ざっくり要約!
- 持ち家がある場合、老後の生活費や国からの年金だけでなく、住宅の修繕費やリフォーム費用も考慮して必要な老後資金を試算することが重要
- 老後資金が足りない場合はリバースモーゲージや売却など自宅を活用して資金を確保する方法もある
高齢化が進み「人生100年時代」と言われる昨今、老後資金に不安を抱えている方は少なくないでしょう。
老後も持ち家に住む場合、基本的に家賃を支払う必要はありません。しかし、その一方で建物や設備の修繕・交換にかかる費用やリフォーム費用などがかかることがあります。持ち家がある場合も、計画的に老後資金を準備することが大切です。
この記事では、持ち家がある夫婦に必要な老後資金の目安や必要額の求め方、老後資金の貯め方を紹介します。
記事サマリー
夫婦に必要な老後資金の目安
高齢夫婦世帯に必要な老後資金の目安を知りたいときは、総務省統計局の家計調査を確認するのがよいでしょう。まずは、高齢夫婦世帯の平均的な収支と貯蓄の状況を解説します。
65歳以上夫婦のみ世帯の平均収入・支出
総務省統計局の家計調査によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の収支は以下のとおりです。

調査によると、夫婦高齢者無職世帯の家計では毎月34,058円の赤字が生じています。この赤字が続いた場合の不足額の目安は、以下のとおりです。
- 1年間:34,058円×12か月=40万8,696円
- 20年間(65歳〜85歳):408,696円×20年=817万3,920円
- 25年間(65歳〜90歳):408,696円×25年=1,021万7,400円
家計調査の調査結果をもとに計算すると、老後生活20年では約817万円、25年では約1,000万円以上の不足額が生じる計算です。なお、消費支出に含まれる住居費は月16,432円にとどまっています。
総務省の家計調査では、住宅ローンの返済額は消費支出に含まれません。一般的な家賃水準と比較すると毎月の住居費は低いため、65歳以上の夫婦のみの世帯の多くが持ち家に住んでいることがうかがえます。
持ち家がある世帯の平均貯蓄額・負債額
総務省の家計調査によると、持家世帯(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)の平均貯蓄現在高は1,662万円、平均負債現在高は1,215万円でした。
貯蓄現在高とは預貯金・有価証券・保険などの金融資産残高の合計を指し、負債現在高は住宅・土地のための借入残高などの合計を指します。
一方、同じ持ち家世帯でも、住宅ローンの有無によって貯蓄と負債は異なります。
- 住宅ローン返済中の世帯:貯蓄現在高1,204万円、負債現在高1,984万円
- 住宅ローン返済なしの世帯:貯蓄現在高2,169万円、負債現在高364万円
住宅ローンを返済中の世帯は、金融資産保有額が負債を下回っています。一方、返済が終わった世帯は2,000万円を超える金融資産を保有しており、負債を大きく上回っています。
高齢者のいる世帯(60歳以上の者がいる世帯)に絞ると、持ち家の保有率は94.2%、貯蓄額の平均は2,448万円です。
住宅・土地のための負債は平均152万円にとどまっているため、現役時代のうちにローンをある程度返済できている世帯が多いことが読み取れます。
※出典:総務省統計局「家計調査年報(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)結果の概要」
必要な老後資金の額を調べる方法
老後に必要な資金は世帯によって異なります。準備すべき老後資金を求める手順は以下のとおりです。
- 家計の支出を概算する
- 生活費以外の支出を把握する
- 将来もらえる年金額を把握する
- 退職金や企業年金の受給額を把握する
- 収支をもとに必要な老後資金を試算する
1.家計の支出を概算する
老後資金を試算する際は、まず夫婦2人の毎月の生活費を把握することから始めます。
