度です。

控除期間は最長で13年間とされており、住宅購入後の税負担を抑えることができます。

また、控除額が所得税だけでは引ききれない場合には、翌年の住民税からも一部控除される仕組みとなっています。ただし、控除額には上限が設けられており、自身が納めている所得税や住民税の額を超えて控除を受けることはできません。

控除を受けるためには、住宅購入した翌年に確定申告を行う必要があります。会社員の場合でも、初年度は確定申告が必要となり、2年目以降は勤務先の年末調整で対応することが可能です。

・「住宅ローン控除 必要書類」に関する記事はこちら
住宅ローン控除の必要書類はこれで完璧!入手時期・注意点も解説

年収400万円での控除額目安

住宅ローン控除の金額は、年収や借入額、年末時点のローン残高などによって変動します。そのため、実際にどの程度の控除が受けられるのかは、個々の条件に応じて確認する必要があります。

ここでは、年収400万円を前提に、以下の条件で控除額の目安をみていきます。

  • 年末時点のローン残高:2800万円
  • 住宅ローン控除額:19万6,000円
  • 所得税:15万円
  • 住民税:21万円

まず、住宅ローン控除は所得税から優先的に差し引かれます。このケースでは、所得税15万円が全額控除されるため、後日15万円が還付されます。その後、控除しきれなかった4万6,000円が翌年の住民税から差し引かれる仕組みです。

なお、住宅ローン控除は納めている税額を上回る控除は受けられません。納める税金が少ない場合は住宅ローン控除の恩恵を受けにくい可能性があるため、あらかじめ税額などを確認しておくと安心です。

住宅ローンを借りるときの注意点

住宅ローンを借りるときの注意点

住宅ローンを契約する際は、金利タイプのメリット・デメリットを押さえたうえでライフプランシミュレーションをすることが大切です。

ここでは、金利タイプの特徴や対策、借入額の決め方を紹介します。

金利タイプのメリット・デメリットを知る

住宅ローンの金利タイプには、以下の3種類があります。

金利タイプ特徴
全期間固定金利     借入期間中の金利が固定されている
固定金利選択型借り入れから一定期間の金利が固定されている
一定期間経過後に金利タイプを再び選択する
変動金利型借入期間中に金利が変動する

全期間固定金利は、借入期間中の金利が固定されるため、月々の返済額や総返済額が変動することがなく、返済計画が立てやすいメリットがあります。

ただし、ほかの金利タイプより適用金利が高く設定されている傾向があるので、総返済額を確認したうえで選択することが大切です。

固定金利選択型は、子育てや転職などで家計が不安定になるタイミングに月々の返済額を一定にすることができます。

一定期間が経過すると、金利タイプを再び選択しなければなりませんが、適用金利が下がれば総返済額を抑えることができます。ただし、適用金利が上がってしまうと返済計画が崩れてしまうので注意が必要です。

変動金利型は、適用金利が定期的に見直されるリスクがある一方で、ほかの金利タイプより適用金利が低く設定されている傾向があります。

借入額が大きい住宅ローンでは、適用金利を下げることで総返済額を大幅に抑えることができます。

どの金利タイプが適しているのかは、ライフイベントや金利によって異なるので、それぞれのメリット・デメリットを押さえたうえで選択していきましょう。

変動金利で借り入れる場合はリスクに備える

前述のとおり、変動金利型は借入期間中に適用金利が見直されるため、月々の返済額が変動してしまうリスクがあります。当初の金利では問題なく返済できていたとしても、適用金利の見直しによって返済が厳しくなることも考えられるでしょう。

近年は、日本銀行の金融政策の見直しなどを背景に、金利は上昇傾向にあります。今後も金利が変動する可能性があるなかで、借入時の低金利だけを前提に判断するのではなく、将来的な金利上昇も考慮しておくことが大事です。

住宅ローン返済が滞ると、一括返済や立ち退きを要求されることもあります。そのような状況を回避するためにも、変動金利型を選択する際は余裕をもった返済計画を立てましょう。

マイカーローンなどのほかの借入額を考慮する

住宅ローン審査では、申込者の年収だけでなく、ほかにどの程度の借入があるかも確認されます。

車のローンやスマートフォン端末の分割払い、クレジットカードのリボ払いなどがある場合、それらの返済も含めて「返済負担率」が計算されます。その結果、住宅ローンに充てられる余力が少ないと判断されると、希望していた借入額に届かないケースも考えられます。

そのため、事前に完済できる借入がある場合は、住宅ローンの申し込み前に整理しておくことが重要です。借入残高を減らしておくことで評価が改善され、ローン審査に通りやすくなります。

・「住宅ローン本審査」に関する記事はこちら
住宅ローンの本審査に落ちる確率はどれくらい? 落ちたらどうなるの?
・「団体信用生命保険」に関する記事はこちら
団信とは?住宅ローンとの関係や仕組みをわかりやすく解説

まとめ

年収400万円の場合、無理なく返済できる年収比率は25%が目安とされ、借入可能額は約2722万円(適用金利1.5%・35年)となります。金利が0.5%であれば借入額は3200万円程度まで広がるため、金利条件によって資金計画は大きく変わります。

もし希望する借入額に届かない場合は、ペアローンや収入合算、頭金の調整など複数の選択肢を検討することが重要です。

住宅ローンは借入可能額だけでなく、家計全体や将来の支出を踏まえて判断する必要があります。返済比率とあわせて支出を見える化し、無理のない返済計画を立てましょう。

そのうえで、信頼できる不動産会社と連携しながら進めることで、より納得のいく住まい選びにつながります。ぜひ前向きに検討してみてください。

この記事のポイント

年収400万円の人が無理なく返せる住宅ローンの借入額は?

年収400万円の人が年収比率25%で借り入れをする場合の限度額は「約2722万円」となります(適用金利1.5%、借入期間35年)。この金額を年収倍率にすると「約6.8倍」となり、フラット35で新築住宅を購入した人の倍率とほぼ同水準となります。
一方、借入金利が0.5%の場合の借入額は3200万円程度、2%となると2500万円程度になるため、金利次第ではありますが2500〜3200万円程度が年収400万円の人が無理なく返済できる金額だと考えられます。

詳しくは「年収400万円の人が無理なく返せる住宅ローンの借入額は?」をご覧ください。

年収400万円で住宅ローンの借入額が希望より少ない場合はどうする?

住宅ローン審査の結果、借入できる金額が希望より少なくなるケースも珍しくありません。そのような場合は、借入額だけに頼るのではなく、ほかの方法で資金を補う必要があります。
主な対処法は次の3つです。

  • ペアローンや収入合算を検討する
  • 頭金を増やす・親族から資金援助を受ける
  • 中古住宅も視野に入れる

詳しくは「年収400万円で住宅ローンの借入額が希望より少ない場合の対処法3選」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

辻本 剛士

年収400万円で住宅ローンを組む場合、年収比率25%を目安にすると、2722~3200万円程度の物件が一つの基準となります。しかし、この価格帯で理想の物件を見つけるのが難しく、予算の引き上げが必要となるケースもあるでしょう。
その際は毎月の支出を見直し、家計をスリム化することが重要です。必要に応じてFPなどの専門家に相談しながら、適切な資金計画を立ててください。

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