クレジットカードの明細や家計簿などを確認し、食費、光熱費、通信費、保険料、車の維持費、日用品費、医療費、交際費などが毎月いくらかかっているのか書き出してみましょう。
現在の生活費を把握したら、それをもとに老後の生活費を予測します。たとえば、老後生活ではすでに子どもが独立している場合、教育費はかかりません。一方、老後は自由な時間が増えるため、娯楽や旅行などの費用は高くなる可能性があります。
家族構成や理想とする生活などを考えると老後の生活費を予測しやすくなります。イメージしにくい場合は、現役時代の生活費の70%程度を目安にするのも1つの方法です。
2.生活費以外の支出を把握する
老後に必要な資金を考える際は、毎月の生活費に加えて、まとまった金額がかかる一時的な支出も見積もるのがよいでしょう。必要額を検討する際に考慮するとよい一時的な支出には、以下のようなものがあります。
- 住宅ローンの残高
- 自宅のリフォーム費用、修繕・交換費用
- 住宅の買い替え費用
- 賃貸住宅への入居費用
- 有料老人ホームの入居費用
- 子や孫への援助資金
- 葬儀費用や遺品の整理費用 など
たとえば、住宅ローンの残高が400万円、戸建て修繕費用500万円、有料老人ホーム入居関連300万円、葬儀費用200万円と見込む場合、一時支出の合計は1,400万円です。
特に、持ち家の場合は修繕費用やリフォーム費用なども考慮することが大切です。自宅の修繕費用やリフォーム費用は施工箇所や規模などで異なります。
部分的な修繕・改修・交換であれば数十万〜100万円前後で済むケースもありますが、工事の規模が大きい場合は300万〜500万円ほどかかることもあります。
自宅を全面改装するフルリフォームを行うと、1,000万円前後の費用がかかることもあるため、老後も持ち家に住む場合は計画的に資金を準備しておきましょう。
・「リフォーム・リノベーション費用」に関する記事はこちら
リノベーション費用の相場とは?マンション・戸建てでどう変わる?
マンションのリフォーム費用はどのくらい?注意点や補助金も紹介
3.将来もらえる年金額を把握する
日本の公的年金には、国民年金と厚生年金の2種類があります。国民年金は原則として20歳以上60歳未満のすべての方が加入する制度で、加入者は原則65歳から老齢基礎年金を受け取れます。
厚生年金は会社員や公務員などが加入する制度です。厚生年金に加入している期間があると、原則65歳から老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金も受け取れます。
老後に受け取る年金の受給額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。
ねんきん定期便は、毎年誕生日月に日本年金機構から届く、年金の記録がまとめられたお知らせです。50歳以上の方は、将来的に受給できる年金の見込み額が記載されています。
50歳未満の方は年金見込額ではなくこれまでの加入実績に応じた年金額が記載されるため、ねんきんネットも活用しましょう。
ねんきんネットは、年金記録の確認や将来の年金見込額を調べられるインターネットサービスです。将来的に受給できる年金額を試算することも可能です。
4.退職金や企業年金の受給額を把握する
国から支給される老齢年金だけでなく、退職金、企業年金(確定給付企業年金や企業型確定拠出年金など)も老後生活を送るうえで欠かせない資金源となります。
老後資金を準備する際は、就業規則や退職金規程、企業年金の加入者向け通知などで将来的に受け取れる見込み額を把握しましょう。
5.収支をもとに必要な老後資金を試算する
上記で試算した支出・収入をもとに、必要な老後資金を試算しましょう。計算式は以下のとおりです。
- 老後の必要資金額=(毎月の支出−毎月の収入)×想定される老後生活の月数+生活費以外の支出−退職金・企業年金等の総額
老後の期間は、65歳〜90歳の25年間(300か月)や65歳〜95歳の30年間(360か月)などと想定して試算するとよいでしょう。毎月の支出は「生活する上で最低限必要な金額」だけでなく「ゆとりのある生活を送れる金額」を用いて試算することもおすすめします。
ゆとりのある生活を送れる金額(ゆとりある老後生活費)とは、最低日常生活費に旅行やレジャー、趣味などの費用を上乗せした金額を指します。
生命保険文化センターの調査(2025年度)によると、夫婦2人の老後にかかる生活費の目安は以下のとおりです。
- 最低日常生活費:月23.9万円
- ゆとりある老後生活費:月39.1万円(上乗せ分15.2万円)
※出典:一般財団法人生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」
たとえば、ゆとりある老後生活を送るために必要な生活費が月40万円、年金の手取りが月22万円である場合、毎月の不足額は18万円です。老後25年間(300か月)で計算すると、生活費の不足額は5,400万円となります。
住宅の修繕費用を300万円、退職金500万円と想定すると、追加で準備したい金額は「5,400万円+300万円-500万円=5,200万円」と試算できます。
老後資金を準備し始めるタイミング
公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、老後のために何らかの私的準備をしている割合は全体で70.8%でした。男性と女性の年代別の内訳は以下のとおりです。

男性の場合、40代以降は約7割の方が備えをしているという結果でした。また、女性の場合30代以降の7割以上の方が老後に備えていると回答しています。
子どもの教育費など計画以上にお金が必要になるケースもあり、老後まで毎月同じように貯蓄や資産運用ができるとは限りません。そのため、早くから備えるに越したことはないでしょう。
なお、老後資金に備える手段は、「預貯金」51.9%と最も多く、「個人年金保険・変額個人年金保険や生命保険」が42.7%で次いで多い結果でした。
※出典:一般財団法人生命保険文化センター 「2025(令和7)年度「生活保障に関する調査」(2026年1月発行)」
老後資金の貯め方

老後資金への備えはなるべく早くから行いたいものですが、どのように準備をすれば良いのでしょうか。
ここからは、老後資金の貯め方を紹介します。
- 健康であるうちは働く
- 家計を見直す
- 資産運用を行う
健康であるうちは働く
長く働くほど、老後生活に必要なお金を多く用意できます。定年後も、健康であるうちは働き続けることを検討しましょう。
なお、年金を受けながら働き続ける場合、一定の収入を超えると年金が減額されるため、注意が必要です。
老後の収入が増えれば、年金の繰下げ受給も検討できます。繰下げ受給とは、年金を65歳で受け取らず、66~75歳の間に繰り下げて受け取れる制度です。
年金の受け取り開始を繰り下げれば、繰り下げた月数×0.7%分年金が増額されるため、老後の収入を増やせます。
これまでは70歳までしか繰り下げられませんでしたが、2022年4月より75歳までに延長されています。
家計を見直す
家計を見直して、支出を減らすことも大切です。
変動費をいきなり大きく減らすのは簡単ではありませんが、毎月必ず発生する固定費を節約できれば、継続的に支出を軽減できます。以下のような見直しを行いましょう。
- 従来の携帯電話から格安SIM会社へ変更
- 電力会社やガス会社の乗り換え
- 家賃が安い物件への引越し
- 住宅ローンの借り換え
- 保険の見直し など
資産運用を行う
日本は長い間超低金利が続いており、預金だけで資産を増やすのは難しい状況です。資産運用を行うことも検討しましょう。たとえば、以下のような方法があります。
- 個人年金保険
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- NISA
個人年金保険
個人年金保険は、公的年金では足りない部分をまかなうために加入する私的年金保険です。一定の年齢まで保険料を払い込み、その後一定期間にわたり年金が受け取れます。
保険料を自動引き落としにできるため、貯蓄が苦手な方も備えやすいのが特徴です。また、払い込んだ保険料は条件を満たせば個人年金保険料控除の対象になるため、税負担を軽減する効果も期待できます。
ただし、途中解約すると払い込んだ保険料を下回る可能性がある点には注意が必要です。長期間使う予定のない資金で加入しましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、公的年金の上乗せとして受け取れる私的年金制度です。掛金を拠出して運用を自分で行い、将来年金として給付が受けられます。
掛金は毎月最低5,000円から拠出できます。拠出できる上限額は、加入している年金区分により異なります。
iDeCoの特徴は、掛金が全額所得控除される、運用益が非課税になるなど、税制上のメリットが大きいことです。
なかには元本が保証されている商品もありますが、投資信託で運用する場合は、元本を下回る可能性もあります。原則として60歳になるまで引き出しができない点にも注意が必要です。
NISA
NISAは、投資信託や株式などの運用で得られる分配金や譲渡益が非課税になる制度です。2024年からは制度が改正され「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を併用できる新しいNISAが始まっています。
つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円まで投資でき、合計で年間360万円まで非課税で運用できます。非課税期間は無期限で、生涯の投資枠は合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。
つみたて投資枠では、手数料が低いなど一定の基準を満たした投資信託が対象となるため、投資初心者でも始めやすいのが特徴です。
なお、投資信託や株式は預金とは異なり、価格の変動により元本を下回る可能性がある点には注意が必要です。
持ち家を活用して資金確保する方法もある
持ち家を活用して老後資金を確保する方法には「リバースモーゲージ」「リースバック」「賃貸活用」「売却」の主に4種類があります。それぞれのメリットとデメリットは以下のとおりです。
| 項目 | リバースモーゲージ | リースバック | 賃貸 | 売却 |
|---|---|---|---|---|
| メリット | ・自宅に住み続けながら資金を受け取れる ・生前の返済負担を抑えやすい | ・自宅に住みながら用途に制限がないまとまった資金を得られる ・固定資産税や修繕積立金などの負担がなくなる | ・家を手放さず家賃収入を得られる ・将来的に売却や再入居をすることも可能 | ・相場と同程度の価格で売却できる可能性がある ・ライフスタイルに合わせた住み替えができる |
| デメリット | ・家族に家を相続しにくくなる ・途中で金利が上昇して返済負担が増える可能性がある | ・通常の売却より売却価格が低くなることがある ・家賃が周辺相場より高く設定される傾向にある | ・空室リスクがある ・修繕や管理の手間 ・費用がかかる | ・転居が必要になる ・引き渡し後に家を取り戻すことはできない |
ここでは、自宅を活用して資金を確保する方法について解説します。
リバースモーゲージを利用する
リバースモーゲージは、自宅を担保に借り入れができる商品です。自宅に住み続けながら毎月利息を返済し、亡くなったときに元金を返済するのが一般的です。
リバースモーゲージであれば、住み慣れた自宅を手放すことなくまとまった資金を受け取れます。契約者が亡くなるまでは基本的に毎月利息のみを返済する商品が多いため、返済負担を抑えられます。
ただし、契約者が亡くなったときに自宅を売却して借入金を完済する場合、家族に自宅を残せません。また、金利が上昇すると利息の支払い額が増える可能性があります。
・「リバースモーゲージ」に関する記事はこちら
リバースモーゲージとは?基礎知識やメリット・デメリットなどを解説!
リースバックを利用する
リースバックとは、自宅を売って現金化し、買主と賃貸借契約を結ぶことで、そのまま住み続けられる商品のことです。
自宅の所有権は事業者へ移りますが、契約期間中はそのまま暮らせるため、まとまった現金を確保したいものの引越しは避けたい夫婦に向いているといえます。
メリットとしてまず挙げられるのは、売却代金を一括で受け取れ、使い道に制限がないことです。また、売却後は固定資産税や修繕積立金などを負担する必要がなくなるため、毎月の支出を減らしやすくなります。
ただし、売却価格は通常の売却に比べて低い傾向にあります。加えて、自宅に住み続けるためには、基本的に家賃を支払わなければなりません。
・「リースバック」に関する記事はこちら
リースバックの仕組みとは?メリットやデメリット、実際の取引の流れもわかりやすく解説

売ったあとも、そのまま住める「リースバック」
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賃貸に出す
自宅を第三者に貸して、毎月の家賃収入を得る方法です。家を手放さずに収入源を増やせるため、将来的にまた自宅に戻る可能性がある方や、家族への相続を考えている方に向いた方法といえます。
また、所有権を手放さないため、将来的に売却や再入居をすることも可能です。
しかし、空室や家賃の滞納が生じると、その間は賃料収入は得られません。入居者募集や修繕対応などの管理に手間や費用がかかります。
売却する
今の家に住み続けることにこだわりがない場合は、売却するのも1つの方法です。通常の不動産売却であれば、売却価格が相場と同程度か、あるいはそれ以上になることもあるため、リースバックよりも多くの資金を確保できる可能性があります。
また、売却時点のライフスタイルにあわせて住み替えられる点もメリットです。
たとえば、子どもが全員独立して広すぎる家に夫婦2人で暮らしている場合、売却してより使いやすい広さと間取りがある住居に住み替えることができます。
・「老後の住み替え」に関する記事はこちら
老後の住み替えに潜む恐ろしい罠がある?リスクや回避策を紹介
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必要な老後資金をシミュレーションするときの注意点
必要な老後資金をシミュレーションする際は、以下の点に注意しましょう。
- インフレ傾向にあることを考慮する
- 想定以上の医療・介護費用がかかる可能性がある
- 持ち家の資産価値が下がる可能性がある
インフレ傾向にあることを考慮する
インフレとは、物やサービスの値段が上がることです。
近年の日本ではインフレが続いています。総務省統計局によると、2025年平均の消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合は前年と比較し、3.1%の上昇となりました。これは、2025年の物価が2024年と比較して3%以上増えていることを意味します。
※出典:総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)12月分及び2025年(令和7年)平均」
インフレが起こると、食費、光熱費、日用品費などが上昇して生活費の負担が重くなる可能性があります。また、持ち家の修繕費やリフォーム費用などが増加して当初予定していた資金ではまかなえなくなるかもしれません。
準備すべき老後資金を検討する際は、物価が年間で2〜3%上昇するケースも想定して不足額を計算するとよいでしょう。
とはいえ、物価の上昇を織り込んで老後資金を試算するためには専門知識が求められるため、ファイナンシャルプランナーの資格を持った専門家に相談することをおすすめします。

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想定以上の医療・介護費用がかかる可能性がある
一般的に高齢になると、病気やケガのリスクが高まるため、老後生活では医療費や介護費用の自己負担が重くなる場合があります。
日本では公的医療保険への加入が義務づけられているため、医療機関での治療費は原則として1〜3割の自己負担で済みます。また、ひと月あたりの自己負担額が上限を超えた場合は、高額療養費制度を利用すると超過分の払い戻しを受けることが可能です。
40歳以上の方は「公的介護保険」にも加入するため、介護が必要になったときは要介護認定を受けることで、訪問看護や訪問介護などの介護サービスを原則1〜3割の負担で利用できます。
一方、入院中の食費や差額ベッド代(個室や少人数の病室を希望した際にかかる費用)、先進医療(厚生労働大臣が定めた高度な医療技術を用いた治療)の技術料などは公的医療保険の対象外です。
公的介護保険については、介護が必要な度合いに応じた支給限度額が定められており、それを超えた分は全額自己負担となります。
公的医療保険や公的介護保険の給付を受けても、医療費や介護費の自己負担が重くなるケースはあります。医療や介護に備えた資金を準備する、あるいは民間の保険会社が取り扱う医療保険や介護保険に加入するなどして不測の事態に備えることが重要です。
持ち家の資産価値が下がる可能性がある
売却やリバースモーゲージ、リースバックなどを活用する可能性がある場合は、自宅の資産価値が将来的に下がる前提で計画を立てておきましょう。
建物や設備は年数が経つほど劣化するため、住宅の資産価値は少しずつ下がっていくのが一般的です。また、景気の変動やエリアの人口減少など、所有者自身ではコントロールできない要因でも価格は変わります。
とくに人口の減少が見こまれるエリアでは、買い手がつきにくく売却額が大きく下がることもあります。そのため、将来的に売却やリースバックなどを用いて必要な資金を確保することが難しくなるかもしれません。
住宅の売買実績が豊富な不動産会社やファイナンシャルプランナーなどにも相談し、自宅の査定額と今後の価格推移も考慮して資金計画を立てましょう。
持ち家がある世帯の老後資金に関するよくある質問
最後に、持ち家がある夫婦の老後資金について、読者から寄せられることの多い質問に回答します。
Q.持ち家がある夫婦の老後資金はいくら必要?
必要額は世帯ごとに異なります。年金の受給見込額、毎月の生活費、住宅ローンの残高、持ち家の修繕費、退職金の支給額など、複数の要素を踏まえて自身にとって必要な金額を算出しましょう。
Q.70代の平均貯蓄額は?
総務省の家計調査によると、二人以上の世帯で世帯主が70歳以上の貯蓄現在高は平均2,441万円です。内訳は、以下のとおりです。
- 定期性預貯金(定期預金、定期積金など):822万円
- 通貨性預貯金(普通預金など):779万円
- 有価証券:462万円
- 生命保険など:372万円
- 金融機関外(社内預金・勤務先の共済組合など):6万円
※出典:総務省統計局「家計調査年報(貯蓄・負債編)2024年(令和6年)結果の概要」
Q.老後資金2,000万円は本当に必要?
すべての世帯に2,000万円の老後資金が必要なわけではありません。
そもそも2,000万円という金額は、2019年に金融庁の市場ワーキング・グループ報告書で示された試算がもとになっています。
この報告書には、65歳以上の夫婦のみ無職世帯では毎月約5万円の赤字が生じており、それが30年続く場合は約2,000万円の金融資産を取り崩す必要があると記載されています。
しかし、これはあくまで高齢夫婦無職世帯の平均的な家計収支をもとに算出された金額にすぎず、また有料老人ホームの入居費用や住宅のリフォーム費用なども含まれていません。
Q.老後資金の準備はいつから始めるべき? など
40代には本格的に老後資金の準備を始めるのがよいでしょう。結婚や出産、マイホーム購入などのライフイベントをひと通り経験し、定年までの働き方や収入の見通しも立てやすくなっていることが多いため、計画的に老後資金の準備を始められる可能性があります。
一方、20代や30代の時点で少しずつ準備を始めるのも1つの方法です。準備期間を長く設けられると、より少ない積立額で必要な資金を準備できます。
早いうちから老後資金を準備しよう
夫婦に必要な老後資金は世帯により異なりますが、大きな金額であることに変わりはありません。個人年金保険やiDeCo、NISAなども活用して、早いうちから備えましょう。
また、持ち家がある夫婦世帯の場合、毎月の生活費に加えて、住宅の修繕費やリフォーム費用といった一時的な支出も含めて必要額を試算することが大切です。
老後資金が不足しそうなときは、リバースモーゲージや売却など自宅を活用して資金を確保する方法も検討するとよいでしょう。
この記事のポイント
- 持ち家がある夫婦に必要な老後資金はいくら?
持ち家世帯でも、住宅の修繕費・リフォーム費用などの一時的な支出を含めて試算することが重要です。総務省の家計調査によると、65歳以上の夫婦のみ無職世帯では毎月約3.4万円の赤字が生じており、老後20年で約817万円、25年で約1,000万円以上の不足が見込まれます。
詳しくは「夫婦に必要な老後資金の目安」をご確認ください。
- 老後資金はどうやって貯める?
老後資金の準備方法には、健康なうちは働き続けること、家計の固定費見直し、個人年金保険・iDeCo・NISAを活用した資産運用などがあります。
詳しくは「老後資金の貯め方」をご確認ください。
- 持ち家を活用して老後資金を確保する方法は?
老後資金が不足する場合、リバースモーゲージ・リースバック・賃貸活用・売却といった自宅を活用した資金確保の方法があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、自身の状況に合った方法を検討しましょう。
詳しくは「持ち家を活用して資金確保する方法もある」をご覧ください。


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